破産法 / テーマ別まとめ

破産財団の管理/否認権

否認権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産手続開始前に破産者がした行為のうち破産債権者を害するものを、破産管財人が破産財団のために取り戻す「否認権」に関する条文をまとめたものです。詐害行為・偏頗行為(担保供与や弁済)・相当対価を得た財産処分・対抗要件具備行為など否認できる行為の類型と要件、否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁)、行使できる期間の制限までを整理しています。

否認権
否認類型対象行為期間制限主な要件
詐害行為(160条1号)財産を減少させる行為特になし相手方が悪意の場合のみ
支払停止等後の詐害行為(160条2号)支払停止等後の害する行為支払停止等の後相手方が両方を知っていた場合のみ
過大な代物弁済(160条2項)消滅額を超える代物弁済1号又は2号の要件次第超過部分のみ否認できる
無償行為等(160条3項)無償行為・同視される有償行為支払停止等の前後6か月以内要件不要で否認できる
相当対価処分(161条)不動産売却等の換価処分期間の定めなし隠匿意思+相手方の悪意
偏頗行為(162条1号)既存債務への担保供与・弁済支払不能後又は申立て後債権者が支払不能等を知っていた
非義務行為(162条2号)義務にない担保供与・弁済支払不能前30日以内債権者が他害を知っていた場合
対抗要件具備行為(164条)仮登記・登録等の対抗要件具備権利変動から15日経過後支払停止等を知っていた場合
  • 担保の供与又は債務の消滅に関する行為は160条の対象外(162条で規律)
  • 161条2項:役員・親族等は隠匿意思を知っていたと推定される
  • 162条3項:支払の停止から1年以内なら支払不能と推定される
  • 163条:手形の遡求権保持のための支払や租税等・罰金等への担保供与は162条の対象外
  • 166条:申立ての日から1年以上前の行為は支払停止を理由に否認不可(160条3項除く)
  • 176条:開始の日から2年、行為の日から10年経過で否認権は行使不可
1

否認権

否認権について、条文は何を定めているか。

第160条破産債権者を害する行為の否認財産を減らす行為や偏った弁済を否認できる3項・2号判例なし
  • 破産者が害すると知ってした行為は否認できる
  • 支払停止等の後にした害する行為も否認対象
  • 支払停止等の前後6か月以内の無償行為も否認できる
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第161条相当の対価を得てした財産の処分行為の否認相当な対価を得た処分でも財産隠しの意図があれば否認2項・6号判例なし
  • 対価を隠す意図+相手方の悪意が要件
  • 換価などで隠匿のおそれを生じさせた場合が対象
  • 役員・親族等は悪意を知っていたと推定される
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第162条特定の債権者に対する担保の供与等の否認偏った担保提供・弁済(偏頗行為)を否認できる3項・4号判例 5件
  • 支払不能後又は申立て後の担保供与・弁済が対象
  • 義務によらない行為は支払不能前30日以内も対象
  • 支払停止から1年以内なら支払不能と推定される
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第163条手形債務支払の場合等の例外手形の遡求権保持や租税等への担保は例外3項判例なし
  • 手形の支払で遡求権を失う場合、162条〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉は適用外
  • 振出委託者等が悪意・過失なら管財人が償還請求可
  • 租税等・罰金等への担保供与等も162条〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉の対象外
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第164条権利変動の対抗要件の否認対抗要件を後から備える行為も否認できる2項判例なし
  • 権利変動から15日経過後に支払停止等を知って具備
  • 仮登記・仮登録や登録にも適用される
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第165条執行行為の否認強制執行に基づく行為でも否認は可能1項判例なし
  • 執行力ある債務名義があっても否認を妨げない
  • 執行行為に基づく行為も否認の対象になる
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第166条支払の停止を要件とする否認の制限1年より前の行為は支払停止を理由に否認不可1項判例 1件
  • 申立ての日から1年以上前の行為が対象
  • 160条3項〈破産債権者を害する行為の否認〉の無償行為等はこの制限を受けない
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第167条否認権行使の効果否認が認められると財産は原状に戻る2項判例なし
  • 否認権行使で破産財団は原状に復する
  • 160条3項〈破産債権者を害する行為の否認〉の無償行為は善意の相手方なら現存利益の償還で足りる
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第168条破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等否認された相手方が反対給付を取り戻す仕組み4項・5号判例なし
  • 反対給付が現存すれば返還請求権を持つ
  • 現存しなければ財団債権として価額償還を請求できる
  • 相手方が悪意なら現存利益のみ財団債権、残りは破産債権
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第169条相手方の債権の回復担保・弁済を返せば相手方の債権は復活する1項判例なし
  • 162条1項〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉の行為が否認され給付を返還・償還した場合が対象
  • 相手方の債権は原状に復する
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第170条転得者に対する否認権転得者にも否認権を行使できる場合がある2項・3号判例なし
  • 転得者が転得時に害することを知っていた場合が対象
  • 転得者が役員等や親族等でも対象(善意なら除く)
  • 無償・同視される有償行為での転得は常に対象
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第170_2条破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等転得者の反対給付にも168条〈破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等〉と同様の権利5項判例なし
  • 転得者も反対給付の現存有無で返還・償還を請求できる
  • 権利行使は自分がした反対給付等の価額が上限
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第170_3条相手方の債権に関する転得者の権利転得者が返還すれば相手方の債権も復活する1項判例なし
  • 転得者が給付を返還・償還すれば相手方の債権を行使できる
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第171条否認権のための保全処分否認権を守るため裁判所が保全処分を命じる7項判例なし
  • 開始決定までの間、仮差押え等を命じられる
  • 担保を立てさせるかどうかは裁判所の裁量
  • 保全処分の裁判には即時抗告ができる(執行停止効なし)
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第172条保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い開始決定後は管財人が保全処分を引き継ぐ4項判例なし
  • 管財人は保全処分に係る手続を続行できる
  • 開始決定から1か月以内に続行しないと効力を失う
  • 財団外の財産による担保は財団財産の担保に変換が必要
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第173条否認権の行使否認権は訴え・請求・抗弁で管財人が行使する2項判例なし
  • 訴え、否認の請求、抗弁のいずれかで行使する
  • 訴え・否認の請求事件は破産裁判所が管轄する
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第174条否認の請求否認の請求には原因事実の疎明が必要5項判例なし
  • 請求時に否認の原因となる事実を疎明する
  • 認容・棄却は理由を付した決定で行われる
  • 決定前に相手方・転得者の審尋が必要
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第175条否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え認容決定に不服なら1か月以内に異議の訴え6項判例なし
  • 送達日から1か月の不変期間内に提起する
  • 判決で決定を認可・変更・取消のいずれかとする
  • 認可判決の確定で決定は確定判決と同じ効力を持つ
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第176条否認権行使の期間否認権には行使できる期間の制限がある1項判例なし
  • 開始の日から2年経過で行使できなくなる
  • 行為の日から10年経過でも同様に行使できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第162条破産法

