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原文整理テーマ別まとめ主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定金融商品取引法損害賠償請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成22(受)755
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成24年3月13日 その他
- 登載
- 民集 第66巻5号1957頁
- 参照法条
- (1〜5につき)金融商品取引法21条の2 (5につき)民法412条
- 判示事項
- 1 検察官は金融商品取引法21条の2第3項にいう「当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者」に当たるか 2 金融商品取引法21条の2第3項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」の意義 3 金融商品取引法21条の2第5項にいう「虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下り」の意義 4 虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券につき,投資者がこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で取得しこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で処分した場合における,上記投資者が金融商品取引法21条の2に基づき請求することのできる額の算定方法 5 金融商品取引法21条の2に基づく損害賠償債務が遅滞に陥る時期
裁判要旨1 検察官は,金融商品取引法21条の2第3項にいう「当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者」に当たる。
2 金融商品取引法21条の2第3項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」とは,虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券に対する取引所市場の評価の誤りを明らかにするに足りる基本的事実をいう。
3 金融商品取引法21条の2第5項にいう「虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下り」とは,投資者が虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券を取得するに当たって実際に支払った額と当該取得の時点において当該虚偽記載等がなかった場合に想定される当該有価証券の市場価額との差額に相当する分の値下がりに限られず,有価証券報告書等の虚偽記載等と相当因果関係のある値下がりの全てをいう。
4 虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券につき,投資者がこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で取得しこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で処分した場合において,個々の取引ごとの取得と処分との対応関係の特定並びに取得価額及び処分価額の具体的な主張,立証がされていないときは,裁判所は,当該有価証券の取得価額の総額と処分価額の総額との差額をもって金融商品取引法21条の2第1項にいう「第19条第1項の規定の例により算出した額」とした上で,当該差額と同法21条の2第2項によって推定される損害額の総額とを比較し,その小さい方の金額をもって,上記投資者が同条に基づき請求することのできる額とするという算定方法によることができる。
5 金融商品取引法21条の2に基づく損害賠償債務は,損害の発生と同時に,かつ,何らの催告を要することなく,遅滞に陥る。
(3につき補足意見及び反対意見がある。)
2 金融商品取引法21条の2第3項にいう「虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項」とは,虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券に対する取引所市場の評価の誤りを明らかにするに足りる基本的事実をいう。
3 金融商品取引法21条の2第5項にいう「虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下り」とは,投資者が虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券を取得するに当たって実際に支払った額と当該取得の時点において当該虚偽記載等がなかった場合に想定される当該有価証券の市場価額との差額に相当する分の値下がりに限られず,有価証券報告書等の虚偽記載等と相当因果関係のある値下がりの全てをいう。
