民法 / テーマ別まとめ

後見の機関/後見人

後見人の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

未成年後見人と成年後見人について、誰がどのように選任・指定され、どのような場合に辞任・解任されるか、また誰が後見人になれないかを定めた条文をまとめている。家庭裁判所の関与や請求できる人の範囲を、実務担当者が場面ごとに確認できるよう整理している。

後見人
場面未成年後見人成年後見人
開始のきっかけ遺言による指定、なければ家裁選任後見開始の審判で家裁が職権選任
欠員時の選任請求被後見人・親族・利害関係人が請求被後見人・親族・利害関係人が請求
追加選任必要時に家裁がさらに選任必要時に家裁がさらに選任
辞任正当な事由+家裁許可正当な事由+家裁許可
解任不正行為等で家裁が解任不正行為等で家裁が解任
なれない人未成年者・破産者など未成年者・破産者など
  • 父母の一方が管理権を有しないときは、他方が未成年後見人を指定できる(839条2項)
  • 選任時は本人の職業・経歴・利害関係なども考慮される(未成年:840条3項、成年:843条4項)
  • 後見人となる者が法人の場合は事業内容や法人・代表者と本人との利害関係も考慮される
  • 842条は削除されている
  • 解任は後見監督人・被後見人・親族・検察官の請求、または家裁の職権による
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後見人

後見人について、条文は何を定めているか。

第839条未成年後見人の指定遺言で未成年後見人を指定できる2項判例なし
  • 最後に親権を行う者が遺言で指定できる
  • 管理権のない者は指定できない
  • 管理権のない親に代わり他方の親が指定できる
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第840条未成年後見人の選任指定がなければ家裁が選任する3項判例なし
  • 本人・親族・利害関係人の請求で家裁が選任
  • 後見人が欠けたときも家裁が選任
  • 選任時は本人の心身状態や意見等を考慮
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第841条父母による未成年後見人の選任の請求親権等を辞した父母は選任を請求1項判例なし
  • 親権・管理権を辞した場合に対象
  • 親権喪失・停止、管理権喪失の審判があった場合も対象
  • 該当時は遅滞なく家裁に選任を請求する義務
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第842条1項判例なし
第843条成年後見人の選任後見開始の審判で家裁が職権選任4項判例 4件
  • 後見開始の審判時に家裁が職権で選任
  • 欠員時や必要時は請求または職権でさらに選任
  • 選任時は本人の心身状態や意見等を考慮
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第844条後見人の辞任正当な事由があれば後見人は辞任できる1項判例なし
  • 家裁の許可を得て任務を辞任できる
  • 辞任には正当な事由が必要
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第845条辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求辞任した後見人は新後見人の選任を請求1項判例なし
  • 辞任により新たに後見人が必要な場合に対象
  • 遅滞なく家裁に選任を請求する義務
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第846条後見人の解任不正等があれば家裁が後見人を解任1項判例なし
  • 不正な行為・著しい不行跡等が対象
  • 後見監督人・被後見人・親族・検察官が請求できる
  • 家裁は職権でも解任できる
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第847条後見人の欠格事由後見人になれない人の一覧1項・5号判例 2件
  • 未成年者、破産者はなれない
  • 家裁で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人も不可
  • 被後見人に訴訟した者やその配偶者・直系血族、行方不明者も不可
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第843条民法

養子縁組の追認と民法第一一六条但書の類推適用の有無。

裁判要旨養子縁組の追認には、民法第一一六条〈無権代理行為の追認〉但書の規定は類推適用されないものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年9月8日 昭和39(オ)189
登載
民集 第18巻7号1423頁
参照法条
民法116条,民法797条,旧民法843条
論点2第843条民法

他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組の追認の許否

裁判要旨一 他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組も、養子が満一五年に達した後これを有効に追認することができる。
二 右追認は、明示または黙示の意思表示をもつて養子から養親の双方に対し、養親の一方が死亡した後は他の一方に対してすればたりる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年10月3日 昭和24(オ)229
登載
民集 第6巻9号753頁
参照法条
旧民法843条,民法797条
論点3第843条民法

一 虚偽の嫡出子出生届をした者の嫡出親子関係不存在の主張の適否
二 虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
三 父母一方の死亡と嫡出親子関係不存在確認訴訟の適否
四 嫡出親子関係不存在確認の請求と子の承諾の要否

裁判要旨一 子でない者が戸籍上嫡出子として記載されている場合に、その記載が親の虚偽の嫡出子出生届に基くものであるからといつて、その親の親子関係不存在の主張が禁止されることはない。
二 養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはない。
三 父母一方の死亡後は、生存者単独で嫡出親子関係不存在確認の訴訟を提起することができる。
四 嫡出親子関係不存在確認の請求には、子の承諾(又は同意)を要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年12月28日 昭和24(オ)97
登載
民集 第4巻13号701頁
参照法条
民訴法225条,旧民法第4編第4章1節1款嫡出子,旧民法820条,旧民法837条,旧民法843条,旧民法847条,旧民法775条,旧民法第4編第4章第1節1款嫡出子,旧戸籍法(大正3年法律26号)88条
論点4第843条民法

後見人に就職した二名の者が未成年者を代理して締結した売買契約の効力を否定することが許されないとされた事例

裁判要旨未成年者甲の後見人に就職した乙及び丙が甲を代理して売買契約を締結した場合において、乙及び丙は甲の実親であり、甲の養父の死亡により戸籍上甲の後見人に就職した旨記載され、ともに正当な後見人となったものと考えて、甲の財産を管理してきたもので、右売買に右両名が後見人として関与したことにより、甲の利益が損なわれたわけではなく、甲も、成人に達した後において、右両名が甲の財産を管理してきたことを事実上承認していたなど判示の事情があるときは、乙及び丙が後見人として代理行為をしたことを理由として甲が右売買契約の効力を否定することは、信義則上許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年3月22日 昭和63(オ)924
登載
集民 第162号227頁
参照法条
民法1条2項,民法113条,民法843条
論点5第847条民法

虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否

裁判要旨養子とする意図で他人の子を嫡出子として出生届をしても、右出生届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和49(オ)861
登載
民集 第29巻4号401頁
参照法条
旧民法775条,旧民法847条,旧民法851条2号,民法739条,民法799条,民法802条2号
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第839条(未成年後見人の指定) 詳細ページ
(未成年後見人の指定)
第八百三十九条未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
民法 第840条(未成年後見人の選任) 詳細ページ
(未成年後見人の選任)
第八百四十条前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
民法 第841条(父母による未成年後見人の選任の請求) 詳細ページ
(父母による未成年後見人の選任の請求)
第八百四十一条父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は父若しくは母について親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判があったことによって未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。
民法 第842条 詳細ページ
第八百四十二条削除
民法 第843条(成年後見人の選任) 詳細ページ
(成年後見人の選任)
第八百四十三条家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
2成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。
3成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
4成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
民法 第844条(後見人の辞任) 詳細ページ
(後見人の辞任)
第八百四十四条後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
民法 第845条(辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求) 詳細ページ
(辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求)
第八百四十五条後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。
民法 第846条(後見人の解任) 詳細ページ
(後見人の解任)
第八百四十六条後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。
民法 第847条(後見人の欠格事由) 詳細ページ
(後見人の欠格事由)
第八百四十七条次に掲げる者は、後見人となることができない。
一未成年者
二家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
三破産者
四被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
五行方の知れない者
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。