所得税法 / テーマ別まとめ

課税標準及びその計算並びに所得控除/損益通算及び損失の繰越控除

損益通算及び損失の繰越控除の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

このページは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失を他の所得から差し引く「損益通算」と、控除しきれなかった損失を翌年以降に繰り越して差し引く「純損失の繰越控除」「雑損失の繰越控除」の仕組みを条文にもとづき整理しています。繰越しは通常3年間ですが、特定非常災害に指定された災害による損失は繰越期間が5年に延長される特例があります。

損益通算及び損失の繰越控除
制度対象の損失控除できる期間主な要件
損益通算不動産・事業・山林・譲渡の損失その年分内政令で定める順序で控除
純損失の繰越控除前年以前3年内の純損失翌年以後3年内青色申告を継続提出
特定非常災害の特例特定非常災害発生年等の純損失翌年以後5年内事業用資産等の被害割合十分の一以上
雑損失の繰越控除前年以前3年内の雑損失翌年以後3年内確定申告を継続提出
特定非常災害雑損失の特例特定非常災害による雑損失翌年以後5年内特定非常災害による資産の損失
  • 69条2項:生活に通常必要でない資産に係る損失は、他の同種資産の所得からのみ控除でき、控除しきれない部分はなかったものとみなされる
  • 70条1項:既に前年以前に控除済みの純損失、繰戻し還付の計算基礎となった純損失は対象から除かれる
  • 70条4項:純損失が生じた年に確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出している場合に限り適用
  • 70条の2:特定非常災害として指定された災害に限り、5年間の繰越しが認められる特例
  • 71条2項:雑損失が生じた年に確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出している場合に限り適用
  • 71条の2:保険金・損害賠償金などで補塡される部分は特定雑損失金額から除かれる
1

損益通算及び損失の繰越控除

損益通算及び損失の繰越控除について、条文は何を定めているか。

第69条損益通算特定の所得の損失は他の所得から控除2項判例 9件
  • 不動産・事業・山林・譲渡所得で生じた損失は、政令で定める順序で他の所得から控除する
  • 生活に通常必要でない資産に係る損失は、他の同種資産の所得からのみ控除できる
  • 控除しきれない部分はなかったものとみなされる
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第70条純損失の繰越控除青色申告なら純損失を3年繰り越せる5項・2号判例 1件
  • 前年以前3年内に生じた純損失は、その年の所得から控除できる(青色申告の年分に限る)
  • 前年以前に控除済み・繰戻し還付の基礎となった部分は対象外
  • 純損失が生じた年から連続して確定申告書を提出している場合に限り適用
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第70_2条特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例特定非常災害なら繰越期間が5年に延びる4項・10号判例なし
  • 特定非常災害に指定された災害の年に生じた純損失は、翌年以後5年内に繰り越せる
  • 事業用固定資産の被害割合が価額の十分の一以上等の要件を満たす場合に適用
  • 被災事業用資産の損失など、政令で定める範囲の純損失も対象になる
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第71条雑損失の繰越控除雑損失も3年間繰り越して控除できる3項判例なし
  • 前年以前3年内に生じた雑損失は、その年の所得から控除できる
  • 雑損失が生じた年から連続して確定申告書を提出している場合に限り適用
  • 前年以前にすでに控除済みの部分は対象外
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第71_2条特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例特定非常災害の雑損失は繰越期間が5年になる2項判例なし
  • 特定非常災害により生じた特定雑損失金額は、翌年以後5年内に繰り越せる
  • 対象は居住者や生計を一にする親族の資産に生じた損失に限られる
  • 保険金や損害賠償金で補塡される部分は除かれる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第69条所得税法

一、所得金額をことさら過少に記載した内容虚偽の所得税確定申告書を税務署長に提出する行為と所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)六九条一項にいう「詐偽その他不正の行為」
二、刑訴法四〇二条に違反しないとされた事例

