所得税法 / テーマ別まとめ

総則/納税義務

納税義務の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

所得税法は、居住者・非居住者・内国法人・外国法人のそれぞれについて、どのような場合に所得税の納税義務を負うかを定めています。あわせて、給与等の支払者などに源泉徴収の義務を課す規定も置かれています。自社や従業員がどの区分に当たるか、源泉徴収が必要な場面かどうかを確認する際に参照します。

納税義務
区分納税義務が生じる場合根拠
居住者常に納税義務を負う5条1項
非居住者国内源泉所得等がある場合5条2項
内国法人国内で対象所得の支払を受ける時5条3項
外国法人対象所得の支払を受ける時5条4項
  • 非居住者の納税義務は、国内源泉所得を有する場合(1号)と、法人課税信託の分配金等を受ける場合(2号)に分かれる
  • 内国法人課税所得・外国法人課税所得は、174条各号に掲げる利子等・配当等など特定の所得を指す
  • 源泉徴収義務(6条)は納税義務そのものとは別に、給与等の支払者などに課される義務である
1

納税義務

納税義務について、条文は何を定めているか。

第5条納税義務者居住者・非居住者・法人の納税義務を定める4項・2号判例 1件
  • 居住者は所得税を納める義務がある(1項)
  • 非居住者は国内源泉所得がある場合などに納税義務を負う(2項)
  • 内国法人・外国法人も一定の所得の支払を受ける際に納税義務を負う(3項・4項)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第6条源泉徴収義務者給与等の支払者に源泉徴収義務を課す1項判例 2件
  • 給与等の支払をする者は源泉徴収をする義務がある
  • 第4編1章から6章に規定する支払をする者も同様に源泉徴収義務を負う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第5条所得税法

租税債権の成立時期

裁判要旨租税債権は、法律の規定する課税要件事実の存在によつて当然に成立し、課税処分をまたない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年3月14日 昭和41(オ)1241
登載
集民 第86号551頁
参照法条
所得税法5条
論点2第6条所得税法

給与等の支払をする者が判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合における源泉徴収義務の有無

裁判要旨所得税法28条1項〈給与所得〉に規定する給与等の支払をする者が,その支払を命ずる判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合であっても,上記の者は,同法183条1項〈源泉徴収義務〉所定の源泉徴収義務を負う。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年3月22日 平成21(受)747
登載
民集 第65巻2号735頁
参照法条
所得税法6条,28条1項,183条1項,民事執行法25条
論点3第6条所得税法

1 弁護士である破産管財人は,自らの報酬の支払について,所得税法204条1項2号〈源泉徴収義務 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金〉所定の源泉徴収義務を負うか
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たるか
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当について,同条所定の源泉徴収義務を負うか

裁判要旨1 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号〈源泉徴収義務 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金〉の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負う。
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たる。
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月14日 平成20(行ツ)236
登載
民集 第65巻1号1頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法6条 (1,2につき)所得税法204条1項2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)166条,破産法87条1項 (2につき)旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条3号,破産法148条1項2号 (3につき)所得税法30条1項,所得税法199条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)256条,破産法193条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第5条(納税義務者) 詳細ページ
(納税義務者)
第五条居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。
2非居住者は、次に掲げる場合には、この法律により、所得税を納める義務がある。
一第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(次号において「国内源泉所得」という。)を有するとき(同号に掲げる場合を除く。)。
二その引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる内国法人課税所得(第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金をいう。以下この条において同じ。)の支払を国内において受けるとき又は当該信託財産に帰せられる外国法人課税所得(国内源泉所得のうち第百六十一条第一項第四号から第十一号まで又は第十三号から第十六号までに掲げるものをいう。以下この条において同じ。)の支払を受けるとき。
3内国法人は、国内において内国法人課税所得の支払を受けるとき又はその引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる外国法人課税所得の支払を受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
4外国法人は、外国法人課税所得の支払を受けるとき又はその引受けを行う法人課税信託の信託財産に帰せられる内国法人課税所得の支払を国内において受けるときは、この法律により、所得税を納める義務がある。
所得税法 第6条(源泉徴収義務者) 詳細ページ
(源泉徴収義務者)
第六条第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者その他第四編第一章から第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者は、この法律により、その支払に係る金額につき源泉徴収をする義務がある。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。