会社法 / テーマ別まとめ

非訟/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社法上の非訟事件について、どの裁判所が扱うか、どんな手続を経るか、不服を申し立てられるかをまとめて定めた総則規定です。会社の本店所在地の地方裁判所が原則の管轄となり、申立てに必要な疎明、裁判前の陳述聴取、理由の付記、即時抗告や不服申立ての可否といった共通ルールが置かれています。許可申立てや価格決定の申立てを行う実務担当者が、申立先や手続の流れを確認する際の基本となります。

総則
場面定めの内容
管轄(原則)会社の本店所在地の地方裁判所
管轄(特殊な申立て)対象会社等の所在地ごとに個別指定
疎明許可申立ては原因事実の疎明が必要
陳述聴取対象者の陳述を聴く(却下時除く)
審問期日一部の裁判は審問期日で聴取
申立書の写し送付対象者へ送付、不備は補正命令
理由の付記裁判に理由を付す(一部除外)
即時抗告対象裁判ごとに抗告権者を限定
執行停止即時抗告に執行停止効(一部除外)
不服申立ての制限一部の裁判は不服申立て不可
  • 親会社社員による閲覧等許可の申立ては対象株式会社の本店所在地が管轄。
  • 売渡株式等の売買価格決定の申立ては対象会社の本店所在地が管轄。
  • 社債に関する一定の裁判の申立ては社債発行会社の本店所在地が管轄。
  • 外国会社の清算等に関する事件は日本の営業所所在地(ないときは代表者の住所地)が管轄。
  • 第843条第4項の申立ては、行為の無効の訴えの第一審受訴裁判所の管轄。
  • 陳述聴取・理由の付記・即時抗告・不服申立て制限は、裁判の種類ごとに条文で個別に列挙されている(表は代表例)。
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第868条非訟事件の管轄非訟事件は会社の本店所在地の地裁が管轄6項・2号判例なし
  • 原則は会社の本店所在地を管轄する地方裁判所が扱う
  • 親会社社員による閲覧等許可の申立ては対象株式会社の本店所在地が管轄
  • 売買価格決定・社債関係・外国会社清算等は個別に管轄が定まる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第869条疎明許可申立てには原因事実の疎明が必要1項判例なし
  • この法律の許可を求める申立てでは、その原因となる事実を疎明する必要がある
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第870条陳述の聴取裁判前に対象者の陳述を聴く2項・17号判例なし
  • 一時取締役や検査役の報酬額決定など列挙された裁判では対象者の陳述を聴く(却下時除く)
  • 閲覧等許可や価格決定など一部の裁判は審問期日を開いて申立人と対象者の陳述を聴く
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第870_2条申立書の写しの送付等審問対象者へ申立書の写しを送付8項判例なし
  • 870条2項〈陳述の聴取〉の裁判の申立てがあれば対象者へ申立書の写しを送付する
  • 写しを送れない場合、裁判長は期間を定めて補正を命じ、不備が直らなければ却下する
  • 審理終結日と裁判をする日はあらかじめ申立人と対象者に告知する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第871条理由の付記非訟事件の裁判には理由を付す1項・2号判例なし
  • 非訟事件についての裁判には原則として理由を付さなければならない
  • 一時取締役等の報酬額決定の裁判と第874条〈不服申立ての制限〉各号の裁判には理由の付記は不要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第872条即時抗告特定の裁判には即時抗告ができる1項・5号判例なし
  • 保全処分についての裁判には利害関係人が即時抗告できる
  • 一定の申立てについての裁判には申立人・株主・株式会社などが抗告できる
  • 870条1項〈陳述の聴取〉・2項各号の裁判には申立人と各号に定める者が抗告できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第872_2条抗告状の写しの送付等即時抗告があれば抗告状の写しを送付2項判例なし
  • 870条2項〈陳述の聴取〉各号の裁判に対する即時抗告があれば申立人と対象者へ抗告状の写しを送付する
  • 送付できない場合の補正命令や、審理終結・裁判日の告知も870条の2〈申立書の写しの送付等〉の規定を準用する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第873条原裁判の執行停止即時抗告には執行停止の効力がある1項判例なし
  • 872条〈即時抗告〉の即時抗告は原則として執行停止の効力を持つ
  • 870条1項1号〈陳述の聴取 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者〉〜4号・8号の裁判への抗告には執行停止の効力はない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第874条不服申立ての制限一部の裁判には不服申立てができない1項・4号判例なし
  • 一時取締役や検査役等の選任・解任の裁判には不服を申し立てられない
  • 管理人の選任・解任についての裁判にも不服を申し立てられない
  • 許可の申立てを認める裁判(一部の例外を除く)にも不服を申し立てられない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第875条非訟事件手続法の規定の適用除外非訟事件手続法の一部規定は適用しない1項判例なし
  • 非訟事件手続法第40条と第57条2項2号〈設立時発行株式を引き受ける者の募集〉の規定はこの法律の非訟事件には適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第876条最高裁判所規則手続の細目は最高裁判所規則で定める1項判例なし
  • この法律に定めるほか、非訟事件手続の必要事項は最高裁判所規則で定める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第868条(非訟事件の管轄) 詳細ページ
(非訟事件の管轄)
第八百六十八条この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
2親会社社員(会社である親会社の株主又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本若しくは抄本の交付、事項の提供又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
一当該書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付
二当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧若しくは謄写又は電磁的方法による当該事項の提供若しくは当該事項を記載した書面の交付
3第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
4第七百五条第四項及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条並びに第七百十四条第一項及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
