この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 第171条第1項各号に掲げる事項を定めた場合、一定の株主は取得日の20日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し全部取得条項付種類株式の取得価格の決定の申立てをすることができる。
- 申立てができるのは、株主総会に先立って取得に反対する旨を会社に通知し、かつ当該株主総会において取得に反対した株主(議決権行使可能なものに限る)、及び当該株主総会において議決権を行使することができない株主である。
- 会社は取得日の20日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならず、この通知は公告で代えることができる。
- 会社は裁判所が決定した価格に対し、取得日後の法定利率による利息も支払わなければならない。
- 会社は価格の決定があるまでの間、株主に対し当該会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。
価格決定の申立てをすることができる株主と申立期間
原文解釈横スクロールできます| 号 | 対象株主 | 要件 | 申立てをすることができる期間 |
|---|---|---|---|
| 一号 | 当該株主総会において議決権を行使することができる株主 | 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対したこと | 取得日の20日前の日から取得日の前日まで |
| 二号 | 当該株主総会において議決権を行使することができない株主 | (議決権を行使することができないこと) | 取得日の20日前の日から取得日の前日まで |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法株式取得価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成28(許)4
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成28年7月1日 破棄自判
- 登載
- 民集 第70巻6号1445頁
- 参照法条
- 会社法(平成26年法律第90号による改正前のもの)172条1項
- 判示事項
- 株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,上記公開買付けが一般に公正と認められる手続により行われた場合における会社法(平成26年法律第90号による改正前のもの)172条1項にいう「取得の価格」
裁判要旨株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど当該株主又は当該株式会社と少数株主との間の利益相反関係の存在により意思決定過程が恣意的になることを排除するための措置が講じられ,公開買付けに応募しなかった株主の保有する上記株式も公開買付けに係る買付け等の価格と同額で取得する旨が明示されているなど一般に公正と認められる手続により上記公開買付けが行われ,その後に当該株式会社が上記買付け等の価格と同額で全部取得条項付種類株式を取得した場合には,上記取引の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情がない限り,裁判所は,上記株式の取得価格を上記公開買付けにおける買付け等の価格と同額とするのが相当である。
(補足意見がある。)
(補足意見がある。)
会社法株式価格決定申立て却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成22(許)9
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成22年12月7日 破棄自判
- 登載
- 民集 第64巻8号2003頁
- 参照法条
- 会社法172条1項,(社債等振替法)社債,株式等の振替に関する法律128条1項,(社債等振替法)社債,株式等の振替に関する法律154条3項
- 判示事項
- 社債等振替法128条1項所定の振替株式についての会社法172条1項に基づく価格の決定の申立てを受けた会社が,裁判所における株式価格決定申立て事件の審理において,申立人が株主であることを争った場合における,社債等振替法154条3項所定の通知の要否
裁判要旨社債等振替法128条1項所定の振替株式についての会社法172条1項に基づく価格の決定の申立てを受けた会社が,裁判所における株式価格決定申立て事件の審理において,申立人が株主であることを争った場合には,その審理終結までの間に社債等振替法154条3項所定の通知がされることを要する。
実務注記
原文解釈- 申立期間の管理裁判所への価格決定の申立てができるのは、取得日の20日前の日から取得日の前日までの間に限られる。
- 一号株主の要件充足一号の株主として申立てをするには、株主総会に先立つ取得反対の通知と、当該株主総会における反対の両方が必要である(議決権を行使することができる株主に限る)。
- 会社の事前通知義務会社は取得日の20日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し全部を取得する旨を通知しなければならない。
- 通知の公告代替第2項の通知は、公告をもって代えることができる。
- 利息と価格決定前の支払会社は裁判所決定価格に取得日後の法定利率による利息を付して支払う義務があり、また価格決定があるまでの間は公正な価格と認める額を任意に支払うことができる。
条文原文
原文ママ会社法 第172条(裁判所に対する価格の決定の申立て)
(裁判所に対する価格の決定の申立て)
第百七十二条第百七十一条第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、取得日の二十日前の日から取得日の前日までの間に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。
一当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
二当該株主総会において議決権を行使することができない株主
2株式会社は、取得日の二十日前までに、全部取得条項付種類株式の株主に対し、当該全部取得条項付種類株式の全部を取得する旨を通知しなければならない。
3前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
4株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5株式会社は、全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社がその公正な価格と認める額を支払うことができる。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第172条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。