労働組合法 / テーマ別まとめ

不当労働行為

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

労働組合法は、使用者が労働者の組合活動などを理由に不利益な取扱いをすることをはじめ、4種類の行為を不当労働行為として禁止しています。労働委員会がこの禁止違反の申立てを審査し、審査等には原則として公益委員のみが関与する仕組みです。審査の申立てには行為の日から1年という期間の制限もあります。

不当労働行為の類型(第7条)
類型禁止される行為例外
不利益取扱い・黄犬契約組合活動等を理由の解雇等過半数代表組合との協定は可
団体交渉拒否正当理由のない団交拒否—
支配介入・経費援助組合運営への支配介入や経費援助協議許可・福利基金寄付等は除く
申立て等を理由の不利益取扱い労働委員会への申立て等を理由に解雇等—
  • 号一のただし書き:過半数の労働者を代表する組合とのユニオン・ショップ協定は妨げられない
  • 号三のただし書き:就業時間中の協議許可、厚生資金等への寄付、最小限の広さの事務所供与は除く
  • 27条2項:申立ては行為の日(継続する行為はその終了した日)から1年を経過すると受けられない
  • 24条ただし書き:使用者委員・労働者委員も一定の調査・審問・和解勧告の手続には参与できる
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不当労働行為

不当労働行為について、条文は何を定めているか。

第7条不当労働行為使用者がしてはならない4つの行為を定める1項・4号判例 29件
  • 組合員であることや正当な組合活動を理由とした解雇・不利益取扱いは禁止(黄犬契約も同様)
  • 正当な理由のない団体交渉拒否や、組合結成・運営への支配介入・経費援助も禁止
  • 労働委員会への申立てや審問での証言等を理由とする不利益取扱いも禁止
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第27条不当労働行為事件の審査の開始労働委員会の調査・審問の進め方と期限2項判例 21件
  • 労働委員会は申立てを受けたら遅滞なく調査し、必要なら審問を行う
  • 審問では使用者・申立人双方に証拠提出・反対尋問の機会を与える
  • 申立ては行為の日(継続する行為はその終了した日)から1年を過ぎるとできない
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第19_2条中央労働委員会中央労働委員会の設置と任務を定める3項判例なし
  • 厚生労働大臣の所轄の下に中央労働委員会を置く
  • 労働者の団結の擁護と労働関係の公正な調整が任務
  • 不当労働行為事件の審査等やあっせん・調停・仲裁の事務も担当する
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第20条労働委員会の権限労働委員会が不当労働行為事件を扱う権限を持つ1項判例なし
  • 労働委員会は不当労働行為事件の審査等を行う権限を持つ
  • あっせん・調停・仲裁を行う権限も持つ
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第24条公益委員のみで行う権限審査等は公益委員のみで進めるのが原則2項判例 1件
  • 不当労働行為事件の審査等には公益委員のみが参与する
  • 使用者委員・労働者委員も調査(公益委員の求めがある場合)・審問・和解勧告の手続には参与できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第7条労働組合法

労働委員会が不当労働行為により解雇された労働者のバツクペイを命ずるに当たり当該解雇が右労働者の属する労働組合に対し打撃を加える目的の下にされたものであるとの事情を考慮に入れて右労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入の控除を不要とすることの当否

裁判要旨不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間中他の職に就いて収入を得ていた場合に、労働委員会が、右労働者の救済命令において解雇期間中の賃金相当額の遡及支払を命ずるに当たり、当該解雇が右労働者の属する労働組合の他の組合員に対する出勤停止処分と共に右労働組合に対し打撃を加える目的の下にされたものであるとの事情を考慮に入れて右収入の控除を不要とすることは、妥当を欠く。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年4月2日 昭和59(行ツ)235
登載
集民 第150号583頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法27条4項
論点2第7条労働組合法

一 法人組織の構成部分と労働組合法二七条〈不当労働行為事件の審査の開始〉及び七条〈不当労働行為〉所定の使用者
二 法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令の効力
三 法人組織の構成部分とこれを名宛人とする救済命令についてのA1委員会の再審査申立棄却命令の取消訴訟における当事者能力の有無

裁判要旨一 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分は、労働組合法二七条〈不当労働行為事件の審査の開始〉及び七条〈不当労働行為〉所定の使用者に当たらない。
二 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分を名宛人とする救済命令は、当該法人に対し命令の内容を実現することを義務付けるものとして、効力を有する。
三 法律上独立した権利義務の帰属主体でない法人組織の構成部分は、自己を名宛人とする救済命令についてのA1委員会の再審査申立棄却命令の取消訴訟において、当事者能力を有しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年7月19日 昭和56(行ツ)205
登載
民集 第39巻5号1266頁
参照法条
労働組合法7条,労働組合法27条,民訴法45条
論点3第7条労働組合法

一 失業対策事業等に就労する日雇労働者と団体交渉権
二 団体交渉ないし団体行動権の正当な行使にあたらないとされた事例

裁判要旨一 失業対策事業等に就労する日雇労働者は、その使用者である事業主体に対する関係で団体交渉権を有する。
二 多数の勢威を背景に実力を行使して団体交渉を迫り、要求を受けながら県庁庁舎から退去しなかつた被告人らの本件所為(原判文参照)は、その手段・方法において社会通念の許容する団体交渉ないし団体行動権の正当な行使にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年12月19日 昭和52(あ)2090
登載
刑集 第33巻7号966頁
参照法条
憲法28条,刑法35条,刑法130条後段,労働組合法1条,労働組合法7条2号
論点4第7条労働組合法

労働組合法二七条〈不当労働行為事件の審査の開始〉に基づく救済の申立があつた場合における使用者の同法七条違反の有無の判断と労働委員会の裁量権

裁判要旨労働委員会は、労働組合法二七条〈不当労働行為事件の審査の開始〉に基づく救済の申立があつた場合において、その裁量により、使用者が同法七条に違反するかどうかを判断することができるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年11月24日 昭和52(行ツ)131
登載
集民 第125号709頁
参照法条
労働組合法7条,労働組合法27条,行政事件訴訟法30条
論点5第7条労働組合法

