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出版権

出版権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

出版権は、著作物の複製権・公衆送信権を持つ者(複製権等保有者)が、出版や電子出版を引き受ける者に対して設定する権利で、著作権法第79条から第88条が定めている。出版権者は原作のまま複製・公衆送信を専有できる一方、原稿等の引渡しから6月以内に出版・送信を行う義務や慣行に従い継続する義務を負い、これらに違反すると複製権等保有者は出版権を消滅させることができる。存続期間は設定行為で定めるのが原則で、定めがなければ最初の出版行為等から3年で消滅する。

出版権
区分権利内容義務(期限)存続期間消滅事由
第一号出版権者原作のまま複製する権利6月以内に出版設定後3年(原則)違反で出版権消滅
第二号出版権者原作のまま公衆送信する権利6月以内に公衆送信設定後3年(原則)違反で出版権消滅
  • 存続期間は設定行為で自由に定めてよく、3年は定めがない場合の原則
  • 著作者死亡時や設定後3年経過後は全集等への収録複製・送信が可能
  • 複製権・公衆送信権に質権設定済みなら、質権者の承諾がなければ出版権を設定できない
  • 出版権者が第三者に複製・公衆送信を許諾するには複製権等保有者の承諾が必要
  • 出版権の譲渡・質権設定は複製権等保有者の承諾がある場合に限られる
  • 出版権の設定・移転・変更・消滅や質権設定は登録しないと第三者に対抗できない
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出版権

