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契約/雇用

雇用の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

雇用は、労働に従事することと報酬の支払いを約束し合うことで成立する契約です。民法は報酬の支払時期、契約の解除・解約の申入れ、期間満了後の更新の扱いなど、雇用関係の終了場面を中心にルールを定めています。

雇用
場面誰から予告・期間備考
期間の定めなし各当事者申入れから2週間いつでも解約可
期間5年超・終期不確定各当事者5年経過後に解除可使用者3か月前・労働者2週間前予告
やむを得ない事由あり各当事者直ちに解除可過失側に賠償責任あり得る
使用者が破産手続開始労働者・破産管財人2週間経過で終了互いに損害賠償請求不可
期間満了後も就労継続使用者が異議なし―従前と同条件で更新と推定
  • 報酬は期間で定めた場合、その期間経過後でなければ請求できない。
  • 使用者の帰責事由なく労働できなくなった場合や雇用が中途終了した場合は、既履行割合に応じて報酬請求できる。
  • 期間によって報酬を定めた使用者からの解約申入れは次期以後についてのみ可能で、当期の前半にしなければならない。
  • 報酬を6か月以上の期間で定めた場合、使用者からの解約申入れは3か月前にしなければならない。
  • 更新後の雇用でも、各当事者は期間の定めのない場合の解約申入れ(2週間)ができる。
  • 従前の雇用で担保を供していた場合、期間満了で消滅するが身元保証金は消滅しない。
1

雇用

雇用について、条文は何を定めているか。

第623条雇用労働と報酬を約束し合うことで雇用が成立する1項判例 14件
  • 働くことを約束し、相手が報酬を払うことを約束すれば雇用契約が成立する
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第624条報酬の支払時期報酬は働いた後でなければ請求できない2項判例 1件
  • 労働者は約束した労働を終えるまで報酬を請求できない
  • 期間で報酬を定めた場合はその期間経過後に請求できる
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第624_2条履行の割合に応じた報酬1項・2号判例なし
第625条使用者の権利の譲渡の制限等権利の譲渡・第三者への就労させには承諾が必要3項判例 4件
  • 使用者は労働者の承諾なしに権利を第三者に譲渡できない
  • 労働者は使用者の承諾なしに第三者を代わりに働かせられない
  • 無承諾で第三者を働かせた場合、使用者は契約解除できる
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第626条期間の定めのある雇用の解除5年超・終期不確定の雇用は5年経過後に解除できる2項判例なし
  • 雇用期間が5年を超えるか終期が不確定なら、5年経過後いつでも解除できる
  • 解除には使用者は3か月前、労働者は2週間前の予告が必要
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第627条期間の定めのない雇用の解約の申入れ期間の定めがなければいつでも解約を申し入れられる3項判例 3件
  • 各当事者はいつでも解約を申し入れでき、申入れから2週間で雇用終了
  • 期間で報酬を定めた場合、使用者の申入れは次期以後・当期前半に限る
  • 報酬期間が6か月以上なら、使用者の申入れは3か月前に必要
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第628条やむを得ない事由による雇用の解除やむを得ない事由があれば直ちに契約解除できる1項判例なし
  • 期間の定めがあっても、やむを得ない事由があれば直ちに解除できる
  • 解除原因が一方の過失によるときは相手方に損害賠償責任を負う
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第629条雇用の更新の推定等期間満了後も働き続け使用者が黙認すると更新とみなす2項判例なし
  • 満了後も就労を続け使用者が異議を述べないと同一条〈基本原則〉件で更新したと推定
  • 更新後も期間の定めのない場合と同じ解約申入れができる
  • 従前の担保は期間満了で消滅するが、身元保証金は消滅しない
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第630条雇用の解除の効力雇用の解除にも請負の原状回復規定が準用される1項判例なし
  • 第620条〈賃貸借の解除の効力〉の規定が雇用の解除にも準用される
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第631条使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ使用者が破産したら期間内でも解約を申し入れられる1項判例なし
  • 使用者が破産手続開始決定を受けたら、期間の定めがあっても労働者・破産管財人は解約申入れ可
  • この場合、互いに解約による損害賠償を請求できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第623条民法

