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最高裁大法廷 / 民集登載3件
一、商法第五〇四条本文の法意 二、商法第五〇四条但書にいう「履行ノ請求」に伴う法律関係
最高裁判所大法廷昭和43年4月24日昭和41(オ)10民集 第22巻4号1043頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨一、商法第五〇四条本文は、本人のための商行為の代理については、代理人が本人のためにすることを示さなくても、その行為は本人に対して効力を生ずるものとして、いわゆる顕名主義に対する例外を認めたものである。 二、相手方において、代理人が本人のためにすることを知らなかつたときは、商法第五〇四条但書によつて、相手方と代理人との間…
参照法条商法504条,民法99条1項,民法100条
為替手形の支払呈示期間経過後に支払場所にした呈示の効力
最高裁判所大法廷昭和42年11月8日昭和38(オ)1240民集 第21巻9号2300頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨為替手形の支払呈示期間経過後における支払のための呈示は、支払地内にある手形の主たる債務者の営業所または住所においてすることを要し、支払場所に呈示しても、手形債務者を遅滞に付する効力を有しない。
参照法条手形法1条,手形法4条,手形法38条,商法516条2項,商法517条
商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義。
最高裁判所大法廷昭和40年9月22日昭和36(オ)1378民集 第19巻6号1600頁
位置づけ最高裁大法廷 / 民集登載
裁判要旨商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業の目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要なる一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業…
参照法条商法245条1項1号,商法25条
最高裁 / 民集登載89件
不動産は,商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるか
最高裁判所第一小法廷平成29年12月14日平成29(受)675民集 第71巻10号2184頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産は,商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たる。
参照法条商法521条,民法295条1項
1 匿名組合契約に基づき匿名組合員が受ける利益の分配と所得区分の判断 2 匿名組合契約に基づき航空機のリース事業に出資をした匿名組合員が,当該契約に基づく損失の分配を不動産所得に係るものとして所得税の申告をしたことにつき,国税通則法65条4…
最高裁判所第二小法廷平成27年6月12日平成24(行ヒ)408民集 第69巻4号1121頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 匿名組合契約に基づき匿名組合員が営業者から受ける利益の分配に係る所得は,①当該契約において,匿名組合員に営業者の営む事業に係る重要な意思決定に関与するなどの権限が付与されており,匿名組合員が実質的に営業者と共同して事業を営む者としての地位を有するものと認められる場合には,当該事業の内容に従って事業所得又はその他の各…
参照法条(1,2につき) 商法535条 (1につき) 所得税法27条1項,所得税法35条1項,商法536条,商法539条 (2につき) 国税通則法65条4項,所得税法26条1項
1 自動車保険契約の人身傷害条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権の代位取得の有無 2 自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保…
最高裁判所第一小法廷平成24年2月20日平成21(受)1461民集 第66巻2号742頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 被害者が被る損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の人身傷害条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求権を代位取得するものであって,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するもので…
参照法条(1,2につき)商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,(2につき)民法722条2項
会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行が,同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を銀行取引約定に基づき同会社の債務の弁済に充当することの可否
最高裁判所第一小法廷平成23年12月15日平成22(受)16民集 第65巻9号3511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社から取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する銀行は,同会社の再生手続開始後の取立てに係る取立金を,法定の手続によらず同会社の債務の弁済に充当し得る旨を定める銀行取引約定に基づき,同会社の債務の弁済に充当することができる。 (補足意見がある。)
参照法条民事再生法53条1項,民事再生法53条2項,民事再生法85条1項,商法521条,手形法18条,手形法77条1項1号,民法91条
特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が,専門的な知識を有しない委託者との間で締結した商品先物取引委託契約上,委託者に対して負う説明義務及び通知義務
最高裁判所第一小法廷平成21年7月16日平成20(受)802民集 第63巻6号1280頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が専門的な知識を有しない委託者との間で商品先物取引委託契約を締結した場合,商品取引員は,上記委託契約上,商品取引員が差玉向かいを行っている特定の種類の商品先物取引を受託する前に,委託者に対し,その取引について差玉向かいを行っていること及び差玉向かいは商品取…
参照法条商法551条,商法552条2項,民法644条,民法645条,商品取引所法213条,商品取引所法214条9号,商品取引所法217条1項4号,商品取引所法施行規則103条2号,商品取引所法施行規則104条1項8号
1 会社の行為が商行為に該当することの主張立証責任 2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,当該貸付けに係る債権が商行為によって生じた債権に当たるとされた事例
最高裁判所第二小法廷平成20年2月22日平成19(受)528民集 第62巻2号576頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと,すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負う。 2 会社の貸付けが当該会社の代表者の情宜に基づいてされたものとみる余地があっても,それだけでは当該会社の事業と無関係であることの立証がされたということ…
参照法条(1,2につき)会社法
5条〈商行為〉,商法4条1項,商法503条,民訴法第2編第4章第1節 総則
1 貸主と借主との間で基本契約が締結されていない場合に第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生しその後第2の貸付けに係る債務が発生したときにおけ…
最高裁判所第三小法廷平成19年2月13日平成18(受)1187民集 第61巻1号182頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨1 貸主と借主との間で継続的に貸付けが繰り返されることを予定した基本契約が締結されていない場合において,第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生し,その後,第2の貸付けに係る債務が発生したときには,特段の事情のない限り,第1…
参照法条(1,2につき)利息制限法1条1項 (1につき)民法488条 (2につき)民法404条,民法704条,商法514条
船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効の起算点
最高裁判所第二小法廷平成17年11月21日平成16(受)1434民集 第59巻9号2558頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効は,民法724条により,被害者が損害及び加害者を知った時から進行する
参照法条民法166条1項,民法724条,商法798条1項
ゴルフ場の営業の譲受人が譲渡人の用いていた預託金会員制のゴルフクラブの名称を継続して使用している場合における譲受人の預託金返還義務の有無
最高裁判所第二小法廷平成16年2月20日平成14(受)399民集 第58巻2号367頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の営業の譲渡がされ,譲渡人が用いていたゴルフクラブの名称を譲受人が継続して使用しているときには,譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,譲受…
参照法条商法26条1項
信用協同組合に対する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分と組合員が組合員代表訴訟を提起し追行する権限の帰すう
最高裁判所第一小法廷平成15年6月12日平成14(受)853民集 第57巻6号640頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨信用協同組合に対し金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がされても,当該信用協同組合の組合員は,組合員代表訴訟を提起することができ,また,係属中の組合員代表訴訟を追行する権限を失わない。
参照法条中小企業等協同組合法42条,商法267条,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律8条1項,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律11条1項
一 手形につき商事留置権を有する者が債務者に対する破産宣告の後に破産管財人からの手形の返還請求を拒むことの可否 二 手形につき商事留置権を有する銀行が債務者に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当す…
最高裁判所第三小法廷平成10年7月14日平成7(オ)264民集 第52巻5号1261頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 手形につき商事留置権を有する者は、債務者が破産宣告を受けた後においても、右手形を留置する権能を有し、破産管財人からの手形の返還請求を拒むことができる。 二 手形につき商事留置権を有する甲銀行が債務者乙に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当する行為は、乙が債務を履行しないと…
参照法条破産法93条,破産法95条,破産法204条,商法521条,民事執行法136条,民事執行法192条,民法91条,民法709条
一 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係 二 和議開始の申立てをした連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が右申立てを知って和議開始決定前の弁済により取得した求償権をもって相殺することの可否 三 和議認可決定を受けた連帯…
最高裁判所第三小法廷平成10年4月14日平成6(オ)2137民集 第52巻3号813頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負う。 二 連帯債務関係が発生した後に連帯債務者の一人が和議開始の申立てをした場合において、右申立てを知って和議開始決定前の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、右求償権をもって和議債務者の債権と相…
参照法条民法442条,民法501条,民法675条,商法511条1項,和議法5条,和議法45条,和議法57条,破産法24条,破産法26条,破産法104条,破産法326条
定期傭船されている船舶の積荷につき船長により船荷証券が発行された場合において船荷証券所持人に対して運送契約上の債務を負担する運送人
最高裁判所第二小法廷平成10年3月27日平成5(オ)1492民集 第52巻2号527頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨いわゆるニューヨーク・プロデュース書式等に基づく定期傭船契約によって傭船されている船舶の積荷につき船長により発行された船荷証券については、船舶所有者が船荷証券に表章された運送契約上の請求権についての債務者となり得るのであって、船荷証券を所持する第三者に対して運送契約上の債務を負担する運送人がだれであるかは、船荷証券の記…
参照法条商法704条1項,商法769条,国際海上物品運送法2条2項,国際海上物品運送法7条1項
一 請負人の報酬債権と注文者の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺がされた後の報酬残債務について注文者が履行遅滞による責任を負う時期 二 仮執行宣言に基づく給付金に商事法定利率による金員を付加してその支払を求める民訴法一九八条二項の申立てが…
最高裁判所第三小法廷平成9年7月15日平成5(オ)2187民集 第51巻6号2581頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 請負人の報酬債権に対し注文者がこれと同時履行の関係にある瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合、注文者は、相殺後の報酬残債務について、相殺の意思表示をした日の翌日から履行遅滞による責任を負う。 二 (省略)
参照法条民法412条,民法506条2項,民法533条,民法634条2項,民訴法198条2項,商法514条