不当労働行為によつて解雇された労働者(タクシー運転手)が解雇期間中他の職に就いて得た収入を控除しないで賃金相当額全額の遡及支払を命じた労働委員会の救済命令が違法とされた事例

裁判要旨省略
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年5月2日 昭和50(行ツ)30
登載
集民 第120号557頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法27条4項
論点6第7条労働組合法

一、労働委員会が不当労働行為為により雇された労働者の救済命令において賃金相当額の遡及支払を命ずる場合と右労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入額の控除

二、不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間中他の職に就いて得た収入を控除しないで賃金相当額全額の遡及支払を命じた労働委員会の救済命令が違法とされた事例

裁判要旨一、労働委員会が不当労働行為により解雇された労働者の救済命令において解雇期間中の得べかりし賃金相当額の遡及支払を命ずる場合に、被解雇者が右期間中他の職に就いて収入を得ていたときは、労働委員会は、解雇により被解雇者の受けた個人的被害の救済の観点のみから右他収入額を機械的にそのまま控除すべきではなく、右解雇が使用者の事業所における労働者らの組合活動一般に対して与えた侵害を除去し正常な集団的労使関係秩序を回復、確保するという観点をもあわせ考慮して、合理的裁量により、右他収入の控除の要否及びその程度を決定しなければならない。
二、不当労働行為によつて解雇された労働者がタクシー運転手であつて、解雇後比較的短期間内に他のタクシー会社に運転手として雇用されて従前の賃金額に近い収入を得ており、また、タクシー運転手の同業他桂への転職が当時比較的頻繁かつ容易であつたことなどにより、解雇による被解雇者の打撃が軽少で、当該事業所における労働者らの組合活動意思に対する制約的効果にも通常の場合とかなり異なるものがあつたなど判示の事情がある場合には、右他収入の控除を全く不問に付して賃金相当額全額の遡及支払を命じた労働委員会の救済命令は、特段の理由のない限り、裁量権行使の合理的な限度を超えるものとして、違法である。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和52年2月23日 昭和45(行ツ)60
登載
民集 第31巻1号93頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法27条4項
論点7第7条労働組合法

民間放送会社の放送管弦楽団員が労働組合法上の労働者と認められた事例

裁判要旨民間放送会社とその放送管弦楽団員との間に締結された放送出演契約において、楽団員が、会社以外の放送等に出演することが自由とされ、また、会社からの出演発注に応じなくても当然には契約違反の責任を問われないこととされている場合であつても、会社が必要とするときは随時その一方的に指定するところによつて楽団員に出演を求めることができ、楽団員は原則としてこれに応ずべき義務を負うという基本的関係が存在し、かつ、楽団員の受ける出演報酬が、演奏によつてもたらされる芸術的価値を評価したものというよりは、むしろ演奏自体の対価とみられるものであるなど判示のような事情があるときは、楽団員は、労働組合法の適用を受ける労働者にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年5月6日 昭和49(行ツ)112
登載
民集 第30巻4号437頁
参照法条
労働組合法3条,労働組合法7条
論点8第7条労働組合法

一、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分の法的性質
二、不当労働行為に該当する現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分の効力
三、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分につき裁判による取消を求める方法
四、上告審が下級審の訴却下の判断を違法であると認めたにもかかわらず事件を下級審に差戻すことなく上告を棄却した事例

裁判要旨一、現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分は、抗告訴訟の対象となる行政処分である。
二、不当労働行為該当の瑕疵を有する現業国家公務員に対する国家公務員法八九条一項所定の処分は、違法ではあるが、右瑕疵が重大かつ明白でないかぎり、当然無効ではない。
三、国家公務員法八九条一項所定の処分を受けた現業国家公務員は、直ちに右処分に対する取消訴訟を提起することができるが、右訴訟において不当労働行為該当の瑕疵以外の瑕疵を争うについては、審査請求に対する人事院の裁決を経由することを要する。
四、(省略)
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月2日 昭和43(行ツ)44
登載
集民 第112号517頁
参照法条
行政事件訴訟法3条2項,国家公務員法89条1項,国家公務員法92条の2,公共企業体等労働関係法40条1項1号,公共企業体等労働関係法40条3項,労働組合法7条,民訴法385条,民訴法388条,民訴法396条
論点9第7条労働組合法

賞与協定中の欠勤控除条項に基づきストライキによる不就労の日数に応じて賞与から控除することが労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉に違反しないとされた事例

裁判要旨賞与協定中に欠勤控除条項として、欠勤一日につき一率分賞与の一五〇分の一を控除する(遅刻、早退は三回をもつて欠勤一日とする)旨の定めがある場合に、右条項に基づきストライキによる不就労の日数に応じて賞与から控除することは、労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年12月18日 昭和44(オ)489
登載
集民 第110号715頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働基準法24条1項
論点10第7条労働組合法

一 精神病院の薬剤師、看護人らが争議行為として投配薬、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反するか。
二 精神病院従業員の争議行為の正当性の限界。

裁判要旨一 精神病院の薬剤師、看護人、看護婦が争議行為として投配薬、診療の補助、看護等の業務を放棄することは、労働関係調整法第三六条に違反しない。
二 精神病院の従業員が争議行為を行うにあたつては、予め患者の生命・身体の保全に遺憾なきを期するとともに、患者の身体・精神の回復をはかるべき病院の使命に対する管理者側の真摯な努力にもかかわらず、緊急事態発生の客観的危険性が現われた場合には、その善後措置に協力すべき義務があり、右保全の措置を怠りまたは右協力義務に違反すれば、争議行為は、正当性の範囲を逸脱するものと解すべきであるが、単に争議行為により患者の治療に支障を来たす事態が発生したというだけの理由で、直ちにその争議行為が不当になるものとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年8月4日 昭和36(オ)1379
登載
民集 第18巻7号1263頁
参照法条
労働関係調整法36条,労働組合法7条1号
論点11第7条労働組合法