宿直勤務中の従業員が盗賊に殺害された事故につき会社に安全配慮義務の違背に基づく損害賠償責任があるとされた事例

裁判要旨会社が、夜間においても、その社屋に高価な反物、毛皮等を多数開放的に陳列保管していながら、右社屋の夜間の出入口にのぞき窓やインターホンを設けていないため、宿直員においてくぐり戸を開けてみなければ来訪者が誰であるかを確かめることが困難であり、そのため来訪者が無理に押し入ることができる状態となり、これを利用して盗賊が侵入し宿直員に危害を加えることのあるのを予見しえたにもかかわらず、のぞき窓、インターホン、防犯チェーン等の盗賊防止のための物的設備を施さず、また、宿直員を新入社員一人としないで適宜増員するなどの措置を講じなかつたなど判示のような事実関係がある場合において、一人で宿直を命ぜられた新入社員がその勤務中にくぐり戸から押し入つた盗賊に殺害されたときは、会社は、右事故につき、安全配慮義務に違背したものとして損害賠償責任を負うものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月10日 昭和58(オ)152
登載
民集 第38巻6号557頁
参照法条
民法415条,民法623条
論点2第623条民法

無効な休職処分により就労を拒否された労働者の右期間中の賃金請求につき平均査定配分額の限度で賃金協定中の賃上額のいわゆる査定部分に関する協定の効力が右労働者にも及ぶものとして賃上額による賃金請求権が認められた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月18日 昭和52(オ)398
登載
集民 第124号441頁
参照法条
民法623条,労働基準法24条,労働組合法16条
論点3第623条民法

ロツクアウトの継続が違法とされた事例

裁判要旨組合がその組合員数を半減し力も弱くなつていたのに対し、会社(タクシー会社)はD組合員等によつてタクシーの車両数も増やして平常に近い営業を行い、その経営内容も著しく改善されるなど判示の事情があるときは、組合の就労要求を拒否した時点以降会社が継続したロツクアウトは、使用者の正当な争議行為と認められず、会社は右時点以降の賃金支払義務を免れない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年2月28日 昭和47(オ)440
登載
集民 第120号185頁
参照法条
労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条
論点4第623条民法

使用者の行う企業秩序違反事件の調査と労働者の協力義務

裁判要旨労働者は、使用者の行う他の労働者の企業秩序違反事件の調査について、これに協力することがその職責に照らし職務内容となつていると認められる場合でないか、又は調査対象である違反行為の性質・内容右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行するうえで必要かつ合理的であると認められる場合でない限り、協力義務を負わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和52年12月13日 昭和49(オ)687
登載
民集 第31巻7号1037頁
参照法条
民法623条,労働基準法第2章
論点5第623条民法

いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)が正当性を欠くとしてその期間中における使用者の賃金支払義務が認められた事例

裁判要旨省略
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年7月17日 昭和48(オ)267
登載
集民 第115号465頁
参照法条
労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条
論点6第623条民法

一、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)の正当性
二、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)とその期間中における使用者の賃金支払義務

裁判要旨一、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)は、個々の具体的な労働争議における労使間の交渉態度、経過組合側の争議行為の態様、それによつて使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし、衡平の見地から見て労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められる場合には、使用者の正当な争議行為として是認される。
二、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)をした使用者は、それが正当な争議行為として是認される場合には、その期間中における対象労働者に対する賃金支払義務を免れる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月25日 昭和44(オ)1256
登載
民集 第29巻4号481頁
参照法条
労働組合法8条,労働関係調整法7条,民法536条2項,民法623条
論点7第623条民法

政治活動をしないことを条件とする雇傭契約と基本的人権の制限

裁判要旨憲法で保障されたいわゆる基本的人権も絶対のものではなく、自己の自由意思に基く特別な公法関係または私法関係上の義務によつて制限を受けるものであつて、自己の自由意思により、校内において政治活動をしないことを条件として教員として学校に雇われた場合には、その契約は無効ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年2月22日 昭和25(オ)7
登載
民集 第6巻2号258頁
参照法条
憲法19条,憲法20条,憲法21条,民法623条
論点8第623条民法

