会社法 / テーマ別まとめ

組織変更

株式会社と持分会社の間で会社の種類を変える。総株主の同意が要る場面。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

組織変更とは、株式会社が持分会社(合名会社・合資会社・合同会社のいずれか)になる、またはその逆で持分会社が株式会社になる手続をいう。会社の種類を変えるだけで法人格は同一のまま存続するが、計画の作成、株主・社員全員の同意、債権者への異議手続といった重い手続が必要になる。ここでは株式会社→持分会社と持分会社→株式会社の2方向を、計画の記載事項・同意の要件・債権者異議手続の3点で対比する。

組織変更:2方向の対比
項目株式会社→持分会社持分会社→株式会社
計画の記載事項社員の責任・出資額等を記載取締役等の氏名・株式数を記載
同意の要件総株主の同意が必須総社員の同意が原則必要
債権者異議手続官報公告と催告、1か月以上の期間株式会社と同様の手続
  • 持分会社が組織変更をする場合、定款に別段の定めがあれば総社員の同意は不要になる
  • 債権者が異議を述べたときは、弁済・担保提供・信託のいずれかの対応が必要(債権者を害するおそれがなければ不要)
  • 公告方法を官報以外の定款所定の方法にしていれば、債権者への個別催告は省略できる
  • 登録株式質権者・登録新株予約権質権者には効力発生日の20日前までに通知が必要(公告で代替可)
  • 債権者異議手続が終わっていない場合や組織変更を中止した場合、効力発生等の効果は生じない
1

計画をつくる

組織変更計画の記載事項

第743条組織変更計画の作成組織変更には計画書の作成が必須1項判例なし
  • 会社は株式会社と持分会社の間で組織変更ができる
  • 組織変更をする場合は必ず組織変更計画を作成する
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第744条株式会社の組織変更計画株式会社→持分会社の計画で決めること4項・9号判例なし
  • 合名・合資・合同会社のどれになるかを定める
  • 社員ごとの氏名・住所・出資額・責任の別を定める
  • 効力発生日を計画に定める
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第746条持分会社の組織変更計画持分会社→株式会社の計画で決めること2項・9号判例なし
  • 目的・商号・本店・発行可能株式総数を定める
  • 取締役の氏名や社員が取得する株式数を定める
  • 効力発生日を計画に定める
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2

同意を得る

総株主・総社員の同意

第776条株式会社の組織変更計画の承認等株式会社は総株主の同意が必要3項判例なし
  • 効力発生日の前日までに総株主の同意を得る
  • 登録株式質権者・登録新株予約権質権者には20日前までに通知
  • 通知は公告で代えることができる
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第781条持分会社は総社員の同意が原則必要2項判例なし
  • 効力発生日の前日までに総社員の同意を得る
  • 定款に別段の定めがあれば同意は不要になる
  • 株式会社側の規定を読み替えて準用する
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3