裁判要旨一 所得金額をことさら過少に記載した内容虚偽の所得税確定申告書を税務署長に提出する行為は、所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)六九条一項〈損益通算〉にいう「詐偽その他不正の行為」にあたる。
二 第一審判決が、被告人を懲役六月および罰金二百万円に処し、罰金を完納しないときは一万円を一日に換算した期間労役場に留置し、裁判確定の日から二年間懲役刑の執行を猶予するとの言渡しをしたのに対し、第二審判決が、これを変更して、被告人を罰金四百万円に処し、罰金を完納しないときは二万円を一日に換算した期間労役場に留置するとの言渡しをすることは、刑訴法四〇二条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年3月20日 昭和46(あ)1901
登載
刑集 第27巻2号138頁
参照法条
所得税法(昭和40年法律33号による改正前のもの)69条1項,所得税法238条1項,刑訴法402条
論点2第69条所得税法

一 旧物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前のもの)第一八条第一項第二号にいう「詐偽その他不正の行為」の意義
二 旧物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前のもの)第一八条第一項第二号にいう「詐偽その他不正の行為」にあたるとされた事例

裁判要旨一 旧物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前のもの)第一八条第一項第二号にいう「詐偽その他不正の行為」とは、逋脱の意図をもつて、その手段として税の賦課徴収を不能もしくは著しく困難ならしめるようななんらかの偽計その他の工作を行なうことをいうものと解するを相当とする。
二 物品税を逋脱する目的で、物品移出の事実を別途手帳にメモしてこれを保管しながら、税務官吏の検査に供すべき正規の帳簿にことさら記載しないことは、他に右事実を記載した帳簿もなく、納品複写簿、納品受領書綴または納品書綴によつても右事実が殆んど不明になつている状況の下では(判文参照)、旧物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前のもの)第一八条第一項第二号にいう「詐偽その他不正の行為」にあたる。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和42年11月8日 昭和40(あ)65
登載
刑集 第21巻9号1197頁
参照法条
旧所得税法69条1項(昭和25年法律69号による改正前のもの),旧所得税法69条1項(昭和29年法律52号による改正前のもの),旧物品税法18条1項(昭和24年法律286号による改正前のもの),旧物品税法18条1項2号(昭和37年法律48号による改正前のもの)
論点3第69条所得税法

一 所得の申告と憲法第三八条第一項にいう「自己に不利益な供述」。
二 所得税逋脱額の算定に関する第一審判決の違法が、判決に影響を及ぼすこと明らかである場合にあたらないとされ、また、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められないとされた事例。

裁判要旨一 申告納税制度の下における所得の申告の如く、憲法の規定する納税義務を前提とし、その税額を決定するために所得の申告を求めるが如きは、憲法第三八条第一項にいう「自己に不利益な供述」に当らない(昭和二七年(あ)第八三八号同三二年二月二〇日大法廷判決、刑集一一巻二号八〇二頁参照)。
二 原判決が、被告人と共謀して所得税を逋脱したとされている者が、組合員として組合から支給されていた給与所得に対し源泉徴収により納付した税額を逋脱額の算定に際し差し引かなかつた第一審判決は違法であると認めながら、右の差し引かれるべき額が逋脱額に比し些少であるから、判決に影響を及ぼすこと明らかである場合に当らないと判断したことは、相当であり、仮りに、右違法が判決に影響を及ぼすべきものとしても、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められないから、論旨は理由がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月30日 昭和36(あ)1638
登載
集刑 第151号547頁
参照法条
所得税法(昭和28年法律91号による改正前のもの)26条1項,所得税法(昭和28年法律91号による改正前のもの)69条1項,憲法38条1項,刑訴法397条,刑訴法411条
論点4第69条所得税法

所得税法第六九条第一項〈損益通算〉前段の罪の判示方法。

裁判要旨所得税法第六九条第一項〈損益通算〉前段の犯罪事実については、逋脱の犯意や逋脱行為にとどまらず、その行為による免脱した所得税額をも認定判示することを要する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年12月12日 昭和37(あ)1557
登載
刑集 第17巻12号2460頁
参照法条
所得税法69条1項
論点5第69条所得税法

