不正競争防止法 / テーマ別まとめ

刑事訴訟手続の特例

刑事訴訟手続の特例の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

不正競争防止法は、営業秘密が関係する刑事事件について、営業秘密の内容が公開の法廷で明らかにならないようにするための刑事訴訟手続の特例を定めています。裁判所による秘匿決定・呼称等の決定を中心に、起訴状や証拠書類の朗読方法、尋問等の制限や公判期日外での実施、証拠開示時の秘匿要請などが対象です。これらの特例の実施に必要な細目は最高裁判所規則に委任されています。

刑事訴訟手続の特例
条文制度内容決定主体
23条秘匿決定・呼称等の決定特定事項を非公開にできる裁判所
24条起訴状朗読の特例特定事項を明示せず朗読―
25条尋問等の制限尋問・陳述を制限できる裁判長
26条期日外尋問等期日外で尋問等を実施裁判所
27条書面提示命令尋問要領書面の提示命令裁判所
28条証拠書類朗読の特例特定事項を明示せず朗読―
29条整理手続での決定整理手続内でも決定可裁判所
30条証拠開示時の秘匿要請閲覧時に秘匿を求める検察官・弁護人
31条最高裁規則への委任実施細目は規則で定める最高裁判所
  • 秘匿決定の対象は21条1項・2項・4項(4号除く)・5項・6項及び22条1項(3号除く)の事件に限られる
  • 被害者側の秘匿決定の申出は検察官にあらかじめ行い、検察官が意見を付して裁判所に通知する
  • 被告人側からの申出は、証明・防御に不可欠であり、かつ著しい支障のおそれがある場合に限られる
  • 秘匿決定が相当でなくなったときや罰条の撤回・変更で対象事件でなくなったときは決定の取消しが必要
  • 25条の尋問等の制限は、証明に重大な支障や防御に実質的な不利益が生じる場合は認められない
  • 30条で被告人に知らせないよう求められるのは、起訴状に記載された事項以外のものに限られる
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刑事訴訟手続の特例

刑事訴訟手続の特例について、条文は何を定めているか。

第23条営業秘密の秘匿決定等裁判所が営業秘密を非公開にできる5項判例なし
  • 被害者側の申出は検察官を通じて行い、意見を付して裁判所に通知される
  • 被告人側の申出は証明・防御に不可欠かつ著しい支障のおそれが要件
  • 呼称等の決定や、要件が消滅した場合の取消しも裁判所が行う
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第24条起訴状の朗読方法の特例起訴状朗読は特定事項を明かさず実施2項判例なし
  • 秘匿決定があれば、特定事項を明かさない方法で起訴状を朗読する
  • 検察官は被告人に起訴状を示さなければならない
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第25条尋問等の制限尋問・陳述が特定事項に及ぶ場合は制限可2項判例なし
  • 裁判長が尋問・陳述や供述を求める行為を制限できる
  • 証明に重大な支障や防御の実質的不利益が生じる場合は制限できない
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第26条公判期日外の証人尋問等期日外で尋問や供述聴取ができる2項判例なし
  • 検察官・被告人側の意見を聴いたうえで裁判所が実施を決める
  • 著しい支障を防止するためやむを得ない場合に限られる
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第27条尋問等に係る事項の要領を記載した書面の提示命令尋問事項の要領書面の提示を命じられる1項判例なし
  • 呼称等の決定や期日外尋問を定める際に裁判所が書面提示を命じられる
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第28条証拠書類の朗読方法の特例証拠書類の朗読も特定事項を明かさず実施1項判例なし
  • 秘匿決定があれば、証拠書類・電磁的記録の朗読も特定事項を明かさない
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第29条公判前整理手続等における決定秘匿決定などは整理手続でも行える1項・2号判例なし
  • 秘匿決定・呼称等の決定・取消しは公判前整理手続や期日間整理手続でも可能
  • 期日外での尋問等の実施を定めることも整理手続で行える
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第30条証拠開示の際の営業秘密の秘匿要請証拠開示時にも秘匿を求められる2項判例なし
  • 著しい支障のおそれがあるとき、相手方に秘匿を求められる
  • 起訴状記載事項以外に限り、被告人に知らせないことも求められる
  • 刑事訴訟法の証拠開示の場面にも同様の規定が準用される
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第31条最高裁判所規則への委任細目は最高裁判所規則で定める1項判例なし
  • 23条〈営業秘密の秘匿決定等〉から30条〈証拠開示の際の営業秘密の秘匿要請〉までの実施に必要な事項は最高裁判所規則に委任される
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原

