この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又はその実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- 社債管理者が弁済を受けた場合、社債権者はその社債管理者に対し社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。
- 社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は社債券と引換えに償還額の支払を、利札と引換えに利息の支払を請求しなければならない。
- この償還額及び利息の支払請求権は、行使することができる時から十年間行使しないときは時効によって消滅する。
- 社債管理者は、管理の委託を受けた社債につき権限行使に必要があるときは、裁判所の許可を得て社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
第705条 社債管理者の権限等
原文解釈横スクロールできます| 項 | 主体 | 行為・請求の内容 | 要件・条件 |
|---|---|---|---|
| 第1項 | 社債管理者 | 社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限 | ― |
| 第2項前段 | 社債権者 | 社債管理者に対する社債の償還額及び利息の支払請求 | 社債管理者が前項の弁済を受けた場合 |
| 第2項後段 | 社債権者 | 社債券と引換えに償還額の支払を、利札と引換えに利息の支払を請求 | 社債券を発行する旨の定めがあるとき |
| 第3項 | 前項前段の請求権 | 時効による消滅 | 行使することができる時から十年間行使しないとき |
| 第4項 | 社債管理者 | 社債発行会社の業務及び財産の状況の調査 | その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるとき、かつ裁判所の許可を得たとき |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法債券償還等請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成26(受)949
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成28年6月2日 破棄自判
- 登載
- 民集 第70巻5号1157頁
- 参照法条
- 民訴法第1編第3章 当事者,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)309条1項,会社法705条1項
- 判示事項
- 外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき,当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすものとして原告適格を有するとされた事例
裁判要旨外国国家Yが発行したいわゆるソブリン債である円建て債券に係る償還等請求訴訟について,当該債券の管理会社であるXらは,次の⑴~⑷など判示の事情の下では,当該債券の債権者Aらのための任意的訴訟担当の要件を満たし,原告適格を有する。
⑴ XらとYとの間において,Xらが債券の管理会社として,Aらのために当該債券に基づく弁済を受け,又は債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する旨の条項を含む管理委託契約が締結された。
⑵ 上記⑴の授権に係る条項は,Xら,Y及びAらの間の契約関係を規律する「債券の要項」の内容を構成し,Aらに交付される目論見書等にも記載されていた。
⑶ 当該債券は多数の一般公衆に対して発行される点で社債に類似するところ,上記⑴の授権に係る条項を設けるなどしてXらに訴訟追行権を認める仕組みは,社債に関する商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)の規定に倣ったものである。
⑷ Xらは,いずれも銀行であって銀行法に基づく規制や監督に服するとともに,上記⑴の管理委託契約上,Aらに対して公平誠実義務や善管注意義務を負うものとされている。
⑴ XらとYとの間において,Xらが債券の管理会社として,Aらのために当該債券に基づく弁済を受け,又は債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する旨の条項を含む管理委託契約が締結された。
⑵ 上記⑴の授権に係る条項は,Xら,Y及びAらの間の契約関係を規律する「債券の要項」の内容を構成し,Aらに交付される目論見書等にも記載されていた。
⑶ 当該債券は多数の一般公衆に対して発行される点で社債に類似するところ,上記⑴の授権に係る条項を設けるなどしてXらに訴訟追行権を認める仕組みは,社債に関する商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)の規定に倣ったものである。
⑷ Xらは,いずれも銀行であって銀行法に基づく規制や監督に服するとともに,上記⑴の管理委託契約上,Aらに対して公平誠実義務や善管注意義務を負うものとされている。
実務注記
原文解釈- 社債券発行の定めがある場合の引換え請求社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は社債券と引換えに償還額の支払を、利札と引換えに利息の支払を請求しなければならない。
- 請求権の時効期間第2項前段の請求権は、行使することができる時から十年間行使しないときは時効によって消滅する。
- 調査には裁判所の許可が必要社債管理者が社債発行会社の業務及び財産の状況を調査するには、裁判所の許可を得なければならない。
- 調査の必要性要件調査は、管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要がある場合に限られる。
- 権限行使の目的限定社債管理者の第一項の権限は、社債権者のためにする弁済の受領又は債権実現の保全を目的とする行為に限られる。
条文原文
原文ママ会社法 第705条(社債管理者の権限等)
(社債管理者の権限等)
第七百五条社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2社債管理者が前項の弁済を受けた場合には、社債権者は、その社債管理者に対し、社債の償還額及び利息の支払を請求することができる。この場合において、社債券を発行する旨の定めがあるときは、社債権者は、社債券と引換えに当該償還額の支払を、利札と引換えに当該利息の支払を請求しなければならない。
3前項前段の規定による請求権は、これを行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
4社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき第一項の行為をするために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第705条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。