会社法 / テーマ別まとめ

吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続/株式会社の手続

株式会社の手続の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

吸収合併消滅会社、吸収分割会社、株式交換完全子会社(条文上「消滅株式会社等」)が吸収合併等を行う際に踏む一連の手続を整理しています。書面等の備置き・閲覧から株主総会等の承認、株主の差止請求、株式・新株予約権の買取請求、債権者異議手続、効力発生日の変更、事後の備置き・閲覧までを条文に沿って確認できます。

株式会社の手続
手続対象・要件期限条文
書面等の備置閲覧株主・債権者等が閲覧等を請求可備置開始日~効力発生後6か月782
株主総会の承認原則、株主総会の決議で承認効力発生日の前日まで783
総株主の同意対価が持分等の場合に必要効力発生日の前日まで783
種類株主総会の決議対価が譲渡制限株式等の場合―783
持分等交付の同意対価が持分等の場合、全員同意―783
略式手続(承認省略)存続会社等が特別支配会社―784
簡易手続(承認省略)承継資産が総資産の5分の1以下―784
差止請求法令定款違反・著しく不当な場合効力発生日前784の2
株式買取請求反対株主が公正な価格で請求20日前~前日785
株式価格の決定協議不調なら裁判所へ申立て効力発生後30日+満了後30日以内786
新株予約権買取請求対象新株予約権者が請求可20日前~前日787
新株予約権価格の決定協議不調なら裁判所へ申立て効力発生後30日+満了後30日以内788
債権者異議官報公告+知れている債権者催告異議は1か月を下回れない789
効力発生日の変更存続会社等との合意で変更可変更前日までに公告790
事後の備置閲覧承継事項等を記載した書面を備置効力発生日から6か月間791
剰余金配当等の特則簡易分割時の株式取得等は適用除外―792
  • 消滅会社の事前備置きは効力発生日まで、存続会社等側は効力発生日後6か月経過日までと期間が異なる(782条1項)
  • 総株主の同意・持分等交付の同意は非種類株式発行会社か種類株式発行会社かで扱いが異なる(783条2項・4項)
  • 略式手続は対価に譲渡制限株式等を含み消滅会社が公開会社かつ非種類株式発行会社の場合は適用されない(784条1項ただし書)
  • 簡易手続の5分の1基準は、定款でこれを下回る割合を定めた場合はその割合による(784条2項)
  • 官報以外の定款所定の公告方法による場合、個別の催告を省略できる場合がある(789条3項)
  • 吸収合併等を中止したときは株式買取請求・新株予約権買取請求は効力を失う(785条8項、787条9項)
1