破産管財人は建物保護ニ関スル法律第一条〈目的〉の第三者にあたるか

裁判要旨破産者から建物所有の目的で土地を賃借した者に対する関係で、破産管財人は、建物保護ニ関スル法律第一条〈目的〉の第三者にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年2月16日 昭和46(オ)851
登載
集民 第108号215頁
参照法条
破産法157条,破産法162条,破産法185条,建物保護ニ関スル法律1条
論点2第162条破産法

破産管財人は民法第一七七条および信託法第三条の第三者にあたるか。

裁判要旨破産者と信託契約をした者に対する関係で、破産管財人は、民法第一七七条および信託法第三条の第三者にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年7月30日 昭和36(オ)153
登載
集民 第67号175頁
参照法条
破産法157条,破産法162条,破産法185条,民法177条,信託法3条
論点3第162条破産法

破産終結後における破産者の財産に関する訴訟と破産管財人の被告適格

裁判要旨破産手続が終結した後における破産者の財産に関する訴訟については、当該財産が破産財団を構成し得るものであったとしても、追加配当を予定すべき特段の事情がない限り、破産管財人は被告適格を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年6月25日 平成3(オ)1334
登載
民集 第47巻6号4557頁
参照法条
破産法162条,破産法283条1項
論点4第162条破産法

第三債務者が差押債務者に対する弁済後に差押債権者に対してした更なる弁済は,差押債務者が破産手続開始の決定を受けた場合,破産法162条1項〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉の規定による否認権行使の対象となるか

裁判要旨債権差押命令の送達を受けた第三債務者が,差押債権につき差押債務者に対して弁済をし,差押債権者に対して更に弁済をした後,差押債務者が破産手続開始の決定を受けた場合,後者の弁済は,破産法162条1項〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉の規定による否認権行使の対象とならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 平成28(受)1797
登載
集民 第257号29頁
参照法条
破産法162条1項,民法481条1項
論点5第162条破産法

債務者の代理人である弁護士が債権者一般に対して債務整理開始通知を送付した行為が破産法162条1項1号イ及び3項にいう「支払の停止」に当たるとされた事例

裁判要旨債務者の代理人である弁護士が債権者一般に対して債務整理開始通知を送付した行為は,?上記通知に,上記債務者が自らの債務整理を弁護士に委任した旨並びに当該弁護士が債権者一般に宛てて上記債務者,その家族及び保証人への連絡及び取立て行為の中止を求める旨の各記載がされていたこと,?上記債務者が単なる給与所得者であり広く事業を営む者ではないことなど判示の事情の下においては,上記通知に上記債務者が自己破産を予定している旨が明示されていなくても,破産法162条1項1号イ〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。〉及び3項にいう「支払の停止」に当たる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年10月19日 平成23(受)462
登載
集民 第241号199頁
参照法条
破産法162条1項1号イ,破産法162条3項
論点6第166条破産法

1 弁護士である破産管財人は,自らの報酬の支払について,所得税法204条1項2号所定の源泉徴収義務を負うか
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たるか
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当について,同条所定の源泉徴収義務を負うか

