論点1第103条刑法
犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立
裁判要旨犯人が他人を教唆して自己を隠避させたときは、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和60年7月3日 昭和60(あ)203
- 登載
- 集刑 第240号245頁
- 参照法条
- 刑法61条1項,刑法103条
論点2第103条刑法
他人を教唆して自己を隠避させる行為と犯人隠避教唆罪の成否
裁判要旨犯人が他人を教唆して自己を隠避させたときは、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年7月9日 昭和43(あ)238
- 登載
- 集刑 第168号211頁
- 参照法条
- 刑法103条,刑法61条1項
論点3第103条刑法
一 刑訴法第四〇二条に違反しないとされた事例。
二 犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
裁判要旨一 第一審が懲役七月の実刑を言い渡したのを、控訴審が、懲役七月三年間執行猶予、罰金五、〇〇〇円に変更しても、第一審の判決を不利益に変更したものといえない。
二 犯人が他人を教唆して自己を隠避させた場合には、犯人隠避罪の教唆犯が成立する(昭和三五年(あ)九八号同年七月一八日第二小法廷決定、刑集一四巻九号一一八九頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和40年2月26日 昭和39(あ)2370
- 登載
- 刑集 第19巻1号59頁
- 参照法条
- 刑訴法402条,刑法103条,刑法61条1項
論点4第103条刑法
刑法第一〇三条〈犯人蔵匿等〉の犯人隠避罪が成立する事例。
裁判要旨相被告人の身替りとしてAが判示自動車事故の犯人である旨司法警察官に届出て且つAを出頭させたことは刑法第一〇三条に犯人を隠避したことになつて罪責を免れない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和36年3月28日 昭和35(あ)2808
- 登載
- 集刑 第137号493頁
- 参照法条
- 刑法103条
論点5第103条刑法
犯人に対する犯人隠避教唆罪の成立。
裁判要旨犯人が他人を教唆して自己を隠避させたときは、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年7月18日 昭和35(あ)98
- 登載
- 刑集 第14巻9号1189頁
- 参照法条
- 刑法103条,刑法61条1項
論点6第103条刑法
犯人蔵匿罪の罪数
裁判要旨同一事件につき同一人を蔵匿し、かつ、隠避させたときは包括一罪として処断すべく、また、同一事件であつても、数人の犯人を一個の行為で蔵匿しまたは隠避させたときは、一個の行為で数個の罪名に触れるものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和35年3月17日 昭和34(あ)1880
- 登載
- 刑集 第14巻3号351頁
- 参照法条
- 刑法103条,刑法54条1項前段
論点7第103条刑法
一 刑法第一〇三条〈犯人蔵匿等〉にいう「罪ヲ犯シタル者」の意義
二 捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否
裁判要旨一 昭和二四年(れ)一五六六号同二四年八月九日の当小法廷判決は刑法一〇三条にいわゆる「罪ヲ犯シタル者」は犯罪の嫌疑によつて捜査中の者をも含むと解釈すべきものであるとの趣旨であつて、捜査官憲が犯罪嫌疑によつて捜査するに至らない段階の犯罪者を含まないとの趣旨までを判示したものではないと解するを相当する。
二 真に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、その者をかくまつた場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始つているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和33年2月18日 昭和29(あ)2795
- 登載
- 刑集 第12巻3号359頁
- 参照法条
- 刑法103条
論点8第103条刑法
犯人蔵匿罪の成立と法廷刑が罰金以上の刑であることの認識の要否
裁判要旨被告人において被蔵匿者が密入国者であることを認識してこれを蔵匿した以上、その刑が罰金以上であることの認識がなくても、犯人蔵匿罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和29年9月30日 昭和29(あ)546
- 登載
- 刑集 第8巻9号1575頁
- 参照法条
- 刑法103条,刑法38条1項,刑法38条3項,出入国管理令70条
論点9第103条刑法
捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否
裁判要旨直に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、その者をかくまつた場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始つているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年10月2日 昭和27(あ)1543
- 登載
- 刑集 第7巻10号1879頁
- 参照法条
- 刑法103条
論点10第103条刑法
逮捕勾留中の犯人の身代りを出頭させる行為と犯人隠避教唆罪の成否
裁判要旨犯人が逮捕勾留された後であつても、他の者を教唆して身代り犯人として警察署に出頭させ、自己が犯人である旨の虚偽の陳述をさせた行為は、犯人隠避教唆罪を構成する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成元年5月1日 昭和63(あ)247
- 登載
- 刑集 第43巻5号405頁
- 参照法条
- 刑法61条1項,刑法103条
論点11第103条刑法
犯人が他人を教唆して自己を蔵匿させ又は隠避させる行為と刑法103条の罪の教唆犯の成否
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和3年6月9日 令和3(あ)54
- 登載
- 集刑 第329号85頁
- 参照法条
