著作権法 / テーマ別まとめ

著作者の権利/著作者

著作者の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作権法は、著作物を創作した者を著作者とし、誰が著作者となるかを判断する場面ごとにルールを定めています。氏名表示による推定(14条)、会社等の職務で作られた著作物の扱い(15条)、映画の著作物の扱い(16条)がその内容です。実務担当者は、権利の帰属先を確認する際にこれらの条文を確認することになります。

著作者
対象著作者となる者要件のポイント条文
原作品等に氏名表示がある著作物氏名等を表示された者実名・周知の変名を通常の方法で表示14条
職務著作(プログラム以外)使用者(法人等)発意・職務上作成・法人等名義で公表15条1項
職務著作(プログラムの著作物)使用者(法人等)発意・職務上作成(名義公表は不要)15条2項
映画の著作物全体的形成に創作的に寄与した者制作・監督・演出・撮影・美術等を担当16条
  • 14条の推定は、著作者名として実名または周知の変名が通常の方法で表示されている場合に働く。
  • 15条は、作成時の契約・勤務規則その他に別段の定めがあるときは適用されない。
  • 15条1項の職務著作は、法人等が自己の著作の名義の下に公表するものに限られる。
  • 15条2項(プログラムの著作物)には、名義の下に公表するという要件はない。
  • 16条は、映画の著作物で翻案・複製された小説・脚本・音楽等の著作者を除く。
  • 16条は、15条の適用がある場合には適用されない。
1

著作者

著作者について、条文は何を定めているか。

第14条著作者の推定氏名表示があれば著作者と推定される1項判例 1件
  • 実名または周知の雅号・筆名等の変名の表示で足りる
  • 著作者名として通常の方法で表示されていることが必要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第15条職務上作成する著作物の著作者職務上作成した著作物は会社等が著作者になる2項判例 1件
  • 法人等の発意に基づき業務従事者が職務上作成した著作物が対象
  • 契約や勤務規則等に別段の定めがあればそちらが優先される
  • プログラムの著作物は法人等名義での公表が要件になっていない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第16条映画の著作物の著作者映画は創作的に寄与した人が著作者になる1項判例なし
  • 制作・監督・演出・撮影・美術等を担当した者が対象
  • 原作の小説・脚本・音楽等の著作者はここに含まれない
  • 15条〈職務上作成する著作物の著作者〉の適用がある場合はこの規定は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第14条著作権法

詩人の著作物を収録し生存中にその承諾の下に出版された編集著作物の編集に関与した者の編集著作権が否定された事例

裁判要旨詩人の著作物を収録し、生存中にその承諾の下に出版された編集著作物について、詩人以外の者が編集に関与したとしても、収録する詩等の範囲及び掲載順の確定、題名の決定等を詩人自らが行い、関与者は詩人の意向に全面的に従っていたなど判示の事実関係の下においては、関与者に当該編集著作物の編集著作権があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年3月30日 平成4(オ)797
登載
集民 第168号599頁
参照法条
旧著作権法(明治32年法律第39号)14条,著作権法12条
論点2第15条著作権法

いわゆる観光ビザにより我が国に滞在した外国人でアニメーションの企画等を業とする会社において図画を作成したデザイナーが著作権法15条1項にいう「法人等の業務に従事する者」に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨いわゆる観光ビザにより我が国に滞在した外国人であるデザイナー甲が,アニメーション等の企画,撮影等を業とする株式会社乙の従業員宅に居住し,その事務所で作業を行い,乙から毎月基本給名目で一定額の金銭の支払を受けて給料支払明細書も受領し,乙の企画したアニメーション等に使用するものとして図画を作成したなど判示の事実関係の下においては,甲がした作業について乙が指揮監督をしていたかどうかを確定することなく,甲の在留資格の種別,雇用契約書の存否等の形式的な事由を主たる根拠として,甲と乙との間の雇用関係の存在を否定し,甲が著作権法15条1項にいう「法人等の業務に従事する者」に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年4月11日 平成13(受)216
登載
集民 第209号469頁
参照法条
著作権法15条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第14条(著作者の推定) 詳細ページ
(著作者の推定)
第十四条著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。
著作権法 第15条(職務上作成する著作物の著作者) 詳細ページ
(職務上作成する著作物の著作者)
第十五条法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
著作権法 第16条(映画の著作物の著作者) 詳細ページ
(映画の著作物の著作者)
第十六条映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。