裁判要旨1 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負う。
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たる。
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月14日 平成20(行ツ)236
登載
民集 第65巻1号1頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法6条 (1,2につき)所得税法204条1項2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)166条,破産法87条1項 (2につき)旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条3号,破産法148条1項2号 (3につき)所得税法30条1項,所得税法199条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)256条,破産法193条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第160条(破産債権者を害する行為の否認) 詳細ページ
(破産債権者を害する行為の否認)
第百六十条次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
二破産者が支払の停止又は破産手続開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした破産債権者を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2破産者がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、破産手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、破産財団のために否認することができる。
3破産者が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
破産法 第161条(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 詳細ページ
(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)
第百六十一条破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
一破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者
二破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者
イ破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
ロ破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人
ハ株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者
三破産者の親族又は同居者
破産法 第162条(特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 詳細ページ
(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
第百六十二条次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
イ当該行為が支払不能になった後にされたものである場合支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合破産手続開始の申立てがあったこと。
二破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
一債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合
二前項第一号に掲げる行為が破産者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合
3第一項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。
破産法 第163条(手形債務支払の場合等の例外) 詳細ページ
(手形債務支払の場合等の例外)
第百六十三条前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。
3前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。
破産法 第164条(権利変動の対抗要件の否認) 詳細ページ
(権利変動の対抗要件の否認)
第百六十四条支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後支払の停止等のあったことを知ってしたものであるときは、破産手続開始後、破産財団のためにこれを否認することができる。ただし、当該仮登記又は仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいて本登記又は本登録をした場合は、この限りでない。
2前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。
破産法 第165条(執行行為の否認) 詳細ページ
(執行行為の否認)
第百六十五条否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行使することを妨げない。
破産法 第166条(支払の停止を要件とする否認の制限) 詳細ページ
(支払の停止を要件とする否認の制限)
第百六十六条破産手続開始の申立ての日から一年以上前にした行為(第百六十条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。
破産法 第167条(否認権行使の効果) 詳細ページ
(否認権行使の効果)
第百六十七条否認権の行使は、破産財団を原状に復させる。
2第百六十条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び破産債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。
破産法 第168条(破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 詳細ページ
(破産者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)
第百六十八条第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
一破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存する場合当該反対給付の返還を請求する権利
二破産者の受けた反対給付が破産財団中に現存しない場合財団債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
2前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
一破産者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が破産財団中に現存する場合財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利
二破産者の受けた反対給付によって生じた利益が破産財団中に現存しない場合破産債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
三破産者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が破産財団中に現存する場合財団債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び破産債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利
3前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
4破産管財人は、第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により財団債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。
破産法 第169条(相手方の債権の回復) 詳細ページ
(相手方の債権の回復)
第百六十九条第百六十二条第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。
破産法 第170条(転得者に対する否認権) 詳細ページ
(転得者に対する否認権)
第百七十条次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。
一転得者が転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知っていたとき。
二転得者が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、破産者がした行為が破産債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
三転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。
2第百六十七条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。
破産法 第170_2条(破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 詳細ページ
(破産者の受けた反対給付に関する転得者の権利等)
第百七十条の二破産者がした第百六十条第一項若しくは第三項又は第百六十一条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百六十八条第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、同項第一号に掲げる場合において、破産者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、財団債権者として破産者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。
2前項の規定にかかわらず、第百六十八条第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、破産者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が破産者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
3前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百六十一条第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、破産者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
4第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。
5破産管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百六十七条第一項の規定により破産財団に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により財団債権となる額(第百六十八条第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、破産者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。
破産法 第170_3条(相手方の債権に関する転得者の権利) 詳細ページ
(相手方の債権に関する転得者の権利)
第百七十条の三破産者がした第百六十二条第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百六十九条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第四項の規定を準用する。
破産法 第171条(否認権のための保全処分) 詳細ページ
(否認権のための保全処分)
第百七十一条裁判所は、破産手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。
3裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
4第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
7前各項の規定は、破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十三条第一項の即時抗告があった場合について準用する。
破産法 第172条(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 詳細ページ
(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)
第百七十二条前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、破産手続開始の決定があったときは、破産管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。
2破産管財人が破産手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。
3破産管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が破産財団に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を破産財団に属する財産による担保に変換しなければならない。
4民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により破産管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。
破産法 第173条(否認権の行使) 詳細ページ
(否認権の行使)
第百七十三条否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する。
2前項の訴え及び否認の請求事件は、破産裁判所が管轄する。
破産法 第174条(否認の請求) 詳細ページ
(否認の請求)
第百七十四条否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
2否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。
3裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。
4否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5否認の請求の手続は、破産手続が終了したときは、終了する。
破産法 第175条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 詳細ページ
(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)
第百七十五条否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2前項の訴えは、破産裁判所が管轄する。
3第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。
4第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。
5第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
6第一項の訴えに係る訴訟手続は、破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、終了する。
破産法 第176条(否認権行使の期間) 詳細ページ
(否認権行使の期間)
第百七十六条否認権は、破産手続開始の日から二年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。
出

一次情報

原文ママ

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