労働者の死亡と労働契約上の地位確認請求訴訟の承継の成否

裁判要旨労働者の提起した労働契約上の地位を有することの確認を求める訴訟は、当該労働者の死亡により当然終了する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年9月22日 平成1(オ)812
登載
集民 第157号645頁
参照法条
民法623条,民訴法208条
論点9第623条民法

管理者に準ずる地位にある職員が組合員バッジの取外し命令に従わないため点呼執行業務から外して営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令が違法とはいえないとされた事例

裁判要旨自動車営業所の管理者に準ずる地位にある職員が、取外し命令を無視して組合員バッジの着用をやめないため、同人を通常業務である点呼執行業務から外し、営業所構内の火山灰の除去作業に従事することを命じた業務命令は、右作業が職場環境整備等のために必要な作業であり、従来も職員が必要に応じてこれを行うことがあったなど判示の事情の下においては、違法なものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年6月11日 平成1(オ)1631
登載
集民 第169号117頁
参照法条
民法623条,民法709条,労働基準法13条
論点10第623条民法

元請企業につき下請企業の労働者に対する安全配慮義務が認められた事例

裁判要旨下請企業の労働者が元請企業の作業場で労務の提供をするに当たり、元請企業の管理する設備工具等を用い、事実上元請企業の指揮監督を受けて稼働し、その作業内容も元請企業の従業員とほとんど同じであったなど原判示の事実関係の下においては、元請企業は、信義則上、右労働者に対し安全配慮義務を負う。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成3年4月11日 平成1(オ)516
登載
集民 第162号295頁
参照法条
民法1条2項,民法415条,民法623条,民法632条
論点11第623条民法

請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を違法な労働者派遣と解すべき場合に,注文者と当該労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえないとされた事例

裁判要旨請負人と雇用契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために,請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり,上記の派遣を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」に違反する労働者派遣と解すべき場合において,(1)上記雇用契約は有効に存在していたこと,(2)注文者が請負人による当該労働者の採用に関与していたとは認められないこと,(3)当該労働者が請負人から支給を受けていた給与等の額を注文者が事実上決定していたといえるような事情はうかがわれないこと,(4)請負人が配置を含む当該労働者の具体的な就業態様を一定の限度で決定し得る地位にあったことなど判示の事情の下では,注文者と当該労働者との間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年12月18日 平成20(受)1240
登載
民集 第63巻10号2754頁
参照法条
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律2条1号,職業安定法4条6項,労働契約法6条,民法623条,民法632条
論点12第623条民法

1 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例
2 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が業務命令に当たるとして,その無効確認を求める訴えが適法とされた事例
3 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し業務命令として教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が無効とされた事例

裁判要旨1 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,同教授の地元新聞紙上における発言等を理由として戒告処分をした場合において,上記発言が新聞紙上に掲載されても上記学校法人の社会的評価の低下毀損を生じさせるとは認め難いなど判示の事情の下では,上記戒告処分は懲戒権を濫用するものとして無効である。
2 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,教授会の決議を受けて,教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求める要請をした場合において,上記学校法人の規程上,業務命令権の行使が教授会等の機関に専権的に委任されているとは認められないなど判示の事情の下では,上記要請は上記学校法人が使用者としての立場から上記教授に発した業務命令に当たり,その無効確認を求める訴えは適法である。
3 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,業務命令として,教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求める要請をした場合において,それが制裁的意図に基づく差別的取扱いとみられてもやむを得ない行為であるなど判示の事情の下では,上記要請は,業務上の必要性を欠き,社会通念上著しく合理性を欠くものであって,業務命令権を濫用するものとして無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年7月13日 平成18(受)347
登載
集民 第225号117頁
参照法条
(1につき)労働基準法89条 (2,3につき)民法623条,労働基準法第2章 労働契約 (2につき)民訴法134条
論点13第623条民法

