国税通則法 / テーマ別まとめ

国税の更正、決定、徴収、還付等の期間制限/国税の更正、決定等の期間制限

国税の更正、決定等の期間制限の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

国税の更正・決定・賦課決定は、国税通則法上いつまでも行えるわけではなく、法定申告期限等を起点とする期間制限に服します。原則は5年ですが、法人税の純損失等に関する更正は10年、偽りその他不正の行為があった場合は7年など、対象や事情に応じて期間が異なります。さらに、不服申立てに対する裁決や更正の請求などがあった場合には、原則の期限を過ぎていても一定期間、更正決定等ができる特例が定められています。

国税の更正、決定等の期間制限
区分起算点期間根拠
更正・決定法定申告期限等5年70条1項1号
純損失等増減の更正(法人税)法定申告期限10年70条2項
賦課決定(申告書提出あり・減額以外)申告書提出期限3年70条1項2号
賦課決定(申告書提出あり・減額)申告書提出期限5年70条1項2号
賦課決定(申告書提出不要)納税義務成立日5年70条1項3号
偽り不正行為等がある場合各号の期限又は日7年70条5項
裁決等・更正に伴う更正等裁決等・更正があった日6月間71条1項1号
無効行為の取消し等による減額更正理由が生じた日3年間71条1項2号
更正の請求期限特例に係る更正更正の請求があった日6月間71条1項3号
国外取引等の情報提供要請に基づく決定等要請書面が発せられた日3年間71条1項4号
  • 更正の請求に基づく更正・加算税の賦課決定は、期限経過前6月以内の請求であれば請求日から6月を経過する日まで可能(70条3項)
  • 無申告加算税・不納付加算税の賦課決定は、期限経過前3月以内の申告書提出に伴うものであれば提出日から3月を経過する日まで可能(70条4項)
  • 偽り不正による過大な純損失等の申告についての更正も70条5項2号の対象
  • 国外転出等特例の適用がある場合の所得税の更正決定等は、納税管理人の届出等がある場合等を除き70条5項3号の対象
  • 71条の特例期間は、70条により更正決定等ができる期間の満了日より後に満了する場合に限り適用される
  • 71条1項1号の裁決等・更正を受けた者には、分割等に伴う分割承継法人等・分割法人等や通算法人グループの他の通算法人を含む(71条2項)
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国税の更正、決定等の期間制限

国税の更正、決定等の期間制限について、条文は何を定めているか。

第70条国税の更正、決定等の期間制限更正等ができる期限を区分ごとに定める5項・6号判例 3件
  • 原則は法定申告期限等から5年で更正・決定ができなくなる
  • 法人税の純損失等を増減させる更正は10年まで可能(2項)
  • 偽り不正行為による税額逃れ等は7年まで更正決定等が可能(5項)
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第71条国税の更正、決定等の期間制限の特例70条〈国税の更正、決定等の期間制限〉の期限後でも更正等ができる特例2項・4号判例なし
  • 不服申立て等の裁決や更正に伴う更正等は裁決等の日から6月間可能
  • 更正の請求期限の特例がある場合はその請求日から6月間可能
  • 国外取引等の情報提供要請をした場合は書面発送日から3年間可能
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第70条国税通則法

国税通則法七〇条二項四号〈国税の更正、決定等の期間制限〉によつて更正をする場合と更正の範囲

裁判要旨国税通則法七〇条二項四号〈国税の更正、決定等の期間制限〉によつて更正をする場合、その更正の対象となるのは、「偽りその他不正の行為」によつてその全部又は一部の税額を免れた当該国税の全体であり、右「偽りその他不正の行為」によつて免れた税額部分に限られるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和51年11月30日 昭和49(行ツ)111
登載
集民 第119号283頁
参照法条
国税通則法70条2項4号
論点2第70条国税通則法

国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知と国税通則法七〇条の類推適用

裁判要旨国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知には、国税の更正、決定等の期間制限に関する国税通則法七〇条は類推適用されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年12月6日 平成6(行ツ)7
登載
民集 第48巻8号1451頁
参照法条
国税徴収法32条1項,国税通則法70条
論点3第70条国税通則法

1 国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無
2 税理士に所得税の申告を委任した納税者が脱税を意図しその意図に基づいて行動したとは認められないとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例