一 所得税脱税犯の成立時期と大赦令適用の有無
二 所得税法違反罪における脱税額の判示方

裁判要旨一 所論違憲の主張について、その理由とする第一審判決の判示第二の事実に大赦令に当るべき所得税に関するものを包含していてるかどうかを記録によつて調べてみると、大阪国税局告発書脱税額計算書には、過月分給与当月支給額とあつて、昭和二五年四月以降の分について当月とは、四月以降の月を指すこと文理上明らかであるのみならず、給与の支払遅延によつて昭和二五年三月以降の分が支給されたとしても、現実に支給されたのが当月すなわち昭和二五年四月以降であれば、犯罪は現に支給された時に成立するものと解すべきであり、犯罪成立以前においては大赦令適用の余地も存しないものといわなければならない。
二 原判決は脱税額の算出に当り扶養控除を受くべき者の数額を計算していないと主張するけれど、そのような事実は記録上なんら認められないのみならず、源泉徴収義務者の納付額は、所得税法の規定により、控除に当る事項の申告に応じ計算されるのであるから、別に控除額を計算して判示することを要するものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年2月23日 昭和27(あ)5270
登載
集刑 第92号643頁
参照法条
大赦令(昭和27年政令第117号)1条12号,所得税法69条,刑訴法335条
論点6第69条所得税法

給与所得者の自家用自動車の譲渡による損失の金額をその給与所得の金額から控除することができないとされた事例

裁判要旨給与所得者が、自家用自動車を譲渡した場合において、当該自動車の全走行距離の約八パーセントを通勤のために使用しているにすぎないなど判示の事情の下においては、当該自動車は所得税法六九条二項にいう「生活に通常必要でない資産」に当たり、その譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の給与所得の金額から控除することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成2年3月23日 昭和63(行ツ)192
登載
集民 第159号339頁
参照法条
所得税法62条1項,所得税法69条,所得税法施行令25条,所得税法施行令178条
論点7第69条所得税法

1 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かの判断の方法
2 米国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る投資事業に出資した者につき,当該賃貸事業に係る損失の金額を同人の所得の金額から控除することができないとされた事例

裁判要旨1 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かは,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。
2 米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当し,上記リミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る所得が上記リミテッド・パートナーシップに帰属するものと認められるという判示の事情の下においては,当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者は,同人の総所得金額を計算するに当たり,当該賃貸事業に係る所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の所得の金額から控除することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日 平成25(行ヒ)166
登載
民集 第69巻5号1253頁
参照法条
(1,2につき)所得税法2条1項7号,法人税法2条4号 (2につき)所得税法26条,所得税法69条1項
論点8第69条所得税法

長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項〈事業所得〉と憲法84条

裁判要旨所得税に係る長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額につき他の各種所得の金額から控除する損益通算を認めないこととした平成16年4月1日施行に係る平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定を,同年1月1日以後に個人が行う同条1項所定の土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項〈事業所得〉の規定は,憲法84条の趣旨に反しない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年9月30日 平成21(行ツ)173
登載
集民 第237号519頁
参照法条
憲法84条,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条1項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条2項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条4項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条5項2号,租税特別措置法31条1項,租税特別措置法31条3項2号,所得税法69条1項,平成16年法律第14号附則27条1項,国税通則法15条2項1号
論点9第69条所得税法

長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項〈事業所得〉と憲法84条

裁判要旨所得税に係る長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額につき他の各種所得の金額から控除する損益通算を認めないこととした平成16年4月1日施行に係る平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定を,同年1月1日以後に個人が行う同条1項所定の土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項〈事業所得〉の規定は,憲法84条の趣旨に反しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年9月22日 平成21(行ツ)73
登載
民集 第65巻6号2756頁
参照法条
憲法84条,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条1項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条2項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条4項,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの)31条5項2号,租税特別措置法31条1項,租税特別措置法31条3項2号,所得税法69条1項,平成16年法律第14号附則27条1項,国税通則法15条2項1号
論点10第70条所得税法

