地方税法 / テーマ別まとめ

個人の道府県民税/退職所得の課税の特例

退職所得の課税の特例の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

個人の道府県民税のうち退職所得に係る所得割は、他の所得と区分して分離課税とし、退職手当等の支払の際に特別徴収する仕組みです。課税標準はその年中の退職所得の金額(所得税法上の退職所得の計算に準拠)で、税率は一律百分の四です。退職所得申告書に他の退職手当等の記載があるかどうかで特別徴収義務者が計算すべき税額が変わり、年間で見て徴収不足があれば普通徴収で追加徴収されます。

退職所得の課税の特例
ケース退職所得申告書税額の計算方法
他の退職手当等なしあり(なしの旨を記載)支払う退職手当等のみで計算
他の退職手当等ありあり(ありの旨を記載)合算額から既徴収分を控除
申告書未提出提出なし支払う退職手当等のみで計算
徴収不足がある場合―不足額を普通徴収で徴収
  • 対象は所得税法199条により所得税を源泉徴収すべき退職手当等に限る
  • 課税する道府県は、支払を受けるべき日の属する年の1月1日現在の住所地
  • 退職所得控除額の計算は、退職手当等の支払が確定した時点の状況による
  • 特別徴収票は退職の日以後1月以内に提出・交付。総務省令で定める場合は不要
  • 退職所得申告書は要件を満たせば電磁的方法による提供でも可
1

退職所得の課税の特例

退職所得の課税の特例について、条文は何を定めているか。

第50_2条退職所得の課税の特例退職所得は他の所得と分けて課税する1項判例なし
  • 対象は所得税法199条で源泉徴収される退職手当等に限る
  • 課税するのは支払を受けるべき日の属する年の1月1日現在の住所地の道府県
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_3条分離課税に係る所得割の課税標準課税標準はその年の退職所得の金額2項判例なし
  • 課税標準はその年中の退職所得の金額
  • 金額は所得税法上の退職所得の計算方法に従って算定
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_4条分離課税に係る所得割の税率税率は一律百分の四1項判例なし
  • 分離課税に係る所得割の税率は百分の四
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_5条納入申告書の提出特別徴収義務者は納入申告書を市町村長に提出1項判例なし
  • 徴収した分離課税分の所得割は総務省令の様式で申告
  • 課税標準額・税額等を記載し、他の納入申告書とあわせて提出
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_6条特別徴収税額申告書の記載内容で税額計算が変わる4項・2号判例なし
  • 他の退職手当等なしの申告なら支払う分だけで計算
  • 他の退職手当等ありなら合算額から既徴収分を控除
  • 申告書未提出なら支払う退職手当等のみで計算
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_7条退職所得申告書支払を受ける前に申告書を提出する4項・5号判例なし
  • 支払者の氏名・他の退職手当等の有無等を記載する
  • 他の退職手当等ありのときは特別徴収票の添付が必要
  • 要件を満たせば電磁的方法での提供も可能
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_8条分離課税に係る所得割の普通徴収税額特別徴収で不足があれば普通徴収で追加1項判例なし
  • 年間の退職所得で計算した税額が特別徴収額を超える場合が対象
  • 市町村長がその超える金額を普通徴収で徴収
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_9条特別徴収票特別徴収義務者は特別徴収票を作成・提出する1項判例なし
  • 退職者ごとに特別徴収票2通を作成
  • 退職の日以後1月以内に1通を市町村長へ、1通を本人へ交付
  • 総務省令で定める場合は提出・交付を要しない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第50_10条政令への委任細部は政令に委任されている1項判例なし
  • 退職所得の算定や徴収に必要な事項は政令で定める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

