民法 / テーマ別まとめ

親権/親権の喪失

親権の喪失の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

親権の喪失は、父母による虐待や悪意の遺棄、親権行使の著しい不適当により子の利益を著しく害する場合に、家庭裁判所がその父または母から親権を失わせる審判です。虐待などの程度が著しいとまでは言えない場合には親権停止、財産管理権だけが問題となる場合には管理権喪失という段階的な制度が設けられており、いずれも原因が消滅すれば審判の取消しや辞任からの回復ができます。

親権の喪失
区分原因の程度対象範囲期間の定め
親権喪失著しく困難又は不適当親権全部(身上+財産)定めなし
親権停止困難又は不適当親権全部(身上+財産)2年以内の範囲で期間を指定
管理権喪失困難又は不適当財産管理権のみ定めなし
  • 親権喪失は、2年以内に原因が消滅する見込みがあるときは審判をすることができない(834条ただし書)
  • 親権停止の期間は、原因消滅までに要すると見込まれる期間、子の心身の状態・生活状況その他一切の事情を考慮して家庭裁判所が定める(834条の2第2項)
  • 請求権者は親権喪失・親権停止・管理権喪失のいずれも、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官で共通
  • 原因が消滅したときは、本人またはその親族の請求により家庭裁判所が親権喪失・親権停止・管理権喪失の審判を取り消すことができる(836条)
  • 親権を行う父または母は、やむを得ない事由があるときは家庭裁判所の許可を得て親権または管理権を辞することができ、事由が消滅すれば同様に許可を得て回復できる(837条)
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親権の喪失

親権の喪失について、条文は何を定めているか。

第834条親権喪失の審判虐待等で親権を失わせる審判1項判例なし
  • 虐待・悪意の遺棄、または親権行使が著しく困難・不適当で子の利益を著しく害する場合
  • 請求できるのは子、親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官
  • 2年以内に原因が消滅する見込みがあるときは審判できない
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第834_2条親権停止の審判親権行使が困難な場合に一時停止2項判例なし
  • 親権行使が困難・不適当で子の利益を害するときに請求できる(著しくは不要)
  • 家裁は原因消滅までの見込み期間等を考慮し、2年を超えない範囲で停止期間を定める
  • 請求権者は子、親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官(喪失と同じ)
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第835条管理権喪失の審判財産管理権だけを失わせる審判1項判例なし
  • 財産管理権の行使が困難・不適当で子の利益を害するときに請求できる
  • 親権全体ではなく財産管理権のみを対象とする審判
  • 請求権者は子、親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官
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第836条親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し原因が消滅すれば審判を取り消せる1項判例なし
  • 親権喪失・親権停止・管理権喪失いずれも原因消滅時に取消しを請求できる
  • 請求できるのは本人またはその親族
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第837条親権又は管理権の辞任及び回復家裁の許可で親権・管理権を辞任・回復2項判例 1件
  • やむを得ない事由があれば家裁の許可を得て親権・管理権を辞任できる
  • 事由が消滅すれば家裁の許可を得て親権・管理権を回復できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第837条民法

一 虚偽の嫡出子出生届をした者の嫡出親子関係不存在の主張の適否
二 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
三 父母一方の死亡と嫡出親子関係不存在確認訴訟の適否
四 嫡出親子関係不存在確認の請求と子の承諾の要否

裁判要旨一 子でない者が戸籍上嫡出子として記載されている場合に、その記載が親の虚偽の嫡出子出生届に基くものであるからといつて、その親の親子関係不存在の主張が禁止されることはない。
二 養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはない。
三 父母一方の死亡後は、生存者単独で嫡出親子関係不存在確認の訴訟を提起することができる。
四 嫡出親子関係不存在確認の請求には、子の承諾(又は同意)を要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年12月28日 昭和24(オ)97
登載
民集 第4巻13号701頁
参照法条
民訴法225条,旧民法第4編第4章1節1款嫡出子,旧民法820条,旧民法837条,旧民法843条,旧民法847条,旧民法775条,旧民法第4編第4章第1節1款嫡出子,旧戸籍法(大正3年法律26号)88条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第834条(親権喪失の審判) 詳細ページ
(親権喪失の審判)
第八百三十四条父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。
民法 第834_2条(親権停止の審判) 詳細ページ
(親権停止の審判)
第八百三十四条の二父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
民法 第835条(管理権喪失の審判) 詳細ページ
(管理権喪失の審判)
第八百三十五条父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。
民法 第836条(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し) 詳細ページ
(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し)
第八百三十六条第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。
民法 第837条(親権又は管理権の辞任及び回復) 詳細ページ
(親権又は管理権の辞任及び回復)
第八百三十七条親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。
2前項の事由が消滅したときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。