国税通則法 / テーマ別まとめ

不服審査/再調査の請求

再調査の請求の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

再調査の請求は、税務署長等が行った処分に不服がある納税者が、まず処分をした行政機関自身に見直しを求める手続です。請求書の記載事項や不備の補正、却下・棄却・認容という決定の種類、口頭で意見を述べる機会、納税地が変わった場合の請求先の特例などを条文に沿って整理しています。

再調査の請求
場面内容
請求書の記載事項処分内容・知った年月日・趣旨理由・請求年月日
期間経過後の請求正当な理由も書面に記載
記載に不備がある場合期限を定めて補正を求める
軽微な不備審理庁が職権で補正できる
補正しない・補正不能決定で却下できる
却下期間経過後・不適法な請求
棄却理由がない請求
認容処分の取消・変更(不利益変更は不可)
口頭意見陳述申立てにより意見陳述の機会を付与
  • 決定の効力は決定書謄本が送達された時に生じる
  • 却下決定の教示は、それが違法な場合に限り審査請求ができる旨
  • 口頭意見陳述は申立人の所在等で困難なときは与えなくてよい
  • 国税局職員調査に係る処分は税務署長経由でも請求できる
  • 納税地異動時は現在の納税地を所轄する署等に請求する
  • 納税地異動により管轄が変わると事件を移送できることがある
1

再調査の請求

再調査の請求について、条文は何を定めているか。

第81条再調査の請求書の記載事項等書面請求と不備の補正を定める5項・4号判例なし
  • 処分内容・知った年月日・趣旨や理由・請求日を書面に記載
  • 期限後の請求は正当な理由も記載する
  • 不備は期限内に補正、軽微なら職権補正も可
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第82条税務署長を経由する再調査の請求国税局調査分は税務署長経由も可3項判例なし
  • 国税局職員の調査に係る処分は税務署長経由で提出できる
  • 税務署長は直ちに国税局長へ送付する
  • 提出時点で請求があったものとみなす
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第83条決定却下・棄却・認容の3種類の決定3項判例なし
  • 期間経過後や不適法な請求は却下する
  • 理由がない請求は棄却する
  • 理由がある請求は処分を取消・変更する(不利益変更は不可)
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第84条決定の手続等意見陳述の機会と決定書の記載事項12項判例 2件
  • 申立てがあれば口頭で意見を述べる機会を与える
  • 決定書に主文と理由を記載し記名押印する
  • 却下以外は審査請求の可否・期間を教示する
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第85条納税地異動の場合における再調査の請求先等納税地が変わったら現在地の署等へ4項判例なし
  • 処分後に納税地が変わったら現在の納税地所轄へ請求する
  • 請求書に元の税務署等の名称を付記する
  • 誤って提出されても現在の納税地所轄が受理できる
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第86条再調査の請求事件の決定機関の特例納税地異動時は事件を移送できる3項判例なし
  • 納税地異動で管轄が変わると事件を移送できる
  • 移送先で最初から請求されたものとして決定する
  • 移送時は請求書等を送付し請求人等に通知する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第84条国税通則法

一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益

二、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用

裁判要旨一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。

二、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月26日 昭和43(行ツ)39
登載
集民 第112号723頁
参照法条
行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
論点2第84条国税通則法