スーパーマーケットに出店しているテナントと買物客との取引に関して商法二三条の類推適用によりスーパーマーケットの経営会社が名板貸人と同様の責任を負うとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成7年11月30日平成4(オ)1119民集 第49巻9号2972頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲の経営するスーパーマーケットの店舗の外部には、甲の商標を表示した大きな看板が掲げられ、テナントである乙の店名は表示されておらず、乙の出店している屋上への階段の登り口に設置された屋上案内板や右階段の踊り場の壁には「ペットショップ」とだけ表示され、その営業主体が甲又は乙のいずれであるかが明らかにされていないなど判示の事実…
参照法条商法23条
一 信用金庫の商人性 二 信用金庫取引約定書四条四項の趣旨 三 破産債権者が支払停止又は破産申立前にされた取立委任に基づき支払停止又は破産申立のあつたことを知つてした手形の取立と破産法一〇四条二号但書
最高裁判所第三小法廷昭和63年10月18日昭和59(オ)557民集 第42巻8号575頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 信用金庫法に基づいて設立された信用金庫は、商法上の商人には当たらない。 二 信用金庫取引約定書四条四項は、取引先において信用金庫に対し、取引先がその債務を履行しない場合に、信用金庫の占有する取引先の手形等の取立又は処分をする権限及び取立又は処分によつて取得した金員を取引先の債務の弁済に充当する権限を授与する趣旨であ…
参照法条商法4条1項,信用金庫法1条,信用金庫法2条,信用金庫法(昭和56年法律第60号による改正前のもの)53条,民法1編4章1節,破産法104条2号
荷渡指図書に基づき倉庫業者の寄託者台張上の寄託者名義が変更され寄託の目的物の譲受人が指図による占有移転を受けた場合と民法一九二条の適用
最高裁判所第三小法廷昭和57年9月7日昭和55(オ)185民集 第36巻8号1527頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨寄託者が倉庫業者に対して発行した荷渡指図書に基づき倉庫業者が寄託者台帳上の寄託者名義を変更して右寄託の目的物の譲受人が指図による占有移転を受けた場合には、民法一九二条の適用がある。
参照法条民法184,民法192条,商法597条
農業協同組合を共済者とする養老生命共済契約における災害給付金及び死亡割増特約金給付の免責事由である被共済者の「重大な過失」があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和57年7月15日昭和56(オ)1112民集 第36巻6号1188頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合を共済者とする養老生命共済契約の被共済者が、夜間飲酒酩酊のうえ普通乗用車の運転を開始し、事故発生時においてさえ血液一ミリリツトル中〇・九八ミリグラムのアルコールを保有しており、右アルコールの影響のもとに道路状況を無視し、かつ、制限速度毎時四〇キロメートルの屈曲した路上を前方注視義務を怠つたまま漫然時速七〇キ…
参照法条商法641条,商法829条,農業協同組合法10条の2,農業協同組合法及び農業共同組合連合会の共済規程の記載事項を定める省令(昭和29年農林省令第62号)1項2号ハ
一 交通事故の被害者が自動車損害賠償保障法一六条一項の規定に基づき保険会社に対して提起した損害金支払請求訴訟について支出した弁護士費用が交通事故と相当因果関係のある損害と認められた事例 二 保険会社が自動車損害賠償保障法一六条一項の規定に基…
最高裁判所第三小法廷昭和57年1月19日昭和54(オ)34民集 第36巻1号1頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 被保険者の運行供用者責任の成否について保険会社が争つたため、交通事故の被害者が自動車損害賠償保障法一六条一項の規定に基づき保険会社に対し損害金支払請求の訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる限…
参照法条自動車損害賠償保障法16条1項,商法514条
登記申請権者の申請に基づかないでされた不実の商業登記と商法一四条の適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和55年9月11日昭和53(オ)1400民集 第34巻5号717頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨登記申請権者の申請に基づかないで不実の商業登記がされた場合には、登記申請権者が不実の登記の実現に加功し又は不実の登記の存在が判明しているのにその是正措置をとることなくこれを放置するなど、右登記を登記申請権者の申請に基づく登記と同視するのを相当とするような特段の事情がない限り、商法一四条は適用されない。
参照法条商法14条
商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間
最高裁判所第一小法廷昭和55年1月24日昭和53(オ)1129民集 第34巻1号61頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
参照法条民法167条,民法703条,商法522条,利息制限法1条,利息制限法4条
運送品が全部滅失したがこれによる損害が全く生じない場合と運送人の損害賠償責任
最高裁判所第一小法廷昭和53年4月20日昭和52(オ)660民集 第32巻3号670頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨運送品が全部滅失したが荷送人又は荷受人に全く損害が生じない場合には、商法五八〇条一項の規定の適用がなく、運送人は損害賠償責任を負わない。
参照法条商法577条,商法580条1項
営業につき他人からその名義の使用を許された者が営業活動上惹起された交通事故に基づく損害賠償義務者であることを前提として被害者との間で示談契約を締結した場合に商法二三条の適用が否定された事例
最高裁判所第二小法廷昭和52年12月23日昭和51(オ)631民集 第31巻7号1570頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨営業につき他人からその名義の使用を許された者が、営業活動上惹起された交通事故に基づく不法行為上の損害賠償義務者であることを前提とし、被害者との間で、単にその支払金額と支払方法を定めるにすぎない示談契約を締結した場合には、右契約の締結にあたり、被害者が名義貸与者をもつて営業主と誤認した事実があつたとしても、右示談契約に基…
参照法条商法23条
国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。同四二年条約第一一号による改正前のもの)二二条二項所定の運送人の責任限定と遅延損害金
最高裁判所第二小法廷昭和52年6月28日昭和51(オ)112民集 第31巻4号511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨運送人が国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。同四二年条約第一一号による改正前のもの)二二条二項所定の限定責任の範囲で損害賠償義務を負う場合、これに対する遅延損害金については右規定による限定を受けない。
参照法条国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和28年条約第17号。同42年条約11号による改正前のもの)22条2項,国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和28年条約第17号。同42年条約11号による改正前のもの)24…
「運送人は保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については損害賠償の責めに任じない」旨の港湾運送約款の解釈
最高裁判所第一小法廷昭和51年11月25日昭和50(オ)1190民集 第30巻10号960頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨港湾運送契約の締結に際し、荷送人が、貨物を海上保険に付したうえ、運送人との間で港湾運送約款に基づき「運送人は、保険に付された危険によつて生じた貨物の滅失等については、損害賠償の責めに任じない。」旨の合意をした場合でも、特段の事情のない限り、被保険者である荷送人は、保険金額の範囲内の損害につき、貨物滅失に基づく運送人に対…
参照法条民法91条,民法519条,商法569条,商法577条,商法581条,商法629条,商法662条
一、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。右条約を改正する議定書(昭和四二年条約第一一号)による改正前のもの)二五条一項にいう「故意に相当すると認められる過失」の意義 二、国際航空運送貨物の運送中における…
最高裁判所第二小法廷昭和51年3月19日昭和47(オ)541民集 第30巻2号128頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和二八年条約第一七号。右条約を改正する議定書(昭和四二年条約第一一号)による改正前のもの)二五条一項にいう「訴が係属する裁判所の属する国の法律によれば故意に相当すると認められる過失」とは、我が国の法律上、「重大な過失」を意味するものと解すべきである。 二、航空運送…
参照法条国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(昭和28年条約第17号。国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約を改正する議定書(昭和42年条約第11号)による改正前のもの)25条,商法581条,商法766条,国際海上物品運送法2…
売主又は買主の一方からのみ仲介の委託を受けた宅地建物取引業者の委託を受けない当事者に対する報酬請求権
最高裁判所第二小法廷昭和50年12月26日昭和46(オ)22民集 第29巻11号1890頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売主又は買主の一方からのみ仲介の委託を受けた宅地建物取引業者の仲介行為によつて契約が成立した場合において、当該業者が委託を受けない当事者に対し商法五一二条に基づく報酬請求権を取得するためには、客観的にみて右当事者のためにする意思をもつて仲介行為をしたものと認められることを要し、単に委託者のためにする仲介行為の反射的利益…
参照法条商法512条,宅地建物取引業法46条
宅地建物取引業者のした法律事務の取扱と弁護士法七二条
最高裁判所第二小法廷昭和50年4月4日昭和47(オ)751民集 第29巻4号317頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地建物取引業者のした法律事務の取扱は、商法五〇三条により商行為となるとしても、それが一回かぎりであり、かつ、反復の意思をもつてされたものでないときは、弁護士法七二条に触れない。
参照法条弁護士法72条,商法503条,商法512条
一、貨物船による曳船が海上保険契約普通保険約款六条にいう「危険の著しい増加」にあたるとされた事例 二、船長が危険の著しい増加を知つた場合と海上保険契約普通保険約款七条二項にいう「保険契約者又は被保険者が危険の著しい増加を知つたとき」 三、貨…
最高裁判所第三小法廷昭和50年1月31日昭和44(オ)718民集 第29巻1号16頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、海上保険契約中の普通保険約款六条により、保険者の負担する危険が保険期間中保険契約者又は被保険者の責に帰しえない事由により著しく増加したときは保険契約はその効力を失う旨が定められている場合において、総トン数四〇五トン余、純トン数二四〇トン余の貨物船が五〇〇トンの貨物を積載したうえ無人の総トン数四四四トン、純トン数二六…
参照法条商法656条,商法657条2項,商法713条1項,商法815条2項,商法816条
一、海難における救援救助についての規定の統一に関する条約(大正三年条約第二号)に基づく海難救助料請求権と救援救助義務 二、曳船の所有者が被曳船の海難につき曳船契約上負担すべき救援救助義務 三、曳船契約履行中被曳船の海難に対し曳船の船長及び海…
最高裁判所第一小法廷昭和49年9月26日昭和47(オ)1236民集 第28巻6号1331頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、海難における救援救助についての規定の統一に関する条約(大正三年条約第二号)に基づく海難救助料請求権が発生するためには、海難に対する救援救助行為が義務なくしてされたものでなければならない。 二、曳船の所有者は、曳船契約履行中、被曳船が通常生ずるとはいえない事故により海難におちいつた場合においても、曳船に急迫な危険が存…
参照法条商法800条,海難における救援救助についての規定の統一に関する条約(大正3年条約第2号)2条1項,海難における救援救助についての規定の統一に関する条約(大正3年条約第2号)4条,民法1条2項
株式会社が代表取締役の退任及び代表権の喪失を登記したときと民法一一二条
最高裁判所第二小法廷昭和49年3月22日昭和48(オ)142民集 第28巻2号368頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式会社が代表取締役の退任及び代表権の喪失につき登記したときは、その後その者が会社の代表者として第三者とした取引については、民法一一二条の適用はない。
参照法条民法112条,商法12条
一、海上物品運送契約において積荷保険の被保険者である荷主が保険金の支払を受ける限度で運送人に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄した場合と保険代位 二、商法七三八条の堪航能力担保義務の範囲 三、商法七三八条の堪航能力担保義務の性質
最高裁判所第二小法廷昭和49年3月15日昭和45(オ)470民集 第28巻2号222頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、海上物品運送契約において、積荷保険の被保険者である荷主が保険金の支払を受ける限度で運送人に対する損害賠償請求権をあらかじめ放棄した場合でも、商法七三九条により運送人の免責が許されない損害に関するかぎり、保険者は、保険代位により、荷主の運送人に対する損害賠償請求権を取得する。 二、商法七三八条により担保される堪航能力…
参照法条商法629条,商法662条,商法738条,商法739条,商法815条,商法816条,民法519条,国際海上物品運送法附則2項
