小切手法 / テーマ別まとめ

小切手ノ振出及方式

小切手ノ振出及方式の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

小切手法1条から13条に基づき、小切手の振出に必要な記載事項と、選べる振出方式(記名式・指図式・持参人払式など)を整理しています。記載事項を欠いた場合の扱いや、支払地・振出地の記載がないときの補い方、金額表示が食い違った場合の基準もあわせて示します。引受の禁止や利息の約定の効力、署名者ごとの責任の扱いなど、振出に関わる基本ルールも含みます。

小切手ノ振出及方式
条文定めの要旨実務上のポイント
第1条6項目をすべて記載1つでも欠くと原則無効
第2条支払地・振出地の推定規定表示がなくても看做し規定で補う
第3条銀行宛て・資金ある場合に振出違反しても小切手としては有効
第4条引受はできない引受の記載をしても無効
第5条記名式・指図式・持参人払式で振出可受取人未記載は持参人払式扱い
第6条自己指図・自己宛・第三者計算も可振出人自身宛の振出も可能
第7条利息の約定は無効記載しても効力なし
第8条第三者方払いも可その第三者は銀行に限る
第9条金額の文字・数字相違時の基準文字優先、重複時は最小額
第10条無効な署名があっても他は有効偽造・仮設人署名等でも他署名者は責任負う
第11条無権代理人は自ら義務を負う権限超過の代理人も同様
第12条振出人は支払を担保する免責文言は記載なきものと看做す
第13条白地小切手の補充違反の扱い悪意・重過失の所持人には対抗可
  • 支払人名称に数箇の地の付記があるときは、最初に記載した地で支払う(2条2項)
  • 銀行宛て・資金要件に違反した場合でも、小切手としての効力は妨げられない(3条ただし書き)
  • 記名式小切手に「又ハ持参人ニ」等の文言があれば持参人払式とみなす(5条2項)
  • 支払場所とする第三者は銀行でなければならない(8条)
  • 金額を重複記載し相違があるときは最小金額を小切手金額とする(9条2項)
  • 所持人が悪意または重大な過失により取得したときは、補充の違反を対抗できる(13条ただし書き)
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小切手ノ振出及方式

小切手ノ振出及方式について、条文は何を定めているか。

第1条小切手に必須の6項目を定める1項・6号判例 1件
  • 証券の文言・金額委託・支払人名称などを記載する
  • 振出日、振出地、振出人の署名も必要
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第2条支払地・振出地が未記載の時の扱い4項判例 1件
  • 支払人名称の付記地が特別表示なき限り支払地になる
  • 支払地の表示が全くなければ振出地で支払う
  • 振出地の記載がなければ振出人の住所地とみなす
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第3条振出は資金のある銀行宛てで行う1項判例なし
  • 振出人が処分できる資金がある銀行宛てに振り出す
  • 資金を小切手で処分できる契約に従って振り出す
  • この定めに反しても小切手としての効力は妨げられない
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第4条小切手に引受はできない1項判例なし
  • 小切手に引受はできない
  • 引受の記載をしても、していないものとみなす
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第5条振出方式は3種類から選べる3項・3号判例なし
  • 記名式・指図式・持参人払式のいずれかで振り出す
  • 指図禁止の文言を付ければ譲渡方法が変わる
  • 受取人の記載がなければ持参人払式とみなす
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第6条自己指図・自己宛の振出も認める3項判例なし
  • 振出人が自分自身を受取人として振り出せる
  • 第三者の計算で振り出すこともできる
  • 振出人が自分を支払人として振り出すこともできる
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第7条利息を付ける約定は無効1項判例なし
  • 小切手に利息の約定を記載しても、その記載は無効
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第8条支払場所を第三者にすることも可能1項判例なし
  • 支払人の住所地か他の地かを問わず第三者の住所を支払場所にできる
  • その第三者は銀行でなければならない
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第9条金額の記載が食い違うときの基準2項判例なし
  • 文字と数字で金額が違えば文字の金額が優先する
  • 重複して記載し金額が違えば最小金額が小切手金額になる
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第10条一部の署名が無効でも他は有効1項判例なし
  • 能力欠如・偽造・仮設人の署名などがあっても
  • 他の署名者の債務は有効なまま
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第11条無権代理で署名した者が自ら責任を負う1項判例なし
  • 代理権がないのに代理人として署名した者は自分が義務を負う
  • その者が支払えば本人と同じ権利を持つ
  • 代理権の範囲を超えた場合も同様に扱う
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第12条振出人は支払を担保する義務を負う1項判例なし
  • 振出人は小切手の支払を担保する
  • 担保しない旨を記載しても、その記載は無効
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第13条白地小切手を合意と違う内容で補充した場合1項判例 2件
  • 予め合意した内容と違う補充をしても所持人には対抗できない
  • 所持人が悪意または重大な過失で取得した場合は対抗できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第1条小切手法

振出日白地の持参人払式小切手による支払のための呈示の効力

裁判要旨振出日白地の持参人払式小切手による支払のための呈示は、振出人等に対する遡求権を保全する効力を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年11月7日 昭和61(オ)126
登載
集民 第149号107頁
参照法条
小切手法1条,小切手法2条,小切手法13条,小切手法29条,小切手法39条
論点2第13条小切手法

一 小切手法第一三条〈未完成ニテ振出シタル小切手ニ予メ為シタル合意ト異ル補充ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ違反ハ之ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ…〉の適用。
二 白地小切手補充権の消滅時効期間。

