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詐害行為取消権/詐害行為取消権の行使の効果

詐害行為取消権の行使の効果の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

詐害行為取消権の行使が裁判所に認められた場合の効果を整理したページです。取消しを認める判決は、訴訟の当事者以外の債務者・他の債権者にも効力が及びます。また、取り消された行為が財産の処分か債務の消滅か、取消しの相手が受益者か転得者かによって、返還・償還すべき範囲や回復する権利の内容が条文ごとに定められています。

詐害行為取消権の行使の効果
場面対象効果
認容判決の効力債務者・全ての債権者取消しの効力が及ぶ
財産処分行為の取消受益者反対給付の返還(困難なら価額償還)
債務消滅行為の取消受益者返還・償還した分だけ債権が回復
転得者への取消転得者受益者が得たはずの権利を反対給付等の額を上限に行使
  • 425条の2は財産処分に関する行為の取消しが対象で、債務の消滅に関する行為の取消しは対象外
  • 425条の3は、424条の4の規定により取り消された場合は対象外
  • 425条の4第二号も、424条の4の規定により取り消された場合は対象外
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詐害行為取消権の行使の効果

詐害行為取消権の行使の効果について、条文は何を定めているか。

第425条認容判決の効力が及ぶ者の範囲取消しの確定判決は債務者・全債権者に効力1項判例 4件
  • 取消しを認める判決が確定すれば、債務者や取消しを求めていない他の債権者にも効力が及ぶ
  • 取消訴訟に参加していなくても、判決の効力を受ける
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第425_2条債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利財産処分の取消で受益者は反対給付を取り戻せる1項判例なし
  • 財産処分行為(債務消滅を除く)が取り消されたら、受益者は債務者に反対給付の返還を請求できる
  • 反対給付の返還が難しいときは、価額の償還を請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第425_3条受益者の債権の回復返還・償還すれば受益者の債権は元に戻る1項判例なし
  • 債務消滅行為の取消しで、受益者が給付を返還するか価額を償還すると、消えた債権が復活する
  • 424条の4〈過大な代物弁済等の特則〉により取り消された場合はこの規定の対象外
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第425_4条詐害行為取消請求を受けた転得者の権利転得者は受益者が持つはずの権利を行使できる1項・2号判例なし
  • 取消しが転得者に対するものでも、受益者が得たはずの返還・償還請求権を転得者が行使できる
  • 行使できる額は、転得者が前の人にした反対給付や消えた債権の額が上限
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第425条民法

不動産の引渡請求権者が債務者による目的不動産の処分行為を詐害行為として取り消す場合と自己に対する所有権移転登記手続請求の可否

裁判要旨不動産の引渡請求権者は、目的不動産についてされた債務者の処分行為を詐害行為として取り消す場合に、直接自己に対する所有権移転登記手続を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年10月5日 昭和51(オ)1215
登載
民集 第32巻7号1332頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点2第425条民法

金銭の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において被告は自己の債権額に対応する按分額の支払を拒むことができるか

裁判要旨債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年11月19日 昭和45(オ)498
登載
民集 第25巻8号1321頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点3第425条民法

詐害行為取消債権者は受益者より引渡を受けた価格賠償金を他の債権者に分配する義務を負うか。

裁判要旨詐害行為取消の判決に基づき取消債権者が受益者より自己に価格賠償金の引渡を受けた場合、取消債権者は、右価格賠償金を他の債権者に分配する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年10月9日 昭和34(オ)1084
登載
民集 第16巻10号2070頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点4第425条民法

商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることの可否

裁判要旨商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に,受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年11月16日 平成12(受)1666
登載
集民 第203号459頁
参照法条
民法424条,民法425条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第425条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 詳細ページ
(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)
第四百二十五条詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。
民法 第425_2条(債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利) 詳細ページ
(債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利)
第四百二十五条の二債務者がした財産の処分に関する行為(債務の消滅に関する行為を除く。)が取り消されたときは、受益者は、債務者に対し、その財産を取得するためにした反対給付の返還を請求することができる。債務者がその反対給付の返還をすることが困難であるときは、受益者は、その価額の償還を請求することができる。
民法 第425_3条(受益者の債権の回復) 詳細ページ
(受益者の債権の回復)
第四百二十五条の三債務者がした債務の消滅に関する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。)において、受益者が債務者から受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、受益者の債務者に対する債権は、これによって原状に復する。
民法 第425_4条(詐害行為取消請求を受けた転得者の権利) 詳細ページ
(詐害行為取消請求を受けた転得者の権利)
第四百二十五条の四債務者がした行為が転得者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたときは、その転得者は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、その転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。
一第四百二十五条の二に規定する行為が取り消された場合その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば同条の規定により生ずべき受益者の債務者に対する反対給付の返還請求権又はその価額の償還請求権
二前条に規定する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。)その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば前条の規定により回復すべき受益者の債務者に対する債権
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。