論点1第732条民法
重婚における後婚の離婚による解消と後婚の取消の訴えの許否
裁判要旨重婚において、後婚が離婚によつて解消された場合には、特段の事情のない限り、後婚の取消を請求することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月28日 昭和54(オ)226
- 登載
- 民集 第36巻8号1642頁
- 参照法条
- 民法732条,民法744条,民法749条
論点2第732条民法
前婚につき離婚無効、後婚につき婚姻取消の確定判決をうけた者のなす前婚についての離婚の訴の許否
裁判要旨妻が有効に離婚が成立したものと信じて、他の男子と婚姻をなした後、先夫から前婚についての離婚無効確認および後婚についての婚姻取消の訴を提起せられ、右各訴はいずれも妻の敗訴に確定した場合であつても、前婚につき、婚姻を継続し難い重大な事由があることを理由として、妻が離婚の訴を提起することを妨げるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年4月11日 昭和30(オ)899
- 登載
- 民集 第11巻4号629頁
- 参照法条
- 民法770条,民法765条,民法742条,民法732条
論点3第733条民法
再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条を改廃しない国会ないし国会議員の行為と国家賠償責任の有無
裁判要旨再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条を改廃しない国会ないし国会議員の行為は、国家賠償法一条一項の適用上、違法の評価を受けるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成7年12月5日 平成4(オ)255
- 登載
- 集民 第177号243頁
- 参照法条
- 民法733条,国家賠償法1条1項,憲法14条1項
論点4第733条民法
1 民法733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
2 民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分と憲法14条1項,24条2項
3 立法不作為が国家賠償法1条1項〈基本原則〉の適用上違法の評価を受ける場合
4 国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例
裁判要旨1 民法
733条1項〈削除〉の規定のうち100日の再婚禁止期間を設ける部分は,憲法14条1項,24条2項に違反しない。
2 民法
733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は,平成20年当時において,憲法14条1項,24条2項に違反するに至っていた。
3 法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合などにおいては,国会議員の立法過程における行動が個々の国民に対して負う職務上の法的義務に違反したものとして,例外的に,その立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けることがある。
4 平成20年当時において国会が民法733条1項の規定を改廃する立法措置をとらなかったことは,(1)同項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分が合理性を欠くに至ったのが昭和22年民法改正後の医療や科学技術の発達及び社会状況の変化等によるものであり,(2)平成7年には国会が同条を改廃しなかったことにつき直ちにその立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの最高裁判所第三小法廷の判断が示され,(3)その後も上記部分について違憲の問題が生ずるとの司法判断がされてこなかったなど判示の事情の下では,上記部分が違憲であることが国会にとって明白であったということは困難であり,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。
(1につき補足意見,1,2につき補足意見及び意見,1~4につき補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 平成27年12月16日 平成25(オ)1079
- 登載
- 民集 第69巻8号2427頁
- 参照法条
- (1~4につき)憲法14条1項,憲法24条,民法733条,民法772条 (3,4につき)国家賠償法1条1項
論点5第734条民法
厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例
裁判要旨厚生年金保険の被保険者であった叔父と姪との内縁関係が,叔父と先妻との子の養育を主たる動機として形成され,当初から反倫理的,反社会的な側面を有していたものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会等においても公然と受け容れられ,叔父の死亡まで約42年間にわたり円満かつ安定的に継続したなど判示の事情の下では,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという厚生年金保険法の目的を優先させるべき特段の事情が認められ,上記姪は同法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たる。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成19年3月8日 平成17(行ヒ)354
- 登載
- 民集 第61巻2号518頁
- 参照法条
- 厚生年金保険法3条2項,厚生年金保険法59条1項,民法734条1項
論点6第737条民法
旧民法施行当時における婚姻予約と父母の同意
裁判要旨満三〇年に達しない男が婚姻予約をするには、旧民法施行の当時においても父母の同意を必要としなかつたものである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)228
- 登載
- 民集 第7巻6号766頁
- 参照法条
- 民法737条1項,旧民法772条1項
論点7第739条民法
いわゆる方便としてされた協議離婚が有効とされた事例
裁判要旨夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、単に生活扶助を受けるための方便として協議離婚の届出をした場合でも、右届出が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年3月26日 昭和56(オ)1197
