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総則/加重減軽の方法

加重減軽の方法の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

この項目は、刑を法律上または酌量により減軽する際に、刑の種類ごとにどのような計算方法を用いるかを定めています。死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料それぞれについて、減軽後の範囲や減じ方(長期・短期の2分の1にするなど)が条文で決められています。あわせて、加重・減軽の事由が複数重なった場合にどの順序で適用するかも定めています。

加重減軽の方法
対象となる刑減軽の方法
死刑無期又は10年以上の拘禁刑にする
無期拘禁刑7年以上の有期拘禁刑にする
有期拘禁刑長期・短期を各2分の1に減ずる
罰金多額・寡額を各2分の1に減ずる
拘留長期を2分の1に減ずる
科料多額を2分の1に減ずる
  • 拘禁刑・拘留の減軽で1日未満の端数が出た場合は切り捨てる(70条)
  • 酌量減軽をするときも68条・70条と同じ方法による(71条)
  • 各本条に刑の種類が2つ以上あるときは、まず適用する刑を定めてから減軽する(69条)
  • 加重・減軽が同時に生じるときの順序は、再犯加重→法律上の減軽→併合罪の加重→酌量減軽(72条)
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加重減軽の方法

加重減軽の方法について、条文は何を定めているか。

第68条法律上の減軽の方法減軽後の刑の範囲を定める1項・6号判例 5件
  • 死刑を減軽すると無期又は10年以上の拘禁刑になる
  • 無期拘禁刑を減軽すると7年以上の有期拘禁刑になる
  • 有期拘禁刑・罰金・拘留・科料は長期短期等を2分の1に減ずる
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第69条法律上の減軽と刑の選択複数の刑から選んでから減軽する1項判例 1件
  • 各本条に刑の種類が2つ以上あるときは、まず適用する刑を決める
  • その後に決めた刑を減軽する
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第70条端数の切捨て減軽で生じた端数は切り捨てる1項判例 1件
  • 拘禁刑・拘留の減軽で1日に満たない端数が出たら切り捨てる
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第71条酌量減軽の方法酌量減軽も法律上の減軽と同じ計算1項判例 1件
  • 酌量減軽をするときも68条〈法律上の減軽の方法〉・70条〈端数の切捨て〉と同じ方法による
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第72条加重減軽の順序加重・減軽が重なるときの順序を決める1項・4号判例なし
  • 再犯加重→法律上の減軽→併合罪の加重→酌量減軽の順で適用する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第68条刑法

強盗殺人罪についての処断と酌量軽減規定の適用。

裁判要旨強盗殺人罪について無期懲役に処するときは、酌量軽減の規定を適用すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年11月2日 昭和40(あ)832
登載
刑集 第19巻8号797頁
参照法条
刑法66条,刑法71条,刑法68条,刑法240条
論点2第68条刑法

第二審判決と不利益変更の禁止。

裁判要旨所論は、原判決は刑訴法第四〇二条の定める不利益変更禁止の原則に違反するとして、判例違反を主張するが、本件強盗殺人の法定刑のうち、第一審は無期懲役刑を選択、処断したものであるのに対し原審は死刑を選択し、第一審の認めなかつた被告人の犯行当時における心神耗弱の事実を認め、法定減軽の上無期懲役刑を宣告したものであることは各判文に徴して明らかである。従つて第一審判決、原判決の各宣告刑はいづれも無期懲役刑であつて、後者が前者の刑より重い刑を言渡したという関係にはないのであり、刑訴法第四〇二条に違反するかどうかは、言渡刑について判断すべきものであるから、右各選択の比較のみに頼つて原判決を非難する所論は失当である(昭和二三年(れ)第七四八号同年一一月一六日第三小法廷判決、刑集二巻一二号一五四三頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年7月14日 昭和39(あ)61
登載
集刑 第152号247頁
参照法条
刑訴法402条,刑法10条,刑法39条,刑法68条
論点3第68条刑法

