民事保全法 / テーマ別まとめ

保全命令/仮差押命令

仮差押命令の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

仮差押命令は、金銭債権について将来の強制執行が不能または著しく困難になるおそれがある場合に、その執行を保全するために発する命令です。対象物の特定方法、解放金の金額決定と供託先について定めています。

仮差押命令
項目内容
発令の要件執行不能・著しい困難のおそれ
対象債権金銭債権(条件付・期限付も可)
対象物の特定原則必要、動産は不要
解放金裁判所が金額を決定
解放金の供託先発令裁判所等所在地の地裁管轄内
  • 解放金は仮差押えの執行停止・執行取消しのために債務者が供託するもの
  • 解放金の供託先は仮差押命令を発した裁判所または保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に限られる
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仮差押命令

仮差押命令について、条文は何を定めているか。

第20条仮差押命令の必要性執行不能・困難のおそれがあれば発令できる2項判例 3件
  • 対象は金銭の支払を目的とする債権
  • 強制執行ができなくなる、または著しく困難になるおそれが要件
  • 条件付・期限付の債権でも発令できる
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第21条仮差押命令の対象対象物は特定が原則、動産は例外1項判例 2件
  • 仮差押命令は特定の物について発するのが原則
  • 動産の仮差押命令に限り目的物を特定しなくてよい
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第22条仮差押解放金解放金の額と供託先を裁判所が定める2項判例なし
  • 執行停止・執行取消しを得るための供託額を命令で定める
  • 供託先は発令裁判所または保全執行裁判所所在地を管轄する地裁管轄区域内の供託所
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第20条民事保全法

仮差押命令により保全される債権の範囲

裁判要旨仮差押命令は,当該命令に表示された被保全債権と異なる債権についても,これが上記被保全債権と請求の基礎を同一にするものであれば,その実現を保全する効力を有する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年2月23日 平成23(受)268
登載
民集 第66巻3号1163頁
参照法条
民事保全法20条,民訴法143条1項
論点2第20条民事保全法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して仮差押えをする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,仮差押命令の申立書に,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属する事実を証する書面を添付して,当該社団を債務者とする仮差押命令の申立てをすることができ,上記書面は,強制執行の場合とは異なり,上記事実を証明するものであれば足り,必ずしも上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書であることを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年2月9日 平成22(許)43
登載
民集 第65巻2号665頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事保全法20条,民事保全法21条,民事保全規則20条
論点3第20条民事保全法

既に発せられた仮差押命令と同一の被保全債権に基づき異なる目的物に対し更に仮差押命令の申立てをすることの許否

裁判要旨特定の目的物について既に仮差押命令を得た債権者は,これと異なる目的物について更に仮差押えをしなければ,金銭債権の完全な弁済を受けるに足りる強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき,又はその強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときには,既に発せられた仮差押命令と同一の被保全債権に基づき,異なる目的物に対し,更に仮差押命令の申立てをすることができる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年1月31日 平成14(許)23
登載
民集 第57巻1号74頁
参照法条
民事保全法13条,民事保全法20条,民事保全法21条

関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事保全法 第20条(仮差押命令の必要性) 詳細ページ
(仮差押命令の必要性)
第二十条仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について、強制執行をすることができなくなるおそれがあるとき、又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2仮差押命令は、前項の債権が条件付又は期限付である場合においても、これを発することができる。
民事保全法 第21条(仮差押命令の対象) 詳細ページ
(仮差押命令の対象)
第二十一条仮差押命令は、特定の物について発しなければならない。ただし、動産の仮差押命令は、目的物を特定しないで発することができる。
民事保全法 第22条(仮差押解放金) 詳細ページ
(仮差押解放金)
第二十二条仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
2前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。