著作権法 / テーマ別まとめ

著作者の権利/著作物

著作物の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作物として保護される対象の範囲と、保護が及ばない・及びにくい範囲を定めています。第10条は著作物の種類を例示し、第11条・第12条・第12条の2は原作品を利用して作られた著作物や、素材を集めて作った著作物の扱いを定め、第13条は権利の対象にならない著作物を列挙しています。

著作物
区分該当例・内容権利への影響
言語の著作物小説、脚本、論文、講演など保護される
音楽の著作物音楽保護される
舞踊・無言劇の著作物舞踊、無言劇保護される
美術の著作物絵画、版画、彫刻など保護される
建築の著作物建築保護される
図形の著作物地図、学術的図面・図表・模型など保護される
映画の著作物映画保護される
写真の著作物写真保護される
プログラムの著作物プログラム保護される(言語・規約・解法は対象外)
雑報・時事の報道事実の伝達にすぎないもの著作物に該当しない
二次的著作物原著作物を基にした著作物原著作物の著作者の権利に影響しない
編集著作物素材の選択・配列に創作性がある編集物部分の著作物の著作者の権利に影響しない
データベースの著作物情報の選択・体系的構成に創作性があるもの部分の著作物の著作者の権利に影響しない
権利の目的とならない著作物憲法その他の法令、告示・訓令等、裁判の判決等、これらの翻訳物・編集物権利の対象にならない
  • 編集著作物の対象は、データベースに該当するものを除く編集物。
  • 権利の目的とならない著作物のうち翻訳物・編集物は、国・地方公共団体の機関、独立行政法人、地方独立行政法人が作成するものに限る。
  • プログラムの著作物の保護は、プログラム言語・規約・解法には及ばない。
1

著作物

著作物について、条文は何を定めているか。

第10条著作物の例示著作物として保護されるものを例示する3項・12号判例 3件
  • 小説・音楽・美術・建築・図形・映画・写真・プログラムなど9種類を例示
  • 単なる事実の伝達にすぎない雑報・時事報道は著作物に含まれない
  • プログラムの著作物でも、言語・規約・解法自体には保護が及ばない
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第11条二次的著作物二次的著作物があっても元の権利は変わらない1項判例なし
  • 二次的著作物を保護しても、原著作物の著作者の権利には影響しない
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第12条編集著作物素材の選び方・並べ方に工夫があれば編集物も保護2項判例 1件
  • データベースを除く編集物で、選択・配列に創作性があれば著作物として保護
  • 保護しても、編集物を構成する個々の著作物の著作者の権利には影響しない
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第12_2条データベースの著作物2項判例なし
第13条権利の目的とならない著作物憲法・法令や裁判の判決などは権利の対象外1項・4号判例なし
  • 憲法その他の法令は著作権法の権利の目的にならない
  • 国・地方公共団体・独立行政法人等の告示・訓令・通達なども対象外
  • 裁判所の判決等や行政庁の裁決等(裁判に準ずる手続によるもの)も対象外、その翻訳物・編集物(国等作成分)も対象外
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第10条著作権法

家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利と複製物の再譲渡

裁判要旨家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡された複製物について消尽し,その効力は,当該複製物を公衆に提示することを目的としないで再譲渡する行為には及ばない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年4月25日 平成13(受)952等
登載
民集 第56巻4号808頁
参照法条
著作権法2条1項19号,著作権法2条3項,著作権法10条1項7号,著作権法26条,著作権法112条
論点2第10条著作権法

印刷用書体の著作物性

裁判要旨印刷用書体が著作権法二条一項一号にいう著作物に該当するためには、従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性及びそれ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えていなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年9月7日 平成10(受)332
登載
民集 第54巻7号2481頁
参照法条
著作権法2条1項1号,著作権法2条2項,著作権法10条1項4号
論点3第10条著作権法

量産されて日常生活の中で実用に供されることが予定されている物品が著作権法2条1項1号にいう美術の範囲に属する著作物に当たる場合

裁判要旨量産されて日常生活の中で実用に供されることが予定されている物品の全体又は部分における形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合が、観念上、実用目的に必要な機能に由来する構成とは別個に、思想又は感情の創作的な表現として把握することができるものである場合には、当該物品の全体又は部分は、著作権法2条1項1号〈定義 著作物思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。〉にいう著作物のうち、美術の範囲に属するものに当たる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和8年4月24日 令和7(受)356
登載
―
参照法条
著作権法2条1項1号、2項、著作権法10条1項4号
論点4第12条著作権法

詩人の著作物を収録し生存中にその承諾の下に出版された編集著作物の編集に関与した者の編集著作権が否定された事例

裁判要旨詩人の著作物を収録し、生存中にその承諾の下に出版された編集著作物について、詩人以外の者が編集に関与したとしても、収録する詩等の範囲及び掲載順の確定、題名の決定等を詩人自らが行い、関与者は詩人の意向に全面的に従っていたなど判示の事実関係の下においては、関与者に当該編集著作物の編集著作権があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年3月30日 平成4(オ)797
登載
集民 第168号599頁
参照法条
旧著作権法(明治32年法律第39号)14条,著作権法12条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第10条(著作物の例示) 詳細ページ
(著作物の例示)
第十条この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二音楽の著作物
三舞踊又は無言劇の著作物
四絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五建築の著作物
六地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七映画の著作物
八写真の著作物
九プログラムの著作物
2事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
3第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
一プログラム言語プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二規約特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三解法プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。
著作権法 第11条(二次的著作物) 詳細ページ
(二次的著作物)
第十一条二次的著作物に対するこの法律による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
著作権法 第12条(編集著作物) 詳細ページ
(編集著作物)
第十二条編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
2前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
著作権法 第12_2条(データベースの著作物) 詳細ページ
(データベースの著作物)
第十二条の二データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。
2前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
著作権法 第13条(権利の目的とならない著作物) 詳細ページ
(権利の目的とならない著作物)
第十三条次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一憲法その他の法令
二国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。