裁判要旨1 国税通則法70条5項〈国税の更正、決定等の期間制限〉は,国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い,これにより納税者が税額の全部又は一部を免れた場合にも適用される。
2 納税者が,土地の譲渡所得を得た年分の所得税の申告を委任した税理士から,委任に先立ち,実際に出費していない土地の買手の紹介料等が経費として記載されたメモを示され,多額の税額を減少させて得をすることができる旨の説明を受けた上で,同税理士に上記の申告を委任したものであり,同税理士が架空経費の計上などの違法な手段により税額を減少させようと企図していることを了知していたとみることができるなど判示の事情の下においては,税理士に申告を委任する者は法律に違反しない方法と範囲で必要最小限の税負担となるように節税することを期待して委任するのが一般的であることなどを理由として,上記納税者が脱税を意図し,その意図に基づいて行動したとは認められないとした原審の認定には,経験則に違反する違法がある。
(2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年1月17日 平成14(行ヒ)103
登載
民集 第59巻1号28頁
参照法条
国税通則法68条1項,国税通則法70条5項,民訴法247条,税理士法1条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税通則法 第70条(国税の更正、決定等の期間制限) 詳細ページ
(国税の更正、決定等の期間制限)
第七十条次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。
一更正又は決定その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする第二十五条(決定)の規定による決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。)
二課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定当該申告書の提出期限
三課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定その納税義務の成立の日
2法人税に係る純損失等の金額で当該課税期間において生じたものを増加させ、若しくは減少させる更正又は当該金額があるものとする更正は、前項の規定にかかわらず、同項第一号に定める期限から十年を経過する日まで、することができる。
3前二項の規定により更正をすることができないこととなる日前六月以内にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。
4第一項の規定により賦課決定をすることができないこととなる日前三月以内にされた納税申告書の提出(源泉徴収等による国税の納付を含む。以下この項において同じ。)に伴つて行われることとなる無申告加算税(第六十六条第八項(無申告加算税)の規定の適用があるものに限る。)又は不納付加算税(第六十七条第二項(不納付加算税)の規定の適用があるものに限る。)についてする賦課決定は、第一項の規定にかかわらず、当該納税申告書の提出があつた日から三月を経過する日まで、することができる。
5次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。
一偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等
二偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正(第二項又は第三項の規定の適用を受ける法人税に係る純損失等の金額に係るものを除く。)
三所得税法第六十条の二第一項から第三項まで(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)又は第六十条の三第一項から第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用がある場合(第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出及び税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出がある場合その他の政令で定める場合を除く。)の所得税(当該所得税に係る加算税を含む。第七十三条第三項(時効の完成猶予及び更新)において「国外転出等特例の適用がある場合の所得税」という。)についての更正決定等
国税通則法 第71条(国税の更正、決定等の期間制限の特例) 詳細ページ
(国税の更正、決定等の期間制限の特例)
第七十一条更正決定等で次の各号に掲げるものは、当該各号に定める期間の満了する日が前条の規定により更正決定等をすることができる期間の満了する日後に到来する場合には、同条の規定にかかわらず、当該各号に定める期間においても、することができる。
一更正決定等に係る不服申立て若しくは訴えについての裁決、決定若しくは判決(以下この号において「裁決等」という。)による原処分の異動又は更正の請求に基づく更正に伴つて課税標準等又は税額等に異動を生ずべき国税(当該裁決等又は更正に係る国税の属する税目に属するものに限る。)で当該裁決等又は更正を受けた者に係るものについての更正決定等当該裁決等又は更正があつた日から六月間
二申告納税方式による国税につき、その課税標準の計算の基礎となつた事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたこと、当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消されたことその他これらに準ずる政令で定める理由に基づいてする更正(納付すべき税額を減少させる更正又は純損失等の金額で当該課税期間において生じたもの若しくは還付金の額を増加させる更正若しくはこれらの金額があるものとする更正に限る。)又は当該更正に伴い当該国税に係る加算税についてする賦課決定当該理由が生じた日から三年間
三更正の請求をすることができる期限について第十条第二項(期間の計算及び期限の特例)又は第十一条(災害等による期限の延長)の規定の適用がある場合における当該更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定当該更正の請求があつた日から六月間
四イに掲げる事由が生じた場合において、ロに掲げる事由に基づいてする更正決定等ロの租税条約等の相手国等に対しロの要請に係る書面が発せられた日から三年間
イ国税庁、国税局又は税務署の当該職員が納税者にその国税に係る国外取引(非居住者(所得税法第二条第一項第五号(定義)に規定する非居住者をいう。イにおいて同じ。)若しくは外国法人(法人税法第二条第四号(定義)に規定する外国法人をいう。イにおいて同じ。)との間で行う資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引又は非居住者若しくは外国法人が提供する場を利用して行われる資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引をいう。)又は国外財産(相続税法第二十条の二(在外財産に対する相続税額の控除)に規定する財産をいう。)に関する書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)又はその写しの提示又は提出を求めた場合において、その提示又は提出を求めた日から六十日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示又は提出がなかつたこと(当該納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)。
ロ国税庁長官(その委任を受けた者を含む。)が租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の相手国等にイの国外取引又は国外財産に関する情報の提供の要請をした場合(当該要請が前条の規定により更正決定等をすることができないこととなる日の六月前の日以後にされた場合を除くものとし、当該要請をした旨のイの納税者への通知が当該要請をした日から三月以内にされた場合に限る。)において、その国税に係る課税標準等又は税額等に関し、当該相手国等から提供があつた情報に照らし非違があると認められること。
2前項第一号に規定する当該裁決等又は更正を受けた者には、当該受けた者が分割等(分割、現物出資、法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配又は同法第六十一条の十一第一項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の適用を受ける同項に規定する譲渡損益調整資産の譲渡をいう。以下この項において同じ。)に係る分割法人等(同法第二条第十二号の二に規定する分割法人、同条第十二号の四に規定する現物出資法人、同条第十二号の五の二に規定する現物分配法人又は同法第六十一条の十一第一項に規定する譲渡損益調整資産を譲渡した法人をいう。以下この項において同じ。)である場合には当該分割等に係る分割承継法人等(同法第二条第十二号の三に規定する分割承継法人、同条第十二号の五に規定する被現物出資法人、同条第十二号の五の三に規定する被現物分配法人又は同法第六十一条の十一第二項に規定する譲受法人をいう。以下この項において同じ。)を含むものとし、当該受けた者が分割等に係る分割承継法人等である場合には当該分割等に係る分割法人等を含むものとし、当該受けた者が同法第二条第十二号の七の二に規定する通算法人(以下この項及び第七十四条の二第四項(当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権)において「通算法人」という。)である場合には他の通算法人を含むものとする。
出

一次情報

原文ママ

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