破産法 / テーマ別まとめ

破産手続の終了

破産手続の終了の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産手続は、破産財団が費用に不足する場合の廃止、破産者の申立てに基づく同意廃止、配当終了後の終結決定など、複数の原因・手続で終了します。原因ごとに要件・意見聴取の要否・効力発生の時期が異なり、終了後も確定した破産債権については破産債権者表の記載に一定の効力が残ります。

破産手続の終了
種類発生する場面主な要件効力発生
同時廃止開始決定と同時破産財団が費用に不足決定と同時に効力
異時廃止開始決定があった後費用不足、原則意見聴取要確定して効力発生
同意廃止破産者の申立て届出債権者全員の同意等確定して効力発生
終結配当終了後など最後配当等の終了等決定と同時に効力
  • 216条2項・217条3項:費用支弁に足りる予納があれば、これらの廃止決定は行われない
  • 217条1項・2項:意見聴取は債権者集会が原則だが、相当なら書面による聴取も可
  • 218条2項:未確定の破産債権を有する債権者は裁判所の決定で同意を要しないとできる
  • 219条:法人である破産者が同意廃止を申し立てるには、あらかじめ法人継続の手続が必要
  • 221条:確定した破産債権は破産者に対し確定判決と同一の効力を持つが、破産者側が異議を述べた場合は適用されない
  • 216条6項:同時廃止決定を取り消す決定が確定した場合は31条・32条を準用
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破産手続の終了

破産手続の終了について、条文は何を定めているか。

第216条破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定財団が費用不足なら開始と同時に廃止6項・2号判例なし
  • 費用を支弁できる予納があれば廃止決定はしない
  • 開始決定の主文と廃止決定の主文・理由の要旨を公告し破産者に通知
  • この廃止決定には即時抗告ができ、執行停止の効力はない
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第217条破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定開始後に費用不足が判明したら廃止8項判例なし
  • 管財人の申立てまたは職権で決定、原則債権者集会で意見聴取
  • 相当と認めるときは書面による意見聴取に代えられる
  • 決定は確定しなければ効力を生じず、申立棄却にも即時抗告できる
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第218条破産債権者の同意による破産手続廃止の決定届出債権者全員の同意等で廃止できる5項・2号判例なし
  • 債権届出期間内に届出た破産債権者全員の同意が必要
  • 同意しない債権者には相当な担保を供せば足りる場合がある
  • 未確定の債権を持つ債権者は裁判所の決定で同意不要にできる
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第219条破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定法人は同意廃止の前に継続手続が必要1項判例なし
  • 定款など基本約款の変更手続に従い法人継続の手続をする
  • 218条1項〈破産債権者の同意による破産手続廃止の決定〉の申立てに先立ちあらかじめ行う必要がある
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第220条破産手続終結の決定配当終了などを理由に終結決定をする2項判例 1件
  • 最後配当・簡易配当・同意配当が終了した後に決定
  • 債権者集会の終結または一定期間の経過も要件になる
  • 主文と理由の要旨を公告し破産者に通知する
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第221条破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力終了後も債権者表の記載に効力が残る2項判例 1件
  • 確定した破産債権については破産者に対し確定判決と同一の効力を持つ
  • この効力により破産債権者表の記載で強制執行ができる
  • 破産者側が異議を述べた場合はこの効力は生じない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第220条破産法

1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において,過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときにおける利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項にいう「元本」の額
2 民訴法260条2項の裁判を求める申立ての相手方が破産手続開始の決定を受けた場合における同申立てに係る請求権の破産債権該当性
3 本案請求と民訴法260条2項の申立てに係る請求とが併合されている場合における本案請求に係る部分についてのみの受継又は続行命令の許否
4 訴訟当事者の一方が破産手続開始の決定を受け,破産債権である当該訴訟に係る請求権につき破産債権としての届出がないのに破産管財人に対して違法にされた続行命令の瑕疵が治癒されるとされた事例

裁判要旨1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において,過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときには,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項にいう「元本」の額は,新たな借入金に上記過払金を充当した後の額をいう。
2 民訴法260条2項の裁判を求める申立ての相手方が破産手続開始の決定を受けた場合における同申立てに係る請求権は,破産債権である。
3 本案請求と民訴法260条2項の裁判を求める申立てに係る請求とが併合されている訴訟手続の全部が中断した場合,同申立てについての適法な受継がされないまま,本案請求に係る部分についてのみ,当事者が受継の申立てをし,又は受訴裁判所が続行命令をすることは許されない。
4 訴訟当事者の一方が破産手続開始の決定を受け,破産債権である当該訴訟に係る請求権につき破産債権としての届出がないのに破産管財人に対して訴訟手続の続行命令が違法にされた瑕疵がある場合であっても,当該破産手続が既に終結し,かつ,破産管財人が当事者として関与した訴訟手続が全部勝訴判決の送達を受けたことなどにとどまるという事実関係の下においては,当該瑕疵は治癒される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年7月18日 平成23(受)1948
登載
集民 第244号55頁
参照法条
(1につき)利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項 (2,3につき)民訴法260条2項 (2につき)破産法2条5項 (3,4につき)民訴法129条 (3につき)民訴法124条,民訴法136条 (4につき)破産法100条1項,破産法111条1項,破産法220条
論点2第221条破産法

