原審の是認した第一審判決が、刑法
五六条一項〈再犯〉、五七条の適用を誤つて累犯加重をした違法のあることは所論のとおりである。しかし、被告人は本件犯行の外、三個の犯罪を犯し(内二件は本件と同様窃盗である。)ていることは記録上明らかであり、しかも本件犯行は、他の犯罪につき昭和三〇年一月一二日仮釈放せられた後数日にして同年一月二一日行つたものである等、諸般の事情を総合すれば、本件犯行はその犯情甚だ重く、被告人が懲役一年二月に処せられたことについては、上記の違法に拘らず、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。