行政不服審査法 / テーマ別まとめ

再調査の請求

再調査の請求の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

再調査の請求は、処分庁自身に対して不服を申し出る手続で、行政不服審査法54条から61条で請求期間、教示ミスへの救済、決定を経ずに審査請求がされた場合の扱い、決定の方式・教示、審査請求規定の準用などを定めています。実務担当者は、期限の管理と決定書に書くべき教示事項を中心に確認する必要があります。

再調査の請求
項目内容
請求期間(知った日)翌日から3月、正当理由なければ不可
請求期間(処分日)翌日から1年、正当理由なければ不可
誤った教示の救済処分庁に送付し、最初から請求扱い
決定前の審査請求審査請求で原則取り下げ扱い
3月後の教示3月経過後、書面で審査請求可能を教示
却下・棄却期間超過等は却下、理由なしは棄却
認容の決定処分取消・変更、不利益変更は不可
決定の方式決定書に理由・記名押印、教示付き
審査請求規定の準用審査請求の規定を準用(読み替えあり)
  • 誤った教示の救済(55条)は、審査請求人に弁明書が送付された後は適用されない
  • 56条の取り下げ扱いには例外があり、処分庁が既に処分の取消決定書謄本を発送済み、又は事実上の行為を撤廃済みの場合は、その部分を除いて審査請求が取り下げられたものとみなされる
  • 57条の3月は、不備補正を命じた場合は補正日の翌日から起算する
  • 59条の認容決定でも、請求人に不利益な変更はできない
  • 60条2項の教示は、再調査の請求に係る処分の全部を取り消し又は撤廃する決定には適用されない
  • 61条で準用される規定は、別表第二に従って字句を読み替える
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再調査の請求

再調査の請求について、条文は何を定めているか。

第54条再調査の請求期間再調査請求には期限がある2項判例なし
  • 処分を知った日の翌日から3月を過ぎると原則不可
  • 処分があった日の翌日から1年を過ぎると原則不可
  • 正当な理由があれば期限を過ぎても請求できる
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第55条誤った教示をした場合の救済教示ミスがあれば審査請求から移行できる3項判例なし
  • 処分庁が教示を誤った場合、審査請求人の申立てで審査庁が処分庁に書類を送付
  • 弁明書が送付された後は、この移行はできない
  • 送付されたら最初から再調査の請求がされたものとみなす
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第56条再調査の請求についての決定を経ずに審査請求がされた場合審査請求をすると再調査請求は取り下げ扱い1項判例なし
  • 処分庁が既に取消決定書謄本を発送済みなら例外がある
  • 事実上の行為を既に撤廃済みの場合も例外がある
  • 例外時は取消・撤廃済みの部分を除いて取り下げ扱い
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第57条三月後の教示3月を過ぎたら審査請求できる旨を教示1項判例 1件
  • 再調査の請求が3月経過してもなお続いているとき
  • 処分庁は遅滞なく書面で審査請求できる旨を教示する
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第58条再調査の請求の却下又は棄却の決定期限切れや不適法なら却下、理由なければ棄却2項判例なし
  • 法定期間を過ぎた請求などは却下の決定をする
  • 請求に理由がない場合は棄却の決定をする
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第59条再調査の請求の認容の決定理由があれば処分を取り消し・変更できる3項判例なし
  • 処分は全部・一部の取消しまたは変更ができる
  • 事実上の行為は違法・不当を宣言し撤廃・変更できる
  • 請求人に不利益な変更はできない
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第60条決定の方式決定書には理由を書き、教示も必要2項判例なし
  • 主文と理由を記載し、処分庁が記名押印した決定書で行う
  • 全部取消・撤廃以外は審査請求できる旨などを教示する
  • 却下決定は違法な場合に限り審査請求できる旨を教示
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第61条審査請求に関する規定の準用審査請求の規定を再調査の請求にも使う1項判例なし
  • 審査請求に関する多くの条文を再調査の請求に準用する
  • 別表第二に従い、準用時の字句を読み替える
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第57条行政不服審査法