4 虚偽記載等のある有価証券報告書等の提出者等を発行者とする有価証券につき,投資者がこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で取得しこれを複数回にわたってそれぞれ異なる価額で処分した場合において,個々の取引ごとの取得と処分との対応関係の特定並びに取得価額及び処分価額の具体的な主張,立証がされていないときは,裁判所は,当該有価証券の取得価額の総額と処分価額の総額との差額をもって金融商品取引法21条の2第1項にいう「第19条第1項の規定の例により算出した額」とした上で,当該差額と同法21条の2第2項によって推定される損害額の総額とを比較し,その小さい方の金額をもって,上記投資者が同条に基づき請求することのできる額とするという算定方法によることができる。
5 金融商品取引法21条の2に基づく損害賠償債務は,損害の発生と同時に,かつ,何らの催告を要することなく,遅滞に陥る。
(3につき補足意見及び反対意見がある。)
金融商品取引法損害賠償請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成30(受)1961
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和2年12月22日 その他
- 登載
- 民集 第74巻9号2277頁
- 参照法条
- 金融商品取引法21条1項4号,金融商品取引法21条2項3号,金融商品取引法193条の2第1項
- 判示事項
- 1 有価証券届出書の財務計算に関する書類に係る部分に虚偽記載等がある場合に当該有価証券の募集に係る発行者等と元引受契約を締結した金融商品取引業者等が金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき同条2項3号による免責を受けるための要件 2 株式の上場に当たり提出された有価証券届出書のうち当該上場の最近事業年度及びその直前事業年度の財務諸表に虚偽記載があった場合において当該株式の発行者等と元引受契約を締結した金融商品取引業者の金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき同条2項3号による免責が否定された事例
裁判要旨1 有価証券届出書の金融商品取引法193条の2第1項に規定する財務計算に関する書類に係る部分のうちに重要な事項について虚偽の記載があり,又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている場合に,当該有価証券の募集に係る発行者又は売出しに係る所有者と元引受契約を締結した金融商品取引業者又は登録金融機関が,引受審査に際して,当該財務計算に関する書類につき監査証明を行った公認会計士又は監査法人による監査の信頼性の基礎に重大な疑義を生じさせる情報に接していたときには,当該金融商品取引業者等は,当該疑義の内容等に応じて,当該監査が信頼性の基礎を欠くものではないことにつき調査確認を行ったものでなければ,同法21条1項4号の損害賠償責任につき,同条2項3号による免責を受けることはできない。
2 株式の上場に当たり提出された有価証券届出書のうち当該上場の最近事業年度及びその直前事業年度の財務諸表の売上高欄に虚偽記載があった場合に,次の⑴~⑹など判示の事情の下においては,当該株式の発行者である会社等と元引受契約を締結した金融商品取引業者は,金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき,同条2項3号による免責を受けることはできない。
⑴ 上記金融商品取引業者は,上記会社の引受審査に際して,2回にわたり,上記会社の売上げの大半が架空計上によるものであることを指摘する投書を受け取っていた。
⑵ 上記各投書は,上記会社が売上高の粉飾の典型的兆候といえる複数の事象が継続してみられる状況にあったこととよく符合する内容のものであり,上記会社の売上高等について上記金融商品取引業者の把握している事実関係と合致する記載がされ,粉飾決算の手法等を具体的かつ詳細に指摘するものであった。
⑶ 上記金融商品取引業者は,上記会社の主幹事会社としてその引受審査に当たってきたものであった。
⑷ 上記金融商品取引業者は,1回目の投書の受取の後,当該投書において上記粉飾決算を主導している旨指摘されていた上記会社の役員に対して直ちに当該投書の内容を伝え,その作成者と思われる者が上記会社の内部監査室長を務めていた者であったにもかかわらず,2回目の投書の受取の後も,その者から事情を聴取するなどの調査確認を行わなかった。
⑸ 上記金融商品取引業者が上記財務諸表につき監査証明を行った公認会計士から聴取した監査手続は上記各投書の指摘する手法による粉飾決算の可能性に対応したものではなく,また,上記金融商品取引業者は,当該監査手続において証ひょう類の原本確認が行われたか否かすら具体的に確認しなかった。