商法五〇四条但書に基づき相手方が債権者として本人または代理人を選択しうる場合における本人の請求と代理人の債権についての消滅時効の中断
最高裁判所第三小法廷昭和48年10月30日昭和44(オ)1135民集 第27巻9号1258頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨代理人がした商行為による債権につき本人が提起した債権請求訴訟の係属中に、相手方が商法五〇四条但書に基づき債権者として代理人を選択したときは、本人の請求は、右訴訟が係属している間代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼすものと解するのが相当である。
参照法条商法504条,商法522条,民法147条,民法148条,民法153条
一、国際海上物品運送法12条一項所定の通知書と損傷の概況の記載 二、船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載の意義 三、船荷証券上に「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載がある場合と運送品の損傷時期の推定
最高裁判所第一小法廷昭和48年4月19日昭和44(オ)543民集 第27巻3号527頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、運送品の損傷があつた場合に発せられる国際海上物品運送法一二条一項所定の通知書には、荷受人または船荷証券所持人が運送品の点検をした結果知りえたその損傷の種類および程度の概略が、損傷の概況として、記載されなければならない。 二、船荷証券上の「運送品を外観上良好な状態で船積した」旨の記載は、運送品が包装ないし荷造されてい…
参照法条国際海上物品運送法7条1項3号,国際海上物品運送法12条1項,商法769条,民訴法185条
一、取締役でないのに取締役就任登記を承諾した者と商法一四条の類推適用 二、商法一四条の類推適用により取締役でないことを対抗できない登記簿上の取締役と同法二六六条の三所定の取締役としての責任
最高裁判所第一小法廷昭和47年6月15日昭和44(オ)531民集 第26巻5号984頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者が故意または過失により右登記につき承諾を与えていたときは、同人は、商法一四条の規定の類推適用により、自己が取締役でないことをもつて善意の第三者に対抗することができない。 二、株式会社において、取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者が商法一四条の規定の類推適用…
参照法条商法14条,商法266条の3
営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合と商法二六条の類推適用
最高裁判所第一小法廷昭和47年3月2日昭和44(オ)321民集 第26巻2号183頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨営業の現物出資を受けて設立された会社が出資者の商号を続用する場合には、商法二六条の類推適用により、右会社は、出資者の営業によつて生じた債務につき、出資者とならんで弁済の責に任ずべきものと解するのが相当である。
参照法条商法26条,商法168条,商法172条
一、開業準備行為の商行為性 二、営業の開始を目的とする金銭の借入れに商行為性が認められる場合
最高裁判所第一小法廷昭和47年2月24日昭和46(オ)492民集 第26巻1号172頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、開業準備行為が商行為となるためには、それが客観的にみて開業準備行為と認められうるものであるごとを要し、単に金銭を借り入れるごとき行為は、特段の事情のないかぎり、これを商行為とすることはできない。 二、営業を開始する目的をもってする単なる金銭の借入れも、取引の相手方がその事情を知悉している場合には、これを附属的商行為…
参照法条商法4条1項,商法503条1項
一、株式会社の清算人の員数 二、上告審が破棄理由とした法律上の判断の再度の上告審に対する拘束力
最高裁判所第三小法廷昭和46年10月19日昭和44(オ)1182民集 第25巻7号952頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、株式会社の清算人の員数は、二人以上であることを要しない。 二、上告審が差戻判決において破棄理由とした法律上の判断に従つてされた下級審の判決に対する再度の上告事件につき審判をする上告審はその差戻判決に示された右判断に拘束される。
参照法条商法430条,裁判所法4条,民訴法407条1項,民訴法407条2項
船舶海上保険において主務大臣の認可なしに変更された普通保険約款の拘束力
最高裁判所第一小法廷昭和45年12月24日昭和41(オ)768民集 第24巻13号2187頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨船舶海上保険において、保険業者が主務大臣の認可を受けないで普通保険約款を変更し、その約款に基づいて保険契約を締結しても、その変更が保険業者の懇意的な目的に出たものでなく、変更された条項が強行法規もしくは公序良俗に違反しまたはとくに不合理なものである場合でないかぎり、変更後の約款は、保険契約の内容を定めるものとして当事者…
参照法条民法91条,商法815条,保険業法1条,保険業法10条
宅地建物取引業者の報酬請求権の成否
最高裁判所第一小法廷昭和44年6月26日昭和43(オ)17民集 第23巻7号1264頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨宅地建物取引業者は、売主からの委託を受けず、かつ、売主のためにする意思を有しないでした売買の媒介については、売主に対し報酬請求権を有しない。
参照法条商法512条,商法550条2項
一、内容を検査することが不適当な受寄物についてはいわゆる品物違いの責任を負わない旨の倉庫証券約款の効力および免責の要件 二、密封された木函入り緑茶が右約款所定の内容を検査することが不適当な物にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和44年4月15日昭和42(オ)842民集 第23巻4号755頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、内容を検査することが不適当な受寄物については、その種類、品質および数量を記載しても文言上の責任を負わない旨の倉庫証券約款は有効であり、倉庫営業者は、右証券に表示された荷造の方法、受寄物の種類からみて、その内容を検査することが容易でなく、または荷造を解いて内容を検査することによりその品質または価格に影響を及ぼすことが…
参照法条商法627条,商法602条,商法599条1号
一、法人格否認の法理 二、実質が個人企業と認められる株式会社における取引の効果の帰属
最高裁判所第一小法廷昭和44年2月27日昭和43(オ)877民集 第23巻2号511頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、社団法人において、法人格がまつたくの形骸にすぎない場合またはそれが法律の適用を回避するために濫用される場合には、その法人格を否認することができる。 二、株式会社の実質がまつたく個人企業と認められる場合には、これと取引をした相手方は、会社名義でされた取引についても、これを背後にある実体たる個人の行為と認めて、その責任…
参照法条民法33条,商法52条,商法504条
共同代表の定があるのに代表取締役の一人が単独の代表名義で約束手形を振り出した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和41(オ)684民集 第22巻13号3349頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同代表の定があるのにかかわらず、代表取締役の一人が、単独で、代表取締役の名称を使用して約束手形を振り出した場合においても、右手形の取得者が、共同代表の定の登記がされていることを知らず、右代表取締役が社長と称し会社の主宰者として行動している事実から単独の代表権を有するものと信じてこれを取得し、会社においても当時右代表取…
参照法条商法262条,商法261条,商法12条
一、株式会社の訴訟上の代表者と商法第一二条の適用の有無 二、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力
最高裁判所第二小法廷昭和43年11月1日昭和40(オ)1206民集 第22巻12号2402頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、商法第一二条は、当事者である株式会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。 二、議決権を行使する株主の代理人の資格を当該会社の株主に制限する旨の定款の規定は、有効である。
参照法条商法12条,商法239条3項,民訴法58条,民訴法45条
中小企業等協同組合法に基づく協同組合について「従たる事務所」の登記がある場合と商法第一四条の類推適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和43年10月17日昭和42(オ)739民集 第22巻10号2204頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法に基づく協同組合の営業所について、「従たる事務所」の登記がある場合には、右営業所が同法第四四条第一項にいう「従たる事務所」の実体を有していなくても、商法第一四条を類推適用し、右の実体を有しないことをもつて善意の第三者に対抗しえないものと解すべきである。
参照法条中小企業等協同組合法44条,商法42条,商法14条
問屋の破産と取戻権
最高裁判所第一小法廷昭和43年7月11日昭和40(オ)25民集 第22巻7号1313頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨問屋が委託の実行としてした売買により権利を取得した後これを委託者に移転しない間に破産した場合には、委託者は、右権利につき取戻権を行使することができる。
参照法条商法552条,破産法87条
一、商号の使用を許諾した者の営業とその許諾を受けた者の営業との業種が異なる場合と商法第二三条の責任 二、右の場合において商法第二三条の責任があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和43年6月13日昭和42(オ)339民集 第22巻6号1171頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一、他人に自己の商号を使用して営業を営むことを許諾した場合においても、その許諾を受けた者が当該商号を使用して業種の異なる営業を営むときは、特段の事情がないかぎり、商号許諾者は、商法第二三条の責任を負わない。 二、甲が、乙に対し「D」という商号および自己の氏名の使用を許諾し、乙がこれを使用して営業した場合において、甲の営…
参照法条商法23条
一、不動産売買の黙示の媒介契約がされたとして報酬請求権が認められた事例 二、不動産売買の媒介を依頼された者が数人あるときの報酬額の配分基準
最高裁判所第三小法廷昭和43年4月2日昭和41(オ)1007民集 第22巻4号803頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一宅地建物取引業を営む商人が不動産の売買契約を成立させるため、買主を現場に案内し、契約の締結に立ち会い、売買代金額について売主、買主の両者の言い分を調整して、両者をして買主の希望価額以下に合意させ、目的物の受渡、代金の授受に関与した等判示事実関係のもとにおいては、買主との間に明示の売買の媒介契約がされなかつたとしても、…
参照法条商法512条,商法550条,民法648条,宅地建物取引業法(昭和39年法律第166号による改正前のもの)17条
共同代表の定めがあるのに代表取締役が単独で代表権限を行使した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年4月28日昭和41(オ)1042民集 第21巻3号496頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨共同代表の定めがあり、その旨の登記がある場合において、当該代表取締役が単独で代表権限を行使できる者であると見られる外観をもつて代表取締役の名称を使用しているのに対し、これを他の代表取締役全員が黙認していた等原審認定の事実関係(原判決理由参照)のもとでは、当該代表取締役が単独で行なつた法律行為についても、会社は、商法第二…
参照法条商法262条,商法261条,商法12条
商法第五六六条第三項第五八八条第二項にいう「悪意アリタル場合」の意義
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月20日昭和37(オ)486民集 第20巻10号2106頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第五六六条第三項、第五八八条第二項にいう「悪意アリタル場合」とは、運送取扱人または運送人が運送品に毀損または一部滅失のあることを知つてこれを荷受人に引き渡した場合をいう。
参照法条商法566条3項,商法588条2項
自動車運送事業の営業名義を貸与した者が名義借受人の雇傭する運転手の過失による自動車事故について損害賠償責任があるとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和41年6月10日昭和39(オ)577民集 第20巻5号1029頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨免許を受けて自動車の運送事業を営む者が他人をして違法にその営業名義を使用して自動車運送事業を営ませた場合、名義貸与者とその借受人の事業の執行方法につき原判決確定の事実関係があるときは(原判決理由参照)、名義借受人の雇傭する運転手がその事業の執行に関し第三者に加えた自動車事故による損害について、名義貸与者は賠償責任を負担…
参照法条民法715条,商法23条
名板貸人を営業主と誤認するについて重大な過失があつた相手方に対する商法第二三条所定の名板貸人の責任の有無。
最高裁判所第一小法廷昭和41年1月27日昭和38(オ)236民集 第20巻1号111頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨名板貸人は、自己を営業主と誤認するについて重大な過失があつた者に対しては、商法第二三条所定の責任を負わないと解するのが相当である。
参照法条商法23条
否認権の行使による返還金に付すべき利息の利率。
