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特別清算の手続に関する特則/通則

通則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

特別清算の手続に関する特則(通則)は、会社法第八百七十九条から第八百八十七条までに定められ、通常清算の規定を補う形で、特別清算に固有のルールを定めている。具体的には、事件を扱う裁判所の決め方、決定への不服申立てや理由の付記、送達・公告のやり方、利害関係人による事件書類の閲覧等について規定している。実務担当者は、通常清算と異なり閲覧制限や即時抗告の可否が条文で個別に定められている点を押さえておく必要がある。

通則
項目内容条文
管轄親法人の管轄地裁でも申立て可879条
通常清算との関係特別清算裁判所に一本化880条
疎明許可申立てに疎明規定を適用せず881条
理由の付記即時抗告可能な決定は理由必須882条
送達民訴の公示送達規定を準用883条
不服申立て特別の定めがある場合のみ即時抗告884条
公告官報公告、翌日から効力885条
文書閲覧利害関係人が閲覧等を請求可886条
支障部分の制限著しい支障があれば閲覧等制限887条
  • 特別清算開始の申立ては、親法人が議決権の過半数を持つ子会社・孫会社についても親法人の事件係属地裁にできる(879条2項・4項)。
  • 疎明規定の適用除外は、通常清算の許可申立て(547条3項の許可を除く)についてのもの(881条)。
  • 理由付記の例外は、526条1項・2項準用及び532条1項・534条準用の決定(882条1項ただし書)。
  • 即時抗告は、この節に別段の定めがない限り執行停止の効力を持つ(884条2項)。
  • 文書等の閲覧等は、特別清算開始前は一定の命令・保全処分・処分・裁判があるまで請求できない(申立人を除く、886条4項)。
  • 支障部分の閲覧等制限の対象は、520条・522条1項の調査結果報告書、535条1項・536条1項の許可申立て書類に限られる(887条1項)。
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通則

通則について、条文は何を定めているか。

第879条特別清算事件の管轄親会社の裁判所でも申立てできる4項判例なし
  • 親法人の議決権が過半数なら子会社の申立ては親法人の地裁でも可
  • 親法人と子会社が合わせて過半数を持つ孫会社にも同様の管轄が及ぶ
  • 連結計算書類を作成・報告した場合も親会社側地裁への申立てが可能
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第880条特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送開始後は通常清算事件も同じ裁判所へ2項判例なし
  • 特別清算開始の命令後、通常清算事件は特別清算裁判所が管轄する
  • 他の地裁に通常清算事件がある場合、職権で特別清算裁判所へ移送できる
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第881条疎明通常清算の許可申立てに疎明規定は適用しない1項判例なし
  • 通常清算の許可申立て(547条3項〈債権者による招集の請求〉の許可を除く)に疎明規定(869条〈疎明〉)は適用されない
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第882条理由の付記抗告できる決定には理由を書く必要がある2項判例なし
  • 即時抗告ができる決定には原則として理由を付す必要がある
  • 526条1項〈清算人の報酬等〉・2項準用や532条1項〈監督委員の報酬等〉・534条〈監督委員に関する規定の準用〉準用の決定は理由付記不要
  • 特別清算の決定には理由記載を欠く場合の規定(871条〈理由の付記〉)は適用されない
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第883条裁判書の送達裁判書の送達は民事訴訟法の規定を準用する2項判例なし
  • 特別清算の裁判書送達には民事訴訟法の送達規定を準用する
  • 公示送達は、裁判所書記官が裁判書を保管し交付する旨を掲示場に掲示して行う
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第884条不服申立て即時抗告は条文に定めがある場合だけできる2項判例なし
  • 特別清算の裁判に不服がある利害関係人は、定めがある場合のみ即時抗告できる
  • 即時抗告は、別段の定めがない限り執行停止の効力を持つ
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第885条公告公告は官報に掲載して行う2項判例なし
  • この節の規定による公告は官報に掲載して行う
  • 公告の効力は掲載日の翌日に生じる
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第886条事件に関する文書の閲覧等利害関係人は事件の書類を閲覧・謄写できる5項・2号判例なし
  • 利害関係人は裁判所に提出・作成された文書等の閲覧を書記官に請求できる
  • 謄写、正本・謄本・抄本の交付、証明書の交付も請求できる
  • 特別清算開始前は、一定の命令・処分・裁判があるまで請求できない(申立人を除く)
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第887条支障部分の閲覧等の制限支障が生じる部分は閲覧等を制限できる5項・2号判例なし
  • 報告書等の一部に清算遂行への著しい支障のおそれがあれば閲覧等を限定できる
  • 対象は調査結果の報告書や535条〈清算株式会社の行為の制限〉・536条〈事業の譲渡の制限等〉許可申立て書類に限られる
  • 支障部分の閲覧等制限の取消しは特別清算裁判所に申立てできる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第879条(特別清算事件の管轄) 詳細ページ
(特別清算事件の管轄)
第八百七十九条第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
2前項に規定する株式会社又は親法人及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
3前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。
4第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
会社法 第880条(特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送) 詳細ページ
(特別清算開始後の通常清算事件の管轄及び移送)
第八百八十条第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。
2通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。
会社法 第881条(疎明) 詳細ページ
(疎明)
第八百八十一条第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。
会社法 第882条(理由の付記) 詳細ページ
(理由の付記)
第八百八十二条特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。
2特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。
会社法 第883条(裁判書の送達) 詳細ページ
(裁判書の送達)
第八百八十三条この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百条第二項、第百四条、第三款、第百十一条及び第百十三条を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第百十二条第一項本文中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「裁判所書記官が送達すべき裁判書を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた」と、同項ただし書中「前条の規定による措置を開始した」とあるのは「当該掲示を始めた」と読み替えるものとする。
2前項において準用する民事訴訟法第百十条第一項の規定による公示送達は、裁判所書記官が送達すべき裁判書を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
会社法 第884条(不服申立て) 詳細ページ
(不服申立て)
第八百八十四条特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。
2前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。
会社法 第885条(公告) 詳細ページ
(公告)
第八百八十五条この節の規定による公告は、官報に掲載してする。
2前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
会社法 第886条(事件に関する文書の閲覧等) 詳細ページ
(事件に関する文書の閲覧等)
第八百八十六条利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節若しくは第二節若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。
2利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
3前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
4前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。
一清算株式会社以外の利害関係人第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分又は特別清算開始の申立てについての裁判
二清算株式会社特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判
5非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。
会社法 第887条(支障部分の閲覧等の制限) 詳細ページ
(支障部分の閲覧等の制限)
第八百八十七条次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び清算株式会社に限ることができる。
一第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等
二第五百三十五条第一項又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等
2前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
3支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
4第一項の申立てを却下する決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。