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被担保債権

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

被担保債権とは、担保物権によって優先弁済が保障される元本や利息などの範囲を指します。質権・抵当権・根抵当権・先取特権では、担保される債権の範囲や期間、変更の可否について民法上のルールが異なります。

被担保債権
担保物権担保される範囲期間・限度の制限
質権元本・利息・違約金・実行費用等制限なし(別段の定め可)
抵当権利息等の定期金・遅延損害金満期後の最後の2年分のみ
根抵当権元本確定後の利息・損害賠償全部極度額が上限
不動産賃貸の先取特権前期・当期・次期の賃料等清算時は前期・当期の損害賠償のみ
  • 質権は設定行為に別段の定めがあれば担保範囲を変更できる。
  • 抵当権は満期後に特別の登記をすれば、2年分より前の定期金にも及ぶ。
  • 抵当権の遅延損害金は、利息等と通算して最後の2年分が上限。
  • 根抵当権は元本確定前なら担保すべき債権の範囲・債務者を変更できるが、登記をしないと変更しなかったものとみなされる。
  • 根抵当権は元本確定前に根抵当権者から債権を取得しても、その債権について根抵当権を行使できない。
  • 先取特権の規定は、賃借人の財産のすべてを清算する場合に適用される。
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被担保債権

被担保債権について、条文は何を定めているか。

第346条質権の被担保債権の範囲質権が担保する範囲を定める1項判例 1件
  • 元本・利息・違約金・実行費用・保存費用・損害賠償まで担保する
  • 設定行為に別段の定めがあれば、その定めが優先する
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第375条抵当権の被担保債権の範囲抵当権の利息等は直近2年分のみ担保2項判例 4件
  • 満期となった最後の2年分の利息等にしか抵当権を行使できない
  • 満期後に特別の登記をすれば、それより前の分にも及ぶ
  • 遅延損害金も含めて2年分が上限(利息等と通算)
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第398_3条根抵当権の被担保債権の範囲2項・3号判例なし
第398_7条根抵当権の被担保債権の譲渡等4項判例なし
第315条不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲賃借人清算時の先取特権は範囲が限定される1項判例なし
  • 賃借人の全財産を清算する場合、前期・当期・次期の賃料等のみ担保される
  • 損害賠償債務は前期・当期に生じた分のみ担保される
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第398_4条根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更3項判例なし
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第346条民法

不動産の譲渡担保権者が先順位の抵当権又は根抵当権の被担保債権を代位弁済したことによつて取得する求償債権と譲渡担保権の被担保債権の範囲

裁判要旨不動産の譲渡担保権者がその不動産に設定された先順位の抵当権又は根抵当権の被担保債権を代位弁済したことによつて取得する求償債権は、譲渡担保設定契約に特段の定めのない限り、譲渡担保権によつて担保されるべき債権の範囲に含まれないものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年7月15日 昭和58(オ)1110
登載
集民 第148号307頁
参照法条
民法346条,民法369条(譲渡担保),民法374条,民法398条ノ3
論点2第375条民法

昭和四六年法律第九九号による改正前の民法のもとにおいてされた根抵当権の順位譲渡において譲渡人と譲受人の中間に担保権者が存する場合の譲渡の効力

裁判要旨昭和四六年法律第九九号による改正前の民法のもとにおいて根抵当権の順位が譲渡された場合において、順位譲渡人と順位譲受人との中間に担保権者が存在するときは、順位譲受人は、右譲渡人に対する優先配当額を限度とする配当を受けることができるにすぎない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年6月8日 昭和54(オ)863
登載
集民 第136号47頁
参照法条
民法375条
論点3第375条民法

一、代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている不動産の所有権が第三者に移転したときと予約完結権行使の相手方
二、債権担保のため同一不動産に代物弁済の予約とともに設定された抵当権が転抵当に供されている場合と予約完結権行使の許否

裁判要旨一、不動産に関する代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている場合においては、該不動産の所有権が第三者に移転したときであつても、代物弁済予約権者は、予約の相手方に対して予約完結の意思表示をすべきである。
二、貸金債権担保のため同一不動産につき代物弁済の予約とともに抵当権の設定があり、その抵当権が転抵当に供されている場合において、転抵当権の被担保債権額が原抵当権の被担保債権額以上であるときは、右代物弁済の予約が清算を要しないものでないかぎり、代物弁済予約権者は、予約完結権を行使することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年10月16日 昭和43(オ)489
登載
民集 第23巻10号1759頁
参照法条
民法482条,民法556条1項,民法369条,民法375条1項,不動産登記法2条2号,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条1項
論点4第375条民法

免責的債務引受により当然従前の根抵当権は消滅するか。

裁判要旨免責的債務引受がなされたからといつて、当然に従前の根抵当権の消滅をきたすものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年3月19日 昭和37(オ)523
登載
集民 第72号551頁
参照法条
民法第3編第1章総則(債務引受),民法375条
論点5第375条民法

抵当権の順位の譲渡の効力。

裁判要旨甲が、乙に対する債権確保のため、乙所有の不動産につき順位一番の抵当権設定登記をうけ、その後停止条件付代物弁済契約による所有権移転請求権保全の仮登記をうけ、さらにその後丙が乙に対する債権担保のため右不動産につき順位二番の抵当権設定登記をうけた場合に、甲が丙に対し順位一番の抵当権の順位を譲渡してその旨の附記登記を経由したときは、その後条件の成就により甲が乙から右代物弁済をうけても、丙は、甲および乙に対し順位一番の抵当権をもつて対抗することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年3月1日 昭和35(オ)82
登載
民集 第17巻2号269頁
参照法条
民法375条,民法376条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第346条(質権の被担保債権の範囲) 詳細ページ
(質権の被担保債権の範囲)
第三百四十六条質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
民法 第375条(抵当権の被担保債権の範囲) 詳細ページ
(抵当権の被担保債権の範囲)
第三百七十五条抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
2前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。
民法 第398_3条(根抵当権の被担保債権の範囲) 詳細ページ
(根抵当権の被担保債権の範囲)
第三百九十八条の三根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。
2債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。
一債務者の支払の停止
二債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て
三抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え
民法 第398_7条(根抵当権の被担保債権の譲渡等) 詳細ページ
(根抵当権の被担保債権の譲渡等)
第三百九十八条の七元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。
2元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。
3元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第四百七十二条の四第一項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。
4元本の確定前に債権者の交替による更改があった場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。
民法 第315条(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲) 詳細ページ
(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲)
第三百十五条賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。
民法 第398_4条(根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更) 詳細ページ
(根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更)
第三百九十八条の四元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
2前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
3第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。
出

一次情報

原文ママ

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