民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第108条自己契約及び双方代理等

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
法律行為/代理ステップ 1 / 1 代理代理について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 同一の法律行為について相手方の代理人としてした行為(自己契約)は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
  • 同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為(双方代理)も、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
  • ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
  • 自己契約・双方代理に当たらない場合でも、代理人と本人との利益が相反する行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
  • 利益相反行為についても、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

民法第108条の要件

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区分行為の内容原則例外(この限りでない場合)
第1項本文(自己契約)同一の法律行為について、相手方の代理人としてした行為代理権を有しない者がした行為とみなす債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為
第1項本文(双方代理)同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為代理権を有しない者がした行為とみなす債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為
第2項本文(利益相反行為)前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為代理権を有しない者がした行為とみなす本人があらかじめ許諾した行為

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法約束手形金請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和43(オ)813
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年4月4日 破棄差戻
登載
民集 第26巻3号373頁
参照法条
民法108条,手形法75条,手形法8条
判示事項
一、双方代理により振り出された約束手形と振出完成の時期 二、民法一〇八条に違反して振り出された約束手形の第三取得者に対する本人の手形上の責任
裁判要旨一、約束手形の振出人の代理人と受取人の代表者とが同一人であつて、手形の振出につき双方代理行為が成立するときは、振出行為の完成を留保すべき特段の事情のないかぎり、振出人の代理人として法定の形式に従つて手形の作成をおえた時に振出行為が完成し、その後は受取人の代表者の資格において手形を所持するにいたるものと解すべきである。
二、民法一〇八条に違反して約束手形が振り出された場合において、右手形が第三者に裏書譲渡されたときは、右第三者に対しては、本人は、その手形が双方代理行為によつて振り出されたものであることについて第三者が悪意であつたことを主張・立証しないかぎり、振出人としての責任を免れない。
民法建物明渡請求及び建物所有権移転登記抹消登記手続請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和42(オ)901
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年3月8日 棄却
登載
民集 第22巻3号540頁
参照法条
弁護士法25条1号,民法108条
判示事項
登記申請の双方代理と弁護士法第二五条第一号
裁判要旨弁護士が登記申請の双方代理をしても、その弁護士の行為は、特段の事由のないかぎり、弁護士法第二五条第一号に違反しない。
民法請求異議
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和24(オ)159
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年6月1日 棄却
登載
民集 第5巻7号367頁
参照法条
民法108条
判示事項
公正証書にいわゆる執行約款を附することを認諾する行為と民法第一〇八条の不適用
裁判要旨債務者が公正証書に債務不履行の場合はただちに強制執行を受けても異議がない旨の、いわゆる執行約款を附することを認諾する行為は、訴訟行為であつて、これに対しては、当然には民法第一〇八条の適用はない。

実務注記

原文解釈
  1. 自己契約・双方代理は無権代理とみなされる同一の法律行為について相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
  2. 債務の履行は適用除外第1項ただし書により、債務の履行については自己契約・双方代理の禁止(みなし無権代理)は適用されない。
  3. 本人のあらかじめの許諾で適用除外第1項・第2項いずれも、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでないとされている。「あらかじめ」の許諾であることに留意する。
  4. 利益相反行為は受け皿規定第2項本文は「前項本文に規定するもののほか」として、自己契約・双方代理に該当しない利益相反行為も無権代理とみなす。
  5. 利益相反行為の例外は本人の許諾のみ第2項ただし書は本人があらかじめ許諾した行為のみを例外としており、第1項ただし書にある「債務の履行」は第2項の文言には現れない。

条文原文

原文ママ
民法 第108条(自己契約及び双方代理等)
(自己契約及び双方代理等)
第百八条同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
2前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

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