- 登載
- 集民 第135号449頁
- 参照法条
- 民法739条,民法763条,民法764条
論点8第739条民法
虚偽の認知届と養子縁組の成否
裁判要旨認知の届出が事実に反するため無効である場合には、認知者が、被認知者を自己の養子とすることを意図し、後日、被認知者の母と婚姻した事実があるとしても、右認知届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年11月2日 昭和54(オ)498
- 登載
- 集民 第128号87頁
- 参照法条
- 民法739条,民法781条,民法799条,民法802条2号
論点9第739条民法
虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
裁判要旨養子とする意図で他人の子を嫡出子として出生届をしても、右出生届をもつて養子縁組届とみなし、有効に養子縁組が成立したものとすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和49(オ)861
- 登載
- 民集 第29巻4号401頁
- 参照法条
- 旧民法775条,旧民法847条,旧民法851条2号,民法739条,民法799条,民法802条2号
論点10第739条民法
朝鮮民事令(明治四五年制令第七号)の適用をうける朝鮮人が他人の子を養子とする意図でした虚偽の嫡出子出生届と養子縁組の成否
裁判要旨朝鮮民事令(明治四五年制令第七号)の適用をうける朝鮮人が、他人の子を養子とする意図のもとに嫡出子として届け出ても、それによつて養子縁組が成立するとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年12月23日 昭和43(オ)520
- 登載
- 民集 第28巻10号2098頁
- 参照法条
- 朝鮮民事令(明治45年制令第7号)11条2項,民法739条,民法799条,民法802条2号
論点11第739条民法
養子縁組の届出が受理された当時当事者が意識を失つていた場合と養子縁組の届出の効力
裁判要旨当事者間において養子縁組の合意が成立しており、かつ、その当事者から他人に対し右縁組の届出の委託がなされていたときは、届出が受理された当時当事者が意識を失つていたとしても、その受理の前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届出の受理により養子縁組は有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和45年11月24日 昭和45(オ)266
- 登載
- 民集 第24巻12号1933頁
- 参照法条
- 民法799条,民法739条,民法802条
論点12第739条民法
婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失つていた場合と婚姻の届出の効力
裁判要旨事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年4月3日 昭和41(オ)1317
- 登載
- 民集 第23巻4号709頁
- 参照法条
- 民法739条,民法742条
論点13第739条民法
届出人の氏名が戸籍法施行規則六二条二項所定の事由の記載なく代書された離婚届の受理と離婚の成否
裁判要旨届出人の氏名が代書され、戸籍法施行規則六二条二項所定の事由の記載を欠いていても、その届出が受理された以上、その離婚は有効に成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年1月31日 昭和43(オ)1130
- 登載
- 集民 第94号193頁
- 参照法条
- 民法739条,民法742条,戸籍法施行規則62条2項
論点14第739条民法
無効の協議離婚の追認があつたと認められた事例
裁判要旨上告人と被上告人とが昭和二三年四、五月ごろ以降全くの別居状態にあり、事実上夫婦生活を営んでいないこと、右両名が昭和三七年三月三〇日の家事調停において、上告人が昭和二四年六月一一日付の届出をもつてなされた無効の協議離婚を認めることを前提にして、上告人が被上告人から右離婚にもとづく慰藉料の支払を受ける旨の合意をした等の事実完結のもとにおいては、上告人が右家事調停の際に、右無効の協議離婚を追認したと認めるものが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月8日 昭和42(オ)802
- 登載
- 集民 第89号361頁
- 参照法条
- 民法764条,民法739条,民法765条
論点15第739条民法
協議離婚を有効と認めた事例。
裁判要旨妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上の婚姻関係は維持しつつ、単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、両名が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてこれをしたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年11月28日 昭和37(オ)203
- 登載
- 民集 第17巻11号1469頁
- 参照法条
- 民法763条,民法764条,民法739条
論点16第739条民法
戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者との間の親子関係について父母の養子が不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとされた事例
裁判要旨戸籍上甲乙夫婦の嫡出子として記載されている丙が真実甲乙夫婦の実子でない場合において、甲乙夫婦と丙との間に長年にわたり実親子と同様の生活の実体があり、両者ともその共同生活の解消を望んでおらず、甲乙夫婦の養子である丁も、甲乙夫婦と丙との間の親子関係の不存在を熟知しておりながら、甲の生前にはその確認を求める訴訟を提起しなかったなど判示の事情があったとしても、丁が甲乙夫婦と丙との間の親子関係不存在確認請求をすることは、権利の濫用に当たり許されないとはいえない。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年3月11日 平成3(オ)399
- 登載
- 集民 第182号1頁
- 参照法条
- 民法1条,民法739条,民法799条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続