会社更生法 / テーマ別まとめ

更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等/更生会社の役員等の責任の追及

更生会社の役員等の責任の追及の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

更生手続開始後は、管財人の申立てまたは裁判所の職権により、発起人・取締役・監査役等の役員等の財産に対する保全処分や、役員等の責任に基づく損害賠償請求権等の額を査定する決定を用いて、役員等の責任を追及することができます。査定決定に不服がある当事者は送達を受けた日から1月以内に異議の訴えを提起でき、訴えが提起されなければ査定決定は確定判決と同一の効力を持ちます。

更生会社の役員等の責任の追及
手続開始のきっかけ対象不服申立て・効果
財産保全処分管財人の申立て又は職権役員等の財産即時抗告(執行停止なし)
責任査定決定管財人の申立て又は職権請求権の額等理由付記・役員等の審尋
査定決定への異議の訴え送達日から1月以内に提起査定決定の当否更生裁判所が管轄
異議の訴えの結果訴え不提起・取下げ・却下査定決定確定判決と同一の効力
  • 99条1号の対象者は発起人・設立時取締役・設立時監査役・取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人・清算人(役員等)
  • 99条2号の対象は会社法上の一定の支払請求権で、設立時監査役・会計参与・監査役・会計監査人・清算人は除かれる
  • 保全処分は裁判所が変更・取消しをすることができる
  • 職権で査定手続を始めるときは、その旨の決定をしなければならない
  • 申立てや職権開始の決定は、時効の完成猶予・更新において裁判上の請求とみなされる
  • 異議の訴えの被告は、役員等が提起する場合は管財人、管財人が提起する場合は役員等となる
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更生会社の役員等の責任の追及

更生会社の役員等の責任の追及について、条文は何を定めているか。

第99条役員等の財産に対する保全処分役員等の財産を保全する処分ができる5項・2号判例なし
  • 管財人の申立てまたは裁判所の職権でできる
  • 対象は発起人・取締役・監査役等の役員等の財産
  • 決定への不服は即時抗告できるが執行停止効はない
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第100条役員等の責任の査定の申立て等請求権の額を査定する決定ができる5項判例なし
  • 管財人の申立てまたは職権で査定決定ができる
  • 申立てには原因となる事実の疎明が必要
  • 申立てや職権開始決定は時効の完成猶予・更新の効果を持つ
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第101条役員等責任査定決定等査定決定には理由と役員等の審尋が必要3項判例なし
  • 査定決定・申立棄却決定には理由を付さなければならない
  • 決定前に役員等を審尋しなければならない
  • 査定決定は当事者に送達される
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第102条役員等責任査定決定に対する異議の訴え査定決定に不服なら1月以内に異議の訴え6項判例 1件
  • 送達を受けた日から1月の不変期間内に提起する
  • 更生裁判所が管轄し、相手方を被告とする
  • 認可・変更判決には仮執行の宣言ができる
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第103条役員等責任査定決定の効力訴えがなければ査定決定は確定判決と同じ効力1項判例 2件
  • 異議の訴えが不提起・取下げ・却下なら確定する
  • その場合、給付を命ずる確定判決と同一の効力を持つ
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第102条会社更生法

いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約によりリース物件の引渡しを受けたユーザーにつき会社更生手続の開始決定があった場合における未払のリース料債権の性質

裁判要旨いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約によりリース物件の引渡しを受けたユーザーにつき会社更生手続の開始決定があった場合、未払のリース料債権は、その全額が更生債権となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年4月14日 平成3(オ)155
登載
民集 第49巻4号1063頁
参照法条
民法601条,会社更生法102条,会社更生法103条,会社更生法208条7号
論点2第103条会社更生法

会社更生法一〇三条〈役員等責任査定決定の効力〉の規定に基づく履行請求が排斥された事例

裁判要旨自動車販売会社が、買主において売買代金債務若しくは求償金債務を完済したときに所有権が買主に移転するとの約定で自動車を販売し、かつ、売買代金支払のため融資を受けた買主の金融機関に対する借受金債務につき連帯保証したところ、買主である株式会社について更生手続開始決定がされたのち、自動車販売会社において買主の金融機関に対する借受金債務を代位弁済して、買主に対し求償債権を取得した場合において、買主の求償金債務と自動車販売会社の自動車の所有権移転債務とは、会社更生法一〇三条〈役員等責任査定決定の効力〉所定の双務契約の関係にあるとはいえず、自動車販売会社の買主に対する右求償金債務の履行請求について同条の適用はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年12月22日 昭和56(オ)857
登載
集民 第134号617頁
参照法条
会社更生法103条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社更生法 第99条(役員等の財産に対する保全処分) 詳細ページ
(役員等の財産に対する保全処分)
第九十九条裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、次に掲げる保全処分をすることができる。
一発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人(以下この節において「役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
二役員等(設立時監査役、会計参与、監査役、会計監査人及び清算人を除く。)に対する会社法第五十二条第一項、第五十二条の二第一項若しくは第二項、第百三条第二項、第二百十三条第一項、第二百十三条の三第一項、第二百八十六条第一項又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
2裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
3第一項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
5第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
会社更生法 第100条(役員等の責任の査定の申立て等) 詳細ページ
(役員等の責任の査定の申立て等)
第百条裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、前条第一項各号に規定する請求権が存在し、かつ、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、決定で、当該請求権の額その他の内容を査定する裁判(以下この節において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。
2前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
3裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。
4第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。
5役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、更生手続が終了したときは、終了する。
会社更生法 第101条(役員等責任査定決定等) 詳細ページ
(役員等責任査定決定等)
第百一条役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。
2裁判所は、前項の決定をする場合には、役員等を審尋しなければならない。
3役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
会社更生法 第102条(役員等責任査定決定に対する異議の訴え) 詳細ページ
(役員等責任査定決定に対する異議の訴え)
第百二条役員等責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2前項の訴えは、更生裁判所が管轄する。
3第一項の訴えは、これを提起する者が、役員等であるときは管財人を、管財人であるときは役員等を、それぞれ被告としなければならない。
4第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
5役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
6役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
会社更生法 第103条(役員等責任査定決定の効力) 詳細ページ
(役員等責任査定決定の効力)
第百三条前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。