最高裁判所第一小法廷昭和40年4月22日昭和36(オ)1095民集 第19巻3号689頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨破産会社の銀行に対する債権譲渡行為が否認された結果、右銀行が該債権の取立によつて得た金員相当額を返還する場合において、これに付すべき利息は、年六分の商事法定利率によるのが相当である。
参照法条破産法72条,破産法77条,商法514条
証券取引法第四九条に違反して委託証拠金なしに信用取引がなされた場合における証券業者と委託者との間の契約の効力。
最高裁判所第一小法廷昭和40年4月22日昭和39(オ)816民集 第19巻3号703頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨証券取引法第四九条に違反して委託証拠金なしに信用取引により株式が売買されても、右違反は、証券業者と委託者との間の契約の効力に影響を及ぼすものではない。
参照法条民法91条,民法642条,商法552条,証券取引法49条
不動産売買仲介の依頼が合意解除された場合における不動産取引仲介業者の報酬請求権。
最高裁判所第一小法廷昭和39年7月16日昭和36(オ)1232民集 第18巻6号1160頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不動産取引仲介業者に対する不動産売買仲介の依頼が合意解除された後、当事者間の直接取引により右不動産を目的とする売買契約が成立した場合においても、右業者の仲介と当該売買契約成立との間に因果関係がなく、右解除も故意に右業者を除外する目的でなされたものでなく、かつ、右依頼に関して報酬金の特約もなかつたときに、右業者が報酬金を…
参照法条商法512条,商法550条1項,商法546条,宅地建物取引業法17条,民法648条3項,民法641条
銀行が商法第一八九条第二項に基づいて負担する債務は商事債務か。
最高裁判所第三小法廷昭和39年5月26日昭和36(オ)924民集 第18巻4号635頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨株式払込金保管証明をした銀行が商法第一八九条第二項に基づいて負担する、証明金額を支払うべき債務は、商行為によつて生じた債務と解すべきである。
参照法条商法189条,商法503条,商法522条
会社が商業登記簿上の名称以外の名称を用いて振り出した手形が当該会社提出の手形と認められた事例。
最高裁判所第二小法廷昭和39年4月17日昭和38(オ)45民集 第18巻4号543頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商業登記簿上の名称が「D(平仮名)林業株式会社」である会社が営業上「D林業株式会社」の名称を用いるのを常とし、手形取引においてもその名称を用いていた場合、右名称を用いて振り出した手形は右会社振出の手形として有効である。
参照法条手形法1条,手形法75条7号,商法16条
一 運送品滅失毀損の場合の運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権の競合 二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには運送取扱人ないし運送人の故意または重過失を必要…
最高裁判所第三小法廷昭和38年11月5日昭和35(オ)1456民集 第17巻11号1510頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 運送品の取扱上通常予想される事態ではなく、契約本来の目的範囲を著しく逸脱する態様において、運送品の滅失、毀損が生じた場合には、運送取扱人ないし運送人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権との競合が認められる。 二 前項の不法行為に基づく損害賠償請求権の成立が認められるためには、運送…
参照法条商法560条,商法577条,商法566条,民法709条,民法715条
商法第二六条第一項の商号の続用にあたらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和38年3月1日昭和35(オ)991民集 第17巻2号280頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨「有限会社D」から営業を譲り受けた者が「合資会社E」の商号を使用するときは、商法第二六条第一項の商号を続用する場合にあたらない。
参照法条商法26条1項
農業協同組合連合会は民法第一七三条第一号にいう生産者および卸売商人にあたるか。
最高裁判所第二小法廷昭和37年7月6日昭和34(オ)612民集 第16巻7号1469頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨農業協同組合連合会は、民法第一七三条第一号にいう生産者および卸売商人にあたらない。
参照法条農業協同組合法5条,農業協同組合法10条,民法173条,商法4条,商法501条,商法502条
一 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第四条による株券の没収は株主催に及ぶか 二 右株券が押収に係るものである場合の没収の効力の発生時期 三 右株券没収の言渡を受けた者が没収の効力発生後国に対する名義書換までの間に交付を受けた利益配当金及び無償…
最高裁判所第二小法廷昭和37年4月20日昭和32(オ)628民集 第16巻4号860頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第四条により株券が没収されたときは、没収の効力は右株券に表彰される株主催に及ぶものと解すべきである。 二 右の株券が押収されている場合には、検察官の命令による執行をまたず、没収の判決の確定と同時に没収の効力(没収の言渡を受けた者と国との間における国庫帰属の効力)を生ずる。 三 右の株券…
参照法条経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律4条,商法290条2項,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律3条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律5条,民法703条,刑訴法490条
一 会社が発行する株式総数中に未発行部分がある場合に、株式総数を増加する旨の定款変更をなしうるか 二 再評価積立金の資本組入による一部有償交付新株の発行を条件とする株式総数増加の定款変更決議の適否
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月8日昭和31(オ)277民集 第16巻3号473頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社が発行する株式総数中に未発行部分がある場合でも、発行済株式総数の四倍を超えない範囲内で会社が発行する株式総数を増加する旨の定款変更をなしうる。 二 再評価積立金の資本組入による一部有償交付新株の発行を条件として、発行済株式総数に右新株発行総数を加えた数の四倍を超えない範囲内で会社が発行する株式総数を増加する旨の…
参照法条商法347条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律3条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律4条,株式会社の再評価積立金の資本組入に関する法律7条
商法第二三条の適用範囲。
最高裁判所第三小法廷昭和36年12月5日昭和34(オ)539民集 第15巻11号2652頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨自己の商号を使用して営業をなすことを許諾した者は、その者の営業の範囲内の行為についてのみ商法第二三条の責任を負うと解すべきである。
参照法条商法23条
商法第二八条の広告にあたらない事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年10月13日昭和34(オ)697民集 第15巻9号2320頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨甲、乙、丙の三会社が営業を廃止し、新たに丁会社が設立されて旧三会社と同一の中央卸売市場における水産物等の卸売業務を開始するという趣旨の書面を丁会社が旧三会社の取引先に送付しても、商法第二八条にいう債務引受の広告をしたことにあたらない。
参照法条商法28条
商号変更に関する株主総会の決議前に、新商号のもとに振り出された約束手形につき会社が振出人としての責を負うとされた事例。
最高裁判所第三小法廷昭和36年10月10日昭和32(オ)783民集 第15巻9号2281頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨登記簿上A商号B目的代表取締役甲名義の株式会社が株主総会の決議なしに実際上C商号D目的代表取締役乙名義のもとに三ケ月余にわたつて取引活動をして来た場合、乙がC商号を使用し、その代表者として振り出した約束手形については、その後商号および目的の変更、乙の取締役選任の各決議がなされ、かつ乙が代表取締役に選任され、右につき各登…
参照法条手形法8条,手形法78条,商法12条,民法113条
商法第二一条の規定により商号使用の禁止を請求することができるとした事例。
最高裁判所第二小法廷昭和36年9月29日昭和34(オ)1188民集 第15巻8号2256頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨わが国においてとくに市民の生活と関係のある有数の大会社で、世人にあまねく知られている甲会社が本店を移転する計画で建設した新社屋の所在地と同一行政区画内において、甲会社と同一の事業を営むに足りる能力および準備のない乙会社がその商号および目的を甲会社と同一のものに変更し、これを登記したこと、そのため、甲会社は新社屋所在地に…
参照法条商法21条,商法19条,商法中改正法律施行法(昭和13年法律73号)5条2項,東京都制(昭和18年法律89号)191条,地方自治法附則2条
不特定物の売買と商法第五二六条の適用の有無。
最高裁判所第二小法廷昭和35年12月2日昭和33(オ)409民集 第14巻13号2893頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨不特定物の売買にも商法第五二六条の適用がある。
参照法条商法526条
「東京地方裁判所厚生部」のした取引と同裁判所の責任。
最高裁判所第二小法廷昭和35年10月21日昭和31(オ)835民集 第14巻12号2661頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一般に官庁の部局をあらわす文字である「部」と名付けられ、裁判所庁舎の一部を使用し、現職の職員が事務を執つていた「東京地方裁判所厚生部」は、東京地方裁判所の一部局としての表示力を有するものと認めるべきであり、東京地方裁判所当局が同部の事業の継続処理を認めた以上、これにより同裁判所は、「厚生部」のする取引が自己の取引なるか…
参照法条民法109条,商法23条
商号変更および代表取締役就任の登記の未了と会社の代表取締役として約束手形の振出をした者の手形上の責任。
最高裁判所第一小法廷昭和35年4月14日昭和32(オ)175民集 第14巻5号833頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨実在する会社の代表取締役として約束手形の振出をした者は、会社の商号変更および右代表取締役の就任につき登記がされていなくても、個人として手形上の責任を負うものではない。
参照法条手形法8条,商法12条
一 荷渡依頼書による依頼の撤回 二 特定物の売買において当然には所有権が移転しないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和35年3月22日昭和32(オ)448民集 第14巻4号501頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 寄託者から受寄者である倉庫業者に対し荷渡先を指定した上これに受寄物たる商品を引渡すことを依頼するいわゆる荷渡依頼書が、荷渡先の第三者に交付された後であつても、右第三者がこれを受寄者に呈示する以前寄託者において受寄者に対する通知により依頼を撤回することを妨げない。 二 倉庫に寄託中のハンカチーフ売買契約において、代金…
参照法条商法597条,民法176条
運送人の債務不履行につき過失がないとはいえないとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和35年3月17日昭和32(オ)993民集 第14巻3号451頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨運送人甲の使用人乙が、かつて荷受人を天草郡a町丙(設立準備中の有限会社)とする物品運送に従事した際、丙の設立事務所に目的物を運送したことがあるにもかかわらず、約一ケ月後に締結された右と同様の荷受人の表示がある運送契約において、運送品を丁の指示に従い同人の居宅に配達してこれを滅失させたときは、前記設立事務所にはこれを示す…
参照法条商法577条
商法第二三条の「自己ノ氏ヲ使用シテ営業ヲ為スコトヲ他人ニ許諾シタル」場合にあたる事例。
最高裁判所第一小法廷昭和34年6月11日昭和33(オ)53民集 第13巻6号692頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨Aの氏を有し、以前A製材組合の商号で木材業をしたことのある者が、木材業を営む甲のため、自己の居宅内およびその附近の一部を甲の事務所、木材置場として使用させ、玄関の土間の部分に「A木材」の看板を掲げることを許す等、原審認定のような事情(原判決理由参照)があつたときは、右の者は、同人の氏を使用して営業をなすことを甲に許諾し…
参照法条商法23条
営業の準備行為はいわゆる附属的商行為となるか
最高裁判所第一小法廷昭和33年6月19日昭和32(オ)1183民集 第12巻10号1575頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨特定の営業を開始する目的で準備行為をしたときは、商人が営業のためにする行為をしたものと解すべきである
参照法条商法4条1項,商法503条1項,商法511条1項
商法第二三条の責任が認められた一事例
最高裁判所第二小法廷昭和33年2月21日昭和30(オ)710民集 第12巻2号282頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨建築請負を業務とする株式会社が事実上の連絡のため某出張所を開設し、甲がその出張所長と称し、同出張所名義をもつて、同出張所の独立会計により、他と請負契約をなした場合にかかる事例が既往に二、三あり、会社もその事実を諒知していたときは、会社は甲に自己の商号を使用して営業をなすことを許諾したものとみとめるべきである。