一 収税官吏が検査章を携帯せずにした物件検査行為とこれに対する公務執行妨害罪の成否
二 収税官吏に対して暴行脅迫を加えてその職務の執行を妨げた場合の罪責

裁判要旨一 所得税に関する調査等をする職務を有する収税官吏が、所得税法第六三条〈事業を廃止した場合の必要経費の特例〉により帳簿書類等の検査をするにあたつて、法定の検査章を携帯していなかつたとしても、納税義務者等において右検査章の不携帯を理由として右収税官吏の検査を拒んだような事実のない以上、これに対して暴行又は脅迫を加えたときは公務執行妨害罪を構成する。
二 収税官吏が所得税法第六三条により帳簿書類等の検査をするにあたり、これに対して暴行脅迫を加えてその検査を妨げた場合には、公務執行妨害罪のみが成立し、所得税法第七〇条〈純損失の繰越控除〉の別罪を構成するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年3月28日 昭和25(れ)1325
登載
刑集 第6巻3号546頁
参照法条
所得税法63条,所得税法70条9号,同法施行規則63条,刑法95条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第69条(損益通算) 詳細ページ
(損益通算)
第六十九条総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
2前項の場合において、同項に規定する損失の金額のうちに第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産に係る所得の金額(以下この項において「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額」という。)の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額のうち政令で定めるものは政令で定めるところにより他の生活に通常必要でない資産に係る所得の金額から控除するものとし、当該政令で定めるもの以外のもの及び当該控除をしてもなお控除しきれないものは生じなかつたものとみなす。
所得税法 第70条(純損失の繰越控除) 詳細ページ
(純損失の繰越控除)
第七十条確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
2確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年において生じた純損失の金額(前項の規定の適用を受けるもの及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)のうち、当該各年において生じた次に掲げる損失の金額に係るもので政令で定めるものがあるときは、当該政令で定める純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
一変動所得の金額の計算上生じた損失の金額
二被災事業用資産の損失の金額
3前項第二号に掲げる被災事業用資産の損失の金額とは、棚卸資産又は第五十一条第一項若しくは第三項(資産損失の必要経費算入)に規定する資産の災害による損失の金額(その災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるものの金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)で前項第一号に掲げる損失の金額に該当しないものをいう。
4第一項又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
5第一項及び第二項の規定による控除は、純損失の繰越控除という。
所得税法 第70_2条(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例) 詳細ページ
(特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例)
第七十条の二確定申告書を提出する居住者のうち次に掲げる要件のいずれかを満たす者(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号)第二条第一項(特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定)の規定により特定非常災害として指定された非常災害(第四項及び第七十一条の二第二項(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例)において「特定非常災害」という。)に係る同法第二条第一項の特定非常災害発生日の属する年(以下この項、次項及び第四項において「特定非常災害発生年」という。)の年分の所得税につき青色申告書を提出している者に限る。)が特定非常災害発生年純損失金額(その者の当該特定非常災害発生年において生じた純損失の金額をいう。)又は被災純損失金額(当該特定非常災害発生年において生じたものを除く。以下この項において同じ。)を有する場合には、当該特定非常災害発生年純損失金額又は当該被災純損失金額の生じた年の翌年以後五年内の各年分における前条の規定の適用については、同条第一項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で特定非常災害発生年純損失金額(次条第一項に規定する特定非常災害発生年純損失金額をいう。以下この項において同じ。)及び被災純損失金額(同条第一項に規定する被災純損失金額をいう。次項において同じ。)以外のもの(」と、「がある」とあるのは「並びに当該居住者のその年の前年以前五年内において生じた特定非常災害発生年純損失金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び同条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある」と、「当該純損失の金額」とあるのは「当該純損失の金額及び当該特定非常災害発生年純損失金額」と、同条第二項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で被災純損失金額以外のもの(」と、「のうち、」とあるのは「のうち」と、「政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの及び当該居住者のその年の前年以前五年内において生じた被災純損失金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び同条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)」と、「純損失の金額に」とあるのは「純損失の金額及び当該被災純損失金額に」とする。
一事業資産特定災害損失額の当該居住者の有する事業用固定資産でその者の営む事業所得を生ずべき事業の用に供されるものの価額として政令で定める金額に相当する金額の合計額のうちに占める割合が十分の一以上であること。
二不動産等特定災害損失額の当該居住者の有する事業用固定資産でその者の営む不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供されるものの価額として政令で定める金額に相当する金額の合計額のうちに占める割合が十分の一以上であること。