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原文ママ

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不正競争防止法 第23条(営業秘密の秘匿決定等) 詳細ページ
(営業秘密の秘匿決定等)
第二十三条裁判所は、第二十一条第一項、第二項、第四項(第四号を除く。)、第五項若しくは第六項の罪又は前条第一項(第三号を除く。)の罪に係る事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該事件に係る営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。
2前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。
3裁判所は、第一項に規定する事件を取り扱う場合において、検察官又は被告人若しくは弁護人から、被告人その他の者の保有する営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項を公開の法廷で明らかにされたくない旨の申出があるときは、相手方の意見を聴き、当該事項が犯罪の証明又は被告人の防御のために不可欠であり、かつ、当該事項が公開の法廷で明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときは、その範囲を定めて、当該事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。
4裁判所は、第一項又は前項の決定(以下「秘匿決定」という。)をした場合において、必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定で、営業秘密構成情報特定事項(秘匿決定により公開の法廷で明らかにしないこととされた営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)に係る名称その他の表現に代わる呼称その他の表現を定めることができる。
5裁判所は、秘匿決定をした事件について、営業秘密構成情報特定事項を公開の法廷で明らかにしないことが相当でないと認めるに至ったとき、又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十二条の規定により罰条が撤回若しくは変更されたため第一項に規定する事件に該当しなくなったときは、決定で、秘匿決定の全部又は一部及び当該秘匿決定に係る前項の決定(以下「呼称等の決定」という。)の全部又は一部を取り消さなければならない。
不正競争防止法 第24条(起訴状の朗読方法の特例) 詳細ページ
(起訴状の朗読方法の特例)
第二十四条秘匿決定があったときは、刑事訴訟法第二百九十一条第一項の起訴状の朗読は、営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。この場合においては、検察官は、被告人に起訴状を示さなければならない。
2刑事訴訟法第二百七十一条の二第四項の規定による措置がとられた場合(当該措置に係る個人特定事項(同法第二百一条の二第一項に規定する個人特定事項をいう。以下この項において同じ。)の全部について同法第二百七十一条の五第一項の決定があった場合を除く。)における前項後段の規定の適用については、同項後段中「起訴状」とあるのは、当該措置に係る個人特定事項の一部について同法第二百七十一条の五第一項の決定があった場合にあっては「起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。)及び同法第二百七十一条の五第四項に規定する書面」と、それ以外の場合にあっては「起訴状抄本等(同法第二百七十一条の二第二項に規定する起訴状抄本等をいう。)」とする。
不正競争防止法 第25条(尋問等の制限) 詳細ページ
(尋問等の制限)
第二十五条裁判長は、秘匿決定があった場合において、訴訟関係人のする尋問又は陳述が営業秘密構成情報特定事項にわたるときは、これを制限することにより、犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがある場合又は被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、当該尋問又は陳述を制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、同様とする。
2刑事訴訟法第二百九十五条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による命令を受けた検察官又は弁護士である弁護人がこれに従わなかった場合について準用する。
不正競争防止法 第26条(公判期日外の証人尋問等) 詳細ページ
(公判期日外の証人尋問等)