免責許可の決定の効力が及ばない破産債権であることを理由として当該破産債権が記載された破産債権者表につき執行文付与の訴えを提起することの許否

裁判要旨免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が破産法253条1項各号に掲げる請求権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 平成25(受)419
登載
民集 第68巻4号380頁
参照法条
民事執行法26条,民事執行法27条1項,民事執行法27条2項,民事執行法33条1項,破産法221条,破産法253条1項,破産法253条3項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第216条(破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定) 詳細ページ
(破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定)
第二百十六条裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。
2前項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。
3裁判所は、第一項の規定により破産手続開始の決定と同時に破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。
一破産手続開始の決定の主文
二破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨
4第一項の規定による破産手続廃止の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6第三十一条及び第三十二条の規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定した場合について準用する。
破産法 第217条(破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定) 詳細ページ
(破産手続開始の決定後の破産手続廃止の決定)
第二百十七条裁判所は、破産手続開始の決定があった後、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産管財人の申立てにより又は職権で、破産手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては、裁判所は、債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。
2前項後段の規定にかかわらず、裁判所は、相当と認めるときは、同項後段に規定する債権者集会の期日における破産債権者の意見の聴取に代えて、書面によって破産債権者の意見を聴くことができる。この場合においては、当該意見の聴取を目的とする第百三十五条第一項第二号又は第三号に掲げる者による同項の規定による債権者集会の招集の申立ては、することができない。
3前二項の規定は、破産手続の費用を支弁するのに足りる金額の予納があった場合には、適用しない。
4裁判所は、第一項の規定による破産手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、その裁判書を破産者及び破産管財人に送達しなければならない。
5裁判所は、第一項の申立てを棄却する決定をしたときは、その裁判書を破産管財人に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
6第一項の規定による破産手続廃止の決定及び同項の申立てを棄却する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
7第一項の規定による破産手続廃止の決定を取り消す決定が確定したときは、当該破産手続廃止の決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
8第一項の規定による破産手続廃止の決定は、確定しなければその効力を生じない。
破産法 第218条(破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 詳細ページ
(破産債権者の同意による破産手続廃止の決定)
第二百十八条裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは、破産手続廃止の決定をしなければならない。
一破産手続を廃止することについて、債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。
二前号の同意をしない破産債権者がある場合において、当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。ただし、破産財団から当該担保を供した場合には、破産財団から当該担保を供したことについて、他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。
2前項の規定にかかわらず、裁判所は、まだ確定していない破産債権を有する破産債権者について同項第一号及び第二号ただし書の同意を得ることを要しない旨の決定をすることができる。この場合における同項第一号及び第二号ただし書の規定の適用については、これらの規定中「届出をした破産債権者」とあるのは、「届出をした破産債権者(まだ確定していない破産債権を有する破産債権者であって、裁判所の決定によりその同意を得ることを要しないとされたものを除く。)」とする。
3裁判所は、第一項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。
4届出をした破産債権者は、前項に規定する公告が効力を生じた日から起算して二週間以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。
5前条第四項から第八項までの規定は、第一項の規定による破産手続廃止の決定について準用する。この場合において、同条第五項中「破産管財人」とあるのは、「破産者」と読み替えるものとする。
破産法 第219条(破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定) 詳細ページ
(破産者が法人である場合の破産債権者の同意による破産手続廃止の決定)
第二百十九条法人である破産者が前条第一項の申立てをするには、定款その他の基本約款の変更に関する規定に従い、あらかじめ、当該法人を継続する手続をしなければならない。
破産法 第220条(破産手続終結の決定) 詳細ページ
(破産手続終結の決定)
第二百二十条裁判所は、最後配当、簡易配当又は同意配当が終了した後、第八十八条第四項の債権者集会が終結したとき、又は第八十九条第二項に規定する期間が経過したときは、破産手続終結の決定をしなければならない。
2裁判所は、前項の規定により破産手続終結の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告し、かつ、これを破産者に通知しなければならない。
破産法 第221条(破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力) 詳細ページ
(破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力)
第二百二十一条第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。
2前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。