雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 / テーマ別まとめ

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等/性別を理由とする差別の禁止等

性別を理由とする差別の禁止等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律は、募集・採用から配置・昇進・退職に至るまで、性別を理由とする差別的取扱いを禁止しています。あわせて、婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止や、性別以外の事由を要件とする措置が実質的な性差別となる場合の規制についても定めています。

性別を理由とする差別の禁止等
場面規制内容対象例外・特例
募集・採用均等な機会を付与労働者―
配置・昇進・降格・教育訓練差別的取扱いの禁止労働者女性のための改善措置は可
福利厚生(住宅資金貸付等)差別的取扱いの禁止省令で定める措置女性のための改善措置は可
職種・雇用形態の変更差別的取扱いの禁止労働者女性のための改善措置は可
退職勧奨・定年・解雇・契約更新差別的取扱いの禁止労働者女性のための改善措置は可
  • 性別以外の事由を要件とする措置でも、男女比率等から実質的に性差別となるおそれがあるものとして省令で定めるものは、業務の性質上特に必要な場合や事業運営上特に必要な場合など合理的理由がなければ講じてはならない(第7条)。
  • 第5条〜第7条の禁止規定は、男女の均等な機会・待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的で女性労働者に対して行う措置を妨げない(第8条・ポジティブアクション)。
  • 女性労働者の婚姻・妊娠・出産を退職理由とする定めは禁止(第9条第1項)。
  • 女性労働者の婚姻を理由とする解雇は禁止(第9条第2項)。
  • 妊娠・出産・産前産後休業の請求や取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いは禁止(第9条第3項)。
  • 妊娠中及び産後1年以内の女性労働者への解雇は無効。ただし事業主が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明したときは除く(第9条第4項)。
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性別を理由とする差別の禁止等

性別を理由とする差別の禁止等について、条文は何を定めているか。

第5条性別を理由とする差別の禁止募集・採用は性別で機会に差をつけない1項判例なし
  • 募集・採用の機会は性別にかかわりなく均等にする義務
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第6条配置・昇進から解雇まで性別で差別しない1項・4号判例なし
  • 配置(業務の配分・権限付与を含む)、昇進、降格、教育訓練での性差別を禁止
  • 住宅資金貸付など省令指定の福利厚生での性差別を禁止
  • 職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・契約更新での性差別を禁止
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第7条性別以外の事由を要件とする措置一見中立な基準も実質差別なら不可1項判例なし
  • 性別以外の要件でも、男女比率等から実質的に性差別となりうる省令指定の措置が対象
  • 業務遂行上特に必要、雇用管理上特に必要など合理的理由がなければ実施不可
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第8条女性労働者に係る措置に関する特例女性の格差是正措置(ポジティブアクション)は禁止対象外1項判例なし
  • 均等確保の支障を改善する目的の女性向け措置は第5〜7条〈性別以外の事由を要件とする措置〉の禁止に抵触しない
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第9条婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等婚姻・妊娠・出産を理由とする不利益取扱いは禁止4項判例 1件
  • 婚姻・妊娠・出産を退職理由と定めることは禁止
  • 婚姻を理由とする解雇は禁止
  • 妊娠・出産・産前産後休業の請求や取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いは禁止
  • 妊娠中・産後1年以内の解雇は無効(妊娠等が理由でないと事業主が証明した場合を除く)
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第10条指針厚生労働大臣が対処指針を策定2項判例なし
  • 第5条〈性別を理由とする差別の禁止〉〜第7条〈性別以外の事由を要件とする措置〉・第9条〈婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等〉第1〜3項の事項について事業主向け指針を策定
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第9条雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

女性労働者につき妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置の,「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」9条3項〈婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等〉の禁止する取扱いの該当性

裁判要旨女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」9条3項〈婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等〉の禁止する取扱いに当たるが,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易な業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年10月23日 平成24(受)2231
登載
民集 第68巻8号1270頁
参照法条
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則2条の2第6号,労働基準法65条3項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第5条(性別を理由とする差別の禁止) 詳細ページ
(性別を理由とする差別の禁止)
第五条事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第6条 詳細ページ
第六条事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
二住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの
三労働者の職種及び雇用形態の変更
四退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第7条(性別以外の事由を要件とする措置) 詳細ページ
(性別以外の事由を要件とする措置)
第七条事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第8条(女性労働者に係る措置に関する特例) 詳細ページ
(女性労働者に係る措置に関する特例)
第八条前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第9条(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等) 詳細ページ
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第九条事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第10条(指針) 詳細ページ
(指針)
第十条厚生労働大臣は、第五条から第七条まで及び前条第一項から第三項までの規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
2第四条第四項及び第五項の規定は指針の策定及び変更について準用する。この場合において、同条第四項中「聴くほか、都道府県知事の意見を求める」とあるのは、「聴く」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

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