参照法条商法23条
商法第五五一条の「物品」と有価証券
最高裁判所第一小法廷昭和32年5月30日昭和31(オ)104民集 第11巻5号854頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第五五一条の「物品」中には、有価証券を包含する。
参照法条商法551条
倉荷証券の裏書譲渡と保管料その他の費用支払に関する債務の承継
最高裁判所第三小法廷昭和32年2月19日昭和31(オ)394民集 第11巻2号295頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨倉荷証券に保管料等寄託物に関する費用は証券所持人の負担とする趣旨の文言の記載がある場合、第三者が裏合書譲渡によりその倉荷証券を取得したときは、特段の事情のないかぎり、各当事者間にその所持人が記載の文言の趣旨に従い右費用支払の債務を引受けるという意思の合致があるものと解するのを相当とする。
参照法条商法627条,商法599条,商法602条,商法603条1項,商法618条
自己名義をもつて薬局開設の登録申請をすることを他人に許容した者と商法第二三条の責任
最高裁判所第一小法廷昭和32年1月31日昭和28(オ)586民集 第11巻1号161頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨他人の依頼に基き、自己名義をもつて薬局開設の登録申請をすることを他人に許容した者は、その登録がなくても、当該薬局の取引上の債務につき、商法第二三条による責任を負担するものと解すべきである。
参照法条商法23条
問屋が受託事務を再委託した場合と民法第一〇七条第二項の準用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和31年10月12日昭和27(オ)915民集 第10巻10号1260頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨物品販売の委託を受けた問屋が他の問屋にこれを再委託した場合、再委託を受けた問屋と委託者本人との間に民法第一〇七条第二項を準用すべきでない。
参照法条商法552条2項,民法107条2項
貸金業の届出が受理された者のなす金融行為は商行為か
最高裁判所第三小法廷昭和30年9月27日昭和27(オ)882民集 第9巻10号1444頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨貸金号の届出が受理された者がなす場合でも金融行為自体は商行為ではない。
参照法条旧貸金業等の取締に関する法律(昭和24年法律170条)3条,商法501条,商法502条
他人に自己の商号の使用を許諾した者の責任
最高裁判所第二小法廷昭和30年9月9日昭和28(オ)1315民集 第9巻10号1247頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨売買契約の締結につき、売主に自己の商号の使用を許諾した者は、右売主が売買の合意解除に際し買主に対し手附金を返還することを約した場合、右手附金返還債務につき商法第二三条の規定による責任を免れない。
参照法条商法23条
一 商法第五一四条にいう「商行為ニ因リテ生シタル債務」の意義 二 商行為たる売買契約の合意解除に基く前渡代金返還債務と商法第五一四条の適用の有無
最高裁判所第一小法廷昭和30年9月8日昭和29(オ)112民集 第9巻10号1222頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 商法第五一四条にいう「商行為ニ因リテ生シタル債務」とは、単に債務者にとり商行為たる行為によつて生じた債務に限らず、債権者にとり商行為たる行為によつて生じた債権をも含むものと解するのが相当である。 二 商行為たる売買契約の合意解除に基く前渡代金返還債務にも、商法第五一四条の適用があるものと解するのが相当である。
参照法条商法514条
運送取扱人ないし運送人の行為が無過失といえない一事例
最高裁判所第三小法廷昭和30年4月12日昭和28(オ)528民集 第9巻4号474頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨運送取扱人ないし運送人が、予め発送人に対し通知もせず、その指図も受けないで、運送品を、荷受人でない第三者に引渡した場合は、単に原審認定のような事情(原判決参照)があるだけでは、未だこれを無過失ということはできない。
参照法条商法560条,商法577条
鉄道による貨物運送契約は要式契約か
最高裁判所第一小法廷昭和30年1月27日昭和28(オ)967民集 第9巻1号42頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨鉄道による貨物運送契約は、荷送人から鉄道営業者に対する運送状の交付を必要とする要式契約ではない。
参照法条商法570条,鉄道営業法2条,鉄道運輸規程50条,鉄道運輸規程52条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)1条,連絡運輸規則(昭和25・5・25国有鉄道公示第109号)108条2項
商法第一二条と第三者相互間における適用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和29年10月15日昭和27(オ)957民集 第8巻10号1898頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商法第一二条は、第三者相互の間においては適用ない。
参照法条商法12条
商法第二八条の広告にあたる一事例
最高裁判所第一小法廷昭和29年10月7日昭和26(オ)648民集 第8巻10号1795頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨「今般弊社はD線、E線の地方鉄道軌道業並に沿線バス事業を甲会社より譲受け、乙会社として新発足することになりました」との広告は、甲会社の右事業の営業によつて生じた債務を、乙会社において引受ける旨の広告にあたると解するを相当とする。
参照法条商法28条
会社、労働組合間の退職金支給に関する協約と商行為
最高裁判所第二小法廷昭和29年9月10日昭和27(オ)329民集 第8巻9号1581頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨会社とその従業員をもつて組織する労働組合との間に成立した退職金に関する協約上の約定は商行為であつて、右約定に基く退職金債権はこれを商事債権と認むべきである。
参照法条商法503条,商法514条
商事売買における目的物の瑕疵と代金減額請求権の有無
最高裁判所第二小法廷昭和29年1月22日昭和26(オ)566民集 第8巻1号198頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商事売買においても、目的物に瑕疵あることを理由として代金減額の請求をすることはできない。
参照法条商法526条,民法570条,民法566条
営業所の借地権の放棄契約と商法第五〇九条の適用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和28年10月9日昭和27(オ)604民集 第7巻10号1072頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨商人の借地権の放棄に関する契約は、たとえ右借地権がその営業所の敷地に関する場合であつても、商法第五〇九条にいわゆる「其営業ノ部類ニ属スル契約」とはいえない。
参照法条商法509条
一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡の効力。 二 木工品製作業の附帯事業の範囲。 三 木材統制法と立木伐木の買入。 四 木材業又は製材業が許可事業であることと、その許可を受けずして附帯事業としてなす立木伐木の買入。 五 介…
最高裁判所第二小法廷昭和24年6月4日昭和23(オ)69民集 第3巻7号235頁
位置づけ最高裁 / 民集登載
裁判要旨一 会社役員たる資格を与えるためのいわゆる資格株の譲渡であつて、後日返還することを約したものであるからといつて、その譲渡を仮装であるということはできない。 二 附帯事業というのは、主たる目的事業に関連のある各種の事業をいうのであつて木工品の製作を主たる目的とする事業の附帯事業のうちには、その資材原料たる立木、伐木等の買…
参照法条民法94条1項,商法204条,商法264条1項,商法264条,商法(昭和25年法律167号による改正前のもの)264条2項,木材統制法1条,木材統制法6条
最高裁 / 刑集登載3件
質権設定者が質入れした株券につき除権判決を得て失効させ質権者に損害を加えた場合と背任罪の成否
最高裁判所第三小法廷平成15年3月18日平成11(あ)941刑集 第57巻3号356頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨株式を目的とする質権の設定者が,質入れした株券について虚偽の申立てにより除権判決を得て株券を失効させ,質権者に損害を加えた場合には,背任罪が成立する。
参照法条刑法247条,商法207条,商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)230条,公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律769条
設立中の株式会社の財産について横領罪の成立する一事例
最高裁判所第一小法廷昭和32年12月19日昭和28(あ)5403刑集 第11巻13号3316頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨株式会社設立のため出資された資金によつて建設された建物が、会社設立前でも出資者の組合財産であると認められる場合は、その組合の事業を委されている者がこれを自己名義に保存登記をした上、自己の債務の弁済に供するため他に譲渡した場合は横領罪を構成する。
参照法条刑法252条,民法667条,民法668条,商法535条,商法536条
倉荷証券に記載された物件の大部分が虚偽無価値のものである場合にその倉荷証券を担保として金融を受けた行為と詐欺罪の成否
最高裁判所第二小法廷昭和29年6月11日昭和27(あ)4447刑集 第8巻6号859頁
位置づけ最高裁 / 刑集登載
裁判要旨倉荷証券に記載されている物件の大部分が虚偽無価値のものであることを知れば相手方は同証券を担保に金員を交付することがなかつた関係がある以上、右倉荷証券自体は真正に成立したものであるため、相手方と倉庫営業所との間における寄託に関する事項は同証券に記載されているところによるとしても刑法第二四六条第一項の詐欺罪の成立を妨げない…
参照法条刑法246条,商法627条,商法602条,商法599条
最高裁 / 裁判集登載76件
匿名組合契約の営業者が新たに設立される株式会社に出資するなどし,同社が営業者の代表者等から売買により株式を取得した場合において,営業者に匿名組合員に対する善管注意義務違反はないとした原審の判断に違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成28年9月6日平成27(受)766集民 第253号119頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨匿名組合契約の営業者であるY1社が,その営業として,新たに設立される株式会社A社の資本金の8割を出資し,A社の発行する新株予約権付社債を引き受け,A社がY1社の代表取締役であるY2及びその弟であるY3から売買によりB社株式を取得した場合において,次の(1)及び(2)など判示の事情の下では,上記の出資,引受け及び売買に係…
参照法条商法535条,民法415条
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害…
最高裁判所第一小法廷平成26年1月30日平成24(受)1600集民 第246号69頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
参照法条(1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法
423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲
最高裁判所第三小法廷平成24年5月29日平成22(受)2035集民 第240号261頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において,上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は,上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺…
参照法条商法(平成20年法律第57号による改正前のもの)662条,保険法25条,民法91条,民法709条,民法722条2項
1 損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき支払われるべき保険金の額の算定方法 2 自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づく保険金の支払債務に係る遅延損害金の利率
最高裁判所第二小法廷平成24年4月27日平成21(受)1923集民 第240号223頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨1 損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき支払われるべき保険金の額は,損害の元本の額から,自動車損害賠償責任保険等からの支払額の全額を差し引くことにより算定すべきであり,上記支払額のうち損害の元本に対する遅延損害金に充当された額を控除した残額を差し引くことにより算定す…
参照法条(1,2につき)民法91条 (1につき)保険法第2章 損害保険 (2につき)商法514条
信用協同組合の商人性
最高裁判所第二小法廷平成18年6月23日平成17(受)1192集民 第220号565頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は,商法上の商人には当たらない。
参照法条中小企業等協同組合法1条,中小企業等協同組合法3条,中小企業等協同組合法9条の8,商法4条
宿泊客がフロントに預けなかった物品の滅失毀損等につきホテル側に故意又は重大な過失がある場合とホテルの損害賠償義務の範囲を制限する宿泊約款の定めの適用
最高裁判所第二小法廷平成15年2月28日平成13(受)1061集民 第209号143頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨ホテルの宿泊客がフロントに預けなかった物品等で事前に種類及び価額の明告のなかったものが滅失,毀損するなどしたときにホテルの損害賠償義務の範囲を15万円の限度に制限する宿泊約款の定めは,ホテル側に故意又は重大な過失がある場合には適用されない。