不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について収入を得た場合労働委員会はいわゆる救済命令において使用者に対し遡及賃金の支払いを命ずるにあたり右収入の額を遡及賃金額から控除することを必要とするか。

裁判要旨不当労働行為によつて解雇された労働者が解雇期間内に他の職について収入を得た場合、労働委員会は、いわゆる救済命令において使用者に対し遡及賃金の支払いを命ずるにあたり、右収入が副業的なものであつて解雇がなくても当然取得できる等特段の事情がないかぎり、これを遡及賃金額から控除することを必要とする。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年9月18日 昭和36(オ)519
登載
民集 第16巻9号1985頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法27条4項,中央労働委員会規則43条
論点12第7条労働組合法

一 将来の不当労働行為を事前に禁止する救済命令の適否
二 労働委員会が将来の不当労働行為を禁止する場合における当該不当労働行為の証明の程度

裁判要旨一 成否未定の将来の不当労働行為を事前に禁止する救済命令であつても、当該不当労働行為がさきになされた不当労働行為と同種若しくは類似のものであつて、審問終結当時その発生のおそれがあると認められる場合には、違法でないと解するのが相当である。
二 労働委員会が将来の不当労働行為を禁止する場合における当該不当労働行為の証明は、審問終結当時を客観的にその発生のおそれのあることの証明をもつて足るものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年10月9日 昭和35(オ)255
登載
民集 第16巻10号2084頁
参照法条
労働組合法7条,労働組合法27条4項,労働組合法28条,労働組合法32条,労働組合法27条1項,労働組合法27条3項,中央労働委員会規則40条,中央労働委員会規則43条2項
論点13第7条労働組合法

一 いわゆるチェック・オフと労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項
二 いわゆるチェック・オフの中止が労働組合法七条三号の不当労働行為に該当しないとされた事例

裁判要旨一 いわゆるチェック・オフは、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)二四条一項但書の要件を具備しない限り、これをすることができない。
二 使用者が過去一五年余にわたってしてきたいわゆるチェック・オフを中止した場合において、当時労働組合から脱退者が続出して、労働組合が当該事業場の従業員の過半数で組織されているかどうか極めて疑わしく、かつ、右チェック・オフについては書面による協定がなかったなど判示のような事実関係の下では、右中止は、労働組合法七条三号〈不当労働行為 労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。〉の不当労働行為には該当しない。
(一、二につき反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年12月11日 昭和63(行ツ)157
登載
民集 第43巻12号1786頁
参照法条
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)24条1項,労働組合法7条3号
論点14第7条労働組合法

一 使用者が労働組合に対し組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって不当労働行為に当たるということはできないとされた事例
二 使用者が労働組合にいわゆる三六協定の締結適格があるかどうかを確認する目的で従業員に記名式の照会票を配付して組合加入の有無を調査したことが不当労働行為に当たらないとされた事例

裁判要旨一 使用者が、労働組合の結成通知以来約九箇月にわたり、組合からの許可願の提出があれば業務に支障のない限り従業員食堂の使用を許可していたところ、就業時間後食堂で行われていた組合の学習会の参加者の氏名を巡回中の守衛が記録したことに反発した組合執行委員長らが右記録用紙を守衛から提出させたことを契機として、組合による食堂使用を拒否したのに対し、組合が、使用者が食堂に施錠するまで五箇月近くの間、無許可で食堂の使用を繰り返し、その間、使用者は食堂の使用に関し施設管理者の立場からは合理的理由のある提案をしたが、これに対する組合の反対提案は組合に食堂の利用権限があることを前提とするかのような提案であったなど判示の事実関係の下においては、使用者が組合に対し組合集会等のための食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって、不当労働行為に当たるということはできない。
二 使用者が、労働組合に労働基準法三六条所定の協定の締結適格があるかどうかを確認するため、従業員に対し記名式の照会票を配付し、組合加入の有無を調査した場合において、使用者は、労働基準監督署から従業員代表との間で締結された現行協定の適法性に疑義があるとして時間外労働の中止を指示され、早急に新たな協定を適法に締結する必要に迫られており、他方、組合は、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合であると主張して協定の締結を要求しながら、右要件を確認するための組合員名簿の提出は拒否し続けていたなど判示の事実関係の下においては、使用者が右調査をしたことは、不当労働行為に当たらない。
(一、二につき反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年9月8日 平成3(行ツ)34
登載
集民 第176号699頁
参照法条
労働組合法7条3号,労働基準法36条
論点15第7条労働組合法

併存する企業内組合の一つが使用者の提案する賃金計算方法の変更を承認しないことを理由に使用者が右組合との間で労働基準法三六条所定の協定を締結することを拒否しその組合員の時間外労働を禁止している行為が労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉及び三号の不当労働行為に当たらないとされた事例

裁判要旨従来、時間外割増賃金及び深夜割増賃金を含むとの認識の下に水揚高に一定率を乗じた歩合による賃金を支払っていた使用者が、労働基準監督署から割増賃金部分を明確にするよう指導を受けたため、水揚高に従前の率を若干下回る率を乗じた金額を基礎給としこれに時間外割増賃金及び深夜割増賃金を加算して支払うことを内容とする賃金計算方法を採用することを企業内に併存する甲乙二つの労働組合に提案したのに対し、甲組合はこれを承認したが、乙組合はこれを拒否し、水揚高に従来どおりの率を乗じた金額を基礎給としこれに時間外割増賃金及び深夜割増賃金を加算して支払うことを要求し続けていた場合において、使用者が、乙組合との団体交渉の結果、同組合との間で労働基準法三六条所定の協定を締結することを拒否し、乙組合員の時間外労働を禁止している行為は、使用者が、まず甲組合とのみ右提案及び右協定の締結について協議を行って合意を成立させ、乙組合とは何ら協議を行うことなく乙組合員の時間外労働を禁止し、その五日後に初めて団体交渉を行ったもので、右団体交渉においては、甲組合と合意に達した労働条件を受諾するように求め、これをもって譲歩の限度とする強い態度を示したなど判示の事情があっても、使用者の右団体交渉における主張の主な意図が乙組合の団結権の否認ないし弱体化にあり団体交渉が形式的に行われたにすぎないものと認められる特段の事情があるとはいえず、労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉及び三号の不当労働行為に当たらない。