会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例

裁判要旨会社の従業員であった者が退職して執行役員に就任し,その後退任した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,会社が従前支給してきた内規所定の金額の退職慰労金は,功労報償的な性格が極めて強く,執行役員退任の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものであり,上記の者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することはできない。
(1) 会社の導入した執行役員制度の下において,執行役員は,従前は取締役が就いていた職務上の地位に就任し,報酬その他の待遇面においても,従前の取締役と同等の待遇が保障されていた。
(2) 上記制度の下において,従業員であった者が執行役員に就任する場合,いったん退職した上で,取締役会からの委任により執行役員に就任するものとされていた。
(3) 退職慰労金の支給金額を定めた上記内規は,代表取締役の決裁で作成,改定されるものであり,上記内規には,退任する執行役員に対し退職慰労金を支給する場合に適用する旨が定められていたにすぎず,これを必ず支給する旨の規定は置かれていなかった。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年11月16日 平成19(受)478
登載
集民 第226号317頁
参照法条
民法623条,民法643条,民法648条1項,労働基準法11条,労働基準法89条3号の2
論点14第623条民法

労働者が疾病のためその命じられた義務のうち一部の労務の提供ができなくなったことから直ちに債務の本旨に従った労務の提供をしなかったものと断定することはできないとされた事例

裁判要旨建設会社に雇用されて以来二一年以上にわたり建築工事現場における現場監督業務に従事してきた労働者が、疾病のため右業務のうち現場作業に係る労務の提供ができなくなった場合であっても、労働契約上その職種や業務内容が右業務に限定されていたとはいえず、事務作業に係る労務の提供は可能であり、かつ、その提供を申し出ていたときには、同人の能力、経験、地位、右会社の規模、業種、右会社における労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして同人が配置される現実的可能性があると認められる業務が他にあったかどうかを検討した上でなければ、同人が債務の本旨に従った労務の提供をしなかったものと断定することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年4月9日 平成7(オ)1230
登載
集民 第188号1頁
参照法条
民法493条,民法623条,労働基準法第2章労働契約
論点15第624条民法

ストライキを理由とする賃金の削減ができる固定給と認めた判断に審理不尽の違法があるとされた事例。

裁判要旨月掛生命保険外務職員のストライキを理由として、当該職員に支給すべき給与のうちから特定項目の給料を削減したことの適否を判断するにあたり、かかる削減を行なうことのできる特段の事情があるかどうか、それがないとすれば、右給料が拘束された勤務時間に応じて支払われる賃金としての性格を有するかどうかを審究することなく、単に、勤務時間拘束の制度が仕事の成果に応ずる能率給の実を挙げるために設けられたものではなく、また右給料が一定の資格にとどまる間その期間中における募集、集金の成果と関係なく支給されるということから、これをいわゆる固定給と認めてストライキによる削減を適法と判断したことは、審理不尽の違法をおかしたものというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年2月5日 昭和37(オ)1452
登載
民集 第19巻1号52頁
参照法条
労働基準法24条,民法624条,民訴法395条1項6号
論点16第625条民法

いわゆる在籍出向中の労働者に対する復帰命令と当該労働者の同意の要否

裁判要旨使用者が労働者に対し、雇用契約上の身分を保有させながら第三者の指揮監督の下に労務を提供させる形態のいわゆる在籍出向を命じている場合に、右出向関係を解消して復帰を命ずるためには、特段の事由のない限り、当該労働者の同意を得ることを必要としない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年4月5日 昭和56(オ)856
登載
民集 第39巻3号675頁
参照法条
民法625条1項
論点17第625条民法

いわゆる転属と労働者の承諾の要否

裁判要旨従来からの会社との間の雇用関係を終了させ、移籍先の会社との間に新たに雇用関係を生ぜしめるいわゆる転属は、労働者の承諾があつてはじめてその効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年4月12日 昭和43(オ)1122
登載
集民 第109号53頁
参照法条
民法625条,労働基準法第2章
論点18第625条民法

未登記立木に対する強制執行の方法

裁判要旨未登記立木に対する強制執行は、民訴法六二五条に基づき、立木を伐採する権利を差し押え、これを換価する方法によるべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年6月24日 昭和42(オ)692
登載
民集 第25巻4号574頁
参照法条
民法625条
論点19第625条民法

