破産法 / テーマ別まとめ

破産財団の管理/法人の役員の責任の追及等

法人の役員の責任の追及等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

法人である債務者が破産手続開始の決定を受けた場合、役員の在任中の責任を追及するための手続を定めています。裁判所は役員の財産に保全処分をかけたうえで、訴訟より簡易な査定の手続で損害賠償請求権の有無・額を確定でき、これに不服がある側は異議の訴えで争います。あわせて、社員や匿名組合員が出資により負う責任についても定めています。

法人の役員の責任の追及等
条文手続申立て・開始不服の争い方
177条役員財産の保全処分管財人申立てまたは職権即時抗告(執行停止なし)
178条役員責任査定決定管財人申立てまたは職権―
179条査定決定の審尋・送達裁判所が役員を審尋理由付記が必要
180条査定決定への異議の訴え送達日から1か月以内破産裁判所に提起
181条査定決定の効力確定訴え不提起・却下で確定給付判決と同一効力
182条社員の出資責任会社法663条を準用―
183条匿名組合員の出資責任管財人が出資させる損失負担額が限度
  • 177条の保全処分は破産手続開始決定前でも、緊急の必要があれば申立てにより職権でも可能。
  • 177条の保全処分・変更・取消しの決定にも即時抗告ができ、執行停止の効力はない。
  • 178条の申立てには原因事実の疎明が必要。申立てまたは職権開始の決定により時効の完成猶予・更新の効果(裁判上の請求とみなす)が生じる。
  • 178条の査定手続は、査定決定後を除き、破産手続の終了とともに終了する。
  • 180条の異議の訴えは、提起する者が役員なら管財人を、管財人なら役員を被告とする。
  • 180条で査定決定を認可・変更した判決は、給付判決と同一の執行力を持ち、仮執行の宣言も可能。
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法人の役員の責任の追及等

法人の役員の責任の追及等について、条文は何を定めているか。

第177条役員の財産に対する保全処分役員の財産を保全処分で押さえられる7項判例なし
  • 破産管財人の申立てまたは職権で、役員個人の財産に保全処分ができる
  • 開始決定前でも緊急なら債務者や保全管理人の申立て・職権で可能
  • 保全処分の決定には即時抗告ができるが執行停止の効力はない
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第178条役員の責任の査定の申立て等訴訟より簡易な役員責任査定の手続がある5項判例なし
  • 管財人の申立てまたは職権で、損害賠償請求権の有無・額を決定で査定できる
  • 申立てには原因事実の疎明が必要
  • 申立て・開始決定で時効の完成猶予・更新の効果が生じる
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第179条役員責任査定決定等査定決定には理由を付け役員を審尋する3項判例 1件
  • 査定決定・申立て棄却決定には理由を付さなければならない
  • 決定前に裁判所が役員を審尋する
  • 査定決定は当事者に送達される
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第180条役員責任査定決定に対する異議の訴え査定決定に不服なら1か月内に異議の訴え6項判例なし
  • 送達を受けた日から1か月の不変期間内に提起する
  • 役員が訴える場合は管財人を、管財人が訴える場合は役員を被告とする
  • 認可・変更判決は給付判決と同一の効力を持ち仮執行宣言も可能
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第181条役員責任査定決定の効力異議の訴えがなければ査定決定が確定する1項判例なし
  • 1か月以内に訴えが提起されない、または却下された場合
  • 査定決定は給付を命ずる確定判決と同一の効力を持つ
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第182条社員の出資責任社員の出資責任は会社法の規定を準用1項判例なし
  • 会社法663条を準用し、管財人が出資責任を追及できる
  • 条文上の「当該清算持分会社」は「破産管財人」と読み替える
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第183条匿名組合員の出資責任匿名組合員にも損失負担分の出資をさせられる1項判例なし
  • 営業者の破産手続開始で匿名組合契約が終了した場合が対象
  • 管財人は負担すべき損失の額を限度に出資させることができる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第179条破産法

いわゆる内整理のための債権者委員会の決議の効力

裁判要旨いわゆる内整理のための債権者委員会の決議は、その表決に加わらなかつた債権者を当然に拘束する効力を有するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年11月1日 昭和50(オ)614
登載
集民 第119号149頁
参照法条
民法91条,破産法179条,破産法306条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第177条(役員の財産に対する保全処分) 詳細ページ
(役員の財産に対する保全処分)
第百七十七条裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、当該法人の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この節において「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該役員の財産に対する保全処分をすることができる。
2裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。
3裁判所は、前二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
4第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
7第二項から前項までの規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。
破産法 第178条(役員の責任の査定の申立て等) 詳細ページ
(役員の責任の査定の申立て等)
第百七十八条裁判所は、法人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、決定で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この節において「役員責任査定決定」という。)をすることができる。
2前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
3裁判所は、職権で役員責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。
4第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。
5役員責任査定決定の手続(役員責任査定決定があった後のものを除く。)は、破産手続が終了したときは、終了する。
破産法 第179条(役員責任査定決定等) 詳細ページ
(役員責任査定決定等)
第百七十九条役員責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。
2裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、役員を審尋しなければならない。
3役員責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
破産法 第180条(役員責任査定決定に対する異議の訴え) 詳細ページ
(役員責任査定決定に対する異議の訴え)
第百八十条役員責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。
3第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは破産管財人を、破産管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。
4第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
5役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
6役員責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
破産法 第181条(役員責任査定決定の効力) 詳細ページ
(役員責任査定決定の効力)
第百八十一条前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。
破産法 第182条(社員の出資責任) 詳細ページ
(社員の出資責任)
第百八十二条会社法第六百六十三条の規定は、法人である債務者につき破産手続開始の決定があった場合について準用する。この場合において、同条中「当該清算持分会社」とあるのは、「破産管財人」と読み替えるものとする。
破産法 第183条(匿名組合員の出資責任) 詳細ページ
(匿名組合員の出資責任)
第百八十三条匿名組合契約が営業者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了したときは、破産管財人は、匿名組合員に、その負担すべき損失の額を限度として、出資をさせることができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。