2確定申告書を提出する居住者のうち前項各号に掲げる要件のいずれかを満たす者(同項の規定の適用を受ける者を除く。)が特定非常災害発生年特定純損失金額又は被災純損失金額(特定非常災害発生年において生じたものを除く。以下この項において同じ。)を有する場合には、当該特定非常災害発生年特定純損失金額又は当該被災純損失金額の生じた年の翌年以後五年内の各年分における前条の規定の適用については、同条第一項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で被災純損失金額(次条第二項に規定する被災純損失金額をいう。次項において同じ。)以外のもの(」と、同条第二項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で特定非常災害発生年特定純損失金額(次条第二項に規定する特定非常災害発生年特定純損失金額をいう。以下この項において同じ。)及び被災純損失金額以外のもの(」と、「のうち、」とあるのは「のうち」と、「政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの並びに当該居住者のその年の前年以前五年内において生じた特定非常災害発生年特定純損失金額(この項の規定により前年以前において控除されたものを除く。)及び被災純損失金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び同条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)」と、「純損失の金額に」とあるのは「純損失の金額並びに当該特定非常災害発生年特定純損失金額及び当該被災純損失金額に」とする。
3確定申告書を提出する居住者(前二項の規定の適用を受ける者を除く。)が被災純損失金額を有する場合には、当該被災純損失金額の生じた年の翌年以後五年内の各年分における前条の規定の適用については、同条第一項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で被災純損失金額(次条第三項に規定する被災純損失金額をいう。次項において同じ。)以外のもの(」と、同条第二項中「純損失の金額(」とあるのは「純損失の金額で被災純損失金額以外のもの(」と、「のうち、」とあるのは「のうち」と、「政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの及び当該居住者のその年の前年以前五年内において生じた被災純損失金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び同条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)」と、「純損失の金額に」とあるのは「純損失の金額及び当該被災純損失金額に」とする。
4この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一被災純損失金額その者のその年において生じた純損失の金額のうち、被災事業用資産特定災害損失合計額(棚卸資産特定災害損失額、固定資産特定災害損失額及び山林特定災害損失額の合計額で、前条第二項第一号に掲げる損失の金額に該当しないものをいう。)に係るものとして政令で定めるものをいう。
二事業資産特定災害損失額その者の棚卸資産特定災害損失額及びその者の事業所得を生ずべき事業の用に供される事業用固定資産の特定非常災害による損失の金額(特定非常災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるものの金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。以下この項において同じ。)の合計額をいう。
三事業用固定資産土地及び土地の上に存する権利以外の固定資産等(固定資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものをいう。第七号において同じ。)をいう。
四不動産等特定災害損失額その者の不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される事業用固定資産の特定非常災害による損失の金額の合計額をいう。
五特定非常災害発生年特定純損失金額その者の特定非常災害発生年において生じた純損失の金額のうち、前条第二項各号に掲げる損失の金額に係るものとして政令で定めるものをいう。
六棚卸資産特定災害損失額その者の有する棚卸資産について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。
七固定資産特定災害損失額その者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産等について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。
八山林特定災害損失額その者の有する山林について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。
所得税法 第71条(雑損失の繰越控除) 詳細ページ
(雑損失の繰越控除)
第七十一条確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年において生じた雑損失の金額(この項又は第七十二条第一項(雑損控除)の規定により前年以前において控除されたものを除く。)は、政令で定めるところにより、当該申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
2前項の規定は、同項の居住者が雑損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
3第一項の規定による控除は、雑損失の繰越控除という。
所得税法 第71_2条(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例) 詳細ページ
(特定非常災害に係る雑損失の繰越控除の特例)
第七十一条の二確定申告書を提出する居住者が特定雑損失金額を有する場合には、当該特定雑損失金額の生じた年の翌年以後五年内の各年分における前条の規定の適用については、同条第一項中「雑損失の金額(」とあるのは「雑損失の金額で特定雑損失金額(次条第一項に規定する特定雑損失金額をいう。以下この項において同じ。)以外のもの(」と、「除く。)は」とあるのは「除く。)及び当該居住者のその年の前年以前五年内において生じた特定雑損失金額(この項又は同条第一項の規定により前年以前において控除されたものを除く。)は」とする。
2前項に規定する特定雑損失金額とは、雑損失の金額のうち、居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する次条第一項に規定する資産について特定非常災害により生じた損失の金額(当該特定非常災害に関連するその居住者によるやむを得ない支出で政令で定めるものの金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)に係るものをいう。
出

一次情報

原文ママ

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