出版権について、条文は何を定めているか。

第79条出版権の設定複製権者等が出版権を設定できる2項判例なし
  • 複製権・公衆送信権を持つ者が、出版や電子出版を引き受ける者に出版権を設定できる
  • 電子計算機で画面表示する方式の記録媒体による複製物頒布も出版行為に含む
  • 質権が設定済みなら質権者の承諾を得た場合に限り設定できる
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第80条出版権の内容出版権者が専有する権利の範囲4項・2号判例なし
  • 頒布目的で原作のまま複製する権利、または公衆送信する権利を専有できる
  • 著作者死亡時、または最初の出版行為等から3年経過後は全集等への収録複製・送信が可能
  • 出版権者が第三者に許諾するには複製権等保有者の承諾が必要
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第81条出版の義務出版権者が負う出版・送信の義務1項・2号判例なし
  • 原稿等の引渡しから6月以内に出版行為または公衆送信行為を行う義務
  • 慣行に従い継続して出版・送信を行う義務
  • 設定行為に別段の定めがあればこれらの義務は適用されない
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第82条著作物の修正増減著作者は正当な範囲で修正増減できる2項・2号判例なし
  • 改めて複製・公衆送信する場合、著作者は正当な範囲内で修正増減を加えられる
  • 第一号出版権者は改めて複製する都度、事前に著作者へ通知が必要
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第83条出版権の存続期間存続期間は設定行為で定める2項判例なし
  • 存続期間は原則として設定行為で自由に定められる
  • 定めがないときは最初の出版行為等から3年経過した日に消滅する
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第84条出版権の消滅の請求義務違反等で出版権を消滅させられる3項判例なし
  • 6月以内出版・送信義務違反なら通知だけで出版権を消滅させられる
  • 継続義務違反は3月以上の催告後、履行なければ消滅させられる
  • 著作者は内容が確信に合わなくなれば通知で消滅させられる(損害賠償が条件)
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第85条1項判例なし
第86条出版権の制限著作権の制限規定を出版権にも準用3項・4号判例なし
  • 私的使用や引用など著作権の制限規定の多くを出版権にも準用する
  • 目的外で複製物を頒布・提示した者は出版権の複製を行ったとみなされる
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第87条出版権の譲渡等譲渡・質権設定は複製権者等の承諾が必要1項判例なし
  • 出版権の全部または一部の譲渡・質権設定は複製権等保有者の承諾がある場合に限る
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第88条出版権の登録登録しないと第三者に対抗できない2項・2号判例なし
  • 出版権の設定・移転・変更・消滅や処分の制限は登録が対抗要件
  • 出版権を目的とする質権の設定等も同様に登録が対抗要件
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第79条(出版権の設定) 詳細ページ
(出版権の設定)
第七十九条第二十一条又は第二十三条第一項に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文書又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物により頒布することを含む。次条第二項及び第八十一条第一号において「出版行為」という。)又は当該方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。以下この章において同じ。)を行うこと(次条第二項及び第八十一条第二号において「公衆送信行為」という。)を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。
2複製権等保有者は、その複製権又は公衆送信権を目的とする質権が設定されているときは、当該質権を有する者の承諾を得た場合に限り、出版権を設定することができるものとする。
著作権法 第80条(出版権の内容) 詳細ページ
(出版権の内容)
第八十条出版権者は、設定行為で定めるところにより、その出版権の目的である著作物について、次に掲げる権利の全部又は一部を専有する。
一頒布の目的をもつて、原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利(原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含む。)
二原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行う権利
2出版権の存続期間中に当該著作物の著作者が死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版行為又は公衆送信行為(第八十三条第二項及び第八十四条第三項において「出版行為等」という。)があつた日から三年を経過したときは、複製権等保有者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物について、全集その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る。)に収録して複製し、又は公衆送信を行うことができる。
3出版権者は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製又は公衆送信を許諾することができる。
4第六十三条第二項、第三項及び第六項並びに第六十三条の二の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第六十三条第三項中「著作権者」とあるのは「第七十九条第一項の複製権等保有者及び出版権者」と、同条第六項中「第二十三条第一項」とあるのは「第八十条第一項(第二号に係る部分に限る。)」と読み替えるものとする。
著作権法 第81条(出版の義務) 詳細ページ
(出版の義務)
第八十一条出版権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、その出版権の目的である著作物につき当該各号に定める義務を負う。ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。
一前条第一項第一号に掲げる権利に係る出版権者(次条において「第一号出版権者」という。)次に掲げる義務
イ複製権等保有者からその著作物を複製するために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について出版行為を行う義務
ロ当該著作物について慣行に従い継続して出版行為を行う義務
二前条第一項第二号に掲げる権利に係る出版権者(次条第一項第二号及び第百四条の十の三第二号ロにおいて「第二号出版権者」という。)次に掲げる義務
イ複製権等保有者からその著作物について公衆送信を行うために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について公衆送信行為を行う義務
ロ当該著作物について慣行に従い継続して公衆送信行為を行う義務
著作権法 第82条(著作物の修正増減) 詳細ページ
(著作物の修正増減)
第八十二条著作者は、次に掲げる場合には、正当な範囲内において、その著作物に修正又は増減を加えることができる。
一その著作物を第一号出版権者が改めて複製する場合
二その著作物について第二号出版権者が公衆送信を行う場合
2第一号出版権者は、その出版権の目的である著作物を改めて複製しようとするときは、その都度、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。
著作権法 第83条(出版権の存続期間) 詳細ページ
(出版権の存続期間)
第八十三条出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる。
2出版権は、その存続期間につき設定行為に定めがないときは、その設定後最初の出版行為等があつた日から三年を経過した日において消滅する。
著作権法 第84条(出版権の消滅の請求) 詳細ページ
(出版権の消滅の請求)
第八十四条出版権者が第八十一条第一号(イに係る部分に限る。)又は第二号(イに係る部分に限る。)の義務に違反したときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第八十条第一項第一号又は第二号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる。
2出版権者が第八十一条第一号(ロに係る部分に限る。)又は第二号(ロに係る部分に限る。)の義務に違反した場合において、複製権等保有者が三月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第八十条第一項第一号又は第二号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる。
3複製権等保有者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなつたときは、その著作物の出版行為等を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。
著作権法 第85条 詳細ページ
第八十五条削除
著作権法 第86条(出版権の制限) 詳細ページ
(出版権の制限)
第八十六条第三十条の二から第三十条の四まで、第三十一条第一項及び第七項(第一号に係る部分に限る。)、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項及び第四項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項及び第二項、第四十一条、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項、第四十六条、第四十七条第一項及び第三項、第四十七条の二、第四十七条の四並びに第四十七条の五の規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。この場合において、第三十条の二第一項ただし書及び第二項ただし書、第三十条の三、第三十条の四ただし書、第三十一条第一項第一号、第三十五条第一項ただし書、第四十一条の二第一項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第一項ただし書、第四十七条第一項ただし書及び第三項ただし書、第四十七条の二、第四十七条の四第一項ただし書及び第二項ただし書並びに第四十七条の五第一項ただし書及び第二項ただし書中「著作権者」とあるのは「出版権者」と、同条第一項ただし書中「著作権を」とあるのは「出版権を」と、「著作権の」とあるのは「出版権の」と読み替えるものとする。
2次に掲げる者は、第八十条第一項第一号の複製を行つたものとみなす。
一第三十条第一項に定める私的使用の目的又は第三十一条第四項若しくは第九項第一号に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて原作のまま印刷その他の機械的若しくは化学的方法により文書若しくは図画として複製することにより作成された著作物の複製物(原作のまま第七十九条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製することにより作成されたものを含む。)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示を行つた者
二前項において準用する第三十条の三、第三十一条第一項第一号若しくは第七項第一号、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあつては、同号)、第四十一条、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項、第四十七条第一項若しくは第三項、第四十七条の二又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示を行つた者
三前項において準用する第三十条の四の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を用いて、当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
四前項において準用する第四十七条の四又は第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
3第三十条の二から第三十条の四まで、第三十一条第二項(第二号に係る部分に限る。)、第五項、第七項前段及び第八項、第三十二条第一項、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第四項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第二項及び第三項、第三十七条の二(第二号を除く。)、第四十条第一項、第四十一条、第四十一条の二第二項、第四十二条、第四十二条の二第二項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項、第四十六条、第四十七条第二項及び第三項、第四十七条の二、第四十七条の四並びに第四十七条の五の規定は、出版権の目的となつている著作物の公衆送信について準用する。この場合において、第三十条の二第一項ただし書及び第二項ただし書、第三十条の三、第三十条の四ただし書、第三十一条第五項、第三十五条第一項ただし書、第三十六条第一項ただし書、第四十一条の二第二項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第二項ただし書、第四十七条第二項ただし書及び第三項ただし書、第四十七条の二、第四十七条の四第一項ただし書及び第二項ただし書並びに第四十七条の五第一項ただし書及び第二項ただし書中「著作権者」とあるのは「出版権者」と、第三十一条第二項中「著作権者の」とあるのは「出版権者の」と、「著作権者若しくはその許諾を得た者又は第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくは」とあるのは「第七十九条の出版権の設定を受けた者又は」と、第四十七条の五第一項ただし書中「著作権を」とあるのは「出版権を」と、「著作権の」とあるのは「出版権の」と読み替えるものとする。
著作権法 第87条(出版権の譲渡等) 詳細ページ
(出版権の譲渡等)
第八十七条出版権は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、その全部又は一部を譲渡し、又は質権の目的とすることができる。
著作権法 第88条(出版権の登録) 詳細ページ
(出版権の登録)
第八十八条次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一出版権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は複製権若しくは公衆送信権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
二出版権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は出版権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
2第七十八条(第三項を除く。)の規定は、前項の登録について準用する。この場合において、同条第一項、第二項、第四項、第八項及び第九項中「著作権登録原簿」とあるのは、「出版権登録原簿」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

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