所得税法施行令 / テーマ別まとめ

引当金/貸倒引当金

貸倒引当金の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

貸倒引当金は、個々の貸金等の回収状況に応じて上限額を計算する個別評価(所得税法施行令144条)と、貸金全体に一定の割合を掛けて上限額を計算する一括評価(145条)の2本立てで運用される。事業を承継する相続人がいない、あるいは青色申告の承認を受けていない場合は一括評価分の繰入れが認められず(146条)、必要経費に算入済みの引当金勘定の金額は承継した相続人の総収入金額に算入して清算する(147条)。

貸倒引当金
区分対象事由(要旨)繰入限度額
個別評価①(144条1号)更生計画認可等の決定5年超の未回収予定額
個別評価②(144条2号)債務超過が相当期間継続回収不能部分の相当額
個別評価③(144条3号)更生・再生・破産等の申立て貸金等の50%相当額
個別評価④(144条4号)外国政府等の履行遅滞貸金等の50%相当額
一括評価・金融業以外(145条)上記以外の貸金等全般帳簿価額の1000分の55
一括評価・金融業(145条)上記以外の貸金等全般帳簿価額の1000分の33
  • 144条1号・3号・4号の限度額は、担保権の実行等により回収見込みがあると認められる部分の金額を除いた額。
  • 144条3号・4号は、債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額も除く。
  • 144条の適用には事由発生を証する書類等の保存が必要。保存がなければ事由は生じていないものとみなされるが、保存がなかったことにやむを得ない事情があると税務署長が認めるときは適用できる。
  • 145条の帳簿価額は、債務者から受け入れた金額があり実質的に債権とみられない部分を控除した残額で計算する。平成27年以降引き続き事業を営む場合はその割合の計算に特例がある。
  • 146条は一括評価(法52条2項)の繰入れに関する規定で、事業を承継し死亡年分の所得税につき青色申告の承認を受けた相続人がいないときは繰入れが認められない。
  • 147条により、死亡日の属する年分の必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額は、区分に応じた相続人の総収入金額に算入する。
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貸倒引当金

