所得税法施行令 / テーマ別まとめ

還付/純損失の繰戻しによる還付

純損失の繰戻しによる還付の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

純損失の繰戻しによる還付は、その年に生じた純損失の金額を前年分(場合により前前年分)の所得に繰り戻して、既に納めた所得税の還付を受ける制度です。所得税法施行令は、繰り戻す純損失をどの所得区分からどの順序で控除するか、事業の全部を休止・譲渡した場合の特例、相続人が複数いる場合の請求方法を定めています。

純損失の繰戻しによる還付
区分基準年適用事由計算方法
通常の繰戻し前年分純損失が生じた場合総所得→山林→退職の順で控除
事業の全部譲渡等の特例前前年分事業の休止・重要部分の譲渡271条に準じて計算
相続人等による請求—相続人が2人以上連署の一書面(各別提出も可)
  • 272条の「事業の廃止等に準ずる事実」は、通常の繰越控除の適用が困難と認められる場合に限る
  • 272条の前前年還付は、既に前前年分に還付適用があれば、その適用後の金額を基準とする
  • 273条ただし書で各別提出した相続人は、遅滞なく他の相続人へ請求内容を通知する必要がある
  • 271条2項:特定非常災害に係る被災純損失金額がある場合は、それ以外の純損失から先に控除する
  • 271条5号・6号:変動所得の損失や平均課税の適用があった年は控除順序が別に定められる
  • 271条1号・2号:繰越控除の対象となる損失部分の金額をまず該当する所得から控除する
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純損失の繰戻しによる還付

純損失の繰戻しによる還付について、条文は何を定めているか。

第271条純損失の繰戻しをする場合の計算繰り戻す純損失は控除する順序が決まっている2項・6号判例なし
  • 総所得の損失はまず前年の課税総所得金額から控除する
  • 山林所得の損失はまず前年の課税山林所得金額から控除する
  • 控除しきれない分は山林・総所得・退職の順に回して控除する
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第272条事業の廃止等に準ずる事実等事業を休止・譲渡した場合は前前年分も還付対象になる2項判例なし
  • 事業の全部の相当期間の休止や重要部分の譲渡が対象となる
  • 通常の繰越控除の適用が困難と認められる場合に限る
  • 前前年の所得と税額を基礎に271条〈純損失の繰戻しをする場合の計算〉に準じて計算する
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第273条相続人等による還付の請求相続人が複数いる場合の還付請求の手続2項判例なし
  • 還付請求書は相続人全員の連署による一書面で提出する
  • 他の相続人の氏名を付記すれば各別に提出することもできる
  • 各別提出した相続人は遅滞なく他の相続人へ通知する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法施行令 第271条(純損失の繰戻しをする場合の計算) 詳細ページ
(純損失の繰戻しをする場合の計算)
第二百七十一条法第百四十条第一項第二号(純損失の繰戻しによる還付の請求)又は第百四十一条第一項第二号(相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求)に掲げる金額を計算する場合において、純損失の金額の全部又は一部を前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額から控除するときは、次に定めるところによる。
一控除しようとする純損失の金額のうちに第二百一条第一項第二号イ(純損失の繰越控除)に規定する総所得金額の計算上生じた損失の部分の金額がある場合には、これをまず前年分の課税総所得金額から控除する。
二控除しようとする純損失の金額のうちに第二百一条第一項第二号ロに規定する山林所得金額の計算上生じた損失の部分の金額がある場合には、これをまず前年分の課税山林所得金額から控除する。
三第一号の規定による控除をしてもなお控除しきれない総所得金額の計算上生じた損失の部分の金額は、前年分の課税山林所得金額(前号の規定による控除が行われる場合には、当該控除後の金額)から控除し、次に課税退職所得金額から控除する。
四第二号の規定による控除をしてもなお控除しきれない山林所得金額の計算上生じた損失の部分の金額は、前年分の課税総所得金額(第一号の規定による控除が行われる場合には、当該控除後の金額)から控除し、次に課税退職所得金額(前号の規定による控除が行われる場合には、当該控除後の金額)から控除する。
五第一号又は第三号の場合において、総所得金額の計算上生じた損失の部分の金額のうちに、第百九十九条(変動所得の損失等の損益通算)に規定する変動所得の損失の金額とその他の損失の金額とがあるときは、まずその他の損失の金額を控除し、次に変動所得の損失の金額を控除する。
六第一号又は第四号の場合において、前年に法第九十条第一項(変動所得及び臨時所得の平均課税)の規定の適用があつたときは、同年分の課税総所得金額から控除しようとする純損失の金額のうち、第百九十九条に規定する変動所得の損失の金額は、まず同年分の法第九十条第三項に規定する平均課税対象金額から控除するものとし、当該変動所得以外の各種所得の金額の計算上生じた損失の部分の金額は、まず同年分の課税総所得金額のうち当該平均課税対象金額以外の部分の金額から控除するものとする。
2前項の規定の適用がある場合において、その年において生じた純損失の金額のうちに、法第七十条の二第四項第一号(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例)に規定する被災純損失金額と当該被災純損失金額以外の純損失の金額(同条第一項に規定する特定非常災害発生年純損失金額に該当するものを除く。)とがある場合における法第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付の手続等)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となる純損失の金額は、当該被災純損失金額以外の純損失の金額から順次成るものとして前項の規定による控除を行う。
所得税法施行令 第272条(事業の廃止等に準ずる事実等) 詳細ページ
(事業の廃止等に準ずる事実等)
第二百七十二条法第百四十条第五項(事業の全部譲渡等の場合の純損失の繰戻しによる還付の請求)に規定する政令で定める事実は、事業の全部の相当期間の休止又は重要部分の譲渡で、これらの事実が生じたことにより同項に規定する純損失の金額につき法第七十条第一項(純損失の繰越控除)の規定の適用を受けることが困難となると認められるものとする。
2法第百四十条第五項又は第百四十一条第四項(相続人等による純損失の繰戻しによる還付の請求)の規定により還付を請求することができる金額は、これらの規定に規定する事実が生じた日の属する年の前前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額並びにこれらにつき法第二編第三章第一節(税率)の規定を適用して計算した所得税の額並びに同日の属する年の前年において生じたこれらの条に規定する純損失の金額を基礎とし、法第百四十条第一項から第三項まで及び第百四十一条第一項から第三項まで並びに前条の規定に準じて計算した金額とする。この場合において、既に当該前前年分の所得税につき法第百四十条第一項又は第百四十一条第一項の規定の適用があつたときは、当該前前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額に相当する金額からその適用に係る純損失の金額を控除した金額をもつて当該課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額とみなし、かつ、当該前前年分の所得税の額に相当する金額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該所得税の額とみなす。
所得税法施行令 第273条(相続人等による還付の請求) 詳細ページ
(相続人等による還付の請求)
第二百七十三条法第百四十一条第一項又は第四項(相続人等の純損失の繰戻しによる還付の請求)の規定による還付の請求をする場合において、相続人が二人以上あるときは、当該請求に係る法第百四十二条第一項(純損失の繰戻しによる還付の手続等)の規定による還付請求書は、各相続人が連署による一の書面で提出しなければならない。ただし、他の相続人の氏名を附記して各別に提出することを妨げない。
2前項ただし書の方法により同項の請求書を提出した相続人は、遅滞なく、他の相続人に対し、当該請求書に記載した事項の要領を通知しなければならない。
出

一次情報

原文ママ

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