民事再生法 / テーマ別まとめ

再生手続の廃止

再生手続の廃止の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

再生手続の廃止は、再生計画が成立・遂行される見込みを失った場合に、裁判所が手続を打ち切る制度です。廃止の原因は、計画認可の前と後、さらに再生債務者の義務違反の場合とで区分されており、それぞれ要件と裁判所の対応(義務的か裁量的か)が異なります。

再生手続の廃止
条文場面主な原因裁判所の対応申立て
第191条計画認可前計画案の作成見込みなし職権で廃止(義務)職権のみ
第191条計画認可前期間内に計画案の提出なし職権で廃止(義務)職権のみ
第191条計画認可前計画案が否決職権で廃止(義務)職権のみ
第192条計画認可前開始申立事由がないと判明廃止(義務)再生債務者・管財人・届出債権者
第193条計画認可前再生債務者の義務違反廃止(裁量)監督委員・管財人の申立て又は職権
第194条計画認可後計画の遂行見込みなし廃止(義務)再生債務者等・監督委員の申立て又は職権
  • 第192条の申立てには、廃止の原因となる事実の疎明が必要。
  • 第193条の廃止決定には、再生債務者の審尋が必要。
  • 第195条:廃止決定は直ちに主文・理由の要旨を公告し、即時抗告ができる。
  • 第195条:廃止決定は確定しなければ効力を生じない。
  • 計画認可後の廃止は、それまでの計画の遂行や法律の規定による効力に影響しない。
  • 計画認可決定確定後に廃止が確定した場合を除き、第185条・第188条第4項の規定が準用される。
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再生手続の廃止

再生手続の廃止について、条文は何を定めているか。

第191条再生計画認可前の手続廃止計画案が作れない・通らないときは職権で打ち切る1項・3号判例なし
  • 決議に付せる計画案の作成見込みがないと明らかになれば廃止
  • 裁判所が定めた期間内に計画案の提出がない場合も廃止
  • 計画案が否決された場合も廃止となる
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第192条開始事由がなくなれば当事者の申立てで廃止2項判例なし
  • 債権届出期間経過後、認可確定前が対象
  • 再生債務者・管財人・届出再生債権者が申立てできる
  • 申立人は廃止原因の事実を疎明する必要がある
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第193条再生債務者の義務違反による手続廃止再生債務者が義務に違反したら裁量で廃止できる2項・3号判例なし
  • 裁判所の命令違反や監督委員の同意なき行為などが対象
  • 認否書を期限までに提出しない場合も対象
  • 廃止決定の前に再生債務者を審尋する
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第194条再生計画認可後の手続廃止認可後でも計画が実行できなくなれば廃止する1項判例 1件
  • 認可決定確定後に遂行見込みなしと判明した場合が対象
  • 再生債務者等・監督委員の申立て又は職権で廃止
  • 廃止は義務(しなければならない)
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第195条再生手続廃止の公告等廃止決定は公告し、即時抗告できる7項判例なし
  • 廃止決定は直ちに主文・理由の要旨を公告
  • 決定に対して即時抗告が可能
  • 決定は確定しないと効力を生じない
  • 認可後の廃止は既に生じた効力に影響しない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第194条民事再生法

再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が,再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものとされた事例

裁判要旨別除権の行使等に関する協定(別除権の目的である不動産につきその被担保債権の額よりも減額された受戻しの価格を定めて再生債務者が別除権者に対しこれを分割弁済することとし,再生債務者がその分割弁済を完了したときは別除権者の担保権が消滅する旨を再生債務者と別除権者との間で定めたもの)中にある再生手続廃止の決定がされること等を同協定の解除条件とする旨の合意は,再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定がされることが解除条件として明記されていなくても,これを解除条件から除外する趣旨であると解すべき事情がうかがわれないなど判示の事情の下では,再生債務者が上記破産手続開始の決定を受けた時から同協定はその効力を失う旨の内容をも含むものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年6月5日 平成24(受)880
登載
民集 第68巻5号403頁
参照法条
民事再生法41条1項9号,民事再生法53条,民事再生法88条,民事再生法188条2項,民事再生法190条1項,民事再生法194条,民事再生法250条1項,民法127条2項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事再生法 第191条(再生計画認可前の手続廃止) 詳細ページ
(再生計画認可前の手続廃止)
第百九十一条次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
一決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
二裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。
三再生計画案が否決されたとき、又は第百七十二条の五第一項本文及び第四項の規定により債権者集会の続行期日が定められた場合において、同条第二項及び第三項の規定に適合する期間内に再生計画案が可決されないとき。
民事再生法 第192条 詳細ページ
第百九十二条債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、第二十一条第一項に規定する再生手続開始の申立ての事由のないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務者、管財人又は届出再生債権者の申立てにより、再生手続廃止の決定をしなければならない。
2前項の申立てをする場合には、申立人は、再生手続廃止の原因となる事実を疎明しなければならない。
民事再生法 第193条(再生債務者の義務違反による手続廃止) 詳細ページ
(再生債務者の義務違反による手続廃止)
第百九十三条次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。
一再生債務者が第三十条第一項の規定による裁判所の命令に違反した場合
二再生債務者が第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定に違反し、又は第五十四条第二項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をした場合
三再生債務者が第百一条第五項又は第百三条第三項の規定により裁判所が定めた期限までに認否書を提出しなかった場合
2前項の決定をする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。
民事再生法 第194条(再生計画認可後の手続廃止) 詳細ページ
(再生計画認可後の手続廃止)
第百九十四条再生計画認可の決定が確定した後に再生計画が遂行される見込みがないことが明らかになったときは、裁判所は、再生債務者等若しくは監督委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
民事再生法 第195条(再生手続廃止の公告等) 詳細ページ
(再生手続廃止の公告等)
第百九十五条裁判所は、再生手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3第百七十五条第三項の規定は、前項の即時抗告並びにこれについての決定に対する第十八条において準用する民事訴訟法第三百三十六条の規定による抗告及び同法第三百三十七条の規定による抗告の許可の申立てについて準用する。
4再生手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、再生手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
5第一項の決定は、確定しなければその効力を生じない。
6再生計画認可の決定が確定した後にされた再生手続の廃止は、再生計画の遂行及びこの法律の規定によって生じた効力に影響を及ぼさない。
7第百八十五条の規定は第百九十一条、第百九十二条第一項又は第百九十三条第一項の規定による再生手続廃止の決定が確定した場合(再生計画認可の決定が確定した後に再生手続廃止の決定が確定した場合を除く。)について、第百八十八条第四項の規定は第一項の決定が確定した場合について準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。