地方税法 第50_2条(退職所得の課税の特例) 詳細ページ
(退職所得の課税の特例)
第五十条の二第二十四条第一項第一号の者が退職手当等(所得税法第百九十九条の規定によりその所得税を徴収して納付すべきものに限る。以下本目において同じ。)の支払を受ける場合には、当該退職手当等に係る所得割は、第三十二条、第三十五条及び第三十九条の規定にかかわらず、当該退職手当等に係る所得を他の所得と区分し、本目に規定するところにより、当該退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の一月一日現在におけるその者の住所所在の道府県において課する。
地方税法 第50_3条(分離課税に係る所得割の課税標準) 詳細ページ
(分離課税に係る所得割の課税標準)
第五十条の三分離課税に係る所得割の課税標準は、その年中の退職所得の金額とする。
2前項の退職所得の金額は、所得税法第三十条第二項に規定する退職所得の金額の計算の例によつて算定する。
地方税法 第50_4条(分離課税に係る所得割の税率) 詳細ページ
(分離課税に係る所得割の税率)
第五十条の四分離課税に係る所得割の税率は、百分の四とする。
地方税法 第50_5条(納入申告書の提出) 詳細ページ
(納入申告書の提出)
第五十条の五分離課税に係る所得割の特別徴収義務者は、第四十一条第一項の規定により分離課税に係る所得割を徴収する場合には、総務省令で定める様式によつて、その徴収すべき分離課税に係る所得割の課税標準額、税額その他必要な事項を記載した納入申告書を、第三百二十八条の五第二項又は第三項の規定による納入申告書とあわせて、市町村長に提出しなければならない。
地方税法 第50_6条(特別徴収税額) 詳細ページ
(特別徴収税額)
第五十条の六第四十一条第一項の規定により特別徴収義務者が徴収すべき分離課税に係る所得割の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる税額とする。
一退職手当等の支払を受ける者が提出した次条第一項の規定による申告書(以下この条並びに次条第二項及び第三項において「退職所得申告書」という。)に、その支払うべきことが確定した年において支払うべきことが確定した他の退職手当等で既に支払がされたもの(次号において「支払済みの他の退職手当等」という。)がない旨の記載がある場合その支払う退職手当等の金額について第五十条の三及び第五十条の四の規定を適用して計算した税額
二退職手当等の支払を受ける者が提出した退職所得申告書に、支払済みの他の退職手当等がある旨の記載がある場合その支払済みの他の退職手当等の金額とその支払う退職手当等の金額との合計額について第五十条の三及び第五十条の四の規定を適用して計算した税額から、その支払済みの他の退職手当等につき第四十一条第一項の規定により徴収された又は徴収されるべき分離課税に係る所得割の額を控除した残額に相当する税額
2退職手当等の支払を受ける者がその支払を受ける時までに退職所得申告書を提出していないときは、第四十一条第一項の規定により特別徴収義務者が徴収すべき分離課税に係る所得割の額は、その支払う退職手当等の金額について第五十条の三及び第五十条の四の規定を適用して計算した税額とする。
3第一項各号又は前項の規定により第五十条の三の規定を適用する場合における所得税法第三十条第二項の退職所得控除額の計算については、前二項の規定による分離課税に係る所得割を徴収すべき退職手当等を支払うべきことが確定した時の状況によるものとする。
4所得税法第二百二条の規定は、前三項の規定を適用する場合について準用する。
地方税法 第50_7条(退職所得申告書) 詳細ページ
(退職所得申告書)
第五十条の七退職手当等の支払を受ける者は、その支払を受ける時までに、第三百二十八条の七第一項の規定による申告書と併せて、次に掲げる事項を記載した申告書を、その退職手当等の支払者を経由して、その退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の一月一日現在における住所所在地の市町村長に提出しなければならない。この場合において、第二号に規定する支払済みの他の退職手当等がある旨を記載した申告書を提出するときは、当該申告書に当該支払済みの他の退職手当等につき第五十条の九の規定により交付される特別徴収票を添付しなければならない。
一その退職手当等の支払者の氏名又は名称
二前条第一項第一号に規定する支払済みの他の退職手当等があるかどうか並びに当該支払済みの他の退職手当等があるときは当該支払済みの他の退職手当等が所得税法第三十条第七項に規定する一般退職手当等、同条第四項に規定する短期退職手当等又は同条第五項に規定する特定役員退職手当等のいずれに該当するかの別及びその金額
三前条第三項に規定する退職所得控除額の計算の基礎となる勤続年数
四その者が所得税法第三十条第六項第三号に掲げる場合に該当するかどうか及びこれに該当するときはその該当する事実
五その他総務省令で定める事項
2前項の場合において、退職所得申告書がその提出の際に経由すべき退職手当等の支払者に受理されたときは、その申告書は、その受理された時に同項に規定する市町村長に提出されたものとみなす。
3第一項の退職手当等の支払を受ける者は、退職所得申告書の提出の際に経由すべき退職手当等の支払者が電磁的方法による当該退職所得申告書に記載すべき事項の提供を適正に受けることができる措置を講じていることその他の政令で定める要件を満たす場合には、総務省令で定めるところにより、当該退職所得申告書の提出に代えて、当該退職手当等の支払者に対し、当該退職所得申告書に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
4前項の規定の適用がある場合における第二項の規定の適用については、同項中「退職所得申告書が」とあるのは「退職所得申告書に記載すべき事項を」と、「支払者に受理されたとき」とあるのは「支払者が提供を受けたとき」と、「受理された時」とあるのは「提供を受けた時」とする。
地方税法 第50_8条(分離課税に係る所得割の普通徴収税額) 詳細ページ
(分離課税に係る所得割の普通徴収税額)
第五十条の八その年において退職手当等の支払を受けた者が第五十条の六第二項に規定する分離課税に係る所得割の額を徴収された又は徴収されるべき場合において、その者のその年中における退職手当等の金額について第五十条の三及び第五十条の四の規定を適用して計算した税額が当該退職手当等につき第四十一条第一項の規定によつてその例によることとされる第三百二十八条の五第二項の規定により徴収された又は徴収されるべき分離課税に係る所得割の額をこえるときは、第四十一条第一項の規定によつて市町村長が普通徴収の方法によつて徴収すべき税額は、そのこえる金額に相当する税額とする。
地方税法 第50_9条(特別徴収票) 詳細ページ
(特別徴収票)
第五十条の九分離課税に係る所得割の特別徴収義務者は、総務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した退職手当等について、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に特別徴収票二通を作成し、その退職の日以後一月以内に、第三百二十八条の十四の特別徴収票とあわせて、一通を市町村長に提出し、他の一通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
地方税法 第50_10条(政令への委任) 詳細ページ
(政令への委任)
第五十条の十第五十条の二から前条までに定めるもののほか、退職所得の金額の算定及び分離課税に係る所得割の徴収に関し必要な事項は、政令で定める。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。