⑹ 上記金融商品取引業者が引受審査において実施した調査は,上記会社の提案に従い選定された取引先の訪問調査及び売上げに関する証ひょう類の写しの相互に矛盾がないことの確認等にとどまるものであった。
2 株式の上場に当たり提出された有価証券届出書のうち当該上場の最近事業年度及びその直前事業年度の財務諸表の売上高欄に虚偽記載があった場合に,次の⑴~⑹など判示の事情の下においては,当該株式の発行者である会社等と元引受契約を締結した金融商品取引業者は,金融商品取引法21条1項4号の損害賠償責任につき,同条2項3号による免責を受けることはできない。
⑴ 上記金融商品取引業者は,上記会社の引受審査に際して,2回にわたり,上記会社の売上げの大半が架空計上によるものであることを指摘する投書を受け取っていた。
⑵ 上記各投書は,上記会社が売上高の粉飾の典型的兆候といえる複数の事象が継続してみられる状況にあったこととよく符合する内容のものであり,上記会社の売上高等について上記金融商品取引業者の把握している事実関係と合致する記載がされ,粉飾決算の手法等を具体的かつ詳細に指摘するものであった。
⑶ 上記金融商品取引業者は,上記会社の主幹事会社としてその引受審査に当たってきたものであった。
⑷ 上記金融商品取引業者は,1回目の投書の受取の後,当該投書において上記粉飾決算を主導している旨指摘されていた上記会社の役員に対して直ちに当該投書の内容を伝え,その作成者と思われる者が上記会社の内部監査室長を務めていた者であったにもかかわらず,2回目の投書の受取の後も,その者から事情を聴取するなどの調査確認を行わなかった。
⑸ 上記金融商品取引業者が上記財務諸表につき監査証明を行った公認会計士から聴取した監査手続は上記各投書の指摘する手法による粉飾決算の可能性に対応したものではなく,また,上記金融商品取引業者は,当該監査手続において証ひょう類の原本確認が行われたか否かすら具体的に確認しなかった。
⑹ 上記金融商品取引業者が引受審査において実施した調査は,上記会社の提案に従い選定された取引先の訪問調査及び売上げに関する証ひょう類の写しの相互に矛盾がないことの確認等にとどまるものであった。
金融商品取引法再生債権査定異議事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 裁判集登載
- 事件番号
- 平成23(受)392
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成24年12月21日 破棄差戻
- 登載
- 集民 第242号91頁
- 参照法条
- 金融商品取引法21条の2
- 判示事項
- 株式会社が,臨時報告書及び有価証券報告書の虚偽記載等の事実の公表をするとともに,同日,再生手続開始の申立てをした場合において,金融商品取引法21条の2第2項の規定により損害の額を算定するに当たり,同条4項又は5項の規定による減額を否定した原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨多額の債務を負い資金繰りが悪化していた株式会社が,転換社債型新株予約権付社債の発行によって得る払込金の使途につき,実際にはこれをスワップに係る契約における支払金に充てる予定であり,上記社債の発行による資金調達は不確実であったのに,上記払込金を債務の返済に充てる旨の虚偽記載等がされた臨時報告書及び有価証券報告書を提出し,その約1箇月半後に上記虚偽記載等の事実の公表をするとともに,同日,再生手続開始の申立てをし,上記会社の株式が大幅に値下がりした場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記虚偽記載等の事実の公表前に上記会社の株式を取引所市場で取得した投資者の被った損害の額につき,金融商品取引法21条の2第2項の規定によりこれを算定するに当たり,上記投資者の損害は全て上記虚偽記載等により生じたものであるとして,同条4項又は5項の規定による減額を否定した原審の判断には,違法がある。
(1) 上記会社が再生手続開始の申立てに至ったのは,金融機関の融資姿勢の厳格化等に伴う資金繰りの悪化によるものであって,上記虚偽記載等や,その事実の公表に起因して,上記の資金繰りの悪化がもたらされたわけではない。
(2) 上記会社は,再生手続開始の申立ての約2箇月前から,米国の大手投資銀行等との間で業務・資本提携の交渉を開始しており,近々上記会社の株式の公開買付けが実施されることも見込まれていたのであって,上記虚偽記載等がされた当時,上記会社が既に倒産状態又は近々倒産することが確実な状態であったとはいえない。
(3) 上記会社の株式は,上記臨時報告書及び有価証券報告書の提出前から上記虚偽記載等の事実の公表の日に至るまで,ほぼ一貫して値下がりを続けており,上記値下がりには,上記会社の経営状態など上記虚偽記載等とは無関係な要因により生じた分が含まれている。
(補足意見がある。)