株式会社の手続

株式会社の手続について、条文は何を定めているか。

第782条吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等契約内容等を本店に備え置き閲覧させる3項・12号判例なし
  • 備置期間は備置開始日から効力発生日後6か月(消滅会社は効力発生日)まで
  • 株主・債権者(株式交換は新株予約権者)は営業時間内いつでも閲覧等を請求できる
  • 謄本交付等の請求には会社が定めた費用がかかる
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第783条吸収合併契約等の承認等効力発生日の前日までに株主総会で承認6項判例なし
  • 原則として株主総会の決議による承認が必要
  • 対価が持分等のみで非種類株式発行会社なら総株主の同意が必要
  • 対価に譲渡制限株式等を含む種類株式発行会社は種類株主総会の決議も必要
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第784条吸収合併契約等の承認を要しない場合特別支配会社が相手なら承認を省略できる2項判例なし
  • 存続会社等が消滅会社等の特別支配会社なら株主総会決議は不要
  • 対価に譲渡制限株式等を含み消滅会社が公開会社かつ非種類株式発行会社なら適用外
  • 承継資産の帳簿価額が総資産額の5分の1以下の吸収分割も承認不要
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第784_2条吸収合併等をやめることの請求株主が吸収合併等の差止めを請求できる1項・2号判例なし
  • 吸収合併等が法令または定款に違反する場合に請求できる
  • 略式手続の場合、対価等の定めが著しく不当なときも請求できる
  • 簡易手続(784条2項〈吸収合併契約等の承認を要しない場合〉の場合)には差止請求できない
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第785条反対株主の株式買取請求反対株主は株式を公正な価格で買い取らせられる9項・6号判例 4件
  • 総株主同意が必要な場合等を除き反対株主は買取請求できる
  • 会社は効力発生日の20日前までに合併等をする旨等を通知(公開会社等は公告で可)
  • 買取請求は効力発生日の20日前から前日までに株式数を明らかにして行う
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第786条株式の価格の決定等価格の協議が調わなければ裁判所に申し立てる7項判例 3件
  • 協議が調えば効力発生日から60日以内に支払う
  • 効力発生日から30日以内に協議が調わなければ満了後30日以内に申立て可能
  • 60日以内に申立てがなければ株主はいつでも請求を撤回できる
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第787条新株予約権買取請求新株予約権者も公正な価格での買取請求ができる10項・6号判例なし
  • 新株予約権付社債の場合は社債も併せて買取請求する
  • 会社は効力発生日の20日前までに通知(公告で代替可)
  • 請求は効力発生日の20日前から前日までに内容・数を明らかにして行う
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第788条新株予約権の価格の決定等新株予約権の価格決定も裁判所に申立て可能8項判例なし
  • 協議が調えば効力発生日から60日以内に支払う
  • 効力発生日から30日以内に協議不調なら満了後30日以内に申立て可能
  • 60日以内に申立てがなければ新株予約権者はいつでも撤回できる
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第789条債権者の異議債権者は吸収合併等に異議を述べられる5項・7号判例 1件
  • 異議申述期間は1か月を下回ることができない
  • 官報公告と知れている債権者への各別の催告が必要
  • 異議を述べた債権者には弁済・担保提供・信託等の措置が必要
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第790条吸収合併等の効力発生日の変更効力発生日は存続会社等との合意で変更できる3項判例なし
  • 変更前の効力発生日の前日までに変更後の日を公告する
  • 変更後の効力発生日を効力発生日とみなして各規定を適用する
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第791条吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等効力発生後に承継事項等を備え置き閲覧させる4項・6号判例なし
  • 効力発生日後遅滞なく承継した権利義務等を記載した書面等を作成
  • 効力発生日から6か月間、本店に備え置く
  • 株主・債権者等は営業時間内いつでも閲覧等を請求できる
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第792条剰余金の配当等に関する特則簡易分割の株式取得・配当は分配規制の対象外1項・2号判例なし
  • 簡易分割による株式取得と剰余金配当には分配可能額規制等を適用しない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第785条会社法

非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことの可否

裁判要旨非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年3月26日 平成26(許)39
登載
民集 第69巻2号365頁
参照法条
会社法785条1項,会社法786条2項
論点2第785条会社法

吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義

裁判要旨会社法782条1項〈吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等〉所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいう。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月26日 平成22(許)47
登載
集民 第236号519頁
参照法条
会社法785条1項,会社法786条2項
論点3第785条会社法

1 吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義
2 株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格を算定するに当たって参照すべき市場株価として,同日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることが,裁判所の裁量の範囲内にあるとされる場合

裁判要旨1 会社法782条1項〈吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等〉所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいう。
2 会社法782条1項所定の吸収合併等により企業価値が増加も毀損もしないため,当該吸収合併等が同項所定の消滅株式会社等の株式の価値に変動をもたらすものではなかった場合には,株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格を算定するに当たって参照すべき市場株価として,同日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることは,当該事案の事情を踏まえた裁判所の合理的な裁量の範囲内にある。
(1につき,補足意見及び意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月19日 平成22(許)30
登載
民集 第65巻3号1311頁
参照法条
(1,2につき)会社法785条1項,会社法786条2項
論点4第785条会社法

吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って上記会社に対して委任状を送付したことが会社法785条2項1号イ〈反対株主の株式買取請求 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)〉にいう吸収合併等に反対する旨の通知に当たるとされた事例

裁判要旨吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って当該吸収合併に反対する旨の議決権の代理行使を第三者に委任することを内容とする委任状を上記会社に送付した場合において、次の⑴及び⑵の事実関係の下では、上記株主が上記会社に対して上記委任状を送付したことは、会社法785条2項1号イ〈反対株主の株式買取請求 イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)〉にいう、吸収合併等をするための株主総会に先立って消滅株式会社等に対してされる当該吸収合併等に反対する旨の通知に当たる。
⑴ 上記吸収合併消滅株式会社は、上記株主に対し、宛先を自社とし、「賛」又は「否」のいずれかに〇印を付けて吸収合併契約の承認に係る議案に対する賛否を記載する欄を設けた委任状用紙を送付して、議決権の代理行使を勧誘した。
⑵ 上記株主は、上記勧誘に応じて、上記欄の「否」に〇印を付けて上記委任状を作成し、これを上記吸収合併消滅株式会社に対して返送した。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和5年10月26日 令和4(許)11
登載
民集 第77巻7号1860頁
参照法条
会社法785条2項1号イ
論点5第789条会社法

賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人は違約金を請求することができるなどの定めのある賃貸借契約において,当該賃借人が吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位を承継させた場合に,当該賃借人が上記吸収分割がされたことを理由に上記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することが信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨賃借人Yが契約当事者を実質的に変更したときは賃貸人Xは契約を解除し違約金を請求することができる旨の定めのある建物の賃貸借契約において,Yが吸収分割の後は責任を負わないものとする吸収分割により契約当事者の地位をAに承継させた場合に,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,Yが,上記賃貸借契約を解除したXに対し,上記吸収分割がされたことを理由に上記定めに基づく違約金債権に係る債務を負わないと主張することは,信義則に反して許されず,Xは,上記吸収分割の後も,Yに対して同債務の履行を請求することができる。
(1) Xは長期にわたってYに上記建物を賃貸しその賃料によって上記建物の建築費用を回収することを予定していたと解され,Xが上記定めを設けたのは賃借人の変更による不利益を回避することを意図していたものといえ,YもXの上記のような意図を理解した上で上記賃貸借契約を締結したものといえる。
(2) Aは,上記吸収分割の前の資本金が100万円であって,上記吸収分割によって上記違約金債権の額を大幅に下回る額の資産しかYから承継しておらず,同債権に係る債務の支払能力を欠くことが明らかである。
(3) Xは,上記違約金債権を有しているとして,Yに対し,上記吸収分割について会社法789条1項2号の規定による異議を述べることができたとは解されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 平成29(許)10
登載
民集 第71巻10号2592頁
参照法条
民法1条2項,会社法759条1項,会社法789条1項2号