参照法条民法91条,商法594条,商法595条
商法704条2項にいう先取特権と民法上の先取特権
最高裁判所第三小法廷平成14年2月5日平成13(許)10集民 第205号395頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法704条2項にいう先取特権には,民法上の先取特権も含まれる。
参照法条民法303条,商法704条2項
宅配便の荷受人が運送会社に対して運送中の荷物の紛失を理由として運送契約上の責任限度額を超える損害の賠償を請求することが信義則に反し許されないとされた事例
最高裁判所第一小法廷平成10年4月30日平成6(オ)799集民 第188号385頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨荷受人甲が、宅配便を利用して宝石類を送付することができないことを知りながら、荷送人乙が運送会社丙の宅配便を利用してダイヤモンド等を送付することを容認していたなど判示の事実関係の下においては、運送中の右ダイヤモンド等の紛失を理由として甲が丙に対し乙丙間の運送契約上の責任限度額三〇万円を超える損害の賠償を請求することは、信…
参照法条民法1条2項,民法91条,民法709条,商法577条,商法578条,商法580条,商法583条
定期傭船者が船舶の衝突による損害賠償義務を負うとされた事例
最高裁判所第三小法廷平成4年4月28日昭和63(オ)1737集民 第164号339頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨船舶の使用に関する一切の命令指示等の権限は定期傭船者に属すること、定額の傭船料を支払うことなどの約定がありながら、定額の傭船料は実際に支払われたことがなく、定期傭船者には船長の任免権があるとはいえない場合であつても、船舶が専属的に定期傭船者営業の運送に使用され、その煙突には定期傭船者のマークが表示されており、その運航に…
参照法条商法690条,商法704条1項
証券会社の従業員の無断売買によつて生じた差損などを顧客の信用取引口座から曳き落とす処理がされた場合と顧客の損害発生の有無
最高裁判所第二小法廷平成4年2月28日昭和63(オ)386集民 第164号113頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨証券会社の従業員が顧客の信用取引口座を利用して無断売買をし、その結果生じた差損などに相当する金員をその顧客の信用取引口座から引き落とす処理がされたとしても、顧客に右金員相当の損害が生じたものということはできない。
参照法条民法415条,民法644条,商法552条,証券取引法49条
鉄道営業法一一条ノ二第二項及び鉄道運輸規程七三条二号と商法五七八条との関係
最高裁判所第二小法廷昭和63年3月25日昭和60(オ)1023集民 第153号577頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨鉄道営業法一一条ノ二第二項及び鉄道運輸規程七三条二号は、商法五七八条の特則である。
参照法条鉄道営業法11条ノ2第2項,鉄道運輸規程73条2号,商法578条
一 取締役を辞任したが辞任登記未了である者と商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任の有無 二 取締役を辞任したが辞任登記未了である者が商法一四条の類推適用により同法(昭和五六年法律第七…
最高裁判所第一小法廷昭和62年4月16日昭和58(オ)678集民 第150号685頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合を除いては、特段の事情がない限り、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引した第三者に対しても、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前…
参照法条商法12条,商法14条,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3第1項
宗教法人の代議制意思決定機関がした決議の不存在確認の訴えの利益の有無
最高裁判所第一小法廷昭和62年3月12日昭和57(オ)1229集民 第150号331頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宗教法人の代議制意思決定機関がした決議の不存在確認の訴えは、当該法人の人的構成要素であり、かつ、右機関の議員の選挙及び被選挙資格を有する者によつてされた場合であつても、そのことの故に直ちに確認の利益があるものとはいえない。
参照法条民訴法225条,商法252条,宗教法人法12条1項6号
一 商業登記法二四条違反の瑕疵ある登記と審査請求が許される事由 二 商法一九条に反する登記申請が受理され登記が完了したときと審査請求の許否
最高裁判所第一小法廷昭和60年2月21日昭和59(行ツ)232集民 第144号119頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 登記の申請が商業登記法二四条各号所定の却下事由に該当していても、これが受理されて登記が完了したときは、審査請求により右登記の抹消を求めることができるのは、登記につき登記官による職権抹消事由が存することを理由とする場合に限られる。 二 商法一九条の規定に反し登記することができない商号の登記を目的とする登記申請でも、登…
参照法条商業登記法24条13号,商業登記法27条,商業登記法109条1項,商業登記法110条1項,商業登記法114条,商法19条
船舶所有者が被用者である船長に対しその加害行為により被つた損害についてする賠償又は求償の請求と信義則に基づくその制限
最高裁判所第三小法廷昭和60年2月12日昭和59(オ)1085集民 第144号99頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨船舶所有者がその被用者である船長の加害行為により被つた損害につき船長に対してする損害の賠償又は求償の請求についても、信義則を適用しこれを制限することを妨げない。
参照法条民法1条2項,民法709条,民法715条3項,商法705条1項
航海中の遠洋鮪漁船に補給された燃料油や食料等の代金債権がわが国において船舶所有者が締結した契約に基づいて生じたものである場合に右債権が商法八四二条六号所定の債権にあたるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和59年3月27日昭和57(オ)859集民 第141号435頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨航海中の遠洋鮪漁船に補給された燃料や食料等の代金債権がわが国において船舶所有者が締結した契約に基づいて生じたものであつても、右債権は、商法八四二条六号所定の債権にあたる。
参照法条商法842条6号
遠洋まぐろ漁船につき本邦を出港し一年有余の漁獲ののち帰港するまでの全航海が商法八四二条六号所定の「航海」にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和58年3月24日昭和54(オ)412集民 第138号333頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨漁場が遠方洋上にあつて漁獲期間が一年有余にわたること、漁獲物の刺身用まぐろが本邦でのみ消費され海外での水揚げはできないこと、漁具及び餌が特殊なもので本邦でしか調達できないことなどから、本邦を出港し本邦に帰港するまでを一航海として、水揚げ代金から船員の生産奨励金、補給その他経費等の各債権の清算をする方式がとられている遠洋…
参照法条船舶法35条,商法842条6号
船舶の発航により商法八四二条八号所定の先取特権を消滅させた行為が不法行為にあたらないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和58年3月24日昭和56(オ)1213集民 第138号361頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨船舶所有者がその所有の船舶につき第三者が商法八四二条八号所定の先取特権を有することを知りながらこれを発航させて右先取特権を消滅させるに至つたとしても、右船舶所有者が船舶発航前に先取特権者の権利行使を妨げる行為をしたなどの特段の事情のない限り、右発航行為をもつて先取特権者の権利を違法に侵害した不法行為にあたるということは…
参照法条民法709条,商法842条8号,商法847条2項
営業につき他人名義の貸与を受けた者が取引行為の外形をもつ不法行為により負担した損害賠償債務と商法二三条にいう「其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務」
最高裁判所第三小法廷昭和58年1月25日昭和57(オ)384集民 第138号65頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨営業につき他人名義の貸与を受けた者が取引行為の外形をもつ不法行為により負担した損害賠償債務も、商法二三条にいう「其ノ取引ニ因リテ生ジタル債務」に含まれる。
参照法条商法23条
倉荷証券の裏書人欄に裏書人である会社の記名及び会社印の押捺はあるがその代表機関の署名ないし記名捺印がない裏書を適式として扱う商慣習法又は商慣習の存否
最高裁判所第一小法廷昭和57年7月8日昭和53(オ)1284集民 第136号429頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨倉荷証券の裏書人欄に裏書人である会社の記名がされ、かつ、倉荷証券を発行した倉庫営業者にあらかじめ届出がされた右裏書人の会社印が押捺されている場合には、会社の代表機関が会社のためにすることを示して署名ないし記名捺印をしなくても、これを適式の裏書として扱う旨の商慣習法又は商慣習の存在は認められない。
参照法条民法92条,手形法13条,商法1条,商法519条,商法603条
B鉄道の職員のいわゆる遵法闘争により急行列車が延着した場合とB鉄道旅客営業規則二八九条二項の適用
最高裁判所第二小法廷昭和55年7月18日昭和54(オ)1181集民 第130号287頁
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裁判要旨B鉄道の職員のいわゆる遵法闘争により急行列車が延着した場合にもB鉄道旅客営業規則二八九条二項の適用がある。
参照法条商法590条,旅客営業規則(昭和33年日本国有鉄道公示第325号)289条2項
自己の名称を使用して営業を営むことを許諾した場合において、被許諾者が右名称を使用して営業を営むことがなくても、商法二三条の類推適用があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和55年7月15日昭和53(オ)1399集民 第130号227頁
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裁判要旨(省略)
参照法条商法23条
貨物の運送中における滅失について運送人の使用人に重大な過失があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和55年3月25日昭和54(オ)1358集民 第129号339頁
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裁判要旨運送人の使用人が荷送人から引渡を受けた貨物を自動車に積込んだ際、後部扉を下しただけで施錠せず、また扉が完全にかんごう(嵌合)してボタンを押さない限り開扉しない状態になつているかの確認もしないまま、次の集荷先に向つて発車したため、右貨物が路上に落下して滅失した場合には、右貨物の滅失について、右使用人に重大な過失がある。
参照法条商法581条
団体の名目的な代表者となることを団体の事業を専行処理している他人に許諾した場合におしてその他人が団体名義で第三者とした取引と民法の表見代理に関する規定及び商法二三条の規定の類推適用の有無
最高裁判所第三小法廷昭和53年3月28日昭和50(オ)428集民 第123号297頁
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裁判要旨権利能力なき社団又は財団としての実態をも有しない団体の名目的な代表者となることを、その団体の事業を専行処理している甲に対して許諾したにすぎない乙は、甲が右団体名義で第一者とした取引につき、その取引の実質は乙と右第三者との取引に等しいものであることが甲と右第三者との間において了解されていたというような特段の事情のない限り…
参照法条民法109条,民法110条,民法112条,商法23条
通用期間を満了した私鉄定期乗車券の不正使用にあたるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和53年2月9日昭和52(オ)1058集民 第123号23頁
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裁判要旨旅客が乗車の目的をもつて通用期間満了後の私鉄定期乗車券を改札口で係員に呈示したときは、右私鉄会社の営業規則に定める定期乗車券の期間満了後における不正使用にあたる。
参照法条商法502条4号,商法569条
商法一二条にいう正当事由があるとはいえないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和52年12月23日昭和52(オ)893集民 第122号613頁
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裁判要旨株式会社が代表取締役の代表資格喪失及び取締役退任の登記をして約一月を経たのち、同人が会社に無断で振出した手形の受取人には、右代表資格喪失の事実を知らなかつたことにつき商法一二条の正当事由があるとはいえない。
参照法条商法12条
相互銀行が作成すべき商法二八一条一項所定の貸借対照表、損益計算書、準備金及び利益又は利息の配当に関する議案並びに附属明細書に記載する金額の単位
最高裁判所第三小法廷昭和52年12月23日昭和52(オ)976集民 第122号619頁
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裁判要旨相互銀行が作成すべき商法二八一条一項所定の貸借対照表損益計算書、準備金及び利益又は利息の配当に関する議案並びに附属明細書に金額を千円単位で記載しても違法ではない。
参照法条商法281条1項,株式会社の貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する規則の特例に関する省令2条,相互銀行法施行規則7条,相互銀行法施行規則8条,相互銀行法施行規則9条の2