第二十六条裁判所は、秘匿決定をした場合において、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人を尋問するとき、又は被告人が任意に供述をするときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人の尋問若しくは供述又は被告人に対する供述を求める行為若しくは被告人の供述が営業秘密構成情報特定事項にわたり、かつ、これが公開の法廷で明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被害者、被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあり、これを防止するためやむを得ないと認めるときは、公判期日外において当該尋問又は刑事訴訟法第三百十一条第二項及び第三項に規定する被告人の供述を求める手続をすることができる。
2刑事訴訟法第百五十七条第一項及び第二項、第百五十八条第二項及び第三項、第百五十九条第一項、第二百七十三条第二項、第二百七十四条並びに第三百三条の規定は、前項の規定による被告人の供述を求める手続について準用する。この場合において、同法第百五十七条第一項、第百五十八条第三項及び第百五十九条第一項中「被告人又は弁護人」とあるのは「弁護人、共同被告人又はその弁護人」と、同法第百五十八条第二項中「被告人及び弁護人」とあるのは「弁護人、共同被告人及びその弁護人」と、同法第二百七十三条第二項中「公判期日」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の期日」と、同法第二百七十四条中「公判期日」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の日時及び場所」と、同法第三百三条中「証人その他の者の尋問、検証、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録並びに押収した物及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)により提供させた電磁的記録」とあるのは「不正競争防止法第二十六条第一項の規定による被告人の供述を求める手続の結果を記載した書面」と、「証拠書類又は証拠物」とあるのは「証拠書類」と読み替えるものとする。
不正競争防止法 第27条(尋問等に係る事項の要領を記載した書面の提示命令) 詳細ページ
(尋問等に係る事項の要領を記載した書面の提示命令)
第二十七条裁判所は、呼称等の決定をし、又は前条第一項の規定により尋問若しくは被告人の供述を求める手続を公判期日外においてする旨を定めるに当たり、必要があると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人に対し、訴訟関係人のすべき尋問若しくは陳述又は被告人に対する供述を求める行為に係る事項の要領を記載した書面の提示を命ずることができる。
不正競争防止法 第28条(証拠書類の朗読方法の特例) 詳細ページ
(証拠書類の朗読方法の特例)
第二十八条秘匿決定があったときは、刑事訴訟法第三百五条第一項若しくは第二項の規定による証拠書類の朗読又は同法第三百七条の二第一項若しくは第二項の規定による電磁的記録の内容の朗読は、営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。
不正競争防止法 第29条(公判前整理手続等における決定) 詳細ページ
(公判前整理手続等における決定)
第二十九条次に掲げる事項は、公判前整理手続及び期日間整理手続において行うことができる。
一秘匿決定若しくは呼称等の決定又はこれらの決定を取り消す決定をすること。
二第二十六条第一項の規定により尋問又は被告人の供述を求める手続を公判期日外においてする旨を定めること。
不正競争防止法 第30条(証拠開示の際の営業秘密の秘匿要請) 詳細ページ
(証拠開示の際の営業秘密の秘匿要請)
第三十条検察官又は弁護人は、第二十三条第一項に規定する事件について、刑事訴訟法第二百九十九条第一項の規定により証拠書類又は証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、第二十三条第一項又は第三項に規定する営業秘密を構成する情報の全部又は一部を特定させることとなる事項が明らかにされることにより当該営業秘密に基づく被害者、被告人その他の者の事業活動に著しい支障を生ずるおそれがあると認めるときは、相手方に対し、その旨を告げ、当該事項が、犯罪の証明若しくは犯罪の捜査又は被告人の防御に関し必要がある場合を除き、関係者(被告人を含む。)に知られないようにすることを求めることができる。ただし、被告人に知られないようにすることを求めることについては、当該事項のうち起訴状に記載された事項以外のものに限る。
2前項の規定は、検察官又は弁護人が刑事訴訟法第二編第三章第二節第一款第二目(同法第三百十六条の二十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による証拠の開示をする場合について準用する。
不正競争防止法 第31条(最高裁判所規則への委任) 詳細ページ
(最高裁判所規則への委任)
第三十一条この法律に定めるもののほか、第二十三条から前条までの規定の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
出

一次情報

原文ママ

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