(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年4月14日 平成5(行ツ)141
登載
集民 第175号23頁
参照法条
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(平成5年法律第79号による改正前のもの)37条1項,労働組合法7条1号,労働組合法7条3号
論点16第7条労働組合法

雇用主との間の請負契約により労働者の派遣を受けている事業主が労働組合法七条〈不当労働行為〉にいう「使用者」に当たるとされた事例

裁判要旨事業主が雇用主との間の請負契約により派遣を受けている労働者をその業務に従事させている場合において、労働者が従事すべき業務の全般につき、作業日時、作業時間、作業場所、作業内容等その細部に至るまで事業主が自ら決定し、労働者が事業主の作業秩序に組み込まれて事業主の従業員と共に作業に従事し、その作業の進行がすべて事業主の指揮監督の下に置かれているなど判示の事実関係の下においては、事業主は、労働者の基本的な労働条件等について雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあり、その限りにおいて、労働組合法七条〈不当労働行為〉にいう「使用者」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年2月28日 平成5(行ツ)17
登載
民集 第49巻2号559頁
参照法条
労働組合法7条
論点17第7条労働組合法

労働組合の組合員から組合費のチェック・オフを行ってこれを併存する別組合に交付したことが不当労働行為に当たる場合に右組合費相当額を組合員にではなくその所属組合に支払うことを命ずる救済命令が違法とされた事例

裁判要旨甲労働組合の内部抗争によりそれぞれ甲組合と同一名称を名乗る乙組合と丙組合とが併存するに至った後に、使用者が、甲組合とのいわゆるチェック・オフ協定に基づき、乙組合の組合員から組合費のチェック・オフを行い、これを丙組合に交付したことが不当労働行為に当たる場合であっても、右組合費相当額を、組合員個人に対してではなく、乙組合に支払うことを命ずる救済命令は、乙組合との間にチェック・オフ協定の締結もなく、組合員からのその旨の委任もない以上、救済命令に関する労働委員会の裁量権の合理的行使の限界を超えるものとして、違法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年2月23日 平成3(行ツ)91
登載
民集 第49巻2号281頁
参照法条
労働組合法7条3号,労働組合法27条4項,労働組合法27条12項,労働基準法24条1項
論点18第7条労働組合法

一 私立学校の校内において教職員が組合活動として行ったビラの配布行為が無許可のビラ配布等を禁止する就業規則に違反しないとされた事例
二 私立学校の教員を学級担任に選任しなかった行為が労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉の不当労働行為に当たるとされた事例

裁判要旨一 私立学校の職員室内で、教職員が使用者の許可を得ないまま組合活動としてビラの配布をした場合において、右ビラが労働組合としての日ごろの活動状況等を内容とするもので、違法不当な行為をあおり又はそそのかすこと等を含むものではなく、右配布の態様も、就業時間前の通常生徒が職員室に入室する頻度の少ない時間帯にビラを二つ折りにして教員の机の上に置くという方法でされたものであるなど判示の事実関係の下においては、右のビラの配布は、学校内の職場規律を乱すおそれがなく、生徒に対する教育的配慮に欠けることとなるおそれのない特別の事情が認められるものとして、使用者の許可を得ないで学校内でビラの配布等をすることを禁止する旨の就業規則に違反しない。
二 私立学校の中学二年の教科を担当し、かつ、同学年の学級担任に選任されていた組合執行委員甲について、使用者が、授業進度の遅れがあるとして進級後の中学三年の教科を担当させないこととし、これに伴い同学年の学級担任にも選任しないこととした場合において、右私立学校の教員間の一般的認識の上で、中学又は高校の一、二年の学級担任に選任されていた教員が進級後の学年の学級担任に選任されないことは特段の事情のない限り右教員の学級担任としての適格性に消極的評価が示されたものと受け止められており、それまでの二箇年度を通じて使用者によって甲の授業進度の遅れが問題にされたことはなく、甲を中学三年の学級担任に選任しないこととした年度及びその前年度において、その各前年度に学級担任をしていて各次年度に学級担任に選任されなかった教員が、一名を除き甲を含めてその全員が労働組合の組合員であるなど判示の事実関係の下においては、甲を中学三年の学級担任に選任しなかった使用者の行為は、労働組合法七条一号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉の不当労働行為に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年12月20日 平成3(行ツ)155
登載
民集 第48巻8号1496頁
参照法条
労働基準法89条,労働組合法7条1号
論点19第7条労働組合法

タクシー会社におけるストライキに際し労働組合員が行った営業用自動車の運行阻止の行為が正当な争議行為に当たらないとされた事例

裁判要旨タクシー会社におけるストライキに際し、労働組合員が、車庫に格納された営業用自動車の傍らに座り込むなどして、会社の退去要求に応ぜず、会社は右自動車を車庫から搬出することができなかったなど判示の事実関係の下においては、労働組合員の右行為は、争議行為として正当な範囲にとどまるものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成4年10月2日 平成1(オ)676
登載
集民 第166号1頁
参照法条
労働組合法7条
論点20第7条労働組合法

国鉄労働組合から日本国有鉄道清算事業団に対し鉄道乗車証制度の改廃に関する事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める訴えが適法であるとされた事例