建築基準法四六条一項に基づく壁面線の指定と行政不服審査法五七条一項の適用の有無

裁判要旨建築基準法四六条一項に基づく壁面線の指定については、行政不服審査法五七条一項〈三月後の教示〉の適用はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和61年6月19日 昭和60(行ツ)207
登載
集民 第148号239頁
参照法条
建築基準法45条1項,建築基準法45条3項,行政不服審査法57条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

行政不服審査法 第54条(再調査の請求期間) 詳細ページ
(再調査の請求期間)
第五十四条再調査の請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2再調査の請求は、処分があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
行政不服審査法 第55条(誤った教示をした場合の救済) 詳細ページ
(誤った教示をした場合の救済)
第五十五条再調査の請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って再調査の請求をすることができる旨を教示しなかった場合において、審査請求がされた場合であって、審査請求人から申立てがあったときは、審査庁は、速やかに、審査請求書又は審査請求録取書を処分庁に送付しなければならない。ただし、審査請求人に対し弁明書が送付された後においては、この限りでない。
2前項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書の送付を受けた処分庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。
3第一項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書が処分庁に送付されたときは、初めから処分庁に再調査の請求がされたものとみなす。
行政不服審査法 第56条(再調査の請求についての決定を経ずに審査請求がされた場合) 詳細ページ
(再調査の請求についての決定を経ずに審査請求がされた場合)
第五十六条第五条第二項ただし書の規定により審査請求がされたときは、同項の再調査の請求は、取り下げられたものとみなす。ただし、処分庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分(事実上の行為を除く。)を取り消す旨の第六十条第一項の決定書の謄本を発している場合又は再調査の請求に係る事実上の行為を撤廃している場合は、当該審査請求(処分(事実上の行為を除く。)の一部を取り消す旨の第五十九条第一項の決定がされている場合又は事実上の行為の一部が撤廃されている場合にあっては、その部分に限る。)が取り下げられたものとみなす。
行政不服審査法 第57条(三月後の教示) 詳細ページ
(三月後の教示)
第五十七条処分庁は、再調査の請求がされた日(第六十一条において読み替えて準用する第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあっては、当該不備が補正された日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求が係属しているときは、遅滞なく、当該処分について直ちに審査請求をすることができる旨を書面でその再調査の請求人に教示しなければならない。
行政不服審査法 第58条(再調査の請求の却下又は棄却の決定) 詳細ページ
(再調査の請求の却下又は棄却の決定)
第五十八条再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。
2再調査の請求が理由がない場合には、処分庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。
行政不服審査法 第59条(再調査の請求の認容の決定) 詳細ページ
(再調査の請求の認容の決定)
第五十九条処分(事実上の行為を除く。)についての再調査の請求が理由がある場合には、処分庁は、決定で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
2事実上の行為についての再調査の請求が理由がある場合には、処分庁は、決定で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更する。
3処分庁は、前二項の場合において、再調査の請求人の不利益に当該処分又は当該事実上の行為を変更することはできない。
行政不服審査法 第60条(決定の方式) 詳細ページ
(決定の方式)
第六十条前二条の決定は、主文及び理由を記載し、処分庁が記名押印した決定書によりしなければならない。
2処分庁は、前項の決定書(再調査の請求に係る処分の全部を取り消し、又は撤廃する決定に係るものを除く。)に、再調査の請求に係る処分につき審査請求をすることができる旨(却下の決定である場合にあっては、当該却下の決定が違法な場合に限り審査請求をすることができる旨)並びに審査請求をすべき行政庁及び審査請求期間を記載して、これらを教示しなければならない。
行政不服審査法 第61条(審査請求に関する規定の準用) 詳細ページ
(審査請求に関する規定の準用)
第六十一条第九条第四項、第十条から第十六条まで、第十八条第三項、第十九条(第三項並びに第五項第一号及び第二号を除く。)、第二十条、第二十三条、第二十四条、第二十五条(第三項を除く。)、第二十六条、第二十七条、第三十一条(第五項を除く。)、第三十二条(第二項を除く。)、第三十九条、第五十一条及び第五十三条の規定は、再調査の請求について準用する。この場合において、別表第二の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。