債権者に知らせる

異議手続と効力発生

第779条債権者の異議債権者は異議を述べられる5項・3号判例なし
  • 官報公告と、知れている債権者への個別催告が必要
  • 異議を述べられる期間は1か月を下ることができない
  • 異議が出れば弁済・担保提供・信託のいずれかが必要
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第781条持分会社は総社員の同意が原則必要2項判例なし
  • 効力発生日の前日までに総社員の同意を得る
  • 定款に別段の定めがあれば同意は不要になる
  • 株式会社側の規定を読み替えて準用する
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第745条株式会社の組織変更の効力の発生等効力発生日に持分会社となり株主は社員になる6項判例なし
  • 効力発生日に株式会社は持分会社になる
  • 株主は効力発生日に持分会社の社員になる
  • 新株予約権は効力発生日に消滅する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第743条(組織変更計画の作成) 詳細ページ
(組織変更計画の作成)
第七百四十三条会社は、組織変更をすることができる。この場合においては、組織変更計画を作成しなければならない。
会社法 第744条(株式会社の組織変更計画) 詳細ページ
(株式会社の組織変更計画)
第七百四十四条株式会社が組織変更をする場合には、当該株式会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一組織変更後の持分会社(以下この編において「組織変更後持分会社」という。)が合名会社、合資会社又は合同会社のいずれであるかの別
二組織変更後持分会社の目的、商号及び本店の所在地
三組織変更後持分会社の社員についての次に掲げる事項
イ当該社員の氏名又は名称及び住所
ロ当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
ハ当該社員の出資の価額
四前二号に掲げるもののほか、組織変更後持分会社の定款で定める事項
五組織変更後持分会社が組織変更に際して組織変更をする株式会社の株主に対してその株式に代わる金銭等(組織変更後持分会社の持分を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
イ当該金銭等が組織変更後持分会社の社債であるときは、当該社債の種類(第百七条第二項第二号ロに規定する社債の種類をいう。以下この編において同じ。)及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ当該金銭等が組織変更後持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
六前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の株主(組織変更をする株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
七組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、組織変更後持分会社が組織変更に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる金銭の額又はその算定方法
八前号に規定する場合には、組織変更をする株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の金銭の割当てに関する事項
九組織変更がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)
2組織変更後持分会社が合名会社であるときは、前項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を定めなければならない。
3組織変更後持分会社が合資会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を定めなければならない。
4組織変更後持分会社が合同会社であるときは、第一項第三号ロに掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を定めなければならない。
会社法 第746条(持分会社の組織変更計画) 詳細ページ
(持分会社の組織変更計画)
第七百四十六条持分会社が組織変更をする場合には、当該持分会社は、組織変更計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一組織変更後の株式会社(以下この条において「組織変更後株式会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
二前号に掲げるもののほか、組織変更後株式会社の定款で定める事項
三組織変更後株式会社の取締役の氏名
四次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項
イ組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称
ロ組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合組織変更後株式会社の監査役の氏名
ハ組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称
五組織変更をする持分会社の社員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
六組織変更をする持分会社の社員に対する前号の株式の割当てに関する事項
七組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする持分会社の社員に対してその持分に代わる金銭等(組織変更後株式会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
イ当該金銭等が組織変更後株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ当該金銭等が組織変更後株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
ニ当該金銭等が組織変更後株式会社の社債等(社債及び新株予約権をいう。以下この編において同じ。)以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
八前号に規定する場合には、組織変更をする持分会社の社員に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
九効力発生日
2組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項第三号に掲げる事項は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して定めなければならない。
会社法 第776条(株式会社の組織変更計画の承認等) 詳細ページ
(株式会社の組織変更計画の承認等)
第七百七十六条組織変更をする株式会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該株式会社の総株主の同意を得なければならない。
2組織変更をする株式会社は、効力発生日の二十日前までに、その登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対し、組織変更をする旨を通知しなければならない。
3前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
会社法 第781条 詳細ページ
第七百八十一条組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2第七百七十九条(第二項第二号を除く。)及び前条の規定は、組織変更をする持分会社について準用する。この場合において、第七百七十九条第三項中「組織変更をする株式会社」とあるのは「組織変更をする持分会社(合同会社に限る。)」と、前条第三項中「及び第七百四十五条」とあるのは「並びに第七百四十七条及び次条第一項」と読み替えるものとする。
会社法 第779条(債権者の異議) 詳細ページ
(債権者の異議)
第七百七十九条組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。
2組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。
一組織変更をする旨
二組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの
三債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
4債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。
5債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
会社法 第745条(株式会社の組織変更の効力の発生等) 詳細ページ
(株式会社の組織変更の効力の発生等)
第七百四十五条組織変更をする株式会社は、効力発生日に、持分会社となる。
2組織変更をする株式会社は、効力発生日に、前条第一項第二号から第四号までに掲げる事項についての定めに従い、当該事項に係る定款の変更をしたものとみなす。
3組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、前条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従い、組織変更後持分会社の社員となる。
4前条第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、組織変更をする株式会社の株主は、効力発生日に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同項第五号イの社債の社債権者となる。
5組織変更をする株式会社の新株予約権は、効力発生日に、消滅する。
6前各項の規定は、第七百七十九条の規定による手続が終了していない場合又は組織変更を中止した場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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