会社法 / テーマ別まとめ

現物出資と検査役の調査

お金以外を出資するとき。検査役の調査が要る場合と省ける場合、価額が足りなかったときの責任。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

株式会社の設立時に金銭以外の財産で出資する場合、その財産や価額は定款に記載・記録しなければならず、原則として裁判所が選任する検査役の調査を受ける必要があります。ただし少額の場合、市場価格のある有価証券の場合、専門家の証明を受けた場合は調査を省略できます。出資された財産の価額が定款の記載額に著しく不足するときは、発起人や設立時取締役、証明をした専門家が不足額を支払う責任を負います。

検査役の調査を要しない場合の比較
パターン対象財産要件
少額現物出資財産等価額総額が500万円以下
市場価格のある有価証券市場価格のある有価証券定款価額が市場価格以下
専門家証明現物出資財産等(不動産は鑑定評価も)弁護士等の証明を受けた部分
  • 少額特例の500万円は現物出資財産(28条1号)と財産引受け(28条2号)の価額総額で判定する
  • 市場価格特例は定款価額が法務省令で定める算定方法による市場価格を超えない場合に限る
  • 専門家証明の対象が不動産のときは、証明に加えて不動産鑑定士の鑑定評価も必要
  • 発起人本人、現物出資・財産引受けの相手方、設立時取締役・設立時監査役は証明者になれない
  • 業務停止処分中の者、社員の半数以上が上記に該当する法人も証明者になれない
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何を調べるのか

変態設立事項と検査役の選任

第28条現物出資などは定款記載が必要1項・4号判例なし
  • 金銭以外の財産を出資する人の氏名・財産・価額・割当株式数を定款に書く
  • 成立後に譲り受ける約束の財産とその価額・譲渡人も定款に書く
  • 発起人が受ける報酬等の特別利益、設立費用も定款に書く
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第33条定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任現物出資は原則検査役の調査を受ける11項・8号判例なし
  • 発起人は公証人の認証後遅滞なく裁判所に検査役選任を申し立てる
  • 少額・市場価格・専門家証明のいずれかに該当すれば調査は不要(下表参照)
  • 裁判所が価額を不当と認めて変更した場合、発起人は1週間以内に引受けの意思表示を取り消せる
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調査が省ける場合

少額・有価証券・専門家の証明

第33条定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任現物出資は原則検査役の調査を受ける11項・8号判例なし
  • 発起人は公証人の認証後遅滞なく裁判所に検査役選任を申し立てる
  • 少額・市場価格・専門家証明のいずれかに該当すれば調査は不要(下表参照)
  • 裁判所が価額を不当と認めて変更した場合、発起人は1週間以内に引受けの意思表示を取り消せる
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価額が足りなかったら

発起人・設立時取締役の填補責任

第52条出資された財産等の価額が不足する場合の責任価額が足りないと発起人らが穴埋め3項・2号判例なし
  • 成立時の価額が著しく不足すると発起人・設立時取締役が連帯責任を負う
  • 検査役の調査を経た財産、または注意を怠らなかったことを証明した場合はこの義務を負わない
  • 専門家証明をした者も、注意を怠らなかったことを証明しない限り連帯して不足額を支払う
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第53条発起人等の損害賠償責任任務懈怠は会社・第三者に賠償責任2項判例なし
  • 発起人・設立時取締役・設立時監査役は任務を怠ると会社に生じた損害を賠償する
  • 職務につき悪意または重大な過失があれば第三者に生じた損害も賠償する
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関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第28条 詳細ページ
第二十八条株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
一金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。)
二株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
三株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
四株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
会社法 第33条(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任) 詳細ページ
(定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任)
第三十三条発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
2前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
5裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
6第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
7裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
8発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
9前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。
10前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
一第二十八条第一号及び第二号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合同条第一号及び第二号に掲げる事項
二現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合当該有価証券についての第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項
三現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)
11次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。
一発起人
二第二十八条第二号の財産の譲渡人
三設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。)
四業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
五弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの
会社法 第52条(出資された財産等の価額が不足する場合の責任) 詳細ページ
(出資された財産等の価額が不足する場合の責任)
第五十二条株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
2前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
一第二十八条第一号又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合
二当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
3第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
会社法 第53条(発起人等の損害賠償責任) 詳細ページ
(発起人等の損害賠償責任)
第五十三条発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
出

一次情報

原文ママ

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