裁判要旨国鉄労働組合から日本国有鉄道清算事業団に対し鉄道乗車証制度の改廃に関する事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める訴えは、両者の間で右事項が団体交渉の対象事項であるか否かが争われているときは、確認の利益を欠くものとはいえず、適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年4月23日 昭和62(オ)659
登載
集民 第162号547頁
参照法条
憲法28条,労働組合法7条2号,公共企業体等労働関係法(昭和61年法律第93号による改正前のもの)8条4号,民訴法225条
論点21第7条労働組合法

旅客鉄道事業等を営む会社である使用者が労働者を運転士に発令しなかったことが,労働組合法7条1号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉本文にいう不利益な取扱い又は同条3号の支配介入に当たらないとされた事例

裁判要旨旅客鉄道事業等を営む会社である使用者が,運転士の経験のない者に対する運転士発令につき車掌職の経験をほぼ必要不可欠な条件とする運用を始めるに当たり,既に運転士の資格を有しているが運転士への発令を留保され車掌職の経験もない未発令の労働者のうち,希望者の中から選考した者に対し車掌となるための教育を行うこととした場合において,A労働組合所属の希望者11名からは3名を除いて上記教育の対象者に選ばず運転士に発令しなかったこと及びその後は上記教育を行わずA労働組合所属の上記の未発令者からは1名を除いて運転士に発令しなかったことは,同じ選考手続においてB労働組合所属の希望者9名の全員が上記教育の対象者として選ばれており,A労働組合がストライキを含む反対闘争を行っている中で使用者の幹部が反対派の労働組合への敵対的な姿勢を示す発言をしていたとしても,次の(1),(2)など判示の事情の下では,労働組合法7条1号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉本文にいう不利益な取扱い又は同条3号の支配介入に当たらない。
(1) 運転士への発令は昇進として位置付けられており,上記教育を希望したA労働組合所属の上記の未発令者11名の中でその対象者に選ばれなかった8名の能力や勤務成績等が,これに選ばれたB労働組合所属者と比較して劣るものでなかったという事情はうかがわれず,また,過去に運転士を経験していたA労働組合所属者23名が上記選考とほぼ同じ時期に運転士に発令されていた。
(2) 上記教育は当時の運転士の需給状況等を踏まえて実施されたものであり,それが行われなくなった後,上記教育を受けなかった上記の未発令者が原則として運転士に発令されなくなったことはA労働組合所属者と他の労働組合所属者との間で異なるものではなく,また,上記教育の対象者に選ばれなかったA労働組合所属者を対象として改めて同様の教育の機会を特に設けるべき需給状況の変化等の事情が生じていたともうかがわれない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年2月23日 平成22(行ヒ)52
登載
集民 第240号69頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法7条3号
論点22第7条労働組合法

音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結して顧客宅等での出張修理業務に従事する受託者につき,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結し,顧客宅等を訪問して行う出張修理業務に従事する受託者につき,次の(1)〜(5)など判示の事情の下において,独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無について十分に審理を尽くすことなく,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
(1) 上記会社において,出張修理業務のうち多くの割合の業務は,上記会社自らの選抜を経て上記会社の実施する研修を了した上記受託者が担当しており,上記会社が上記受託者とその営業日及び業務量を調整した上で業務を割り振っている。
(2) 業務委託契約の内容は上記会社の作成した統一書式の契約書及び覚書によって画一的に定められており,業務の内容やその条件等について上記受託者の側で個別に交渉する余地はない。
(3) 上記受託者に支払われる委託料は,形式的には出来高払に類する方式で支払われているが,上記受託者は1日当たり通常5件ないし8件の出張修理業務を行い,その最終の顧客訪問時間は午後6時ないし7時頃になることが多く,委託料の額が修理する機器や修理内容に応じて著しく異なるといった事情も特段うかがわれない。
(4) 上記受託者は,特別な事情のない限り上記会社によって割り振られた出張修理業務を全て受注すべきものとされている上,業務委託契約の存続期間は1年間で,上記会社から申出があれば更新されないものとされている。
(5) 上記受託者は,原則として業務開始前に上記会社に出向いて上記会社の指定した顧客訪問予定日時等の告知を受け,上記会社の指定した業務担当地域に所在する顧客宅に順次赴き,上記会社の親会社の制服及び名札を着用し上記会社の名刺を携行して当該親会社が作成したマニュアルに従って所定の出張修理業務を行い,業務終了後も原則として上記会社に戻って伝票処理や修理進捗状況等の記録への入力作業を行っている。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年2月21日 平成22(行ヒ)489
登載
民集 第66巻3号955頁
参照法条
労働組合法3条,労働組合法7条
論点23第7条労働組合法

年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員が,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例

裁判要旨年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員は,次の(1)〜(5)など判示の事実関係の下では,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たる。
(1) 出演基本契約は,上記法人が,試聴会の審査の結果一定水準以上の歌唱技能を有すると認めた者を,原則として契約期間の全ての公演に出演することが可能である合唱団員として確保することにより,上記各公演を円滑かつ確実に遂行することを目的として締結されていた。
(2) 合唱団員は,出演基本契約を締結する際,上記法人から,あらかじめ上記法人が指定する全ての公演に出演するために可能な限りの調整をすることを要望され,合唱団員が公演への出演を辞退した例は,出産,育児や他の公演への出演等を理由とする僅少なものにとどまっていた。
(3) 出演基本契約の内容や,契約期間の公演の件数,演目,各公演の日程及び上演回数,これに要する稽古の日程,その演目の合唱団の構成等は,上記法人が一方的に決定していた。
(4) 合唱団員は,各公演及びその稽古につき,上記法人の指定する日時,場所において,その指定する演目に応じて歌唱の労務を提供し,歌唱技能の提供の方法や提供すべき歌唱の内容について上記法人の選定する合唱指揮者等の指揮を受け,稽古への参加状況について上記法人の監督を受けていた。
(5) 合唱団員は,上記法人の指示に従って公演及び稽古に参加し歌唱の労務を提供した場合に,出演基本契約で定められた単価及び計算方法に基づいて算定された報酬の支払を受け,予定された時間を超えて稽古に参加した場合には超過時間により区分された超過稽古手当の支払を受けていた。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月12日 平成21(行ヒ)226
登載
民集 第65巻3号943頁
参照法条
労働組合法3条,労働組合法7条
論点24第7条労働組合法

