会社更生法 / テーマ別まとめ

更生手続開始の申立て及びこれに伴う保全措置/更生手続開始の申立て

更生手続開始の申立ての条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

更生手続開始の申立ては、経営に行き詰まった株式会社が更生手続をスタートさせるための入り口となる手続です。原則は会社自身が申し立てますが、一定の要件を満たす債権者・株主も申立てをすることができます。申立てにあたっては原因事実の疎明や費用の予納が求められるほか、裁判所による意見聴取・審尋や取下げの制限など、手続の慎重さを確保する規定も定められています。

更生手続開始の申立て
申立権者申立てができる場合疎明が必要な事項
株式会社自身破産原因のおそれ、または弁済で事業継続に著しい支障更生手続開始の原因事実
資本金の10分の1以上の債権を持つ債権者破産原因のおそれがある場合のみ原因事実+債権額
総株主の議決権10分の1以上を持つ株主破産原因のおそれがある場合のみ原因事実+議決権数
  • 破産原因のおそれがある場合に限り、債権者・株主も申立てできる(弁済支障のケースは会社のみ申立て可)
  • 清算人に破産・特別清算の申立義務がある場合でも、更生手続開始の申立ては妨げられない
  • 清算中・特別清算中・破産手続開始後の会社が申立てるには会社法309条2項の決議が必要
  • 債権者・株主が申立てる場合、議決権数には行使できない株式分を除き、会社法879条3項でみなされる議決権を含む
  • 申立人は裁判所が定める費用を予納しなければならず、この決定には即時抗告ができる
  • 開始決定前でも、中止命令・保全処分等一定の処分後の取下げには裁判所の許可が必要
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更生手続開始の申立て

更生手続開始の申立てについて、条文は何を定めているか。

第17条更生手続開始の申立て会社自身、または一定の債権者・株主が申立てできる2項・4号判例なし
  • 破産原因のおそれ、または弁済で事業継続に著しい支障が出る場合に申立て可能
  • 資本金の10分の1以上の債権を持つ債権者も申立てできる(破産原因のおそれの場合のみ)
  • 総株主の議決権10分の1以上を持つ株主も申立てできる(同上)
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第18条破産手続開始等の申立義務と更生手続開始の申立て清算人の破産等申立義務があっても更生申立ては可能1項判例なし
  • 他の法律で清算人に破産・特別清算の申立義務がある場合でも、更生手続開始の申立てはできる
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第19条解散後の株式会社による更生手続開始の申立て清算中等の会社は会社法309条2項の決議が必要1項判例なし
  • 清算中・特別清算中・破産手続開始後の会社は会社法309条2項の決議が必要
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第20条疎明申立ての際は原因事実等を疎明しなければならない2項判例なし
  • 更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない
  • 債権者・株主が申立てる場合は、債権額または議決権の数も疎明する
  • 議決権には行使できない株式分を除き、会社法879条3項でみなされる議決権を含む
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第21条費用の予納申立人は裁判所が定める費用を予納する2項判例なし
  • 申立人は更生手続の費用として裁判所が定めた金額を予納しなければならない
  • 費用予納の決定には即時抗告ができる
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第22条意見の聴取等決定前に労働組合等の意見聴取や審尋を行う2項判例なし
  • 却下・開始決定が明らかな場合を除き、労働組合等の意見を聴く
  • 過半数で組織する労働組合がなければ、使用人の過半数代表者の意見を聴く
  • 債権者・株主の申立てでは、決定前に開始前会社の代表者を審尋する
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第23条更生手続開始の申立ての取下げの制限開始決定前なら取下げ可、一定処分後は許可必要1項判例なし
  • 更生手続開始の決定前に限り、申立てを取り下げることができる
  • 中止命令・包括的禁止命令・保全処分・監督命令等があった後の取下げには裁判所の許可が必要
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社更生法 第17条(更生手続開始の申立て) 詳細ページ
(更生手続開始の申立て)
第十七条株式会社は、当該株式会社に更生手続開始の原因となる事実(次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する事実をいう。)があるときは、当該株式会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
一破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがある場合
二弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合
2株式会社に前項第一号に掲げる場合に該当する事実があるときは、次に掲げる者も、当該株式会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
一当該株式会社の資本金の額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者
二当該株式会社の総株主の議決権の十分の一以上を有する株主
会社更生法 第18条(破産手続開始等の申立義務と更生手続開始の申立て) 詳細ページ
(破産手続開始等の申立義務と更生手続開始の申立て)
第十八条他の法律の規定により株式会社の清算人が当該株式会社に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合においても、更生手続開始の申立てをすることを妨げない。
会社更生法 第19条(解散後の株式会社による更生手続開始の申立て) 詳細ページ
(解散後の株式会社による更生手続開始の申立て)
第十九条清算中、特別清算中又は破産手続開始後の株式会社がその更生手続開始の申立てをするには、会社法第三百九条第二項に定める決議によらなければならない。
会社更生法 第20条(疎明) 詳細ページ
(疎明)
第二十条更生手続開始の申立てをするときは、第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
2第十七条第二項の規定により債権者又は株主が申立てをするときは、その有する債権の額又は議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の数をも疎明しなければならない。
会社更生法 第21条(費用の予納) 詳細ページ
(費用の予納)
第二十一条更生手続開始の申立てをするときは、申立人は、更生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
2費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
会社更生法 第22条(意見の聴取等) 詳細ページ
(意見の聴取等)
第二十二条裁判所は、第十七条の規定による更生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は更生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、開始前会社の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、開始前会社の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは開始前会社の使用人の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
2第十七条第二項の規定により債権者又は株主が更生手続開始の申立てをした場合においては、裁判所は、当該申立てについての決定をするには、開始前会社の代表者(外国に本店があるときは、日本における代表者)を審尋しなければならない。
会社更生法 第23条(更生手続開始の申立ての取下げの制限) 詳細ページ
(更生手続開始の申立ての取下げの制限)
第二十三条更生手続開始の申立てをした者は、更生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、次条第一項若しくは第二項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第二十九条第三項の規定による許可、第三十条第二項に規定する保全管理命令、第三十五条第二項に規定する監督命令又は第三十九条の二第一項の規定による保全処分があった後は、裁判所の許可を得なければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。