判示事項
一 供述調書中に引用された他の供述調書についても常に証拠調を要するか
二 旧刑訴法第三六〇条第二項の主張にあたらない事例
裁判要旨
一 論旨援用の当裁判所の判例は、証拠とされた副検事の聴取書に「司法警察官作成の意見書記載の犯罪事実を読み聞けたところ、相違なき旨を述べた」との記載があり、右の意見書を見なければ聴取書の内容がよくわからないにもかかわらず、この意見書の証拠調をしなかつた場合についてのものである。しかるに本件においては、所論昭和二三年三月二五日附及び同年四月一五日附被告人Aに対する検察官の聴取書には、被告人が所論各会社当から金を貰つたという事実の記載があるのであるから、読み聞かされた司法警察官の意見書を除いても、右の聴取書の記載だけで判事事実を証明する証拠となり得るものである。それ故原審が右の司法警察官の意見書について証拠調をしないで検事の聴取書のみについて証拠調をしこれを証拠に採用したとしても、所論のような違法はなく、所論援用の判例に違背するところもない。論旨は理由がない。
二 原審公判において、被告人及びその弁護人が、被告人が判示各会社等から交付を受けた各金員は、喝取したものではなく、本代、広告料の値上りの差額及び「株式時代来る」という単行本の料金として受取つたものである旨を供述し主張していることは所論のとおりである。しかし右の主張は、旧刑訴三六〇条二項にいわゆる法律上犯罪の成立を阻却すべき原由たる事実上の主張に該当するものとは認められない。それ故原判決には所論のような違法はなく、所論援用の各判例は本件と場合を異にするものであつて、適切でない。
参照法条
刑訴法305条,刑法249条,旧刑訴法360条2項
判示事項・裁判要旨・参照法条は、裁判所ウェブサイトの記載を
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