金融商品取引法 / テーマ別まとめ

業務/投資運用業に関する特則

投資運用業に関する特則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

投資運用業を行う金融商品取引業者等が権利者(投資者)との関係で負う忠実義務・善管注意義務、禁止行為、運用権限の委託、分別管理、資産の預託・貸付けの禁止、運用状況の情報提供、信託業法の適用関係についての特則をまとめています。実務担当者向けに、各規定がどの業務区分に適用されるかを中心に整理しています。

投資運用業に関する特則
規定内容対象業務例外
忠実義務・善管注意義務権利者のため忠実・善管注意で運用投資運用業全般なし
禁止行為自己取引・運用財産間取引等を禁止投資運用業全般内閣府令で除外あり
運用権限の委託契約に定めがあれば委託可投資運用業全般委託先は政令で定める者
分別管理自己・他の運用財産と分別管理15号業務のみなし
預託の受入れ等禁止顧客資産の預託受入れを禁止12号業務のみ決済に必要な場合等は可
貸付け等の禁止顧客への金銭・有価証券貸付禁止投資運用業全般信用取引に付随する場合等
運用状況の情報提供定期に運用状況を権利者へ提供運用財産全般権利者保護に支障ない場合
信託業法の適用除外信託業法第四章を適用除外投資運用業全般なし
  • 忠実義務等の「権利者」は12号・14号・15号の業務区分ごとに条文上の定義が異なる
  • 禁止行為のうち1号・2号は内閣府令で定める適用除外がある
  • 委託時は委託先への運用対象・方針の提示と管理措置の実施が必要(42条の3第2項)
  • 委託した場合、忠実義務の相手方には委託を受けた者も含まれる(42条の3第3項)
  • 損失補塡禁止には事故による損失の補塡等の除外がある(42条の2第6号)
  • 預託禁止には有価証券等管理業務として行う場合等の除外がある(42条の5)
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投資運用業に関する特則

投資運用業に関する特則について、条文は何を定めているか。

第42条権利者に対する義務権利者のため忠実・善管注意で運用する2項・3号判例なし
  • 権利者のために忠実に投資運用業を行う義務がある
  • 善良な管理者の注意をもって運用する義務もある
  • 権利者の範囲は業務の区分(12号・14号・15号)で異なる
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第42_2条禁止行為自己取引や運用財産間取引などを禁止1項・7号判例なし
  • 自己・取締役等との取引を内容とする運用は禁止
  • 運用財産同士の付け替え取引を内容とする運用も禁止
  • 損失補塡・利益追加のための財産提供も禁止
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第42_3条運用権限の委託契約に定めがあれば運用権限を委託できる3項・3号判例なし
  • 委託先は投資運用業を行う金融商品取引業者等等に限る
  • 委託時は運用対象・方針を示し管理体制を整える必要がある
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第42_4条分別管理ファンド運用では財産を分別管理する1項判例なし
  • 運用財産と自己の固有財産を分けて管理する
  • 運用財産同士も他の運用財産と分けて管理する
  • 対象は第二条第八項第十五号〈定義 金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、次に掲げる権利その他政令で定める権利を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと(第十二号及び前号に掲げる行為に該当するものを除く。)。〉の業務に限る
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第42_5条金銭又は有価証券の預託の受入れ等の禁止投資一任業務では顧客資産の預託を禁止1項判例なし
  • 名目を問わず顧客の金銭・有価証券の預託を受けてはならない
  • 密接な関係者に顧客資産を預託させることも禁止
  • 取引の決済に必要な場合は例外として認められる
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第42_6条金銭又は有価証券の貸付け等の禁止顧客への金銭・有価証券の貸付けを禁止1項判例なし
  • 顧客への貸付けや第三者貸付けの媒介・取次ぎ・代理も禁止
  • 信用取引に付随する貸付け等は例外として認められる
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第42_7条運用状況に係る情報の提供運用財産の状況を定期的に権利者へ報告2項判例なし
  • 知れている権利者に運用状況等の情報を定期的に提供する
  • 15号業務ではその情報を内閣総理大臣に届け出る
  • 権利者保護に支障がない場合は提供・届出を省略できる
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第42_8条信託業法の適用除外投資運用業には信託業法第四章を適用しない1項判例なし
  • 金融商品取引業者等が投資運用業を行う場合、信託業法第四章は適用されない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