住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者が,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例

裁判要旨住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する受託者は,次の(1)〜(5)など判示の事実関係の下では,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たる。
(1) 上記会社が行う住宅設備機器の修理補修等の業務の大部分は,能力,実績,経験等を基準に級を毎年定める制度等の下で管理され全国の担当地域に配置された上記受託者によって担われており,その業務日及び休日も上記会社が指定していた。
(2) 業務委託契約の内容は上記会社が定めており,上記会社による個別の修理補修等の依頼の内容を上記受託者の側で変更する余地はなかった。
(3) 上記受託者の報酬は,上記会社による個別の業務委託に応じて修理補修等を行った場合に,上記会社があらかじめ決定した顧客等に対する請求金額に上記会社が当該受託者につき決定した級ごとの一定率を乗じ,これに時間外手当等に相当する金額を加算する方法で支払われていた。
(4) 上記受託者は,上記会社から修理補修等の依頼を受けた業務を直ちに遂行するものとされ,承諾拒否をする割合は僅少であり,業務委託契約の存続期間は1年間で上記会社に異議があれば更新されないものとされていた。
(5) 上記受託者は,上記会社が指定した担当地域内においてその依頼に係る顧客先で修理補修等の業務を行い,原則として業務日の午前8時半から午後7時まで上記会社から発注連絡を受け,業務の際に上記会社の制服を着用してその名刺を携行し,業務終了時に報告書を上記会社に送付するものとされ,作業手順等が記載された各種マニュアルに基づく業務の遂行を求められていた。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月12日 平成21(行ヒ)473
登載
集民 第236号327頁
参照法条
労働組合法3条,労働組合法7条
論点25第7条労働組合法

1 労働組合法2条1号〈労働組合 役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの〉所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して労働組合に対する支配介入を行った場合における使用者の不当労働行為責任
2 労使協調路線を採る労働組合の組合員である新幹線運転所の指導科長(助役)が同運転所の従業員に対してした同労働組合と対立する労働組合からの脱退を勧める発言等をもって使用者の不当労働行為と認めることはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨1 労働組合法2条1号〈労働組合 役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの〉所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して労働組合に対する支配介入を行った場合には,使用者との間で具体的な意思の連絡がなくとも,当該支配介入をもって使用者の不当労働行為と評価することができる。
2 労使協調路線を採るA労働組合の組合員である新幹線運転所の指導科長(助役)が,A労働組合と対立するB労働組合の組合員である同運転所の従業員に対し,B労働組合からの脱退を勧めたり,B労働組合の組合員に対する使用者の働き掛けを容認するよう求めたりする発言をした場合において,(1)同運転所の科長は現場長である所長に次ぐ職制上の地位にあったこと,(2)A労働組合から脱退した者らがB労働組合を結成し,両者が対立する状況において,使用者はA労働組合に対し好意的であったこと,(3)上記発言には使用者の意向に沿って上司としての立場からされた発言と見ざるを得ないものが含まれていたことなど判示の事情の下では,上記発言がA労働組合の組合員としての発言であることが明らかであるなどの特段の事情が存在することについて首肯すべき説示をすることなく,上記発言をもって使用者の不当労働行為と認めることはできないとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年12月8日 平成16(行ヒ)50
登載
集民 第222号585頁
参照法条
(1,2につき)労働組合法2条1号,労働組合法7条3号
論点26第7条労働組合法

労働組合法7条3号〈不当労働行為 労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。〉の不当労働行為を理由とする救済申立てと労働組合の組合員の申立て適格

裁判要旨労働組合の組合員は,使用者が労働組合法7条3号の不当労働行為を行ったことを理由とする救済申立てについて,申立て適格を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年7月12日 平成15(行ヒ)109
登載
集民 第214号739頁
参照法条
労働組合法7条3号,労働組合法27条
論点27第7条労働組合法

1 JR各社の成立の時の職員の採用について専ら日本国有鉄道が組合差別をした場合におけるJR各社の設立委員ひいてはJR各社の労働組合法7条〈不当労働行為〉にいう使用者としての責任
2 雇入れの拒否と労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱い

裁判要旨1 日本国有鉄道改革法6条2項〈交渉権限〉所定の旅客鉄道株式会社及び同法8条2項所定の日本貨物鉄道株式会社の設立委員ひいては上記各社は,その成立の時の職員の採用について,日本国有鉄道がその職員の中から上記各社の職員となるべき者を選定してその名簿を作成するに当たり専らその意思により組合差別をしたという場合には,労働組合法7条〈不当労働行為〉にいう使用者として不当労働行為の責任を負わない。
2 雇入れの拒否は,それが従前の雇用契約関係における不利益な取扱いにほかならないとして不当労働行為の成立を肯定することができる場合に当たるなどの特段の事情がない限り,労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱いに当たらない。
(1,2につき反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年12月22日 平成13(行ヒ)96
登載
民集 第57巻11号2335頁
参照法条
労働組合法7条,労働組合法7条1号,日本国有鉄道改革法6条,日本国有鉄道改革法8条,日本国有鉄道改革法15条,日本国有鉄道改革法21条,日本国有鉄道改革法22条,日本国有鉄道改革法23条,旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律附則2条
論点28第7条労働組合法