貸倒引当金について、条文は何を定めているか。

第144条個別評価貸金等に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額個別の貸金ごとに引当金の上限を定める3項・4号判例なし
  • 更生・再生計画認可等があれば5年超の未回収予定額まで
  • 更生・破産等の申立てがあれば貸金等の50%まで
  • 事由を証する書類の保存がないと繰入れは認められない
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第145条一括評価貸金に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額貸金全体に一定割合をかけて上限を計算する2項・2号判例なし
  • 金融業以外は帳簿価額の1000分の55が上限
  • 金融業は帳簿価額の1000分の33が上限
  • 債務者から受け入れた金額があれば帳簿価額から控除する
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第146条貸倒引当金勘定への繰入れが認められない場合承継相続人の青色申告がないと一括評価分は不可1項判例なし
  • 死亡した事業主の一括評価引当金は事業承継が前提
  • 承継相続人が死亡年分の青色申告の承認を受けている必要
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第147条死亡の場合の貸倒引当金勘定の金額の処理死亡時の引当金は相続人の収入に算入する1項・2号判例なし
  • 個別評価分は事業を承継した相続人の総収入金額に算入
  • 一括評価分は青色申告承認を受けた承継相続人に算入
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法施行令 第144条(個別評価貸金等に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額) 詳細ページ
(個別評価貸金等に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額)
第百四十四条法第五十二条第一項(貸倒引当金)に規定する政令で定める事実は、次の各号に掲げる事実とし、同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、当該各号に掲げる事実の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一法第五十二条第一項の居住者がその年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時。以下この項において同じ。)において有する貸金等(同条第一項に規定する貸金等をいう。以下この条において同じ。)につき、当該貸金等に係る債務者について生じた次に掲げる事由に基づいてその弁済を猶予され、又は賦払により弁済されること当該貸金等の額のうち当該事由が生じた日の属する年の翌年一月一日から五年を経過する日までに弁済されることとなつている金額以外の金額(担保権の実行その他によりその取立て又は弁済(以下この項において「取立て等」という。)の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)
イ更生計画認可の決定
ロ再生計画認可の決定
ハ特別清算に係る協定の認可の決定
ニ法人税法施行令第二十四条の二第一項(再生計画認可の決定に準ずる事実等)に規定する事実が生じたこと。
ホイからハまでに掲げる事由に準ずるものとして財務省令で定める事由
二法第五十二条第一項の居住者がその年十二月三十一日において有する貸金等に係る債務者につき、債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に好転の見通しがないこと、災害、経済事情の急変等により多大な損害が生じたことその他の事由により、当該貸金等の一部の金額につきその取立て等の見込みがないと認められること(当該貸金等につき前号に掲げる事実が生じている場合を除く。)当該一部の金額に相当する金額
三法第五十二条第一項の居住者がその年十二月三十一日において有する貸金等に係る債務者につき次に掲げる事由が生じていること(当該貸金等につき、第一号に掲げる事実が生じている場合及び前号に掲げる事実が生じていることにより同項の規定の適用を受けた場合を除く。)当該貸金等の額(当該貸金等の額のうち、当該債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額及び担保権の実行、金融機関又は保証機関による保証債務の履行その他により取立て等の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)の百分の五十に相当する金額
イ更生手続開始の申立て
ロ再生手続開始の申立て
ハ破産手続開始の申立て
ニ特別清算開始の申立て
ホイからニまでに掲げる事由に準ずるものとして財務省令で定める事由
四法第五十二条第一項の居住者がその年十二月三十一日において有する貸金等に係る債務者である外国の政府、中央銀行又は地方公共団体の長期にわたる債務の履行遅滞によりその貸金等の経済的な価値が著しく減少し、かつ、その弁済を受けることが著しく困難であると認められること当該貸金等の額(当該貸金等の額のうち、これらの者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額及び保証債務の履行その他により取立て等の見込みがあると認められる部分の金額を除く。)の百分の五十に相当する金額
2居住者の有する貸金等について前項各号に掲げる事実が生じている場合においても、当該事実が生じていることを証する書類その他の財務省令で定める書類の保存がされていないときは、当該貸金等に係る同項の規定の適用については、当該事実は、生じていないものとみなす。
3税務署長は、前項の書類の保存がない場合においても、その書類の保存がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その書類の保存のなかつた貸金等に係る金額につき同項の規定を適用しないことができる。
所得税法施行令 第145条(一括評価貸金に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額) 詳細ページ
(一括評価貸金に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額)
第百四十五条法第五十二条第二項(貸倒引当金)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項の居住者のその年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時)において有する一括評価貸金(同項に規定する一括評価貸金をいう。以下この条において同じ。)の帳簿価額(当該一括評価貸金のうち当該居住者が当該一括評価貸金に係る債務者から受け入れた金額があるためその全部又は一部が実質的に債権とみられないものにあつては、その債権とみられない部分の金額に相当する金額を控除した残額。次項において同じ。)の合計額に、その者の営む事業所得を生ずべき事業のうち主たるものが次の各号に掲げる事業のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める割合を乗じて計算した金額とする。
一金融業以外の事業千分の五十五
二金融業千分の三十三
2前項の一括評価貸金の帳簿価額の計算については、同項の居住者で平成二十七年一月一日以後引き続き事業所得を生ずべき事業を営んでいるものは、同項の規定にかかわらず、その年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時)における一括評価貸金の額に、平成二十七年及び平成二十八年の各年の十二月三十一日における一括評価貸金の額の合計額のうちに当該各年の十二月三十一日における同項に規定する債権とみられない部分の金額の合計額の占める割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて計算した金額をもつて、同項に規定する債権とみられない部分の金額に相当する金額とすることができる。
所得税法施行令 第146条(貸倒引当金勘定への繰入れが認められない場合) 詳細ページ
(貸倒引当金勘定への繰入れが認められない場合)
第百四十六条法第五十二条第二項(貸倒引当金)に規定する政令で定める場合は、同項の居住者が死亡した場合において、その相続人のうちに、その居住者の同項に規定する事業を承継した者でその死亡の日の属する年分の所得税につき青色申告書を提出することについて税務署長の承認を受けているもの(当該所得税につき法第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書を提出したものを含む。)がないときとする。
所得税法施行令 第147条(死亡の場合の貸倒引当金勘定の金額の処理) 詳細ページ
(死亡の場合の貸倒引当金勘定の金額の処理)
第百四十七条法第五十二条第一項又は第二項(貸倒引当金)の居住者が死亡した場合において、これらの規定によりその居住者の死亡の日の属する年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額があるときは、当該貸倒引当金勘定の金額は、次の各号に掲げる貸倒引当金勘定の金額の区分に応じ、当該各号に定める相続人の当該年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
一法第五十二条第一項の規定によりその年分の必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額その居住者の相続人のうち、その居住者の同項に規定する事業を承継した者
二法第五十二条第二項の規定によりその年分の必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額その居住者の相続人のうち、同項に規定する事業を承継した者でその死亡の日の属する年分の所得税につき青色申告書を提出することについて税務署長の承認を受けているもの(当該所得税につき法第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書を提出した者を含む。)
出

一次情報

原文ママ

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