会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-05

第773条株式移転計画

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原文整理テーマ別まとめ
株式交換・株式移転ステップ 2 / 3 契約・計画の内容対価と新株予約権の扱い株式交換及び株式移転/株式移転ステップ 1 / 1 株式移転株式移転について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において第七百七十三条第一項各号に掲げる事項を定めなければならない。
  • 株式移転計画には、株式移転設立完全親会社の目的・商号・本店の所在地・発行可能株式総数、定款で定める事項、設立時取締役の氏名のほか、会計参与設置会社・監査役設置会社・会計監査人設置会社の別に応じた設立時役員等の氏名又は名称を定める。
  • 株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時取締役は設立時監査等委員である者とそれ以外の者とを区別して定めなければならない。
  • 株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、ある種類の株式の株主に株式の割当てをしないこと又は種類ごとに異なる取扱いをすることを定めることができ、その他の株主には株式の数に応じた割当てを内容としなければならない。
  • 株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社の株主又は新株予約権者に対して社債等又は新株予約権を交付するときは、その内容・数・算定方法及び割当てに関する事項を定めなければならず、社債等の割当てについては種類株式発行会社に関する規定が読み替えて準用される。

株式移転計画に定める事項(第七百七十三条第一項各号)

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号定める事項場合の区分・備考
一株式移転設立完全親会社の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数―
二前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項―
三株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名監査等委員会設置会社である場合は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定める(第二項)
四イ株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合
四ロ株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合
四ハ株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合
五株式移転完全子会社の株主に交付する株式の数(種類株式発行会社にあっては株式の種類及び種類ごとの数)又はその算定方法並びに資本金及び準備金の額に関する事項―
六株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、割当てをしないこと又は種類ごとに異なる取扱いを定めることができる(第三項)。割当てなしとする種類以外の株主には有する株式の数(種類ごとの数)に応じた割当てを内容としなければならない(第四項)
七イ当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法交付する社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるとき
七ロ当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法交付する社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるとき
七ハイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項交付する社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるとき
八株式移転完全子会社の株主に対する前号の社債等の割当てに関する事項前号に規定する場合。第三項・第四項の規定を準用し「株式移転設立完全親会社の株式」は「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替える(第五項)
九イ株式移転計画新株予約権(新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権者の有する新株予約権)の内容株式移転完全子会社の新株予約権者に対し新株予約権を交付するとき
九ロ株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法同上
九ハ社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるとき
十株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する前号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項前号に規定する場合

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
会社法株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成23(許)21
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年2月29日 破棄差戻
登載
民集 第66巻3号1784頁
参照法条
(1〜3につき)会社法773条1項6号,(1,3につき)会社法806条1項,会社法807条2項
判示事項
1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義 2 株式移転における株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものとされる場合 3 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」を算定するに当たって参照すべき市場株価として,株式買取請求がされた日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることが,裁判所の裁量の範囲内にあるとされる場合
裁判要旨1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,株式移転により組織再編による相乗効果その他の企業価値の増加が生じない場合には,当該株式買取請求がされた日における,株式移転を承認する旨の株主総会決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいうが,それ以外の場合には,株式移転計画において定められていた株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものであったならば当該株式買取請求がされた日においてその株式が有していると認められる価格をいう。
2 相互に特別の資本関係がない会社間において,株主の判断の基礎となる情報が適切に開示された上で適法に株主総会で承認されるなど一般に公正と認められる手続により株式移転の効力が発生した場合には,当該株主総会における株主の合理的な判断が妨げられたと認めるに足りる特段の事情がない限り,当該株式移転における株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率は公正なものである。
3 株式移転計画に定められた株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものと認められる場合には,株式移転により企業価値の増加が生じないときを除き,株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」を算定するに当たって参照すべき市場株価として,株式買取請求がされた日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることは,裁判所の合理的な裁量の範囲内にある。
(1〜3につき補足意見がある。)

実務注記

原文解釈
  1. 監査等委員会設置会社では設立時取締役を区別して記載株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して株式移転計画に定めなければならない(第二項)。
  2. 監査役設置会社の範囲に会計限定監査役設置会社を含む第一項四号ロの監査役設置会社には、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。
  3. 種類株式発行会社の子会社は割当てに関する任意的定めが可能株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、ある種類の株式の株主に株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこと、又は割当てについて種類ごとに異なる取扱いをすることを定めることができる(第三項)。
  4. 割当ての内容は株式数に応じたものが原則第六号の定めは、割当てをしないこととされた種類の株主を除き、株式移転完全子会社の株主の有する株式の数(種類ごとの定めがある場合は各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付する内容でなければならない(第四項)。
  5. 社債等の割当てには読み替え準用規定が適用第八号(社債等の割当てに関する事項)については第三項・第四項の規定が準用され、「株式移転設立完全親会社の株式」は「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替える(第五項)。

条文原文

原文ママ
会社法 第773条(株式移転計画)
(株式移転計画)
第七百七十三条一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
二前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項
三株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名
四次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項
イ株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称
ロ株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名
ハ株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称
五株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
六株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項
七株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
八前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項
九株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項
イ当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容
ロ株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
十前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項
2株式移転設立完全親会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、設立時監査等委員である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別して定めなければならない。
3第一項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
一ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
二前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
4第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。
5前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。

一次情報