一、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益

裁判要旨一、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年7月19日 昭和42(行ツ)7
登載
民集 第28巻5号759頁
参照法条
国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税通則法 第81条(再調査の請求書の記載事項等) 詳細ページ
(再調査の請求書の記載事項等)
第八十一条再調査の請求は、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。
一再調査の請求に係る処分の内容
二再調査の請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合には、その受けた年月日)
三再調査の請求の趣旨及び理由
四再調査の請求の年月日
2前項の書面(以下「再調査の請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、第七十七条第一項又は第三項(不服申立期間)に規定する期間の経過後に再調査の請求をする場合においては、同条第一項ただし書又は第三項ただし書に規定する正当な理由を記載しなければならない。
3再調査の請求がされている税務署長その他の行政機関の長(以下「再調査審理庁」という。)は、再調査の請求書が前二項又は第百二十四条(書類提出者の氏名、住所及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。この場合において、不備が軽微なものであるときは、再調査審理庁は、職権で補正することができる。
4再調査の請求人は、前項の補正を求められた場合には、その再調査の請求に係る税務署その他の行政機関に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を当該行政機関の職員が録取した書面を確認することによつても、これをすることができる。
5第三項の場合において再調査の請求人が同項の期間内に不備を補正しないとき、又は再調査の請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときは、再調査審理庁は、第八十四条第一項から第六項まで(決定の手続等)に定める審理手続を経ないで、第八十三条第一項(決定)の規定に基づき、決定で、当該再調査の請求を却下することができる。
国税通則法 第82条(税務署長を経由する再調査の請求) 詳細ページ
(税務署長を経由する再調査の請求)
第八十二条第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)の規定による再調査の請求は、当該再調査の請求に係る処分をした税務署長を経由してすることもできる。この場合において、再調査の請求人は、当該税務署長に再調査の請求書を提出してするものとする。
2前項の場合には、同項の税務署長は、直ちに、再調査の請求書を当該税務署長の管轄区域を所轄する国税局長に送付しなければならない。
3第一項の場合における再調査の請求期間の計算については、同項の税務署長に再調査の請求書が提出された時に再調査の請求がされたものとみなす。
国税通則法 第83条(決定) 詳細ページ
(決定)
第八十三条再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を却下する。
2再調査の請求が理由がない場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求を棄却する。
3再調査の請求が理由がある場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求に係る処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、再調査の請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。
国税通則法 第84条(決定の手続等) 詳細ページ
(決定の手続等)
第八十四条再調査審理庁は、再調査の請求人又は参加人(第百九条第三項(参加人)に規定する参加人をいう。以下この款及び次款において同じ。)から申立てがあつた場合には、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に口頭で再調査の請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。
2前項本文の規定による意見の陳述(以下この条において「口頭意見陳述」という。)は、再調査審理庁が期日及び場所を指定し、再調査の請求人及び参加人を招集してさせるものとする。
3口頭意見陳述において、申立人は、再調査審理庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4再調査審理庁は、必要があると認める場合には、その行政機関の職員に口頭意見陳述を聴かせることができる。
5口頭意見陳述において、再調査審理庁又は前項の職員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。
6再調査の請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。この場合において、再調査審理庁が、証拠書類又は証拠物を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
7再調査の請求についての決定は、主文及び理由を記載し、再調査審理庁が記名押印した再調査決定書によりしなければならない。
8再調査の請求についての決定で当該再調査の請求に係る処分の全部又は一部を維持する場合における前項に規定する理由においては、その維持される処分を正当とする理由が明らかにされていなければならない。
9再調査審理庁は、第七項の再調査決定書(再調査の請求に係る処分の全部を取り消す決定に係るものを除く。)に、再調査の請求に係る処分につき国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる旨(却下の決定である場合にあつては、当該却下の決定が違法な場合に限り審査請求をすることができる旨)及び審査請求期間を記載して、これらを教示しなければならない。
10再調査の請求についての決定は、再調査の請求人(当該再調査の請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における前条第三項の規定による決定にあつては、再調査の請求人及び処分の相手方)に再調査決定書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。
11再調査審理庁は、再調査決定書の謄本を参加人に送付しなければならない。
12再調査審理庁は、再調査の請求についての決定をしたときは、速やかに、第六項の規定により提出された証拠書類又は証拠物をその提出人に返還しなければならない。
国税通則法 第85条(納税地異動の場合における再調査の請求先等) 詳細ページ
(納税地異動の場合における再調査の請求先等)
第八十五条所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税又は国際観光旅客税(国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべきものを除く。次条第一項において同じ。)に係る税務署長、国税局長又は税関長(以下この条及び次条において「税務署長等」という。)の処分(国税の徴収に関する処分及び滞納処分(その例による処分を含む。)を除く。)又は第三十六条第一項(納税の告知)の規定による納税の告知のうち同項第一号(不納付加算税及び第六十八条第三項又は第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)(重加算税)の重加算税に係る部分に限る。)若しくは第二号に係るもの(以下この条及び次条第一項において単に「処分」という。)があつた時以後にその納税地に異動があつた場合において、その処分の際における納税地を所轄する税務署長等と当該処分について第七十五条第一項第一号イ又は第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による再調査の請求をする際における納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、その再調査の請求は、これらの規定にかかわらず、現在の納税地を所轄する税務署長等に対してしなければならない。この場合においては、その処分は、現在の納税地を所轄する税務署長等がしたものとみなす。
2前項の規定による再調査の請求をする者は、再調査の請求書にその処分に係る税務署、国税局又は税関の名称を付記しなければならない。
3第一項の場合において、再調査の請求書がその処分に係る税務署長等に提出されたときは、当該税務署長等は、その再調査の請求書を受理することができる。この場合においては、その再調査の請求書は、現在の納税地を所轄する税務署長等に提出されたものとみなす。
4前項の再調査の請求書を受理した税務署長等は、その再調査の請求書を現在の納税地を所轄する税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。
国税通則法 第86条(再調査の請求事件の決定機関の特例) 詳細ページ
(再調査の請求事件の決定機関の特例)
第八十六条所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税又は国際観光旅客税に係る税務署長等の処分について再調査の請求がされている場合において、その処分に係る国税の納税地に異動があり、その再調査の請求がされている税務署長等と異動後の納税地を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、当該再調査の請求がされている税務署長等は、再調査の請求人の申立てにより、又は職権で、当該再調査の請求に係る事件を異動後の納税地を所轄する税務署長等に移送することができる。
2前項の規定により再調査の請求に係る事件の移送があつたときは、その移送を受けた税務署長等に初めから再調査の請求がされたものとみなし、当該税務署長等がその再調査の請求についての決定をする。
3第一項の規定により再調査の請求に係る事件を移送したときは、その移送をした税務署長等は、その再調査の請求に係る再調査の請求書及び関係書類その他の物件(以下「再調査の請求書等」という。)をその移送を受けた税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人及び参加人に通知しなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。