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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第782条(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等) 詳細ページ
(吸収合併契約等に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第七百八十二条次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
一吸収合併消滅株式会社吸収合併契約
二吸収分割株式会社吸収分割契約
三株式交換完全子会社株式交換契約
2前項に規定する「吸収合併契約等備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
一吸収合併契約等について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
二第七百八十五条第三項の規定による通知を受けるべき株主があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日
三第七百八十七条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日
四第七百八十九条の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日
五前各号に規定する場合以外の場合には、吸収分割契約又は株式交換契約の締結の日から二週間を経過した日
3消滅株式会社等の株主及び債権者(株式交換完全子会社にあっては、株主及び新株予約権者)は、消滅株式会社等に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該消滅株式会社等の定めた費用を支払わなければならない。
一第一項の書面の閲覧の請求
二第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって消滅株式会社等の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
会社法 第783条(吸収合併契約等の承認等) 詳細ページ
(吸収合併契約等の承認等)
第七百八十三条消滅株式会社等は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約等の承認を受けなければならない。
2前項の規定にかかわらず、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社でない場合において、吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等(以下この条及び次条第一項において「合併対価等」という。)の全部又は一部が持分等(持分会社の持分その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)であるときは、吸収合併契約又は株式交換契約について吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社の総株主の同意を得なければならない。
3吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等(譲渡制限株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。
4吸収合併消滅株式会社又は株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において、合併対価等の全部又は一部が持分等であるときは、吸収合併又は株式交換は、当該持分等の割当てを受ける種類の株主の全員の同意がなければ、その効力を生じない。
5消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者(次条第二項に規定する場合における登録株式質権者を除く。)及び第七百八十七条第三項各号に定める新株予約権の登録新株予約権質権者に対し、吸収合併等をする旨を通知しなければならない。
6前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
会社法 第784条(吸収合併契約等の承認を要しない場合) 詳細ページ
(吸収合併契約等の承認を要しない場合)
第七百八十四条前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。
2前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。
会社法 第784_2条(吸収合併等をやめることの請求) 詳細ページ
(吸収合併等をやめることの請求)
第七百八十四条の二次に掲げる場合において、消滅株式会社等の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、消滅株式会社等の株主は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等をやめることを請求することができる。ただし、前条第二項に規定する場合は、この限りでない。
一当該吸収合併等が法令又は定款に違反する場合
二前条第一項本文に規定する場合において、第七百四十九条第一項第二号若しくは第三号、第七百五十一条第一項第三号若しくは第四号、第七百五十八条第四号、第七百六十条第四号若しくは第五号、第七百六十八条第一項第二号若しくは第三号又は第七百七十条第一項第三号若しくは第四号に掲げる事項が消滅株式会社等又は存続会社等の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当であるとき。
会社法 第785条(反対株主の株式買取請求) 詳細ページ
(反対株主の株式買取請求)
第七百八十五条吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一第七百八十三条第二項に規定する場合
二第七百八十四条第二項に規定する場合
2前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。
一吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合次に掲げる株主
イ当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
ロ当該株主総会において議決権を行使することができない株主
二前号に規定する場合以外の場合全ての株主(第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)
3消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、その株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主及び第七百八十四条第一項本文に規定する場合における当該特別支配会社を除く。)に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。ただし、第一項各号に掲げる場合は、この限りでない。
4次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
一消滅株式会社等が公開会社である場合
二消滅株式会社等が第七百八十三条第一項の株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合
5第一項の規定による請求(以下この目において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
6株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、消滅株式会社等に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。
7株式買取請求をした株主は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。
8吸収合併等を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。
9第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。
会社法 第786条(株式の価格の決定等) 詳細ページ
(株式の価格の決定等)
第七百八十六条株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
2株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。
4消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。
6株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。
7株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。
会社法 第787条(新株予約権買取請求) 詳細ページ
(新株予約権買取請求)
第七百八十七条次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一吸収合併第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
二吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。)次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
イ吸収分割契約新株予約権
ロ吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの
三株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。)次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
イ株式交換契約新株予約権
ロ株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの
2新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者は、前項の規定による請求(以下この目において「新株予約権買取請求」という。)をするときは、併せて、新株予約権付社債についての社債を買い取ることを請求しなければならない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権について別段の定めがある場合は、この限りでない。
3次の各号に掲げる消滅株式会社等は、効力発生日の二十日前までに、当該各号に定める新株予約権の新株予約権者に対し、吸収合併等をする旨並びに存続会社等の商号及び住所を通知しなければならない。
一吸収合併消滅株式会社全部の新株予約権
二吸収分割承継会社が株式会社である場合における吸収分割株式会社次に掲げる新株予約権
イ吸収分割契約新株予約権
ロ吸収分割契約新株予約権以外の新株予約権であって、吸収分割をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの
三株式交換完全親会社が株式会社である場合における株式交換完全子会社次に掲げる新株予約権
イ株式交換契約新株予約権
ロ株式交換契約新株予約権以外の新株予約権であって、株式交換をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの
4前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
5新株予約権買取請求は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の内容及び数を明らかにしてしなければならない。
6新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権証券を提出しなければならない。ただし、当該新株予約権証券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。
7新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求をしようとするときは、当該新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、その新株予約権付社債券を提出しなければならない。ただし、当該新株予約権付社債券について非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをした者については、この限りでない。
8新株予約権買取請求をした新株予約権者は、消滅株式会社等の承諾を得た場合に限り、その新株予約権買取請求を撤回することができる。
9吸収合併等を中止したときは、新株予約権買取請求は、その効力を失う。
10第二百六十条の規定は、新株予約権買取請求に係る新株予約権については、適用しない。
会社法 第788条(新株予約権の価格の決定等) 詳細ページ
(新株予約権の価格の決定等)
第七百八十八条新株予約権買取請求があった場合において、新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。以下この条において同じ。)の価格の決定について、新株予約権者と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
2新株予約権の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、新株予約権者又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3前条第八項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、新株予約権者は、いつでも、新株予約権買取請求を撤回することができる。
4消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5消滅株式会社等は、新株予約権の価格の決定があるまでは、新株予約権者に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。
6新株予約権買取請求に係る新株予約権の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。
7消滅株式会社等は、新株予約権証券が発行されている新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権証券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。
8消滅株式会社等は、新株予約権付社債券が発行されている新株予約権付社債に付された新株予約権について新株予約権買取請求があったときは、新株予約権付社債券と引換えに、その新株予約権買取請求に係る新株予約権の代金を支払わなければならない。
会社法 第789条(債権者の異議) 詳細ページ
(債権者の異議)
第七百八十九条次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、消滅株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。
一吸収合併をする場合吸収合併消滅株式会社の債権者
二吸収分割をする場合吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)
三株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合当該新株予約権付社債についての社債権者
2前項の規定により消滅株式会社等の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、消滅株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者(同項の規定により異議を述べることができるものに限る。)には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。
一吸収合併等をする旨
二存続会社等の商号及び住所
三消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
四債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3前項の規定にかかわらず、消滅株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告(吸収分割をする場合における不法行為によって生じた吸収分割株式会社の債務の債権者に対するものを除く。)は、することを要しない。
4債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。
5債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、消滅株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
会社法 第790条(吸収合併等の効力発生日の変更) 詳細ページ
(吸収合併等の効力発生日の変更)
第七百九十条消滅株式会社等は、存続会社等との合意により、効力発生日を変更することができる。
2前項の場合には、消滅株式会社等は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。
3第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節並びに第七百五十条、第七百五十二条、第七百五十九条、第七百六十一条、第七百六十九条及び第七百七十一条の規定を適用する。
会社法 第791条(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等) 詳細ページ
(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第七百九十一条吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日後遅滞なく、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社と共同して、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるものを作成しなければならない。
一吸収分割株式会社吸収分割により吸収分割承継会社が承継した吸収分割株式会社の権利義務その他の吸収分割に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録
二株式交換完全子会社株式交換により株式交換完全親会社が取得した株式交換完全子会社の株式の数その他の株式交換に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録
2吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社は、効力発生日から六箇月間、前項各号の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
3吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人は、吸収分割株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該吸収分割株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
一前項の書面の閲覧の請求
二前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収分割株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
4前項の規定は、株式交換完全子会社について準用する。この場合において、同項中「吸収分割株式会社の株主、債権者その他の利害関係人」とあるのは、「効力発生日に株式交換完全子会社の株主又は新株予約権者であった者」と読み替えるものとする。
会社法 第792条(剰余金の配当等に関する特則) 詳細ページ
(剰余金の配当等に関する特則)
第七百九十二条第四百四十五条第四項、第四百五十八条及び第二編第五章第六節の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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