金融商品取引法 第42条(権利者に対する義務) 詳細ページ
(権利者に対する義務)
第四十二条金融商品取引業者等は、権利者(次の各号に掲げる業務の区分に応じ当該各号に定める者をいう。以下この款において同じ。)のため忠実に投資運用業を行わなければならない。
一第二条第八項第十二号に掲げる行為を行う業務同号イ又はロに掲げる契約の相手方
二第二条第八項第十四号に掲げる行為を行う業務同号に規定する有価証券に表示される権利その他の政令で定める権利を有する者
三第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務同号イからハまでに掲げる権利その他同号に規定する政令で定める権利を有する者
2金融商品取引業者等は、権利者に対し、善良な管理者の注意をもつて投資運用業を行わなければならない。
金融商品取引法 第42_2条(禁止行為) 詳細ページ
(禁止行為)
第四十二条の二金融商品取引業者等は、その行う投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号及び第二号に掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。
一自己又はその取締役若しくは執行役との間における取引を行うことを内容とした運用を行うこと。
二運用財産相互間において取引を行うことを内容とした運用を行うこと。
三特定の金融商品、金融指標又はオプションに関し、取引に基づく価格、指標、数値又は対価の額の変動を利用して自己又は権利者以外の第三者の利益を図る目的をもつて、正当な根拠を有しない取引を行うことを内容とした運用を行うこと。
四通常の取引の条件と異なる条件で、かつ、当該条件での取引が権利者の利益を害することとなる条件での取引を行うことを内容とした運用を行うこと。
五運用として行う取引に関する情報を利用して、自己の計算において有価証券の売買その他の取引等を行うこと。
六運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の損失の全部若しくは一部を補塡し、又は運用財産の運用として行つた取引により生じた権利者の利益に追加するため、当該権利者又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させること(事故による損失又は当該権利者と金融商品取引業者等との間で行われる有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的としてその受益権が取得され、若しくは保有されるものとして内閣府令で定める投資信託の元本に生じた損失の全部又は一部を補塡する場合を除く。)。
七前各号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるものとして内閣府令で定める行為
金融商品取引法 第42_3条(運用権限の委託) 詳細ページ
(運用権限の委託)
第四十二条の三金融商品取引業者等は、次に掲げる契約その他の法律行為において内閣府令で定める事項の定めがある場合に限り、権利者のため運用を行う権限の全部又は一部を他の金融商品取引業者等(投資運用業を行う者に限る。)その他の政令で定める者に委託することができる。
一第二条第八項第十二号イ又はロに掲げる契約
二第二条第八項第十四号に規定する有価証券に表示される権利その他の政令で定める権利に係る契約
三第二条第八項第十五号イからハまでに掲げる権利その他同号に規定する政令で定める権利に係る契約その他の法律行為
2金融商品取引業者等は、前項の規定により委託をする場合においては、当該委託を受ける者に対し、運用の対象及び方針を示し、かつ、内閣府令で定めるところにより、運用状況の管理その他の当該委託に係る業務の適正な実施を確保するための措置を講じなければならない。
3金融商品取引業者等が第一項の規定により委託をした場合における第四十二条第一項の規定の適用については、同項中「金融商品取引業者等」とあるのは、「金融商品取引業者等(当該金融商品取引業者等から第四十二条の三第一項の規定により委託を受けた同項に規定する政令で定める者を含む。次項及び次条において同じ。)」とする。
金融商品取引法 第42_4条(分別管理) 詳細ページ
(分別管理)
第四十二条の四金融商品取引業者等は、その行う投資運用業(第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務に限る。)に関して、内閣府令で定めるところにより、運用財産と自己の固有財産及び他の運用財産とを分別して管理しなければならない。
金融商品取引法 第42_5条(金銭又は有価証券の預託の受入れ等の禁止) 詳細ページ
(金銭又は有価証券の預託の受入れ等の禁止)
第四十二条の五金融商品取引業者等は、有価証券等管理業務として行う場合その他政令で定める場合を除くほか、その行う投資運用業(第二条第八項第十二号に掲げる行為を行う業務に限る。以下この条及び次条において同じ。)に関して、いかなる名目によるかを問わず、顧客から金銭若しくは有価証券の預託を受け、又は当該金融商品取引業者等と密接な関係を有する者として政令で定める者に顧客の金銭若しくは有価証券を預託させてはならない。ただし、当該金融商品取引業者等がその行う投資運用業に関し、顧客のために同項第一号から第四号までに掲げる行為又は商品関連市場デリバティブ取引を行う場合において、これらの行為による取引の決済のために必要なときは、この限りでない。
金融商品取引法 第42_6条(金銭又は有価証券の貸付け等の禁止) 詳細ページ
(金銭又は有価証券の貸付け等の禁止)
第四十二条の六金融商品取引業者等は、その行う投資運用業に関して、顧客に対し金銭若しくは有価証券を貸し付け、又は顧客への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けにつき媒介、取次ぎ若しくは代理をしてはならない。ただし、金融商品取引業者が第百五十六条の二十四第一項に規定する信用取引に付随して顧客に対し金銭又は有価証券を貸し付ける場合その他政令で定める場合は、この限りでない。
金融商品取引法 第42_7条(運用状況に係る情報の提供) 詳細ページ
(運用状況に係る情報の提供)
第四十二条の七金融商品取引業者等は、運用財産について、内閣府令で定めるところにより、定期に、当該運用財産に係る知れている権利者に対し、当該運用財産に関する運用の状況その他の内閣府令で定める事項に係る情報を提供しなければならない。ただし、当該情報を権利者に提供しなくても権利者の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
2金融商品取引業者等は、その行う投資運用業(第二条第八項第十五号に掲げる行為を行う業務に限る。)に関して、前項の規定により情報を提供するときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、当該情報を内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、一の運用財産の権利者の数が政令で定める数以下である場合その他投資者の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
金融商品取引法 第42_8条(信託業法の適用除外) 詳細ページ
(信託業法の適用除外)
第四十二条の八信託業法第四章の規定は、金融商品取引業者等が投資運用業を行う場合については、適用しない。
出

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