刑法 / テーマ別まとめ

総則/酌量減軽

酌量減軽の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑法66条・67条は、裁判所が犯罪の情状を考慮して刑を減軽できる「酌量減軽」の根拠と、その適用範囲を定めています。法律上の加重・減軽事由がある場合でも、これとは別に酌量減軽を重ねて適用できる点が実務上のポイントです。

酌量減軽
項目内容
適用要件情状に酌量すべき事情がある場合
効果裁判所の裁量で刑を減軽できる
法律上の加減との関係加重・減軽後でも酌量減軽可
  • 減軽は「することができる」とされ、裁判所の裁量であり義務ではない。
  • 67条の対象は「法律上」の加重・減軽であり、酌量減軽自体との重複を定める規定。
1

酌量減軽

酌量減軽について、条文は何を定めているか。

第66条酌量減軽情状により刑を減軽できる1項判例 4件
  • 犯罪の情状に酌量すべき事情があれば刑を減軽できる
  • 適用するかどうかは裁判所の裁量による
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第67条法律上の加減と酌量減軽法律上の加重・減軽後も酌量減軽可1項判例なし
  • 法律上刑を加重し、又は減軽する場合でも酌量減軽をできる
  • 法律上の減軽と酌量減軽を重ねて適用できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第66条刑法

刑訴法第四三五条第六号にいわゆる「原判決において認めた罪より軽い罪」の意義

裁判要旨刑訴法第四三五条第六号にいわゆる「原判決において認めた罪より軽い罪」とは、原判決が認めた犯罪よりその法定刑の軽い犯罪をいうものであつて、原判決が認定した犯罪につき、原判決の科した刑より軽い刑をもつて処断すべき情状のある場合を含まない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年10月31日 昭和42(し)57
登載
集刑 第164号1049頁
参照法条
刑訴法435条6号,刑法66条
論点2第66条刑法

強盗殺人罪についての処断と酌量軽減規定の適用。

裁判要旨強盗殺人罪について無期懲役に処するときは、酌量軽減の規定を適用すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年11月2日 昭和40(あ)832
登載
刑集 第19巻8号797頁
参照法条
刑法66条,刑法71条,刑法68条,刑法240条
論点3第66条刑法

関税法第一一〇条第二項の合憲性。

裁判要旨関税法第一一〇条第二項の定める刑は、その所定刑期又は罰金額の範囲内で未遂の事情を参酌して、未遂減軽の規定が存する場合と実質的に同一の刑を量定する余地が十分あるのであつて、このような法定刑の定め方を以て一般刑法に比し不合理として憲法第三一条に違反するということはできない。このことは当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一〇三三号、同年一二月一五日大法廷判決、集二巻一三号一七八三頁)の趣旨に照らし明らかである。(上告諭旨の要旨=関税法第一一〇条第二項が既遂未遂を同一刑に処するとすることは、憲法第三一条に違反する。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年1月22日 昭和37(あ)1240
登載
集刑 第146号41頁
参照法条
関税法110条1項,関税法110条2項,憲法31条,刑法43条,刑法66条
論点4第66条刑法

旧酒税法(昭和一五年法律第三五号)第六六条本文の合憲性

裁判要旨旧酒税法(昭和一五年法律第三五号)六六条本文が罰金刑ついて刑法六六条の規定を排除したからといつて、憲法一三条、七六条三項に違反するということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年4月13日 昭和36(あ)2391
登載
集刑 第141号823頁
参照法条
旧酒税法(昭和15年法律35号)66条,憲法13条,憲法76条3項,刑法66条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑法 第66条(酌量減軽) 詳細ページ
(酌量減軽)
第六十六条犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。
刑法 第67条(法律上の加減と酌量減軽) 詳細ページ
(法律上の加減と酌量減軽)
第六十七条法律上刑を加重し、又は減軽する場合であっても、酌量減軽をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。