一、裁判所が労働基準法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了した場合と附加金の支払を命じることの可否 二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率 三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履行遅…
最高裁判所第二小法廷昭和51年7月9日昭和48(オ)682集民 第118号249頁
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裁判要旨一、使用者に労働基準法二〇条の違反があつても、裁判所が同法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了したときは、裁判所は附加金の支払を命じることはできない。 二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率は商事法定利率によるべきである。 三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履…
参照法条労働基準法114条,商法4条,商法503条,商法514条,民法404条,民法419条
製造物供給契約の目的物が商法五二四条の供託又は自動売却に適しないとして注文者の受領拒否を理由とする受注者からの契約解除及び損害賠償請求が認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和50年9月26日昭和49(オ)721集民 第116号87頁
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裁判要旨化粧品の製造販売を業とする被上告人はかねて化粧品の販売を業とする上告人より注文を受け同人の指示にしたがつて化粧品を製造して供給し、右化粧品は上告人の販売網を通じて他に売却されていたところ、昭和四一年二月二四日及び同年四月四日被上告人は上告人よりマニキュア、除光液及びアイライン等計四六〇〇ダースの注文を受け製造にとりかか…
参照法条商法524条,民法541条
商品の先物取引において仲買人が委託者の指図に従う義務
最高裁判所第三小法廷昭和50年7月15日昭和47(オ)334集民 第115号419頁
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裁判要旨商品の先物取引において、仲買人は、商品の売付け又は買付けの委託を受けた場合に、取引が終了するまでは、反対売買等につき新たな合意を要することなく、委託者の指図に従う義務がある。
参照法条商法552条2項,民法644条
商法二〇条二項にいう同一の営業の意義
最高裁判所第一小法廷昭和50年7月10日昭和46(オ)1191集民 第115号261頁
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裁判要旨商法二〇条二項にいう同一の営業とは、社会的見地に立つて営業目的自体を対比し、一方の営業目的が他方のそれを包含し、その主要部分が同一であることをいう。
参照法条商法20条2項
質屋営業者の金員貸付行為と商行為
最高裁判所第三小法廷昭和50年6月27日昭和50(オ)152集民 第115号167頁
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裁判要旨質屋営業者の金員貸付行為は、商行為にあたらない。
参照法条商法502条8号
商品取引所の取引員が委託者の指図に基づかないで建玉の反対売買をした場合と委託者の損害
最高裁判所第三小法廷昭和49年10月15日昭和47(オ)1312集民 第113号5頁
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裁判要旨商品取引所の取引員が委託者の指図に基づかないで建玉の反対売買をしたときは、委託者としては指図による反対売買により得べかりし利益を喪失し、これと同額の損害を被ることがありうる。
参照法条商法551条,商法552条2項
一、東京証券取引所受託契約準則一三条の九による会員の反対売買権の性質 二、会員の反対売買権行使の時期と証券の市場価格の変動による顧客の損失
最高裁判所第一小法廷昭和49年4月25日昭和48(オ)447集民 第111号599頁
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裁判要旨一、東京証券取引所受託契約準則一三条の九は、顧客が所定の時限までに買付代金を会員に交付しないときには、会員は、任意に、当該売買取引を決済するために、顧客の計算において買付証券を売却して買付代金に充当する権限があることを定めたものであり、会員は、このような場合、直ちに買付証券を売却すべき義務を負うものではない。 二、会員…
参照法条商法556条,商法524条
一、信用協同組合の商人性 二、信用協同組合の商人たる組合員に対する貸金債権と商事消滅時効
最高裁判所第二小法廷昭和48年10月5日昭和46(オ)781集民 第110号165頁
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裁判要旨一、中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は、商法上の商人にあたらない。 二、中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合の商人たる組合員に対する貸金債権には、商法五〇三条、三条一項により、同法五二二条が適用される。
参照法条中小企業等協同組合法1条,中小企業等協同組合法9条の8,商法4条,商法522条
木場の木材取引業者間に授受された荷渡指図書にいわゆる物権的効力は認められないとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和48年3月29日昭和44(オ)669集民 第108号533頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨木場の木材取引業者である甲が、自己の占用水面において筏屋を占有補助者として占有中の木材を乙に売り渡し、その木材を乙の占用水画への回漕を筏屋に依頼する一手段として、甲が筏屋に宛てて右木材を乙に引き渡されたい旨記載した荷渡指図書を発行して乙に交付した場合においても、木場の木材取引業者間において、かかる荷渡指図書の交付なり呈…
参照法条商法1条,商法575条
不動産買受仲介の依頼が解除されていない場合に宅地建物取引業者の報酬請求権が否定された事例
最高裁判所第一小法廷昭和48年1月25日昭和47(オ)302集民 第108号33頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宅地建物取引業者甲が乙から土地買受の仲介依頼を受けて仲介に努めたが、土地所有者丙に売却の意思がないため売買契約が成立しなかつたところ、のちに丙の依頼した者の仲介で丙乙間に売買契約が成立した場合は、甲の仲介行為と右売買契約との間に因果関係がなく、乙において故意に右業者の仲介を排除したものでもなく、甲は、乙に対し報酬請求権…
参照法条商法512条,商法550条1項,宅地建物取引業法46条
商行為たる契約に基づく債務の不履行を原因とする損害賠償債務と商事債務
最高裁判所第一小法廷昭和47年5月25日昭和46(オ)792集民 第106号153頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨契約上の債務の不履行を原因とする損害賠償債務は、当該契約が商行為たる性格を有するのであれば、商法五一四条にいう「商行為二因リテ生ジタル債務」にあたる。
参照法条商法514条
商人間の不特定物を目的とする売買における不完全履行と代物請求権
最高裁判所第三小法廷昭和47年1月25日昭和46(オ)533集民 第105号19頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商人間の不特定物を目的とする売買において、瑕疵のある物が給付された場合においても、商法五二六条一項の適用の結果、買主において契約を解除しえず、また損害の賠償をも請求しえなくなつたのちにおいては、買主は売主に対し、もはや完全な給付を請求することはできないものと解すべきである。
参照法条民法415条,民法570条,商法526条
商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義
最高裁判所第二小法廷昭和46年4月9日昭和44(オ)787集民 第102号439頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」とは、一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要な一部を譲渡し、これによつて、譲渡会社がその財産によつて営んでいた営業的活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限界に応じ法律上当然に競業避止義務を…
参照法条商法245条1項1号,商法25条
商法五七八条所定の高価品の意味
最高裁判所第三小法廷昭和45年4月21日昭和44(オ)1253集民 第99号129頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法五七八条所定の高価品とは、容積または重量の割に著しく高価な物品をいうものと解すべきである。
参照法条商法578条
会社の代表者が会社のためにすることを示さないで代表行為をした場合と商法五〇四条但書の適用
最高裁判所第一小法廷昭和45年3月26日昭和40(オ)14集民 第98号465頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の代表者が会社のためにすることを示さないで代表行為をした場合でも、それによつて、会社と相手方との間に有効な法律関係が生ずるが、相手方において代表者が会社のためにすることを知らなかつたときは、過失により知らなかつたものでないかぎり、商法五〇四条但書によつて、相手方と代表者個人との間にも右と同一の法律関係が生じ、相手方…
参照法条商法504条
商法五二六条の適用範囲
最高裁判所第一小法廷昭和45年2月26日昭和44(オ)1198集民 第98号291頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商法五二六条は売主および買主の双方が商人である場合にかぎり適用される。
参照法条商法526条
営業譲渡が認められるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年12月11日昭和44(オ)632集民 第97号753頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨個人商店の営業主が長男に自己の営業の実権を継承した旨を取引先に通知し、右長男において父から営業用商品の譲渡を受けるなどして、新たに営業を開始するなど、判示の如き事情のあるときには、右営業主からその長男に対して営業の譲渡がされたものと認めるのが相当である。
参照法条商法25条
一、連帯債務の成立について理由不備の違法があるとされた事例 二、連帯債務者の一人が消滅時効完成後債務を承認した場合において、同人が全債務について消滅時効を援用しえないとした判断に理由不備があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年11月13日昭和42(オ)1053集民 第97号249頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、共同買受人であるとの理由のみから直ちに買受代金債務を買受人全員の連帯債務であるとすることはできない。 二、連帯債務者の一人が消滅時効完成後債務を承認した場合において、連帯債務者間の各負担部分を確定することなく、直ちに、同人が全債務について消滅時効を援用しえないとすることはできない。
参照法条民法432条,民法428条,民法439条,民法440条,商法511条
一、運送取扱人ないし運送人の運送契約上の債務不履行に基づく賠償請求権と不法行為に基づく賠償請求権との関係 二、国際海上物品運送法一四条と運送人または荷役業者に対する不法行為に基づく損害賠償責任
最高裁判所第二小法廷昭和44年10月17日昭和43(オ)58集民 第97号35頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一、運送取扱人ないし運送人の運送契約上の債務不履行に基づく賠償請求権と不法行為に基づく賠償請求権は競合し、右不法行為責任は、運送品の取扱上通常予想される事態ではなく、契約本来の目的範囲を著しく逸脱する場合にだけ限定されるものではない。 二、国際海上物品運送法一四条は運送人または荷役業者に対する不法行為に基づく損害賠償請…
参照法条民法709条,民法415条,商法766条,商法566条,国際海上物品運送法14条,国際海上物品運送法3条
会社の代表取締役が不動産を買い受けた場合においてこれが右代表取締役個人のためにした売買契約であるとした事実認定に経験則違背の違法があるとされた事例
最高裁判所第一小法廷昭和44年9月11日昭和43(オ)280集民 第96号497頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨会社の代表取締役が他から不動産を買い受けた場合において、売主がその買主として信用のある個人を望み、各種会社、団体の役員をつとめ社会的信用のある右代表者個人をその最適任者と考え、売買契約においても右代表者個人の名義を使用したとしても、右会社が個人会社の実態を有し、その代金およびその後の維持費が会社の経理から支出され、右不…
参照法条商法504条,民訴法394条
確定期売買と認められた事例
最高裁判所第二小法廷昭和44年8月29日昭和44(オ)330集民 第96号443頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商人間の土地の売買において、当事者の意思表示により、一定の日時または一定の期間内に履行をなさなければ、契約をした目的を達することができないときは、その売買は確定期売買と解すべきである。
参照法条商法525条
倉荷証券の所持人が倉庫営業者に対して有する寄託契約上の寄託物引渡請求権と第三者異議の訴
最高裁判所第二小法廷昭和44年7月4日昭和43(オ)632集民 第96号53頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨倉荷証券の発行されている寄託物について、所有権を主張する者が、倉庫営業者を債務者として、右物件の執行官保管、占有移転禁止の仮処分を執行した場合において、倉荷証券の所持人は、単なる寄託契約上倉庫営業者に対して有する右物件の引渡請求権をもつてしては、右仮処分の執行の排除を求めることはできない。
参照法条民訴法549条,商法604条,商法573条,商法575条