(1) 上記会社が再生手続開始の申立てに至ったのは,金融機関の融資姿勢の厳格化等に伴う資金繰りの悪化によるものであって,上記虚偽記載等や,その事実の公表に起因して,上記の資金繰りの悪化がもたらされたわけではない。
(2) 上記会社は,再生手続開始の申立ての約2箇月前から,米国の大手投資銀行等との間で業務・資本提携の交渉を開始しており,近々上記会社の株式の公開買付けが実施されることも見込まれていたのであって,上記虚偽記載等がされた当時,上記会社が既に倒産状態又は近々倒産することが確実な状態であったとはいえない。
(3) 上記会社の株式は,上記臨時報告書及び有価証券報告書の提出前から上記虚偽記載等の事実の公表の日に至るまで,ほぼ一貫して値下がりを続けており,上記値下がりには,上記会社の経営状態など上記虚偽記載等とは無関係な要因により生じた分が含まれている。
(補足意見がある。)
条文原文
原文ママ金融商品取引法 第21条(虚偽記載のある届出書の提出会社の役員等の賠償責任)
(虚偽記載のある届出書の提出会社の役員等の賠償責任)
第二十一条有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けているときは、次に掲げる者は、当該有価証券を募集又は売出しに応じて取得した者に対し、記載が虚偽であり又は欠けていることにより生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該有価証券を取得した者がその取得の申込みの際記載が虚偽であり、又は欠けていることを知つていたときは、この限りでない。
一当該有価証券届出書を提出した会社のその提出の時における役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者をいう。第百六十三条から第百六十七条までを除き、以下同じ。)又は当該会社の発起人(その提出が会社の成立前にされたときに限る。)
二当該売出しに係る有価証券の所有者(その者が当該有価証券を所有している者からその売出しをすることを内容とする契約によりこれを取得した場合には、当該契約の相手方)
三当該有価証券届出書に係る第百九十三条の二第一項に規定する監査証明において、当該監査証明に係る書類について記載が虚偽であり又は欠けているものを虚偽でなく又は欠けていないものとして証明した公認会計士又は監査法人
四当該募集に係る有価証券の発行者又は第二号に掲げる者のいずれかと元引受契約を締結した金融商品取引業者又は登録金融機関
2前項の場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる事項を証明したときは、同項に規定する賠償の責めに任じない。
一前項第一号又は第二号に掲げる者記載が虚偽であり又は欠けていることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかつたこと。
二前項第三号に掲げる者同号の証明をしたことについて故意又は過失がなかつたこと。
三前項第四号に掲げる者記載が虚偽であり又は欠けていることを知らず、かつ、第百九十三条の二第一項に規定する財務計算に関する書類に係る部分以外の部分については、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかつたこと。
3第一項第一号及び第二号並びに前項第一号の規定は、第十三条第一項の目論見書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている場合について準用する。この場合において、第一項中「募集又は売出しに応じて」とあるのは「募集又は売出しに応じ当該目論見書の交付を受けて」と、「当該有価証券届出書を提出した会社」とあるのは「当該目論見書を作成した会社」と、「その提出」とあるのは「その作成」と読み替えるものとする。
4第一項第四号において「元引受契約」とは、有価証券の募集又は売出しに際して締結する次の各号のいずれかの契約をいう。
一当該有価証券を取得させることを目的として当該有価証券の全部又は一部を発行者又は所有者(金融商品取引業者及び登録金融機関を除く。次号及び第三号において同じ。)から取得することを内容とする契約
二当該有価証券の全部又は一部につき他にこれを取得する者がない場合にその残部を発行者又は所有者から取得することを内容とする契約
三当該有価証券が新株予約権証券(これに準ずるものとして内閣府令で定める有価証券を含む。以下この号において同じ。)である場合において、当該新株予約権証券を取得した者が当該新株予約権証券の全部又は一部につき新株予約権(これに準ずるものとして内閣府令で定める権利を含む。以下この号において同じ。)を行使しないときに当該行使しない新株予約権に係る新株予約権証券を発行者又は所有者から取得して自己又は第三者が当該新株予約権を行使することを内容とする契約
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 金融商品取引法 第21条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。