一 職権を以て調査すると、第一審判決の認定によれば、被告人の本件賍物運搬の犯行は、昭和二四年一月一七日頃であつて、未だ罰金等臨時措置法が施行されていない時のことである。従つて、第一審としては、この点につき、犯行後刑の変更があつた場合として、刑法
第六条〈刑の変更〉第一〇条により、行為時法と裁判時法について所定刑の軽量を比照した上、軽い行為時法を適用し、罰金刑については一〇〇〇円以下で量定しなければならなかつた筋合である。しかるに第一審判決が、事茲に出でず、直に裁判時法を適用して被告人に対して被告人に対し罰金一万円を量定し、原判決も亦この瑕疵を看過したのは、共に違法であるといわなければならない。よつて刑訴第四一一条第一号、第四一三条第一八一条により、第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄する。
二 被告人が控訴しさらに上告した事件において、上告審が第一、二審判決を破棄自判した場合には、第一審判決後の未決勾留日数は刑訴法第四九五条によりすべて本刑に通算さるべきである。