労働組合の組合員に対する雇入れの拒否と労働組合法7条1号本文にいう不利益な取扱い及び同条3号の支配介入

裁判要旨労働組合の組合員に対する雇入れの拒否は,それが従前の雇用契約関係における不利益な取扱いにほかならないとして不当労働行為の成立を肯定することができる場合に当たるなどの特段の事情がない限り,労働組合法7条1号〈不当労働行為 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。〉本文にいう不利益な取扱いにも,同条3号の支配介入にも当たらない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年12月22日 平成15(行ヒ)16
登載
集民 第212号483頁
参照法条
労働組合法7条1号,労働組合法7条3号
論点29第7条労働組合法

使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合において,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときに,労働委員会が使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することの可否

裁判要旨使用者が誠実に団体交渉に応ずべき義務に違反する不当労働行為をした場合には,当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても,労働委員会は,使用者に対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令を発することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和4年3月18日 令和3(行ヒ)171
登載
民集 第76巻3号283頁
参照法条
労働組合法7条2号,労働組合法27条の12第1項
論点30第27条労働組合法

労働組合が組合員資格を喪失した者に対する賃金の支払を命ずる救済命令を求めることができる場合

裁判要旨組合員に対する賃金カットが労働組合法七条一号及び三号所定の不当労働行為に当たる場合に、当該組合員が、賃金カット後に組合員資格を喪失しても、積極的に、権利を放棄するか又は労働組合の救済命令申立てを通じて権利の回復を図る意思のないことを表明しない限り、労働組合は、当該組合員に対する賃金の支払を命ずる救済命令を求めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年6月10日 昭和58(行ツ)79
登載
民集 第40巻4号793頁
参照法条
労働組合法27条4項
論点31第27条労働組合法

不当労働行為の成立が認められる場合に救済申立てを棄却することの可否

裁判要旨公共企業体等労働委員会は、不当労働行為の成立が認められる場合であつても、それによつて生じた状態が既に是正され、正常な集団的労使関係秩序が回復されているときは、救済の必要性がないものとして、救済申立てを棄却することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年12月20日 昭和55(行ツ)101
登載
集民 第140号685頁
参照法条
公共企業体等労働関係法25条の5,労働組合法27条
論点32第27条労働組合法

非訟事件手続法による緊急命令違反を理由とする裁判の合憲性

裁判要旨非訟事件手続法による緊急命令違反を理由とする過料の裁判は、憲法三一条、三二条に違反しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年1月26日 昭和46(ク)349
登載
集民 第108号105頁
参照法条
憲法31条,憲法32条,非訟事件手続法207条,労働組合法27条,労働組合法32条
論点33第27条労働組合法

非訟事件手続法による緊急命令違反に対する過料の裁判の合憲性

裁判要旨非訟事件手続法による緊急命令違反に対する過料の裁判は、憲法三一条、三二条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月26日 昭和45(行ト)19
登載
集民 第107号561頁
参照法条
労働組合法27条8項,労働組合法32条,非訟事件手続法207条,憲法31条,憲法32条
論点34第27条労働組合法

一 不当労働行為の救済命令が労働組合法第二条〈労働組合〉の要件を欠く組合の申立に基き発せられたことを理由として、右命令の取消を求めることの許否
二 中央労働委員会規則第二五条〈中央労働委員会の管轄等〉の適用範囲

裁判要旨一 使用者は、不当労働行為の救済命令が労働組合法第二条の要件を欠く組合の申立に基き発せられたことのみを理由として、右命令の取消を求めることはできない。
二 不当労働行為の救済命令発付の前提としてなされる申立組合の資格認定については、中央労働委員会規則第二五条の適用はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年12月24日 昭和31(オ)58
登載
民集 第11巻14号2336頁
参照法条
労働組合法2条,労働組合法5条,労働組合法27条,中央労働委員会規則25条
論点35第27条労働組合法

労働組合が自然消滅した場合におけるその組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力の消長と右命令の取消しを求める訴えの利益

裁判要旨組合員が存在しなくなったことなどにより労働組合が自然消滅した場合には、その組合が清算法人として存続していたとしても、使用者に対し右組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力は失われ、その結果、右命令の取消しを求める訴えの利益は失われる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年2月23日 平成4(行ツ)120
登載
民集 第49巻2号393頁
参照法条
労働組合法27条4項,労働組合法27条6項,労働委員会規則45条1項,行政事件訴訟法9条,民法73条
論点36第27条労働組合法

昇給に関する考課査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済申立てと労働組合法二七条二項〈不当労働行為事件の審査の開始〉の定める期間の遵守

裁判要旨昇給に関する考課査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済申立てが右査定に基づく賃金の最後の支払の時から一年以内にされたときは、右救済申立ては、労働組合法二七条二項〈不当労働行為事件の審査の開始〉の定める期間内にされたものとして適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年6月4日 平成1(行ツ)36
登載
民集 第45巻5号984頁
参照法条
労働組合法27条2項,労働委員会規則34条1項3号
論点37第27条労働組合法

ポストノーティス命令が憲法一九条〈労働委員会〉に違反するものとはいえないとされた事例

裁判要旨使用者に対し、陳謝文という題の下に、使用者が労働組合の組合員に対し仕事上の差別取扱いをしたことが労働委員会により不当労働行為であると認定された旨及び使用者が労働組合とその組合員に対し右不当労働行為を行つたことについて深く陳謝すると共に今後このような行為を繰り返さないことを約する旨の文言を墨書した白色木板を掲示するよう命じたポストノーティス命令は、使用者に対し陳謝の意思表明を強制するものではなく、憲法一九条に違反するものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年2月22日 昭和63(行ツ)140
登載
集民 第162号123頁
参照法条
憲法19条,労働組合法27条4項
論点38第27条労働組合法