宅地建物取引業者の報酬について法定の最高額をもつて相当額と認めた原審の判断に審理不尽・理由不備の違法があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日昭和40(オ)173集民 第93号863頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨(省略)
参照法条宅地建物取引業法(昭和39年法律第166号による改正前のもの)17条,民法648条,商法550条
受寄者の寄託者に対する寄託物返還義務が受寄者の責に帰すべき事由によつて履行不能となつた場合において、寄託者の填補賠償が認められなかつた事例
最高裁判所第二小法廷昭和42年11月17日昭和40(オ)879集民 第89号197頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨寄託者が寄託物(本件自動車)の所有者でなく、当該寄託物はその真の所有者の手中に帰つたなどの原判決確定の事実関係の場合においては、受寄者の責に帰すべき事由により寄託者に対する寄託物返還義務が履行不能になつたとしても、寄託者は、寄託物の価格相当の損害を蒙つたものということはできないから、受寄者に対し寄託物である本件自動車の…
参照法条商法617条
宅地建物取引業者は依頼者の代理人となれるか
最高裁判所第一小法廷昭和42年10月5日昭和42(オ)266集民 第88号639頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宅地建物取引業者は依頼者の代理人となれる。
参照法条商法543条,宅地建物取引業法13条
手形行為と商法第二三条
最高裁判所第三小法廷昭和42年6月6日昭和39(オ)815集民 第87号941頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨銀行との当座預金取引および手形行為について自己の氏名商号の使用を許諾したにすぎない者は、右許諾を受けた者が許諾者名義で引き受けた為替手形につき、商法第二三条による責任を負わない。
参照法条商法23条,手形法8条
名板貸人名義の偽造手形と商法第二三条の適用
最高裁判所第一小法廷昭和42年2月9日昭和39(オ)1172集民 第86号247頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨名板借人が名板貸人の意思にもとづかないで同人名義をもつて手形を振り出した場合でも、名板貸人は、商法第二三条の規定により、その手形金支払の責任を負う。
参照法条商法23条
中小企業等協同組合法により設立された協同組合に不正競争の目的がないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和41年12月6日昭和39(オ)1464集民 第85号537頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨中小企業等協同組合法により設立された「A協同組合」という名称の組合があるのに、同地区に同法により「B商工業協同組合」という名称の組合が設立されたとしても、原判示事実関係のもとにおいては、後者は前者に対して不正競争の目的を有するとはいえない。
参照法条商法20条,中小企業等協同組合法6条
名板貸人を営業主と誤認するについて相手方に重大な過失があるとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和41年5月17日昭和39(オ)1489集民 第83号517頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨D名義で手形を振出す等の行為があつた場合、相手方が該営業主をBと誤信したのは重大な過失がある。
参照法条商法23条
買主側の不動産取引業者が売主に対して仲介の報酬を請求できないとされた事例
最高裁判所第三小法廷昭和41年4月26日昭和38(オ)1161集民 第83号375頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨買主側の不動産取引業者の行為が不動産の売買契約成立の機縁をもたらしたものとしても、判示事実関係のもとにおいては、売主からとくに依頼を受けるとかまたはこれと同視すべき事情のない以上、右取引業者は、売主に対して仲介の報酬を請求することはできない。
参照法条商法512条,商法550条2項,宅地建物取引業法17条
不動産売買仲介の依頼が解除された場合における不動産取引仲介業者の報酬請求権。
最高裁判所第三小法廷昭和40年4月20日昭和38(オ)1075集民 第78号665頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨判示事情のもとでは、不動産売買の仲介の依頼が解除された場合でも、不動産取引仲介業者は報酬請求権を有しない。
参照法条商法512条,商法550条1項,宅地建物取引業法17条
一 「A」と「AB」との商号の類似性の有無。 二 類似商号であるとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和40年3月18日昭和39(オ)1013集民 第78号351頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 「A」と「AB」の両商号は、その文字呼称において「A」が共通であり、後者はこれに「B」の文字を加えたものにすぎないから、右の両商号は類似商号に該当する。 二 「A」と「AB」とは、原審認定の事実関係のもとで、類似商号ということができる。
参照法条商法20条
民法第一〇〇条但書、商法第五〇四条の主張責任。
最高裁判所第二小法廷昭和40年3月5日昭和39(オ)274集民 第78号45頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨民法第一〇〇条但書、商法第五〇四条の適用を主張する当事者は、その要件事実につき主張責任がある。
参照法条民訴法186条,民法100条但書,商法504条
一 会社の代表者でない者の作成提出にかかり本来無効な上告趣意書がいわゆる瑕疵の治癒により有効と認められた事例。 二 現行刑事訴訟法の施行と国税犯則取締法第一五条の効力。
最高裁判所第二小法廷昭和39年10月16日昭和38(あ)2860集刑 第152号1029頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 上告趣意書作成日附当時にはすでに死亡していた合資会社の代表社員名義で提出された上告趣意書につき、その提出当時においてはこれを適式、有効と認めるだけの余地がなかつた場合でも、当該会社の有限責任社員であつた者が右趣意書の作成、提出に関与したものと認められ、かつ、その者が無限責任社員となり会社代表資格を取得するのに至つた…
参照法条刑訴法27条1項,刑訴法29条1項,刑訴法254条,商法151条,商法156条,商法162条1項,商法147,商法76条,商法85条3号,刑訴規則266条,刑訴規則238条,国税犯則取締法15条,国税犯則取締法14条
要式行為の解釈事例。
最高裁判所第二小法廷昭和39年7月29日昭和36(オ)1407集民 第74号777頁
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裁判要旨オフアーノートの署名が傭船契約成立の要件をなす場合でも、裁判所は、オファーノートの文字に即してのみ運賃の単価を確定しなければならないものではなく、オファーノートの記載とあわせて、契約成立時における四囲の事情を勘案し、右単価を確定することができる。
参照法条民法第1編第4章,商法737条
貸金業者のなした消費貸借は商法施行法第一一七条(削除前)にいう商事にあたるか。
最高裁判所第二小法廷昭和39年6月19日昭和38(オ)1404集民 第74号145頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貸金業の届出を受理された者のなした消費貸借であっても、商法施行法第一一七条(削除前)にいう商事にはあたらない。
参照法条貸金業等の取締に関する法律3条,商法4条,商法502条,商法施行法117条(削除前)
商人間の不法行為に基づく損害賠償債権の遅延損害金の法定利率。
最高裁判所第一小法廷昭和38年12月19日昭和37(オ)708集民 第70号389頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨商人間の不法行為に基づく損害賠償債権の遅延損害金の法定利率は、年五分の割合であつて、商法第五一四条を類推適用すべきではない。
参照法条民法404条,民法709条,商法514条
商号続用とは認められないとされた事例。
最高裁判所第一小法廷昭和38年10月31日昭和37(オ)1232集民 第68号709頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨「有限会社甲」が商品のレツテルに「ABC甲」という表示を用いていたからといつて、その営業譲受人の商号「株式会社エービーシー甲」との間に商号続用は認められない。
参照法条商法26条
取引の相手方に重大な過失があるときと商法第二三条の適用の有無。
最高裁判所第三小法廷昭和38年7月23日昭和36(オ)921集民 第67号105頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨取引の相手方に営業主と誤認するにつき重大な過失がある場合には、商法第二三条の適用がない。
参照法条商法23条
手形債務の保証の主張と連帯保証の判定。
最高裁判所第一小法廷昭和38年3月28日昭和37(オ)1159集民 第65号321頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨本件保証が手形債務の保証であることの主張がある以上、本件保証には商行為性があり連帯保証となると判断したからといつて、当事者の主張しない事項を認定判断したことにはならない。
参照法条民訴法186条,商法501条4号,商法511条2項
運送取扱契約の本旨に従つた運送品引渡がなされなかつたと判定された事例。
最高裁判所第二小法廷昭和38年2月22日昭和35(オ)627集民 第64号537頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨運送取扱人から運送品の引渡を受けた者が売買の履行としてこれを真荷受人に引渡した事実があつても、運送取扱契約の本旨に従つた荷受人に対する運送品引渡の履行があつたとはいわれない。
参照法条商法560条
宅地建物取引業者の不動産売買の媒介と報酬請求。
最高裁判所第三小法廷昭和38年2月12日昭和35(オ)389集民 第64号405頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨宅地建物取引業者は、不動産の買受人より依頼をうけて売買の媒介をなし、契約を成立せしめるに至つたときは、商法第五一二条により右買受人に対し報酬を請求しうる。
参照法条商法502条11号,商法512条,宅地建物取引業法17条
運送品到達の荷受人の荷受権限の移転に運送取扱委託者との合意が必要か。
最高裁判所第二小法廷昭和37年11月9日昭和36(オ)171集民 第63号169頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨貨物引換証の発行のない場合において、運送品が到達地に達した後は、運送取扱人は、運送取扱委託者との合意がなくても、荷受人から荷受権限の移転を受けた者に対し運送品を引き渡すことによつて、債務の本旨に従つた履行ができる。
参照法条商法568条,商法583条1項
一 代表取締役、支配人らの業務執行についての取締役の監視義務 二 取締役が悪意または重過失により右監視義務を怠り第三者に損害を蒙らせた場合と商法第二六六条ノ三の適用 三 退任の登記および公告を経ない退任取締役と商法第二六六条ノ三の適用
最高裁判所第三小法廷昭和37年8月28日昭和33(オ)370集民 第62号273頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨一 個々の取締役は取締役会の審議ないし決議を通じて代表取締役、支配人らの業務の執行を監視すべき権利義務を有する。 二 取締役が悪意又は重過失により右監視義務を怠つたことにより第三者に損害を蒙らしめた場合には、商法第二六六条ノ三の規定による損害賠償責任を免れない。 三 退任により取締役の権利義務を有しなくなつた者が職務行…
参照法条商法254条ノ2,商法266条ノ3,商法12条
商法第二八条の広告にあたらないとされた事例
最高裁判所第二小法廷昭和37年8月10日昭和35(オ)159集民 第62号81頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨営業の譲受人が配付した挨拶状に譲渡人の「業務全般を引き継いだ」旨の記載があるからといつて、これをもつて直ちに譲渡人の営業上の債務を引き受けた旨広告をしたものということはできない。
参照法条商法28条
売主が商人である事実のみの確定と買主側に対する商法第五一一条第一項の適用の有無
最高裁判所第二小法廷昭和37年5月18日昭和33(オ)743集民 第60号679頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨売主が商人であるとしても、単にそれだけで取引の相手方のためにも商行為が成立し、商法第五一一条第一項が買主側に適用されるとはかぎらない。
参照法条商法511条1項
営業の主体の判定基準を示した事例
最高裁判所第一小法廷昭和37年3月15日昭和34(オ)1231集民 第59号273頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨旅館業経営において、旅館の建物の所有名義は夫となつているが、その妻をもつて旅館営業の行政許可を受け、この営業に関する公租公課はすべて妻に対し賦課徴収されているほか同旅館の電話の加入名義も妻名義で、妻自身もその経営の衝に当り少くとも対外的には一般に妻名義を使用している場合は、たとえ夫が同旅館の業務に自ら携わり、旅館組合の…
参照法条商法4条1項
貸金業者の金銭貸付行為は商行為か
最高裁判所第三小法廷昭和37年2月13日昭和34(オ)227集民 第58号595頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨自己資金のみで貸付をする貸金業者の行為は、商法第五〇二条第八号のいわゆる営業的商行為たる「銀行取引」にあたらない。
参照法条商法502条8号
商号不使用につき正当事由なしとした判断が是認された事例
最高裁判所第三小法廷昭和37年1月16日昭和33(オ)495集民 第58号59頁
位置づけ最高裁 / 裁判集登載
裁判要旨原判決引用の第一審判決の認定事実関係のもとで、当該会社が二年以上商号を使用しなかつたことに正当事由がないとして、その商号権の消滅を判断したことは是認できる。
参照法条商法30条
該当する裁判例がありません。