刑法第六三条〈従犯減軽〉の適用と同六八条〈法律上の減軽の方法〉適用の遺脱。

裁判要旨原審で支持した第一審判は本件幇助罪に適条として刑法六三条を適用している。それは当然に同六八条〈法律上の減軽の方法〉の規定の適用せられたことを示しているものということができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年2月24日 昭和33(あ)1156
登載
集刑 第137号329頁
参照法条
刑訴法335条1項,刑法62条,刑法68条
論点4第68条刑法

従犯減軽をした罰金刑が法律上の減軽をした処断刑の範囲を超えた場合と判決の破棄

裁判要旨本件行為時における昭和一九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律五条〈外国判決の効力〉所定の罰金刑は五千円以下であり、従犯減軽をした罰金刑は二千五百円以下であるのに、原判決は被告人に対して法律上の減軽をした処断刑の範囲を超える罰金刑を科したものであるから、刑訴施行法三条の二により適用される刑訴四一一条一号に該当する法令の違反があるといわなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年2月26日 昭和27(れ)76
登載
集刑 第74号403頁
参照法条
経済関係罰則の整備に関する法律5条,刑法63条,刑法68条,新刑訴法411条1号
論点5第68条刑法

短期のある有期懲役刑の減軽

裁判要旨原判決は、その法律適用に関する説明によれば、刑法第二四〇条〈強盗致死傷〉前段所定の法定刑中有期懲役刑を選擇し、その法定の有期懲役刑を同法第六八条第三号に従い酌量減軽し、懲役三年六月以上同七年六月の刑期範囲内において被告人を懲役五年に処したものであること明白であるそして同条号に基く減軽はその長期と短期とを各二分の一に減ずるものであるから、原判決の擬律には何等の錯誤も存しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和25年11月9日 昭和25(れ)1204
登載
刑集 第4巻11号2244頁
参照法条
刑法68条3号,刑法240条
論点6第69条刑法

一 明治三八年法律第六六号第一条〈国内犯〉の法定刑は刑法第一四八条、第一四九条〈外国通貨偽造及び行使等〉の法定刑に比し著しく均衡を失するか
二 明治三八年法律第六六号第一条の法定刑の減軽方法

裁判要旨一 明治三八年法律第六六号第一条〈国内犯〉の法定刑は刑法第一四八条、第一四九条〈外国通貨偽造及び行使等〉の法定刑に比し著しく均衡を失するものではない。
二 右法律第一条の法定刑の減軽方法は刑法施行法第二一条により旧刑法の加減例の規定に従うべきであり、かつその法定刑中軽懲役を選択した上酌量減軽を行うことは適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年7月7日 昭和29(あ)3681
登載
刑集 第9巻9号1816頁
参照法条
外国ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及模造ニ関スル法律(明治38年法律66号)1条,刑法148条,刑法149条,刑法施行法19条,刑法施行法21条,刑法施行法23条,旧刑法22条,旧刑法69条,旧刑法70条,旧刑法9条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑法 第68条(法律上の減軽の方法) 詳細ページ
(法律上の減軽の方法)
第六十八条法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
一死刑を減軽するときは、無期又は十年以上の拘禁刑とする。
二無期拘禁刑を減軽するときは、七年以上の有期拘禁刑とする。
三有期拘禁刑を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
四罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
五拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
六科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。
刑法 第69条(法律上の減軽と刑の選択) 詳細ページ
(法律上の減軽と刑の選択)
第六十九条法律上刑を減軽すべき場合において、各本条に二個以上の刑名があるときは、まず適用する刑を定めて、その刑を減軽する。
刑法 第70条(端数の切捨て) 詳細ページ
(端数の切捨て)
第七十条拘禁刑又は拘留を減軽することにより一日に満たない端数が生じたときは、これを切り捨てる。
刑法 第71条(酌量減軽の方法) 詳細ページ
(酌量減軽の方法)
第七十一条酌量減軽をするときも、第六十八条及び前条の例による。
刑法 第72条(加重減軽の順序) 詳細ページ
(加重減軽の順序)
第七十二条同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による。
一再犯加重
二法律上の減軽
三併合罪の加重
四酌量減軽
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。