ポストノーティス命令が憲法一九条〈労働委員会〉に違反するという主張が失当とされた事例

裁判要旨医療法人に対し、誓約書という題の下に、「当社団が行つた次の行為は、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為と認定されました。当社団は、ここに深く反省するとともに今後再びかかる行為を繰り返さないことを誓約します。」との文言を墨書した白色木板を当該法人経営の病院入口に掲示するよう命じたポストノーティス命令は、当該法人に対し反省等の意思表明を強制するものではなく、右命令について憲法一九条違反をいう主張は失当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成2年3月6日 昭和63(行ツ)102
登載
集民 第159号229頁
参照法条
憲法19条,労働組合法27条4項
論点39第27条労働組合法

労働組合からの申立てを受けて労働委員会が発した救済命令の取消しを求める訴えの利益が,使用者に雇用されている当該労働組合の組合員がいなくなるなどの発令後の事情変更によっても失われないとされた事例

裁判要旨所有する船舶の一部につき船舶運航代理業者を傭船者とする裸傭船契約と自らを傭船者とする定期傭船契約を締結するとともに労働協約の更新を拒否するなどした使用者の行為が不当労働行為に当たるとの労働組合からの申立てを受けた労働委員会が,当該使用者に対し,(1)上記各契約に係る船舶を自らの運航業務に使用する場合は当該労働組合の組合員の乗り組んでいる当該船舶を使用しなければならない旨,(2)当該労働組合が上記各契約等について団体交渉を申し入れたときはこれに誠実に応じなければならない旨,(3)労働協約締結に関する団体交渉が実質的かつ公正に行われ具体的な結論が出されるまでは従前の労働協約に従って当該労働組合との労使関係を営まなければならない旨,(4)当該労働組合の組合員である特定の従業員に所定の手当を支払わなければならない旨,(5)労働委員会が不当労働行為と認定した行為を繰り返さないよう留意すること等を記載した文書を当該労働組合に手交しなければならない旨を命ずる救済命令を発した場合において,当該使用者が船舶の運航事業を営む会社として存続し,当該労働組合も多数の船員等を組合員とする産業別労働組合として存続しているという事実関係の下では,当該使用者が上記救済命令の取消しを求める訴えの利益は,当該使用者に雇用されている当該労働組合の組合員がいなくなり,裸傭船契約の対象とされていない当該使用者の所有船舶がなくなるという発令後の事情変更によっても,失われない。
(補足意見がある。)
裸傭船契約 :船舶所有者と船舶借入人との間の船体に係る賃貸借契約であり,船舶借入人が船長及び海員を配乗して船舶を運航し運航費用等を負担することを内容とするもの
定期傭船契約:傭船者が船舶所有者又は船舶借入人から船舶賃貸と労務供給の双方を受けることを内容とする契約
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年4月27日 平成22(行ヒ)46
登載
民集 第66巻6号3000頁
参照法条
行政事件訴訟法9条1項,労働組合法27条の12第1項,労働組合法27条の12第4項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第1項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第4項前段,労働委員会規則45条1項
論点40第27条労働組合法

救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項〈強制権限〉に基づく参加をすることの許否

裁判要旨自ら救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項〈強制権限〉に基づく参加をすることは,当該救済命令の内容が当該労働者に対する賃金相当額の支払を命じるものであるなど当該労働者個人の雇用関係上の権利にかかわるものであっても,許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年9月26日 平成13(行ニ)5
登載
集民 第207号327頁
参照法条
行政事件訴訟法22条1項,労働組合法27条
論点41第24条労働組合法

一 労働委員会規則四二条二項所定の意見聴取の方法

二 公益委員会議が労働委員会規則四二条二項所定の意見聴取をしなかつた場合と救済命令の違法の有無

裁判要旨一 労働委員会規則四二条二項による意見聴取は、審問に参与した使用者委員及び労働者委員に公益委員会議への出席を求め、その席上で右委員の意見を聴取する方法によるものでなければならない。

二 公益委員会議が労働委員会規則四二条二項に違反し、審問に参与した使用者委員及び労働者委員の意見を聴取しなかつたとしても、それによつて救済命令が違法となることはない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年4月16日 昭和61(行ツ)109
登載
集民 第150号727頁
参照法条
労働委員会規則42条2項,労働組合法24条
原

条文原文

原文ママ

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労働組合法 第7条(不当労働行為) 詳細ページ
(不当労働行為)
第七条使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
二使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
三労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
四労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十七条の十二第一項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。
労働組合法 第27条(不当労働行為事件の審査の開始) 詳細ページ
(不当労働行為事件の審査の開始)
第二十七条労働委員会は、使用者が第七条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
2労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。
労働組合法 第19_2条(中央労働委員会) 詳細ページ
(中央労働委員会)
第十九条の二国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く。
2中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする。
3中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、第五条、第十一条、第十八条及び第二十六条の規定による事務、不当労働行為事件の審査等(第七条、次節及び第三節の規定による事件の処理をいう。以下同じ。)に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法第三十五条の二及び第三十五条の三の規定による事務その他法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる。
労働組合法 第20条(労働委員会の権限) 詳細ページ
(労働委員会の権限)
第二十条労働委員会は、第五条、第十一条及び第十八条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する。
労働組合法 第24条(公益委員のみで行う権限) 詳細ページ
(公益委員のみで行う権限)
第二十四条第五条及び第十一条の規定による事件の処理並びに不当労働行為事件の審査等(次条において「審査等」という。)並びに労働関係調整法第四十二条の規定による事件の処理には、労働委員会の公益委員のみが参与する。ただし、使用者委員及び労働者委員は、第二十七条第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により調査(公益委員の求めがあつた場合に限る。)及び審問を行う手続並びに第二十七条の十四第一項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定により和解を勧める手続に参与し、又は第二十七条の七第四項及び第二十七条の十二第二項(第二十七条の十七の規定により準用する場合を含む。)の規定による行為をすることができる。
2中央労働委員会は、常勤の公益委員に、中央労働委員会に係属している事件に関するもののほか、行政執行法人職員の労働関係の状況その他中央労働委員会の事務を処理するために必要と認める事項の調査を行わせることができる。
出

一次情報

原文ママ

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