著作者人格権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
著作者人格権は、著作物を通じて著作者の人格的利益を保護する権利で、公表権(18条)・氏名表示権(19条)・同一性保持権(20条)の3つから構成されます。財産権である著作権(複製権など)とは別に、著作者本人に帰属し、譲渡できない権利として定められています。実務では、著作物の公表・表示名・改変を行う場面でこれらの権利への配慮が必要になります。
| 権利 | 内容 | 対象 | 例外 |
|---|---|---|---|
| 公表権(18条) | 未公表物を公表するか決める | 未公表の著作物・二次的著作物 | 同意推定・情報公開法等で不適用 |
| 氏名表示権(19条) | 実名・変名の表示や不表示を選べる | 著作物の原作品・提供時の表示 | 省略可・情報公開法等で不適用 |
| 同一性保持権(20条) | 意に反する改変を受けない | 著作物及び題号 | 教育目的等の改変は対象外 |
著作者人格権について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
一 一個の行為により同一著作物についての著作財産権と著作者人格権とが侵害されたことを理由とする著作財産権に基づく慰藉料請求及び著作者人格権に基づく慰藉料請求と訴訟物の個数
二 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三六条ノ二所定の著作者の声望名誉の意義
1 著作権法19条1項〈氏名表示権〉の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は,同法21条〈複製権〉から27条〈翻訳権、翻案権等〉までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要するか
2 インターネット上の情報ネットワークにおいてされた他人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により,上記画像が,著作者名の表示の付された部分が切除された形で上記投稿に係るウェブページの閲覧者の端末に表示された場合に,上記閲覧者が当該表示された画像をクリックすれば,上記著作者名の表示がある元の画像を見ることができるとしても,上記投稿をした者が著作者名を表示したことにはならないとされた事例
3 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項〈著作物の公表〉に基づく発信者情報の開示請求をする者が,インターネット上の情報ネットワークにおいてされた同人の著作物である写真の画像の掲載を含む投稿により,上記写真に係る氏名表示権を侵害された場合に,上記投稿をした者が,同項の「侵害情報の発信者」に該当し,かつ,同項1号の「侵害情報の流通によって」上記開示請求をする者の権利を侵害したものといえるとされた事例
1 メモリーカードの使用がゲームソフトの著作者の有する同一性保持権を侵害するとされた事例
2 専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いた者の不法行為責任
e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。
条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。