使用者が労働者に対し個別的同意なしにいわゆる在籍出向を命ずることができるとされた事例

裁判要旨出向命令の内容が,使用者が一定の業務を協力会社に業務委託することに伴い,委託される業務に従事していた労働者に対していわゆる在籍出向を命ずるものであって,就業規則及び労働協約には業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり,労働協約には社外勤務の定義,出向期間,出向中の社員の地位,賃金その他処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定があるという事情の下においては,使用者は,当該労働者に対し,個別的同意なしに出向を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年4月18日 平成11(受)805
登載
集民 第209号495頁
参照法条
民法625条1項,労働基準法第2章 労働契約
論点20第627条民法

一、就業規則所定の懲戒事由があることを理由に普通解雇に付する場合の解雇の要件
二、寝過しにより定時ラジオニュースを放送することができなかつたアナウンサーに対する解雇が解雇権の濫用として無効とされた事例

裁判要旨一、就業規則所定の懲戒事由があることを理由に普通解雇をする場合には、普通解雇の要件を備えていれば足り、懲戒解雇の要件をみたすことを要しない。
二、要旨省略
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年1月31日 昭和49(オ)165
登載
集民 第120号23頁
参照法条
民法627条,労働基準法20条
論点21第627条民法

除名が無効な場合におけるユニオン・ショップ協定に基づく解雇の効力

裁判要旨労働組合から除名された労働者に対し使用者がユニオン・ショップ協定に基づく労働組合に対する義務の履行として行う解雇は、右除名が無効な場合には、他に解雇の合理性を裏づける特段の事由がないかぎり、無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年4月25日 昭和43(オ)499
登載
民集 第29巻4号456頁
参照法条
労働組合法第2章,労働組合法第3章,民法627条
論点22第627条民法

証券業者の外務員につき労働基準法第二〇条の適用がないとされた事例。

裁判要旨証券業者と外務員間の契約により、外務員は右業者の顧客から株式その他の有価証券の売買又はその委託の媒介、取次又はその代理の注文を受けた場合これを業者に通じて売買その他の有価証券取引を成立させるいわゆる外務行為に従事すべき義務を負担し、業者はこれに対する報酬として出来高に応じ賃金を支払うと共に外務員のした有価証券の売買委託を受理すべき義務を負担しておるときは、業者の右契約解除につき労働基準法第二〇条の適用はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年5月25日 昭和33(オ)1023
登載
民集 第15巻5号1322頁
参照法条
労働基準法20条,証券取引法56条,民法627条,民法651条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第623条(雇用) 詳細ページ
(雇用)
第六百二十三条雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。
民法 第624条(報酬の支払時期) 詳細ページ
(報酬の支払時期)
第六百二十四条労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
2期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。
民法 第624_2条(履行の割合に応じた報酬) 詳細ページ
(履行の割合に応じた報酬)
第六百二十四条の二労働者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
一使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき。
二雇用が履行の中途で終了したとき。
民法 第625条(使用者の権利の譲渡の制限等) 詳細ページ
(使用者の権利の譲渡の制限等)
第六百二十五条使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない。
2労働者は、使用者の承諾を得なければ、自己に代わって第三者を労働に従事させることができない。
3労働者が前項の規定に違反して第三者を労働に従事させたときは、使用者は、契約の解除をすることができる。
民法 第626条(期間の定めのある雇用の解除) 詳細ページ
(期間の定めのある雇用の解除)
第六百二十六条雇用の期間が五年を超え、又はその終期が不確定であるときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。
2前項の規定により契約の解除をしようとする者は、それが使用者であるときは三箇月前、労働者であるときは二週間前に、その予告をしなければならない。
民法 第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 詳細ページ
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
民法 第628条(やむを得ない事由による雇用の解除) 詳細ページ
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法 第629条(雇用の更新の推定等) 詳細ページ
(雇用の更新の推定等)
第六百二十九条雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。
2従前の雇用について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、身元保証金については、この限りでない。
民法 第630条(雇用の解除の効力) 詳細ページ
(雇用の解除の効力)
第六百三十条第六百二十条の規定は、雇用について準用する。
民法 第631条(使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ) 詳細ページ
(使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ)
第六百三十一条使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても、労働者又は破産管財人は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。この場合において、各当事者は、相手方に対し、解約によって生じた損害の賠償を請求することができない。
出

一次情報

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