5第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
6第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。
会社法 第869条(疎明) 詳細ページ
(疎明)
第八百六十九条この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。
会社法 第870条(陳述の聴取) 詳細ページ
(陳述の聴取)
第八百七十条裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
一第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者
二清算人、社債管理者又は社債管理補助者の解任についての裁判当該清算人、社債管理者又は社債管理補助者
三第三十三条第七項の規定による裁判設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者及び同条第二号の譲渡人
四第二百七条第七項又は第二百八十四条第七項の規定による裁判当該株式会社及び第百九十九条第一項第三号又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者
六第四百五十六条又は第五百六条の規定による裁判当該株主
七第七百三十二条の規定による裁判利害関係人
八第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判社債を発行した会社
九第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判社債を発行した会社
十第八百二十四条第一項の規定による裁判当該会社
十一第八百二十七条第一項の規定による裁判当該外国会社
2裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
一この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判当該株式会社
二第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項の規定による株式又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
三第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
四第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定当該株式会社
五第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定特別支配株主
六第八百四十三条第四項の申立てについての裁判同項に規定する行為をした会社
会社法 第870_2条(申立書の写しの送付等) 詳細ページ
(申立書の写しの送付等)
第八百七十条の二裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。
2前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。
3前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。
4前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
5裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。
6裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。
7裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。
8前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。
会社法 第871条(理由の付記) 詳細ページ
(理由の付記)
第八百七十一条この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。
二第八百七十四条各号に掲げる裁判
会社法 第872条(即時抗告) 詳細ページ
(即時抗告)
第八百七十二条次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。
一第六百九条第三項又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判利害関係人
二第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判申立人、株主及び株式会社
三第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判申立人、新株予約権者及び株式会社
四第八百七十条第一項各号に掲げる裁判申立人及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者)
五第八百七十条第二項各号に掲げる裁判申立人及び当該各号に定める者
会社法 第872_2条(抗告状の写しの送付等) 詳細ページ
(抗告状の写しの送付等)
第八百七十二条の二裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。この場合においては、第八百七十条の二第二項及び第三項の規定を準用する。
2第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。
会社法 第873条(原裁判の執行停止) 詳細ページ
(原裁判の執行停止)
第八百七十三条第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。
会社法 第874条(不服申立ての制限) 詳細ページ
(不服申立ての制限)
第八百七十四条次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
一第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者若しくは社債管理補助者の特別代理人又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者若しくは社債管理補助者の選任又は選定の裁判
二第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任又は解任についての裁判
三第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判
四この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。)
会社法 第875条(非訟事件手続法の規定の適用除外) 詳細ページ
(非訟事件手続法の規定の適用除外)
第八百七十五条この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。
会社法 第876条(最高裁判所規則) 詳細ページ
(最高裁判所規則)
第八百七十六条この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。