- 刑法61条1項,刑法103条
論点12第104条刑法
自己の刑事被告事件に関する証憑偽造の教唆犯の成立。
裁判要旨犯人が他人を教唆して、自己の刑事被告事件に関する証憑を偽造させたときは、刑法
第一〇四条〈証拠隠滅等〉の証憑偽造罪の教唆犯が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年9月16日 昭和40(あ)560
- 登載
- 刑集 第19巻6号679頁
- 参照法条
- 刑法104条,刑法61条1項
論点13第104条刑法
捜査段階における参考人の隠匿と証憑湮滅罪の成立。
裁判要旨捜査段階における参考人も刑法第一〇四条にいわゆる他人の刑事被告事件に関する証憑に該当し、これを隠匿すれば証憑湮滅罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和36年8月17日 昭和36(あ)148
- 登載
- 刑集 第15巻7号1293頁
- 参照法条
- 刑法104条
論点14第104条刑法
一 被告人の黙祕権と偽証教唆罪の成否
二 刑法第一〇四条〈証拠隠滅等〉の証憑の偽造には証人の偽証を包含するか
三 証人の証言拒絶権と偽証罪の成否
裁判要旨一 被告人自体に黙祕権があるからといつて、他人に虚偽の陳述をするように教唆したときは、偽証教唆罪が成立する。
二 刑法
第一〇四条〈証拠隠滅等〉にいわゆる証憑の偽造とは、証拠自体の偽造を指称し、証人の偽証を包含しないと解すべきである。
三 証人が刑訴
第一四六条〈水道毒物等混入及び同致死〉の証言拒否権を有したとしても、宣誓の上虚偽の陳述をしたときは偽証罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年10月19日 昭和27(あ)1976
- 登載
- 刑集 第7巻10号1945頁
- 参照法条
- 刑法61条1項,刑法169条,刑法104条,刑訴法311条1項,刑訴法146条,刑訴法154条,刑訴法155条1項
論点15第104条刑法
他人の刑事事件について捜査官と相談しながら虚偽の供述内容を創作するなどして供述調書を作成した行為が証拠偽造罪に当たるとされた事例
裁判要旨参考人として捜査官に対して虚偽の供述をし,それに基づき供述調書が作成された場合とは異なり,第三者の覚せい剤所持という架空の事実に関する令状請求のための証拠を作り出す意図で,捜査官と相談しながら虚偽の供述内容を創作,具体化させ,それを供述調書の形式にした本件行為(判文参照)は,刑法
104条〈証拠隠滅等〉の証拠偽造罪に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成28年3月31日 平成26(あ)1857
- 登載
- 刑集 第70巻3号58頁
- 参照法条
- 刑法104条
論点16第104条刑法
甲の刑事事件に関する具体的な証拠偽造を乙が考案して積極的に甲に提案していたという事情があっても甲が当該証拠偽造を乙に依頼した行為が証拠偽造教唆罪に当たるとされた事例
裁判要旨甲の刑事事件に関する具体的な証拠偽造を乙が考案して積極的に甲に提案していたという事情があっても,甲がこれを承諾して提案に係る工作の実行を依頼した行為は,これによって乙がその提案どおりに犯罪を遂行しようという意思を確定させたという判示の事実関係の下では,人に特定の犯罪を実行する決意を生じさせたものとして,教唆に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成18年11月21日 平成17(あ)302
- 登載
- 刑集 第60巻9号770頁
- 参照法条
- 刑法61条1項,刑法104条
論点17第104条刑法
犯人が他人を教唆して自己の刑事事件に関する証拠を隠滅させる行為と刑法104条の証拠隠滅罪の教唆犯の成否
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和5年9月13日 令和5(あ)134
- 登載
- 集刑 第332号201頁
- 参照法条
- 刑法61条1項、刑法104条
論点18第105条刑法
刑法第一〇五条ノ〈親族による犯罪に関する特例 前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。〉二にいう「他人ノ刑事被告事件ノ審判ニ必要ナル知識ヲ有スト認メラルル者ニ対シ当該事件ニ関シ故ナク強談威迫ノ行為ヲ為シタル」ものと認められる事例。
裁判要旨一 被告人らの第一審判示第二の所為が刑法第一〇五条ノ二にいう「他人ノ刑事被告事件ノ審判ニ必要ナル知識ヲ有スト認メラルル者ニ対シ当該事件ニ関シ故ナク強談威迫ノ行為ヲ為シタル」ことに当る旨の原判断は正当である。
二 (第一審判示第二の所為)被告人A、同B、同Cは、昭和三九年八月三日午前一一時過ぎ頃から、福岡簡易裁判所第二号法廷において、D外一名に対する窃盗被告事件の公判を傍聴していた際、右事件の証人Eがその証言中すり仲間の一員として傍聴席にいた被告人Bの名をあげて同人を指示したことに憤慨し、共謀の上、同日午後〇時四〇分頃、同簡易裁判所正面玄関附近において、証言を終えて退廷して来た右Eを呼びとめて取り囲み、同人に対し、被告人Bにおいて「今あんたは公衆の目前であんな証言をして私に恥をかかせたが、どんな気持であんな証言をしたのか、俺はあんたを告訴するかもしれんぞ」被告人Cにおいて「何の証拠もないのに傍聴人のいる所であんなことを言われてたまるか」被告人Aにおいて同人の開襟シヤツの左袖をつかみ、「待ちない、話がある、自分の当て推量であんなことを言つてよかとな」などとこもごも申し向け、もつて、前記被告事件の審判に必要な知識を有すると認められる同人に対し当該事件に関して、故なく強談威迫の行為をなしたものである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年11月26日 昭和40(あ)1712
- 登載
- 集刑 第157号397頁
- 参照法条
- 刑法105条ノ2
論点19第105条刑法
刑法105条の2〈証人等威迫〉にいう「威迫」の方法
裁判要旨刑法
105条の2〈証人等威迫〉にいう「威迫」には,不安,困惑の念を生じさせる文言を記載した文書を送付して相手にその内容を了知させる方法による場合が含まれる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成19年11月13日 平成19(あ)779
- 登載
- 刑集 第61巻8号743頁
- 参照法条
- 刑法105条の2