この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 総株主(株主総会の全事項につき議決権を行使できない株主を除く)の議決権の百分の三(定款で下回る割合を定めた場合はその割合)以上を有する株主、又は発行済株式(自己株式を除く)の百分の三(定款で下回る割合を定めた場合はその割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内はいつでも会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧・謄写を請求できる。
- この請求をするときは、請求の理由を明らかにしなければならない。
- 株式会社は、第2項各号のいずれかに該当すると認められる場合を除き、この請求を拒むことができない。
- 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、同様の請求をすることができ、この場合も請求の理由を明らかにしなければならない。
- 親会社社員について第2項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は前項の許可をすることができない。
会計帳簿閲覧等請求権の要件
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 対象 | 請求権者の要件 | 手続上の要件 | 会社(裁判所)が拒める場合 |
|---|---|---|---|---|
| 株主による請求(第1項・第2項) | 会計帳簿又はこれに関する資料(書面の場合は当該書面、電磁的記録の場合は法務省令で定める方法により表示したもの) | 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主、又は発行済株式(自己株式を除く)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主 | 株式会社の営業時間内はいつでも請求可能。当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 | 次のいずれかに該当すると認められる場合を除き拒めない:一 権利の確保又は行使に関する調査以外の目的での請求、二 業務の遂行を妨げ株主の共同の利益を害する目的での請求、三 会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み又はこれに従事する者による請求、四 知り得た事実を利益を得て第三者に通報するための請求、五 過去二年以内に知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがある者による請求 |
| 親会社社員による請求(第3項・第4項) | 会計帳簿又はこれに関する資料について第1項各号に掲げる請求(同上) | 株式会社の親会社社員 | その権利を行使するため必要があるときに、裁判所の許可を得ること。当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 | 親会社社員について第2項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は前項の許可をすることができない。 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法親会社の株主の子会社の会社帳簿等閲覧許可決定等に対する抗告審の変更決定等に対する許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成20(許)44
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成21年1月15日 棄却
- 登載
- 民集 第63巻1号1頁
- 参照法条
- 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条ノ7第2号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条ノ8,会社法433条2項3号,会社法433条3項,会社法433条4項
- 判示事項
- 子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主に会計帳簿等の閲覧謄写によって知り得る情報を自己の競業に利用するなどの主観的意図があることを要するか
裁判要旨子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請をした親会社の株主につき,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)293条の8第2項が不許可事由として規定する同法293条の7第2号に掲げる事由があるというためには,当該株主が子会社と競業をなす者であるなどの客観的事実が認められれば足り,当該株主に会計帳簿等の閲覧謄写によって知り得る情報を自己の競業に利用するなどの主観的意図があることを要しない。
実務注記
原文解釈- 3%基準は定款で引き下げ可能議決権割合・株式数割合のいずれも「百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)」とされており、定款に別段の定めがある場合はその割合が基準となる。
- 議決権基準と株式数基準の二つのルート総株主(議決権を行使できない株主を除く)の議決権の百分の三以上を有する株主、又は発行済株式(自己株式を除く)の百分の三以上の数の株式を有する株主のいずれかに該当すれば請求できる。
- 請求理由の明示は必須株主による請求(第1項)、親会社社員による請求(第3項)のいずれも、当該請求の理由を明らかにしてしなければならないとされている。
- 会社は原則拒めない建付け会社は第2項各号(一〜五)のいずれかに該当すると認められる場合を除き、請求を拒むことができない。該当性の確認が実務対応の中心となる。
- 親会社社員は裁判所許可が要件親会社社員が請求するには、権利を行使するため必要があるときに裁判所の許可を得る必要があり、第2項各号の事由があるときは裁判所は許可できない。
条文原文
原文ママ会社法 第433条(会計帳簿の閲覧等の請求)
(会計帳簿の閲覧等の請求)
第四百三十三条総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
2前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
一当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
二請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
三請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
四請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。
五請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
3株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
4前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第433条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。