裁判要旨一 小切手法第一三条〈未完成ニテ振出シタル小切手ニ予メ為シタル合意ト異ル補充ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ違反ハ之ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ…〉は、善意でかつ重過失なくして白地小切手を取得した所持人が自ら予めなされた合意と異なる補充をした場合にも適用があるものと解すべきである。
二 振出日白地の小切手の補充権は、五年の時効によつて消滅する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年11月24日 昭和33(オ)843
登載
民集 第15巻10号2536頁
参照法条
小切手法13条,手形法10条,商法522条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

小切手法 第1条 詳細ページ
第一条小切手ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一証券ノ文言中ニ其ノ証券ノ作成ニ用フル語ヲ以テ記載スル小切手ナルコトヲ示ス文字
二一定ノ金額ヲ支払フベキ旨ノ単純ナル委託
三支払ヲ為スベキ者(支払人)ノ名称
四支払ヲ為スベキ地ノ表示
五小切手ヲ振出ス日及地ノ表示
六小切手ヲ振出ス者(振出人)ノ署名
小切手法 第2条 詳細ページ
第二条前条ニ掲グル事項ノ何レカヲ欠ク証券ハ小切手タル効力ヲ有セズ但シ次ノ数項ニ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
2支払人ノ名称ニ附記シタル地ハ特別ノ表示ナキ限リ之ヲ支払地ト看做ス支払人ノ名称ニ数箇ノ地ノ附記アルトキハ小切手ハ初頭ニ記載シアル地ニ於テ之ヲ支払フベキモノトス
3前項ノ記載其ノ他何等ノ表示ナキ小切手ハ振出地ニ於テ之ヲ支払フベキモノトス
4振出地ノ記載ナキ小切手ハ振出人ノ名称ニ附記シタル地ニ於テ之ヲ振出シタルモノト看做ス
小切手法 第3条 詳細ページ
第三条小切手ハ其ノ呈示ノ時ニ於テ振出人ノ処分シ得ル資金アル銀行ニ宛テ且振出人ヲシテ資金ヲ小切手ニ依リ処分スルコトヲ得シムル明示又ハ黙示ノ契約ニ従ヒ之ヲ振出スベキモノトス但シ此ノ規定ニ従ハザルトキト雖モ証券ノ小切手タル効力ヲ妨ゲズ
小切手法 第4条 詳細ページ
第四条小切手ハ引受ヲ為スコトヲ得ズ小切手ニ為シタル引受ノ記載ハ之ヲ為サザルモノト看做ス
小切手法 第5条 詳細ページ
第五条小切手ハ左ノ何レカトシテ之ヲ振出スコトヲ得
一記名式又ハ指図式
二記名式ニシテ「指図禁止」ノ文字又ハ之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ヲ記載スルモノ
三持参人払式
2記名ノ小切手ニシテ「又ハ持参人ニ」ノ文字又ハ之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ヲ記載シタルモノハ之ヲ持参人払式小切手ト看做ス
3受取人ノ記載ナキ小切手ハ之ヲ持参人払式小切手ト看做ス
小切手法 第6条 詳細ページ
第六条小切手ハ振出人ノ自己指図ニテ之ヲ振出スコトヲ得
2小切手ハ第三者ノ計算ニ於テ之ヲ振出スコトヲ得
3小切手ハ振出人ノ自己宛ニテ之ヲ振出スコトヲ得
小切手法 第7条 詳細ページ
第七条小切手ニ記載シタル利息ノ約定ハ之ヲ為サザルモノト看做ス
小切手法 第8条 詳細ページ
第八条小切手ハ支払人ノ住所地ニ在ルト又ハ其ノ他ノ地ニ在ルトヲ問ハズ第三者ノ住所ニ於テ支払フベキモノト為スコトヲ得但シ其ノ第三者ハ銀行タルコトヲ要ス
小切手法 第9条 詳細ページ
第九条小切手ノ金額ヲ文字及数字ヲ以テ記載シタル場合ニ於テ其ノ金額ニ差異アルトキハ文字ヲ以テ記載シタル金額ヲ小切手金額トス
2小切手ノ金額ヲ文字ヲ以テ又ハ数字ヲ以テ重複シテ記載シタル場合ニ於テ其ノ金額ニ差異アルトキハ最小金額ヲ小切手金額トス
小切手法 第10条 詳細ページ
第十条小切手ニ小切手債務ノ負担ニ付キ行為能力ナキ者ノ署名、偽造ノ署名、仮設人ノ署名又ハ其ノ他ノ事由ニ因リ小切手ノ署名者若ハ其ノ本人ニ義務ヲ負ハシムルコト能ハザル署名アル場合ト雖モ他ノ署名者ノ債務ハ之ガ為其ノ効力ヲ妨ゲラルルコトナシ
小切手法 第11条 詳細ページ
第十一条代理権ヲ有セザル者ガ代理人トシテ小切手ニ署名シタルトキハ自ラ其ノ小切手ニ因リ義務ヲ負フ其ノ者ガ支払ヲ為シタルトキハ本人ト同一ノ権利ヲ有ス権限ヲ超エタル代理人ニ付亦同ジ
小切手法 第12条 詳細ページ
第十二条振出人ハ支払ヲ担保ス振出人ガ之ヲ担保セザル旨ノ一切ノ文言ハ之ヲ記載セザルモノト看做ス
小切手法 第13条 詳細ページ
第十三条未完成ニテ振出シタル小切手ニ予メ為シタル合意ト異ル補充ヲ為シタル場合ニ於テハ其ノ違反ハ之ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ小切手ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。