労働者の危険又は健康障害を防止するための措置の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
労働安全衛生法第20条から第25条の2までは、機械・爆発物・電気等による危険や、有害物質・騒音・放射線等による健康障害を防止するために事業者が講じるべき措置を定めています。第26条以下では、労働者側の遵守義務に加え、元方事業者や注文者など複数の事業者が関わる現場での指導・是正・措置分担のルールを定めています。実務上は、自社が「事業者」「元方事業者」「特定元方事業者」「注文者」のどの立場に当たるかを確認したうえで、該当する措置を洗い出すことが必要です。
| 条文 | 義務主体 | 対象・場面 | 措置の概要 |
|---|---|---|---|
| 第20条 | 事業者 | 機械・爆発物・電気等の危険 | 危険防止措置 |
| 第21条 | 事業者 | 掘削・墜落等の作業危険 | 危険防止措置 |
| 第22条 | 事業者 | 有害物・放射線等の健康障害 | 健康障害防止措置 |
| 第23条 | 事業者 | 作業場の通路・換気等 | 保全・衛生措置 |
| 第24条 | 事業者 | 作業行動による労働災害 | 防止措置 |
| 第25条 | 事業者 | 災害発生が急迫した場合 | 作業中止・退避 |
| 第25条の2 | 建設業等の事業者 | 爆発・火災時の救護 | 救護措置・管理者選任 |
| 第26条 | 労働者等 | 事業者の措置への対応 | 必要事項の遵守 |
| 第27条 | 国(厚労省令) | 措置・遵守事項の内容 | 省令で規定 |
| 第28条 | 厚生労働大臣 | 技術指針の実施促進 | 指針公表・指導 |
| 第28条の2 | 事業者 | 危険性・有害性の調査 | 調査・防止措置の努力義務 |
| 第29条 | 元方事業者 | 関係請負人の法令違反 | 指導・是正指示 |
| 第29条の2 | 建設業の元方事業者 | 崩壊・転倒のおそれ場所 | 技術指導等 |
| 第30条 | 特定元方事業者 | 同一場所での混在作業 | 協議組織・連絡調整等 |
| 第30条の2 | 製造業等の元方事業者 | 同一場所での混在作業 | 連絡調整等の措置 |
| 第30条の3 | 元方事業者 | 数次請負での救護措置 | 救護措置の一元化 |
| 第31条 | 注文者 | 建設物等を使用させる時 | 労災防止措置 |
| 第31条の2 | 注文者 | 化学設備の改造作業等 | 労災防止措置 |
| 第31条の3 | 発注者等 | 特定機械の混在作業 | 労災防止措置 |
| 第31条の4 | 注文者 | 請負人への指示 | 違法指示の禁止 |
労働者の危険又は健康障害を防止するための措置について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれるか
労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
1 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
2 労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋内の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者のうち労働者に該当しない者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
3 被害者によって特定された複数の行為者のほかに被害者の損害をそれのみで惹起し得る行為をした者が存在しないことは,民法719条1項後段の適用の要件か
4 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが,中皮腫にり患した大工らに対し,民法719条1項後段の類推適用により,上記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
5 石綿含有建材を製造販売した建材メーカーらが,石綿肺,肺がん又はびまん性胸膜肥厚にり患した大工らに対し,民法719条1項後段の類推適用により,上記大工らの各損害の3分の1について連帯して損害賠償責任を負うとされた事例
1 厚生労働大臣が建設現場における石綿関連疾患の発生防止のために労働安全衛生法に基づく規制権限を行使しなかったことが屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者との関係において国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえないとされた事例
2 建材メーカーが,自らの製造販売する石綿含有建材を使用する屋外の建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した者に対し,上記石綿含有建材に当該建材から生ずる粉じんにばく露すると重篤な石綿関連疾患にり患する危険があること等の表示をすべき義務を負っていたとはいえないとされた事例
注文者が労働安全衛生法三〇条二項前段による指名をしなかったことと作業員の死亡事故との間に相当因果関係がないとされた事例
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条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。