手形法 / テーマ別まとめ

複本及謄本/複本

複本の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

手形は1通で振り出すのが原則ですが、遠隔地との郵送中の紛失リスクなどに備え、同一内容の証券を複数通発行できる仕組みが複本です。複本間の効力の調整方法や、引受のために送付した1通が戻らない場合の遡求の手続を定めています。

複本
項目内容
振出せる通数同一内容の数通
番号の記載必須(欠くと別々の手形とみなす)
交付請求できる人一通限り旨の記載がない手形の所持人
請求の相手自己の直接の裏書人
支払の効力1通の支払で他も含め義務を免れる
支払人の責任引受済みで未回収の各通に責任あり
複本譲渡時の裏書人責任署名した未回収の各通に責任あり
引受回付時の記載事項保持者の名称
引渡拒絶時の遡求要件拒絶証書での2事実の証明
  • 支払は、他の複本を無効とする旨の記載がなくても義務を免れさせる。
  • 数人に複本を各別に譲渡した裏書人・その後の裏書人は、署名した各通のうち返還を受けないものについて責任を負う。
  • 引受のため複本の1通を送付した者は、他の各通にその保持者の名称を記載しなければならない。
  • 保持者が引渡しを拒んだ場合、所持人は拒絶証書により、送付した1通が請求しても引き渡されなかったこと、および他の1通で引受・支払を受けられなかったことの両方を証明しない限り遡求権を行使できない。
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複本

複本について、条文は何を定めているか。

第64条同一内容の複本を何通も振り出せる3項判例なし
  • 為替手形は同一内容の数通で振り出すことができる。
  • 複本には番号を付けないと各通が別々の手形とみなされる。
  • 一通限りの記載がなければ、所持人は自費で複本交付を請求でき、直接の裏書人へ請求し順次振出人まで協力させる。裏書人は新複本に裏書を再記する。
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第65条1通の支払で全体の義務が消える2項判例なし
  • 複本の1通を支払えば、他の複本を無効とする記載がなくても義務を免れる。
  • 支払人は引受をした各通のうち返還を受けていないものについて責任を負う。
  • 複本を数人に各別に譲渡した裏書人・その後の裏書人は、署名した未回収の各通に責任を負う。
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第66条引受回付の1通が戻らない時の遡求要件2項・2号判例なし
  • 引受のため複本の1通を送付した者は、他の各通に保持者の名称を記載する。
  • 保持者は他の一通の正当な所持人に対し、その1通を引き渡さなければならない。
  • 保持者が引渡しを拒んだ場合、所持人は拒絶証書で、送付した1通が請求しても引渡されなかったことと、他の1通で引受・支払を受けられなかったことの2点を証明しなければ遡求権を行使できない。
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

手形法 第64条 詳細ページ
第六十四条為替手形ハ同一内容ノ数通ヲ以テ之ヲ振出スコトヲ得
2此ノ複本ニハ其ノ証券ノ文言中ニ番号ヲ附スルコトヲ要ス之ヲ欠クトキハ各通ハ之ヲ各別ノ為替手形ト看做ス
3一通限ニテ振出ス旨ノ記載ナキ手形ノ所持人ハ自己ノ費用ヲ以テ複本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ所持人ハ自己ノ直接ノ裏書人ニ対シテ其ノ請求ヲ為シ其ノ裏書人ハ自己ノ裏書人ニ対シテ手続ヲ為スコトニ依リテ之ニ協力シ順次振出人ニ及ブベキモノトス各裏書人ハ新ナル複本ニ裏書ヲ再記スルコトヲ要ス
手形法 第65条 詳細ページ
第六十五条複本ノ一通ノ支払ハ其ノ支払ガ他ノ複本ヲ無効ナラシムル旨ノ記載ナキトキト雖モ義務ヲ免レシム但シ支払人ハ引受ヲ為シタル各通ニシテ返還ヲ受ケザルモノニ付責任ヲ負フ
2数人ニ各別ニ複本ヲ譲渡シタル裏書人及其ノ後ノ裏書人ハ其ノ署名アル各通ニシテ返還ヲ受ケザルモノニ付責任ヲ負フ
手形法 第66条 詳細ページ
第六十六条引受ノ為複本ノ一通ヲ送付シタル者ハ他ノ各通ニ此ノ一通ヲ保持スル者ノ名称ヲ記載スベシ其ノ者ハ他ノ一通ノ正当ナル所持人ニ対シ之ヲ引渡スコトヲ要ス
2保持者ガ引渡ヲ拒ミタルトキハ所持人ハ拒絶証書ニ依リ左ノ事実ヲ証スルニ非ザレバ遡求権ヲ行フコトヲ得ズ
一引受ノ為送付シタル一通ガ請求ヲ為スモ引渡サレザリシコト
二他ノ一通ヲ以テ引受又ハ支払ヲ受クルコト能ハザリシコト
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。